1. 隠しきれない「失業率」の異様さ
台湾有事が叫ばれる昨今、中国の軍事力ばかりが注目されがちですが、足元の経済、特に若者の状況は危機的です。
■ 衝撃の数字「21.3%」
2023年6月、中国国家統計局は16〜24歳の若年失業率が過去最悪の21.3%に達したと発表しました。単純計算で若者の5人に1人が職がない異常事態です。 さらに不気味なのはその後の対応です。この発表直後、政府は「統計方法の見直し」を理由にデータの公表を数ヶ月間停止。その後、在学中の学生を除外する“見栄えの良い”新計算式で数値を出し直しましたが、それでも14〜15%前後と高止まりしています。
■ 実態は46.5%?
公式発表すら氷山の一角かもしれません。北京大学の教授による試算(当時)では、「求職活動を諦めた若者(寝そべり族)」を含めると、実質的な失業率は46.5%に達していた可能性があると指摘されました。 若者の約半数が社会参加できていないことに。この情報はすぐに削除されたようですが、ネット上では拡散されました。
2. 「寝そべり」から「失望」へ変わる空気
数字の裏には、若者たちの深刻な心理的変化があります。
■ 「専業子供(全職児女)」の急増
就職先が見つからず、実家で親の世話をして小遣いをもらう「専業子供(全職児女)」という言葉が流行語になりました。これは親のスネかじりというより、そうせざるを得ない社会構造の歪みを表しています。
■ 大卒インフレとミスマッチ
2024年の大学卒業生は過去最多の1,179万人に達しました。しかし、景気減速により彼らに見合うホワイトカラーの職が圧倒的に不足しています。 高度な教育を受けた若者が、配達員や単純労働に就かざるを得ない「ミスマッチ」が深刻化しており、これが「どうせ頑張っても無駄だ」という失望、そして共産党体制への潜在的な不満となって蓄積されています。
3. 台湾有事最大のハードル「一人っ子兵士」
国内の不満を逸らすために戦争を始めるリスクが指摘されますが、実はその軍隊自体が大きな爆弾を抱えています。
■ 軍の「70%以上」が一人っ子 過去の報道やデータによると、人民解放軍兵士の70%以上が「一人っ子政策」時代に生まれた子供たちです。最前線に立つ戦闘部隊に限れば、その比率は80%に近いとも言われています。
■ 「小皇帝」を戦死させられるか?
中国の家庭にとって、たった一人の息子は「家を継ぐ家系の全て」であり、希望です。 ここに「親の心理」という巨大な壁が立ちはだかります。「唯一の跡取りを絶対に戦死させたくない」という親からの圧力は凄まじいものがあります。これは少子化の日本でも同じと言えますが。
もし台湾有事が泥沼化し、多くの「小皇帝」が戦死すれば、それは無数の家系が途絶えることを意味します。その時、国内世論の怒りの矛先は「台湾」ではなく、「我が子を死なせた共産党」へと向かう可能性が高いと感じます。
まとめ
台湾有事を長期化したら、そのコストも莫大となりうるので短期決戦にしたいところですが、ウクライナをみると、そう簡単でないことは明白ですし、正直、国内からの党への信認が下がっているからといって、敵国を作って国内を煽って台湾を攻めることは自らの首を絞めることになる大きすぎるリスクだと感じます。