GuruFocusとは:著名投資家の投資行動を追跡する独自プラットフォーム
GuruFocus(グルフォーカス)は、2004年にDr. Charlie Tian(チャーリー・ティアン博士)によって設立された、独自の投資リサーチプラットフォームです。
前編では「Guru投資」の哲学と投資プロセス、中編では4年間の一貫したアンダーパフォーマンスとその7つの理由を分析しました。最終回となる後編では、コスト構造の詳細分析、S&P 500インデックスファンドや他のアクティブファンドとの比較、そして最も重要な「このETFに投資すべきか否か」という問いに答えます。
結論を先に述べます:このETFへの投資は推奨されません。
コスト構造の徹底分析:経費率0.65%は正当化されるか
総経費率0.65%の詳細
コスト情報
- Expense Ratio:0.65%
- 内訳(推定):
- 管理報酬(Investment Advisory Fee):約0.50-0.55%
- その他費用(Administration、Custody、Audit等):約0.10-0.15%
アクティブETFのコスト比較
米国アクティブETFの経費率
| ETF | 戦略 | 経費率 | 運用資産 |
|---|---|---|---|
| GFGF | Guru Favorite | 0.65% | $35.89M |
| ARKK | 革新的テクノロジー | 0.75% | $5,000M程度 |
| QQQJ | ナスダック中小型株 | 0.15% | $3,000M程度 |
| SCHG | 大型グロース株 | 0.04% | $20,000M程度 |
| 平均的なアクティブETF | — | 0.50-0.80% | — |
GFGFの評価
- アクティブETFとして標準的
- 0.65%は平均的な範囲内
- ARKKよりは安い
- しかし、パッシブETFよりはるかに高い
- 小規模ファンドとしては高すぎる
- 運用資産$35.89M
- 年間収益:約$233,000(経費率0.65%)
- 人件費、オフィス、システム費用を賄えない
S&P 500インデックスファンドとのコスト比較
VOO(Vanguard S&P 500 ETF)との比較
| 項目 | GFGF | VOO |
|---|---|---|
| 経費率 | 0.65% | 0.03% |
| 差 | +0.62% | — |
10年間のコスト累積効果
100万円を10年間投資した場合(年率リターンを10%と仮定):
GFGF(経費率0.65%)
- 年率ネットリターン:9.35%
- 10年後:約244万円
- 累積コスト:約156,000円
VOO(経費率0.03%)
- 年率ネットリターン:9.97%
- 10年後:約259万円
- 累積コスト:約7,500円
- 差額:約-15万円(GFGF不利)
コストの総合評価:正当化されない
結論
経費率0.65%は、以下の理由で正当化されません:
- 付加価値ゼロ
- 設定来年率-2.85%のアンダーパフォーム
- 経費率差約-2.7%
- アクティブ運用が全く付加価値を生んでいない
- S&P 500インデックスより劣後
- パフォーマンス:-2.85%
- コスト:+0.62%
- 二重の不利
- 小規模ファンドの経済性
- $35.89Mでは持続可能ではない
- 償還リスク
S&P 500インデックスファンドとの決定的な差
パフォーマンス・コスト・リスクの3次元比較
総合比較表
| 項目 | GFGF | VOO (S&P 500) | GFGF優位/劣位 |
|---|---|---|---|
| パフォーマンス | |||
| 設定来年率リターン | +8.50% | +11.35% | -2.85%(劣位) |
| 3年年率リターン | +22.80% | +24.94% | -2.14%(劣位) |
| 1年リターン | +12.36% | +17.60% | -5.24%(劣位) |
| コスト | |||
| 経費率 | 0.65% | 0.03% | -0.62%(劣位) |
| リスク | |||
| ボラティリティ(推定) | 約18-20% | 約18-20% | ほぼ同等 |
| 銘柄数 | 29銘柄 | 500銘柄 | 分散不足(劣位) |
| 運用資産 | $35.89M | $500,000M | 償還リスク(劣位) |
結論
GFGFは、S&P 500インデックスファンドに対して:
- パフォーマンス:劣位
- コスト:劣位
- リスク:同等または劣位
あらゆる面で劣っています。
なぜS&P 500を保有しないのか
シンプルな代替案
投資家がGFGFではなく、VOO(S&P 500)を保有すべき理由:
- 高パフォーマンス:年率+11.35% vs. +8.50%
- 低コスト:0.03% vs. 0.65%
