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お知らせ:『PMシンポジウム』(9月5日)でPMから見た設計論について講演します

お知らせです。来る9月5日(金)14時から、日本プロジェクトマネジメント協会が主催する「PMシンポジウム 2025」 で、「プロジェクト・マネジメントから見た『設計論』の課題」というタイトルの講演をします。リアル会場は江戸川区の「タワーホール船堀」ですが、ハイブリッド形式で、かつオンデマンド配信も行います。

なぜ、PMシンポで『設計論』の話なのか。それは、現代のモダンPMにおいて『設計』に関する記述がまったく欠けているからです。日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が昨年刊行した「P2M プログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック」第4版にも「設計」を論じたセクションはありません(それどころか索引にすら「設計」の項はないのです)。米国PMIのPMBOK Guide第7版にもない。欧州IPMAのIndividual Compitence Baseline (ICB) ver. 4にもない。不思議だと思いませんか? 

皆さんの内、設計業務が全くないプロジェクトに従事している方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか。図面も全く作らず、仕様書も設計書も全く書かない。ただひたすら構築・製造ないし実装するだけ、という類いのプロジェクトです。作るべきモノに関する記述はすべて、プロジェクトのスタート時点で、完璧にそろっていて渡される。成果物(What)は決まっていて、プロマネは実現方法(How)だけに集中する。そんなプロジェクトです。

少なくとも、わたしはありません。わたしは40年以上にわたり様々なプロジェクトに関わってきましたが、成果物をどうするのか考える必要の無いケースは、一つとしてありませんでした。大筋が決まっている場合でも、細部はいろいろと悩む必要がある。そして細部の決定といえども、プロジェクトのスコープやスケジュールと複雑に関わってくる。設計変更もある。それが普通ではないでしょうか?

成果物の構成と、それが何と何を含むのかの記述を、「成果物スコープ」と呼びます。そして、アウトプットとしての成果物(およびその構成要素)を作り上げるために必要なアクティビティが何と何からなっていて、どれほどのボリュームなのかを記述したものが「プロジェクト・スコープ」です。WBSとはプロジェクト・スコープの構造を示すものですから、設計とプロジェクトWBSは、成果物を通じて、まっすぐつながり合っている訳です。

だとしたらプロジェクトのミッションから、成果物の具体像を作り出す設計業務もまた、モダンPMの重要な要素であるはずです。ここが欠落しているのは奇妙ではありませんか?

ちなみに一般建築の分野では「設計施工分離」原則というものがあります。主に英国で発達し、世界中に影響を与え、日本でも官公庁の建築プロジェクトはこの原則に従うことが義務づけられています。設計は主管の官公庁自身、ないしは設計事務所が行い、建設工事は別契約として入札が行われる、という決まりです。しかし日本のゼネコン業界は多くが、内部に詳細設計機能を抱えています。そうでないと仕事にならないからです。

ITプロジェクトの分野では、「要件定義」と「実現」で契約フェーズを分けることが普通になっており、ちょっとだけ建築分野の設計施工分離を思わせます。では、実現段階で設計は不要か? もちろん、そんなことはありません。要件定義さえしっかり完成できれば、あとは力仕事・・と思っている人がいたら、ITプロジェクトの現実を知らない人だ、というべきでしょう。

そしてこの設計という行為、何をインプットとし、何をアウトプットして、その間のプロセスはどうなっているのでしょうか? 電気・機械・建築・IT・・と設計分野は様々なのに、共通して論じられることなどあるのでしょうか? そして優れた設計とはどういうことか、プロジェクトにおける設計マネジメントのポイントは、といった問題を、限られた時間ながら、皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。

(ちょっとだけ内容のイメージがわくように、講演用の図を1枚だけサンプルとしてここに紹介しておきます)
お知らせ:『PMシンポジウム』(9月5日)でPMから見た設計論について講演します_e0058447_09111914.png
日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)から講演依頼を受けたのは久しぶりです。P2M標準ガイドブックは第3版も第4版も協力してきましたが、今回は自分の話したいテーマを選んで良い、とのオファーでしたので、あえて今のガイドブックで盲点になっている『設計論』を選ばしていただきました。あまのじゃくだって? どうもすみません。

でもわたしは、今の世の中のPM標準が完成しているとは思っていません。こう主張する論者が日本ではほとんどいないのが残念ですが、モダンPMにはいくつか欠けている大事な要素があり、その一つが設計論だ、というのが今回のテーマです。設計をどうマネジメントすべきか、問題意識をお持ちの方にぜひ、ご参加いただきたいと思います。

<記>

PMシンポジウム 2025 次世代の日本を共に描く

佐藤知一講演「プロジェクト・マネジメントから見た「設計論」の課題」(SP-23)

日時:2025年9月4日(木) ・5日(金) 9:30 ~ 17:30
(わたしの講演は9月5日(金) 14:00 ~ 15:00 です)

主催団体:日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)
開催方法:ハイブリッド開催、オンデマンド配信のみの申込も可能
【リアル会場】タワーホール船堀
費用:有料(一般参加可能・会員割引付き)

開催案内と参加申込みはこちらのページからお願いします:
大勢の方のご来聴をお待ちしております。

佐藤知一@日揮ホールディングス(株)

by Tomoichi_Sato | 2025-08-17 09:15 | E2 設計のマネジメント | Comments(0)
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