人びとのかたち
「あなたのお嬢さん(ベルギー人と日本人の間の子ども)のアイデンティティはどうなっているの?」 日本の知人から不安げに投げつけられた、「お嬢さんは何人(なにじん)なの?国籍アイデンティティがはっきりしないと根無し草になるんじゃないの?」という…
娘が3年生の時のことだ。 祖父が「人間はなぜ生きるんだろうね」 と聞いたら、彼女は 「そりゃ神さまにしかわからないことですよ。人間はそれがわからないから生きるんですよ」 と言った。 という話を思い出した(当時は作文にも書いたから、ここにも記して…
わたしは芸能界や芸能人についてほとんど何も知らないから、正しい情報を記すことは目指していない、ということを断ってから書き始める。 後藤久美子と言えば、ときどき雑誌のグラビアで見かける、パリでも何度か見かけたことがある、大変綺麗な人、という認…
義理の母は身長170センチ、押し出し堂々たる女性である。 加えておしゃれが大好で、「おお!グランダム」と誤解(?)されることしばしばであるが、彼女の中の人は一昔前の小さな少女であり、はにかみやで、そこが逆に落ち着いたマダムの風格、と勘違いさ…
「優雅な生活が最高の生活である」を読みたいのだが、絶版で残念、というメールを有り難く拝見した。 「優雅な生活が...」はトムキンスの小説で、たしかに優雅な生活が最高の復讐、ではある。 しかしわたしがこの美しい諺から想像する内容とはかなり違う…
義理の父が 人生のすべては「待つこと」ですよ。 と、言う。 トーストが焼けるのを 信号が変わるのを 子どもが学校から出てくるのを メールの返事が来るのを 朝が来るのを そして死が訪れるのを。 今日、車を使わずにブラッセルで複数多数の用事を消化してい…
学校の先生から、「お嬢さんはご家庭ではどういうお子さんですか?」 と質問された。 間抜けな顔でしばし考えていると、先生の方から「私が思うには...」と切り出されてしまった。 先生、わたしの意見が聞きたかったのか。自分の意見が言いたかったのか。…
雑誌やインターネットを初めとしたマスコミなどに露出が多く、美しくいかにもおしゃれで、裕福で知性と教養にあふれ(という宣伝文句で)、上品なイメージで...というある女性がいる。最近よくいるタイプかもしれないが。 なんとはなしにわたしの好きなタ…
ジンバブエとザンビアを旅行した時、ホテルが同じだったマダムと親しくなった。 彼女がブラッセルに滞在中というので会いに行って来た。 フランス人医師の夫を亡くしてからもパリに住み続け、完全にパリ化した、わたしよりも20歳は年上のアムステルダム出…
娘が、校庭で男の子が大怪我をした話をしてくれた。 彼女の話しぶりが大変おもしろかったので、それに添ってなぜ男の子が怪我をすることが多いのか?なぜ男の子は怪我をしても泣かないのか?などと突っ込む。わたしが時々挿む「女の子はお砂糖でできてるって…
「Moetのせいでわたしが結婚できない」と友人(日本人)が文句を言っている。 彼女は壮絶な面食いだ。ゆえにわたしとは活動市場が異なっていて、迷惑をかけたことなど一度もないのだが。もちろんこれは八つ当たりである。 わたし「わたしは面食ちがうもん。…
この7月、義理の両親が結婚40年を迎える。 めでたいことだ。 義理父が当日の計画をこっそり娘にもらしたところによると... 「オランダの国境の街Sluijs(ブルージュから車で20分程度)へのサイクリングを楽しみ、名物のウナギを食べ、プチ・ホテルに宿…
白髪はワン・レングスのボブ、細くスタイルよく、ハイヒールを履いて、ごついアクセサリーをたくさんつけて、スポーツカーを運転する、それでいて枯れに枯れた老マダムになるのがワタクシの夢。 そのスタイルに移行するタイミングというものは自然とやってく…
おそらく世界で最もセクシーであろう『設定』の男は007ジェイムス・ボンドである。 その新ボンド役、ダニエル・クレイグが顔見せした時は、不細工だのずんぐりむっくりだの背が低いだの、さんざんな言われようで、ファンの期待を裏切ったとまで書かれていた…
娘には好きな男の子がいる。 クラス・メートのL君は大人から見てもクールな感じ(って7歳児だが)。 そこへ近頃、せっせとお手紙を書いてくれたり、荷物を持ってくれたり、お菓子を毎日貢い...もといプレゼントしてくれるS君が登場。 「S君ってあなたの…