- 大規模・安定:償還リスクゼロ
- 広範な分散:500銘柄 vs. 29銘柄
- 流動性:いつでも売買可能
GFGFを保有する合理的理由がない
他のアクティブファンドとの比較
ARK Innovation ETF (ARKK)との比較
基本情報比較
| 項目 | GFGF | ARKK |
|---|---|---|
| 戦略 | Guru Favorite | 革新的テクノロジー |
| 経費率 | 0.65% | 0.75% |
| 運用資産 | $35.89M | $5,000M程度 |
| 設定来年率 | +8.50% | 約-15%(推定、2014年設定) |
| 2023-2025年 | +22.80%(3年年率) | 約+50%(推定、3年累積) |
比較評価
- パフォーマンス:ARKKは2020-2021年に爆発的上昇、その後急落。GFGFより変動が大きい。
- コスト:ARKK(0.75%)の方がやや高い
- 規模:ARKKの方が約140倍大きい
- 知名度:ARKKの方がはるかに高い(Cathie Wood効果)
結論
どちらも推奨されませんが、ARKKの方がまだマシかもしれません(規模、知名度)。ただし、ARKKも2021年のピークから大幅下落しており、問題が多い。
Fidelity ZERO Large Cap Index (FNILX)との比較
ゼロコストのインデックスファンド
| 項目 | GFGF | FNILX |
|---|---|---|
| 経費率 | 0.65% | 0.00% |
| パフォーマンス | 設定来+8.50% | S&P 500に連動 |
| 運用資産 | $35.89M | $10,000M超 |
FNILXの優位性
- 完全無料:経費率0.00%
- S&P 500に連動:約+11%年率
- 大規模:償還リスクゼロ
結論
FNILXは、GFGFよりあらゆる面で優れています。
小規模ファンド($35.89M)の深刻なリスク
償還リスクの分析
運用資産$35.89M(約54億円)は極めて小さい
一般的なETFの運用資産:
- 大型ETF:$10B以上(約1.5兆円)
- 中型ETF:$1B-10B(約1,500億-1.5兆円)
- 小型ETF:$100M-1B(約150-1,500億円)
- 超小型ETF(償還リスク):$100M未満
GFGFは「超小型ETF」カテゴリー
年間収益約$233,000の問題
- 経費率0.65% × $35.89M = 約$233,000
- ポートフォリオマネージャー(Dr. Charlie Tian)の人件費:$150,000-200,000?
- サブアドバイザー(GuruFocus)への報酬
- オフィス賃料、システム費用、監査費用、法務費用
- 年間収益では全コストを賄えない可能性
過去の小規模ETFの償還事例
米国では、毎年数十本のETFが償還されます:
- 運用資産$50M未満
- 設定後3-5年
- 採算が合わない
GFGFの償還リスクは高い
流動性リスク
1日の取引量が極めて少ない可能性
運用資産$35.89Mのファンドは:
- 1日の取引量:数万ドル~数十万ドル程度
- 大口の売買でスプレッドが拡大
- 希望価格で売買できない可能性
投資家への影響
- 売りたい時に売れない
- 買いたい時に高値で買う
- NAVとMarket Priceの乖離リスク
日本居住者にとっての投資適格性
投資方法
米国ETFとして購入可能
GFGFは米国上場ETF(Nasdaq)なので、日本の証券会社で購入可能:
✓ 楽天証券 ✓ SBI証券 ✓ マネックス証券
しかし、推奨されません。
税務上の考慮事項
米国ETFの税務処理
1. 売却益:譲渡所得(分離課税)
- 税率:20.315%
- 確定申告が必要
2. 配当:配当所得
- GFGFは配当をほとんど支払わない可能性
- 配当があれば、米国で30%源泉徴収、日本で20.315%課税
- 外国税額控除の適用可能
3. NISA・つみたてNISAでの取扱い
✓ 一般NISA
- 米国ETFは対象
- GFGFも購入可能
- しかし、推奨されません
❌ つみたてNISA
- 米国ETFは対象外
日本投資家への推奨:購入すべきではない
理由
- S&P 500をアンダーパフォーム:年率-2.85%
- 高コスト:0.65% vs. VOOの0.03%
- 小規模:償還リスク
- 流動性が低い:売買が困難な可能性
代替案
日本投資家は、以下を購入すべきです:
✓ VOO(Vanguard S&P 500 ETF)
- 経費率:0.03%
- 運用資産:約$500B
- NISA対象
✓ VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)
- 経費率:0.03%
- 全米株式市場に投資
- NISA対象
