また、お知らせです。来る6月26日に、オンラインセミナー形式で、生産管理の基本を学ぶ場を持ちます。大阪府工業協会さんの主催で、わたし自身は大阪の事務所からzoom配信しますが、もちろん全国どこからでも参加できます。セミナーのタイトルは「生産統制」ですが、計画と統制は車の両輪で、どちらかを外しては話せないので、内容的には生産マネジメント全般をカバーしています。 このセミナーは10年近く前から、年に2回くらいのペースで続けてきました。そして内容も、時代に合わせて少しずつバージョンアップしています。古くからある生産管理という仕事の基本が、そんな10年程度の期間で変わるものか、と思われる方もおられるかもしれません。でも、実際には変わるのです。それは、生産マネジメントの方式がいろいろ存在し、何を主な課題とするかによって選ぶべき手法が違うからです。 たとえば、10年前にセミナーを始めた頃は、「在庫は悪」でした。当時はトヨタを真似た、『JIT生産』方式の影響力が強かったからでしょう。在庫は少なければ少ないほど良いと思いますか? と質問したら、受講者のほぼ全員が手を上げたので驚いた記憶があります。でも、今は違います。この数年間のサプライチェーンの混乱で、やはり購入部材はある程度、安全在庫をストックしておいた方がいい、と考える企業が増えました。 では、どういうシチュエーションで、どんな方式を取るべきか。原料や中間部品の在庫を持つにしても、どこにどれくらい置くべきか。これは、世の中の教科書には案外、書いてありません。そもそも、製造業にはどんな形態・方式とシチュエーションがあるのか、その分類自体が、あまり説明されません。だから、わたしのセミナーでは、自社の立ち位置を知るための簡単なプロファイリングからはじめるのです。 ところで、以前からこのサイトの読者だった方はご存じと思いますが、わたし自身は製造業の勤務経験はありません。エンジニアリング会社に長年勤務して、製造業のお客様のために工場作りや、生産管理系システム構築のお手伝いをしてきた者です。ですから、大手製造業出身の方のような、自分の実務経験に基づく迫力みたいなものには欠けるかもしれません。 そのかわり、かなり広い業界向けに仕事をしてきて、横断的に物事を見る目がある点には、多少の自負があります。生産分野では、自動車とか電機とか「業界別」にものを考える習慣が強いですが、それは作るモノに関わる製造技術に共通性があるだけで、実を言うと生産マネジメント的には、同じ業界内でも、ずいぶん異なる形態・方式の企業があります。 ですからむしろ、よその業界であっても、似たような問題意識を持って先行している企業から学ぶ方が、役に立ったりするのです。そういう訳で、セミナー受講者の対象業種は、とくに限定していません。 もう一つ。このセミナーのサブテーマは「納期短縮」です。QCDのうち、生産管理部門が主に決められるのは、D(納期)だからです。そしてここでも、個別のテクニックを列挙するよりも、計画の共有と在庫ポイントの配置による納期設計を学びます。それはリードタイムと在庫が表裏の関係にあるからで、こうした基本的な概念を理解する方が、テクニックを沢山知るより有効だと考えています。 そして、わたしがこのような外部セミナーで教え続けているのは、自分自身が学ぶためでもあります。今の製造現場が、主に何を課題と感じているか。そして問題構造を俯瞰し理解するには、どういった視点が必要なのか。現実はつねに教えてくれます。 なお、研修講師の経験からは、対面の方がやはり学習効率は高いと言えます。お互いの顔を見て、理解度を推察しながら進められますし、オンラインより質問しやすい。ただ、オンラインの良い点もあります。一番良い点は、大阪の会場に来なくても、全国から参加できることでしょう。工場はだいたい、大都会から離れた場所に立地しています。在来線と新幹線を乗り継いで朝早く移動しなくていいのは、受講者にとって利点ではないでしょうか。 大阪府工業協会さんの会員顧客層は中堅中小企業が中心ですが、大企業の方も多少はいらっしゃいます。ちょっと考えると不思議ですが、やはり事業環境が変化すると、従来の生産管理の方法に限界が生じて、あらためて基本を考え直したい、と思われるからでしょう。生産マネジメントを理解したい・理解し直したいと感じる大勢の方の、ご来聴をお待ちしております。 <記> 日時: 2025年6月26日(水) 9:45~16:45 テーマ: 納期遅れを起こさない 生産統制のポイント 主催: 公益財団法人 大阪府工業協会 会場: Zoom(録画配信ではなくリアルタイムです) セミナー詳細・申込み: 下記Webサイトをご参照ください 佐藤知一
by Tomoichi_Sato
| 2025-06-07 09:31
| A2 生産計画と生産スケジューリング
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