
はじめに
2008年から2015年まで販売された日産ムラーノ(Z51型)は、先代のZ50型に続く2代目モデルです。Z50型は北米市場で高い人気を誇り、日本市場からの要望も強かったため、2代目となるZ51型から本格的に国内投入されました。
シャシーはJ32型ティアナと共通ですが、単なる流用ではなく、ムラーノ独自の存在感を残すために「モダンアート」をテーマにデザイン。重厚感のあるフロントマスクと美しいプレスライン、大柄な車体に高級感あふれる内装を組み合わせることで、他のSUVとは一線を画すラグジュアリーSUVとして仕上げられています。
大柄なボディを持ちながらも、あえて7人乗りは用意せず、すべて5人乗り仕様としたのも特徴のひとつです。広大なリアシートとラゲッジスペースを確保し、余裕ある乗員空間を重視することで「贅沢なSUV」というコンセプトを体現しています。
エンジンは2.5L直列4気筒と3.5L V6の2種類が用意され、いずれもCVT(エクストロニックCVT)を組み合わせています。特に3.5Lモデルは余裕のパワーとスムーズな加速で、高速道路や長距離ドライブに適した快適な走行性能を誇ります。
しかし、販売面ではエクストレイルやデュアリスとのすみ分けが難しく、国産SUVとしてはやや高級志向に振りすぎたこともあり、日本市場では大ヒットに至りませんでした。そのため、2015年を最後に日本での販売は終了し、後継はエクストレイルに統合される形で姿を消しています。
ここからは、そんなムラーノZ51型の「故障傾向」と「中古車選びの注意点」を詳しく見ていきましょう。
目次
ムラーノ Z51型の主な故障傾向
弱点① オルタネーターの故障
Z51ムラーノで比較的多いトラブルがオルタネーターの不具合です。
オルタネーターは発電機としてバッテリーを充電する役割を持ち、これが故障すると電装系に不具合が出てきます。
・バッテリーが頻繁に上がる
・ヘッドライトが暗くなる
・エンジンが不安定になる
といった症状が現れた場合は要注意です。完全に故障すると走行不能になるリスクがあるため、異変を感じたら早めに点検・交換を行うことが大切です。
弱点② エンジン不調
ムラーノは頑丈なエンジンを搭載していますが、経年や走行距離に応じて不調を訴えるケースがあります。
・吹け上がりが悪い
・アイドリングが不安定
・走行中に振動が増える
原因としては、イグニッションコイルやスパークプラグの劣化、ウォーターポンプの異音などが挙げられます。エンジンチェックランプが点灯した際には自己診断に頼らず、必ず整備工場で診てもらいましょう。
弱点③ ラジエーター関連のトラブル
日産車全般に多いのがラジエーター周りの故障です。
ラジエーターファンが壊れると大きな異音が発生するほか、作動しなくなるとオーバーヒートやエアコンの効きの悪化につながります。ラジエーター交換は部品代・工賃ともに高額になりやすいため、購入前に整備履歴を確認しておくと安心です。
弱点④ ウィンドウレギュレターの故障
パワーウィンドウの動作不良も定番のトラブルです。
・ガラスが途中で止まる
・異音がする
・完全に動かなくなる
原因はレギュレター本体の故障やワイヤー切れが多く、部品交換で対応します。また、スイッチ側が故障しているケースもあるため、症状を確認して修理を進める必要があります。
経年劣化による定番の不具合
ムラーノZ51は販売終了からすでに10年以上が経過しており、中古車市場に出回る車両は経年劣化による不具合を抱えている可能性が高いです。
代表的なものを挙げると以下の通りです。
-
エアコンの効きが悪い
-
サスペンションブッシュやブーツの劣化によるグリス漏れ
-
ショックアブソーバーのオイル漏れ・抜け
-
ハブベアリングの異音
-
スターターモーターの故障
-
ウォーターポンプの故障
-
ドアロックアクチュエーターの不具合
-
電動格納ミラーの故障
-
メーターの誤作動
-
ヘッドライトの黄ばみ・曇り
-
トランクダンパーのヘタリ
これらは走行不能に直結するものから快適性が損なわれる程度のものまで幅広く存在します。購入後に予想外の出費がかさむ可能性があるため、事前にチェックしておくと安心です。
ムラーノZ51の故障に備えるには
Z51ムラーノは海外部品を多く使用しているため、国産車の中でも部品の耐久性にバラつきがある印象です。特に電装系や補機類にトラブルが起こりやすいため、定期的な点検を怠らないことが重要です。
・12か月点検を必ず受ける
・消耗部品は早めに交換
・怪しい挙動があればすぐに整備工場へ
この3点を意識することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
中古でムラーノZ51を選ぶ際の注意点
中古車として購入する際は、以下のポイントを確認しましょう。
-
点検整備記録簿が揃っているか
→ 定期点検や修理履歴が明確な車両を選ぶことで、安心して乗ることができます。 -
修復歴車は避ける
→ 大きな事故歴があると、電装トラブルや足回りの歪みに直結します。 -
安すぎる車両は要注意
→ 相場より極端に安い個体は、トラブルを抱えている可能性が高いため慎重に判断しましょう。 -
過度なカスタム車は避ける
→ 電装トラブルや整備性の悪化につながるリスクがあります。

まとめ
日産ムラーノ Z51型は、国内ではややマイナーな存在ながら、高級感のあるSUVとして独自の魅力を持つ一台です。販売終了から年数が経過した今では、中古車市場で非常にリーズナブルな価格帯で取引されており、状態が良い個体でも100万円前後から手に入れることが可能です。
「人と被らないSUVに乗りたい」「高級感と快適性を重視したい」という方には、まさに穴場のモデルといえるでしょう。
ただし、経年劣化や故障リスクを踏まえて、整備記録がしっかりした個体を選び、定期的なメンテナンスを心掛けることが長く乗るためのコツです。