✓ 国内インデックスファンド
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 経費率:0.09%
- つみたてNISA対象
投資適格性:誰に推奨されるのか
推奨投資家プロファイル
❌ 基本的に誰にも推奨されません
しかし、以下の極めて限定的な投資家には一考の余地があるかもしれません:
1. GuruFocusの熱烈な信奉者
- Dr. Charlie Tianを個人的に信頼
- GuruFocusのプラットフォームを長年利用
- 「Guru投資」の哲学に深く共感
- ただし、データは信念より重要
2. 実験的な投資家
- ポートフォリオの1-2%程度
- 「Guru投資」の実験
- 損失を許容できる資金
- 学習目的のみ
3. アクティブ運用の信奉者
- パッシブ運用を嫌う
- アクティブ運用に価値があると信じる
- ただし、GFGFは価値を証明していない
投資を推奨しない投資家(ほぼ全員)
❌ 以下の投資家には推奨されません
1. リターン重視の投資家
- S&P 500を上回るリターンを求める
- GFGFは一貫してアンダーパフォーム
- VOOを購入すべき
2. コスト重視の投資家
- 低コスト投資を重視
- 0.65%は高すぎる
- VOO(0.03%)を購入すべき
3. 安全性重視の投資家
- 償還リスクを避けたい
- $35.89Mは小さすぎる
- 大型ETFを購入すべき
4. 分散投資家
- 広範な分散を求める
- 29銘柄では不十分
- S&P 500(500銘柄)を購入すべき
5. 長期投資家
- 10年以上の長期投資
- GFGFが10年後に存在する保証がない
- 償還リスクを避けるべき
6. 初心者投資家
- シンプルで理解しやすい投資
- 「Guru投資」は複雑
- S&P 500インデックスから始めるべき
最終的な投資判断:投資非推奨
総合評価
★☆☆☆☆(星1つ、投資非推奨)
Guru Favorite Stocks ETF (GFGF)は、以下の理由で投資非推奨です:
投資非推奨の理由
1. 一貫したアンダーパフォーマンス
- 設定来年率-2.85%
- 全測定期間でS&P 500を下回る
- 4年間で一度もアウトパフォームしていない
2. 高コスト
- 経費率0.65% vs. VOO 0.03%
- 付加価値ゼロ
- コストがアンダーパフォームを説明
3. 極めて小規模
- 運用資産$35.89M
- 年間収益$233,000
- 償還リスクが極めて高い
4. 13Fデータの遅延
- 最大1.5ヶ月の遅延
- Guruは既にポジション変更
- 構造的な不利
5. 「Guru投資」の根本的問題
- Guruの投資判断をコピーできない
- 異なる投資哲学の混在
- 買い・売りのタイミングが分からない
6. 流動性リスク
- 1日の取引量が少ない
- スプレッドが拡大
- 売買が困難
7. トラックレコードが短い
- 設定から約4年
- 長期的な有効性が未証明
- 実験段階
代替投資戦略:何を買うべきか
推奨投資先
日本の投資家は、以下を購入すべきです:
1位推奨:VOO(Vanguard S&P 500 ETF)
✓ 経費率:0.03%(GFGFの約1/22) ✓ パフォーマンス:設定来年率+11.35%(GFGFより+2.85%高い) ✓ 運用資産:約$500B(GFGFの約14,000倍) ✓ 分散:500銘柄(GFGFの17倍) ✓ 一般NISA対象
2位推奨:VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)
✓ 経費率:0.03% ✓ 全米株式市場(約4,000銘柄) ✓ 運用資産:約$1.5T ✓ 一般NISA対象
3位推奨:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
✓ 経費率:0.09% ✓ 国内投信(円で購入) ✓ つみたてNISA対象 ✓ 為替手数料なし
Guru投資に興味があるなら
もし「Guru投資」に興味があるなら、以下の代替案を検討してください:
1. Berkshire Hathaway (BRK.B)を直接購入
- Warren Buffettの投資判断を直接反映
- 経費率ゼロ
- 過去50年で年率+20%のリターン
2. GuruFocusのプラットフォームを自分で利用
- GuruFocus.comで個別にGuruを追跡
- 自分で銘柄選択
- GFGFの0.65%を節約
3. 13F報告書を自分で読む
- SECのEDGARで無料閲覧
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- 完全無料



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