ヨーロッパ諸国に貴族階級が存在するように、ベルギーにもそれは残っている。 わが家の2件隣のお玄関にも、貴族の称号を伴った金色のネーム・プレートがかかっているし、友人の友人は伯爵と結婚した。 昔ならばある人物がその階級に属するとすぐに分かった…
今日と明日、友人宅に差し入れするために焼いた、雨がえる色の抹茶クッキー。 ワタクシ、料理も嫌いではない。とにかくおいしいものが食べたい一心で作る。 食い意地がはっているのだ。 でもとにかく、外見が料理を含めた家事をするイメージからはほど遠いら…
「僕が留守だと、彼女、悲しんでない?」 出張中の夫が娘を心配してしつこく(笑)聞いてくる。 本当は娘を心配しているのではなく、彼が彼女に恋しがって欲しいの... その気持、分かるよ。 でも実際のところ、娘は父親のことなぞぜ~んぜん恋しがりなど…
一ヶ月に10冊程の本を読むが、ひねくれ者でジャック・アマノなのでベストセラーには絶対に手を出さない。 ベストセラーにはベストセラーになる理由が必ずあると思うから... 普段、本をあまり手にしない層が購入する本でないとベスト・セラーにはならな…
物騒なタイトル... 「ヨーロッパ人の男性はおやさしいんでしょうねえ」 日本の方から、よく言われる。 今日も言われた。 数年前にも書き、どうも自慢のようではあるが、例えばわが夫はワタクシにはもったいないほど徳の高い男である。 非常にマメ(でも他…
メイ・デイ。 昨日会った友人は万国の労働者に団結を促していたが、みなさまいかがお過ごしだろうか(笑)。 さて。メイ・デイ。すてきな響き。春真っ盛り!という感じである。 わが家の桜も終わりを告げそうなので、桜宴を開いた。 その優雅な宴の中心話題…
ブラッセルの午後。 1人でお茶をしながら谷崎を読んでいると(公共の場で、あるジャンルの谷崎が読めるというのは外国暮らしのいいところ)、居合わせた男性が「シツレイデスガ、タニザキ・ジュンイチロウデスネ。ワタシモダイスキデス。」と話しかけてきた…
日本ネタでひっぱって申し訳ないのだが...今日も日本ネタ。 大阪のリッツ・カールトンには野外熱々ジャグージがある。 威風堂々と立ち並ぶオフィスビルの狭間(はざま)で無為にフロに漬かっていると、まるで授業や仕事をサボっているような気持の良さを…
神戸のトア・ウエストと呼ばれるあたり。 1985年前後から、「ほんまにもうかってるのん?」と思ってしまうような、伊達メインのお洒落なお店ができ始めた。 何かに役立つものを売るビジネス、ではなく、雰囲気を売るビジネス、の誕生(と勝手に)。バブ…
今日は24時間サーヴィスで作った娘のパスポートができ上がる日。 あ、でき上がる『はず』の日。 もちろんお約束通り、でき上がらなかった。あはははは。 そしてでき上がらなかった理由を、お約束通りさんざん聞かされた。 ワタクシ1人に、4人の市役所職員…
娘のお客さま。同い年、6歳の女の子。 お昼にスパゲッティを出したら、 彼女「ねえ、これ切ってくれない?」 わたし「え?何を切るの?」 彼女「スパゲッティ。食べにくいからハサミで切って。」 わたし「....スパゲッティは長いものなの。そのままがん…
復活祭のお休みに合わせ、日本一時帰国が決まっているので、滞在中の予定を立てたり、お土産を揃えたりするのに余念のないのだが、娘のパスポートが切れそう、という大切なことをすっかり忘れていた。 走るように市役所へ出かけて行くも、「今日の申請だと出…
すっかり元気ではないものの、ブラッセルへ出かけたのは、どうしても会っておきたい人がいたから。 今年の春から夏、そして秋冬、とても気の合う大切な友人たちが続々と本帰国/横移動してしまうのだ。 突然名前を与えられ 人と出会い、別れ、 そしてまた突…
「XさんとYさん、Moetさんと仲良くなってからすっごく綺麗になったと思いませんか?綺麗ってやっぱり伝染するんですよ~。」と、友人Zが有り難いことを言う。 わたしと仲良くなったこととは全く関係がないと思うが、たしかに彼女達は近頃ますます綺麗になっ…
めずらしく娘の具合が悪く、かかりつけの小児科医を訪問した。 娘が1歳の誕生日を迎えるまで持っていたアレルギーを治療するため、相性のいい小児科医を探しまわっていた時に出会った女性医師で、もう6年のお付き合いである。 ベルギーの医療システムには…