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『第5回スマート工場シンポジウム』(9月3日)開催のお知らせ

  • 世界経済フォーラムと「Lighthouse工場」

皆さんは、「世界経済フォーラム」という組織と、世界の"Lighthouse工場"について、聞いたことがあるでしょうか? 世界経済フォーラム(World Economic Forum、略称WEF)は、有名な「ダボス会議」を主宰している団体です。WEFの組織の中に、Centre for Advanced Manufacturing and Supply Chains(先進的製造とサプライチェーンのためのセンター)という部門があり、そこが2020年から世界中の先進的工場を選んで、"Lighthouse"すなわち「未来を照らす灯台」という名称を与えてきました。

2025年3月現在までに、世界中で189工場がLighthouseとして選ばれました。その中で、最も多い国はどこだと思いますか? それは、中国です。全体の4割を占め、突出しています。他に多いのは欧州と北米ですが、もちろんそれ以外の地域にもあります。

では、日本では何カ所の工場が選ばれているでしょうか? ――答えは、「わずか3カ所」です。日立製作所の大みか工場、GEヘルスケアの日野工場、P&Gの高崎工場の3つです。うち2つは外資系ですから、純粋な日本企業の先進的工場は1社しかない、ということになります。

皆さんはこれが、日本と中国の製造業の実力の差を示すのだ、と思いますか? そう信じる方は少ないでしょう。じつは、選んでいる世界経済フォーラム(WEF)の側も、同じ感覚を持たれているようです。今年の春頃から、わたし達の「次世代スマート工場」研究会では、WEFと接点を持ち、この状況についてどう考えるべきか、多少の議論を重ねてきました。

研究会では毎年秋にシンポジウムを開催しています。そこで思い切って、「ぜひWEFさんに、Lighthouse工場と先進的製造について講演いただけないか」とお願いしたところ、なんとスイスの本部からリーダーのBenjamin Schönfuß氏が来日してお話しいただけることになりました。非常に貴重な講演になるのは、間違いありません。

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  • 日本の先進的工場の現状と、ハードルについて

ところで、かつて世界の製造業者は、日本の工場を先進事例として見学に来たのではなかったでしょうか。いつから、そうでなくなってしまったのでしょうか。そしていつ頃から、「工場なんて、別に先進的でなくても良いや」という守りのマインドセットが、世を覆うようになったのでしょうか?

おそらく、技術者から出たマインドではないと考えます。技術者という人種は、やはり最新の技術を習得し、使いこなしたいのです。だとすると、どこか別のところに、後ろから止める組織なり要因なりがあったのでしょう。

今回のシンポジウムでは、あえて、その問題について取り上げてみたいと思います。すなわち、なぜ今、スマート工場なのか。日本のスマート製造への障壁となっているのは何なのか? それを正面から議論してみたいのです。

そしてそのハードルとは、決して技術の問題ではないと考えます。そのため、シンポジウムのメインである午後の部では、あえて技術紹介をテーマに選びませんでした。生成AIの話も、MESやIoTや協働ロボットの売り込みも、しません。そうした技術の水準が日本において、欧米や中国に比べ格段に遅れているという事実も聞きませんし。

(なお、午前中は昨年同様、技術ワークショップとして、MESを含む製造業のITアーキテクチャをテーマに取り上げます。技術にも興味のある方は、ぜひ午前中からご参加下さい)


  • あらためて、なぜ今、スマート工場か

「スマート工場」なんてバズワードさ、という意見も耳にします。ドイツのインダストリー4.0と同様、そろそろ賞味期限切れだと。「PoC疲れ」なんて言葉もあります。では日本の工場は、昔ながらの紙と手作業と勘だよりのオペレーションに、あの懐かしくも安定した昭和的世界に、戻るのでしょうか。そして海外の工場も同様だろう、と思いますか? 「スマート工場」は廃れるとして、では製造DXは、データドリブン経営は、そしてAIドリブン経営は、どこに行くのでしょう?

「新しい技術が出てきた。これで何ができるか?」という発想を、わたし達はしがちです。技術にも流行があり、はやり廃りがあります。でも、技術は道具ですよね? 何ができるかより、何がしたいのかを考えよう、というのがシンポジウムのテーマです。

といっても、新しいTo-Be像って、なかなか考えにくいものです。そういう時は逆に、「何をしたくないか」を考えるのがヒントになります。「つまらない労働をしたくない」(だって人が定着しなくなる)、「バタバタしたくない」(だって消耗だから)・・工場をより心地よく働ける場所にするために、どうすべきか、一緒に考えてみませんか?


  • シンポジウムの構成

今年も昨年同様、午前中の技術ワークショップと、午後のシンポジウムの2部構成にしました。

午前中は、工場のITアーキテクチャをテーマに取り上げます。製造業の、複雑多岐にわたる業務を回すために、どのようなITシステム群が必要で、それはどう構成すべきなのか、一緒に論じませんか。昨年われわれが発表したMESの標準業務テンプレートの活用についても、もちろん紹介します。MESは普及期に入っています。ぜひご参加下さい。

午後は、「スマート工場のクリティカルサクセスファクター(CSF)」をテーマに、5つの角度からこの問題に切り込みます。「管理技術(経営工学)」「経営」「人材」「業務設計」「海外でのスマート工場の状況」の5つです。それぞれ、当該分野の経験者・エキスパートに講演をお願いしています。そして最後のテーマでトリを務めていただくのが、世界経済フォーラム(WEF)の Schönfuß氏です。

シンポジウムは昨年と同じ、日立アカデミーさんの大森ベルポートで開催します。そしてハイブリッド形式です。日本各地から視聴できますが、できればぜひ、会場にお越し下さい。そしてなぜ、先進的技術をほこる日本企業が、世界に誇れる先端的工場を作れずにいるのか、どうしたら現状を打破できるのか、一緒に議論しようではありませんか!


<記>

「第5回 ENAAスマート工場シンポジウム」

日時:2025年9月3日(水) 10:00 ~ 17:30

費用:無料

開催方法:ハイブリッド開催
【リアル会場】日立アカデミー・大森キャンパス、大森ベルポートD館 5F 503-504研修室
(リアル会場30名・先着順。オンラインは300名が目安ですが、上限を定める予定はありません)

協賛団体:
 一般社団法人インダストリアルバリューチェーンイニシアティブ(IVI)、
 ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)

開催案内と参加申込みはこちらのページからお願いします:



以上、大勢の方のご来聴をお待ちしております。

佐藤知一@日揮ホールディングス(株)


by Tomoichi_Sato | 2025-07-20 11:35 | C2 スマート工場論 | Comments(0)
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