2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『核融合』で見る世界覇権史(10) 結語:有限性を理解した文明設計

本シリーズを通じて見てきたのは、「無尽蔵である」という前提が、いかに脆い幻想であったかという事実である。 石油、ドル、国家主権、経済成長、技術進歩――20世紀文明は、それらを際限なく拡張可能なものとして扱ってきた。しかし21世紀に入り、あらゆる領…

『核融合』で見る世界覇権史(9) 日本が持つ自然エネルギーの“隠れた地政学”

―「資源のない国」という神話を解体する ― 日本は長らく「資源のない国」と言われてきた。石油も天然ガスも乏しく、エネルギー安全保障に弱い――それは戦後日本の自己認識として、ほとんど常識のように語られてきた。 しかし本当にそうだろうか。 本章で示し…

『斬首』の連鎖はあるか? ――ベネズエラ、台湾、覇権の論理

はじめに:一つの事件として見ない 米国によるベネズエラへの斬首作戦は、単なる「麻薬戦争」や「反独裁」の文脈で理解すると、決定的に見誤る。 これは 一国の治安作戦 一地域の政変工作 ではない。 覇権国家が、どこまで「やる」用意があるのかを示したシ…

『核融合』で見る世界覇権史(8) ドル覇権の終わり方

― ソフトランディングか、ハードランディングか ― 20世紀後半から21世紀初頭にかけて、米ドルは疑いようのない世界基軸通貨であり続けてきた。軍事力、経済力、技術力、そして石油という実体資源を背景にしたペトロダラー体制は、他に代替のない秩序として機…

『核融合』で見る世界覇権史(7) ペトロダラーからフュージョンダラーへ

――21世紀の「新本位制」の萌芽** 20世紀後半から現代に至るまで、世界金融の中心にあるのは米ドルであり、その基盤を形づくってきたのは国際石油取引におけるドル決済の強制構造、いわゆるペトロダラー体制であった。アメリカは軍事力と市場支配力を背景に石…

シン・マルクス主義の導出 ――革命ゴッコから告発ゴッコへ

0.はじめに 年の瀬から年始にかけて、ある種の言説が、決まった構文で増殖しているように見える。 それは必ずしも新しい主張ではない。だが、妙に道徳的で、妙に攻撃的で、そして驚くほど空虚だ。 賛同と非難が高速で入れ替わり、誰もが何かを「告発」して…