夜ごとの美女(1952)

原題は「Les belles de nuit」(夜の美女)

 

ウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」は

この映画の影響を受けているんでしょうね(笑)

「昔はよかった」という、現代への批判と懐古主義な

大人の男のファンタジー

でも本当に大切な人は、すぐ傍にいたのに

それに気がつかなかっただけ

売れない作曲家でピアノ教師として生計を立てている

クロード(ジェラール・フィリップ)

安宿の隣の車の修理工場があり、音がうるさくで作曲が進まない

(工場の主人もクロードのピアノの音に迷惑している)

学校に行くと生徒たちにバカにされる

ある日「昔はよかった」が口癖の老人に影響され

1900年のパリで美しい貴婦人エドメ(マルティーヌ・キャロル の娘の

ピアノ教師をする夢を見ます

夢の中でオペラ座支配人の夫がクロードが作曲したオペラの上演を約束

クロードは大成功を収めますが

そこにまたもや「昔はよかった」が口癖の老人が現れ

1830年のアルジェではラッパ手になり

アラブの姫君レイラ(ジーナ・ロロブリジーダ)と恋仲に

ルイ16世の時代では、革命のリーダーとなり

貴族の娘シュザンヌと知り合います

元祖「世界一の美男子」「貴公子」と呼ばれたファンファンですが

華麗な美女たちも決してひけをとらない

昔のヒロイン役の女優ってほんとお人形みたいに可憐ですね

そこに郵便局から配達員が書留を届けにやってきて

工場の音で配達員とやり取りできないうえ

夢から目を覚まされ苛立ったクロード配達員を追い返し

書留を郵便局に取りに行く羽目になるのですが

今度は身分証明書の期限が無効になっていて受け取られない

怒ったクロードは郵便局で暴れ留置所に入れらます

ここでクロードは夢の続きを見ます

1900年ではエドメからディナーの後に誘われ

アルジェリアではレイラ姫から月の出に現れると伝言を残し

ルイ16世時代ではシュザンヌと駆落ちの約束をします

郵便配達員も警察官も修理工場の工員もクロードの幼なじみで親友

彼らのおかげで保釈されることになりますが

折角のところを親友たちのせいで夢から覚めてしまいます

一刻も早く夢の世界に戻りたいクロードは薬局で睡眠薬を購入します

クロードが自殺するのではないかと勘違いした親友たちは

クロードとひとりにできないと一晩中付き合おうとします

やっとの思いで夢の世界に戻ったときは

約束の時間は遥かに過ぎ去り

エドメに会いに行くと彼女の夫に見つかって逃げ出し

イラ姫のもとに現れると、彼女のゲリラの兄たちに襲われ

シュザンヌは革命軍に連れ去られたあとで

彼女を助けようとしたクロードも捕まってしまいます

そこから夢は遡ってルイ13世時代

(三銃士の)ボナシュー夫人といいトコロになったところに

ダルタニァンが襲いかかってくる

命さながら逃げ出し、やっと目が覚めたクロード

夢のつづきを見るのが怖くなり、こんどは眠るまいとしますが

大量に睡眠薬を飲んだせいでそうはいかない

 

クロードは決闘だ銃殺だと戦いを挑んでくる銃士たちから逃げると

ローマ帝国時代、ノアの箱船の大洪水時代、ついには原始時代まで遡り

そこに配達員が書留を再配しにやってきてくれたおかげで

クロードはやっと現代にもどり目が覚めます

しかもその通知はクロードの作曲したオペラが

オペラ上演の選考に残ったというものでした

 

さらに夢の中で駆け落ちを約束したシュザンヌは、修理工場の主の娘でした

シュザンヌはずっとクロードに思いを寄せていたのです

「手に職」がモットーの工場主でしたが

クロードの曲がオペラで上演することが決まると

シュザンヌとの交際認め

「幸福の女神はこんなに近くにいたんだ」と

クロードはシュザンヌを抱きしめたのでした



 

【解説】映画.COMより

「悪魔の美しさ」に次ぐルネ・クレールの一九五二年作品で、例によって脚本・潤色・台詞・監督をひとりで担当している。現実と夢の交錯を描いたコメディ。撮影は「情婦マノン」のアルマン・ティラール、音楽は「浮気なカロリーヌ」のジョルジュ・ヴァン・パリスの担当。主演は「花咲ける騎士道」のジェラール・フィリップジーナ・ロロブリジーダ、「浮気なカロリーヌ」のマルティーヌ・キャロル、新人マガリ・ヴァンデゥイユで、「終着駅」のパオロ・ストッパ、「肉体の冠」のレイモン・ビュシェール、「悪魔の美しさ」のレイモン・コルディ、「花咲ける騎士道」のジャン・パレデス、「快楽」のパロオ、「沈黙は金」のベルナール・ラジャリジュ、マリリン・ビュフェルらが助演する。

1952年製作/イギリス
原題または英題:Les Belles de Nuit
配給:東和