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【読書日記】戦争の日本古代史 倉本一宏

全体として、面白い内容の本だったが、心に引っかかる箇所が多々あった。邪馬台国を九州にあったと断定する。日本が新羅を憎み、敵視してきた「伝統」がアジアへの侵略の動機になった。その他、数々の「引っかかる箇所」はあった。しかし、非常に面白い書物であることは疑いない。

 

白村江の戦(はくそんこう)が、「おそらくは日本史上最大の敗戦」P.9だと著者は主張する。白村江は、歴史の教科書では、「はくすきのえ」と習うが、本書では「はくそんこう」とルビを振っていて、分かりやすい。

 

そして、この白村江の戦い(663年10月)で、日本の古代は大きな影響を受ける。すなわち、壬申の乱(672年)を経て、強力な中央集権国家の成立である。(この辺りは、よく知られていると思われるが)

壬申の乱は、天智天皇の後継者を巡る争いであり、大海人皇子(弟)と大友皇子(息子)の戦いであり、大海人皇子が勝利する。そして、大海人皇子天武天皇として即位する。

 

細かい内容は、本書を読んで頂ければ、あるいはアマ○ンのレビューを見て頂ければと思うが、下記のように、しばしば示唆に富む記載がある。ただし、何故か(たぶん、ちゃんと説明しようとすると誤解を招くので、正確には説明しない)腑に落ちない記載も多い。

 

(引用開始)歴史学研究においてもっとも警戒しなければならないのは、後年の結果を自明なものとして考え、その結果の枠組みのなかで当時の人間が思考・行動していたと誤解してしまうことである。(引用終わり)P.167

 

唐からの使者が新羅戦での、「軍事的援助」を求めてきたのが671年であり、西国では白村江の戦いで、豪族が壊滅的な打撃を受けており、兵は足りなかった、それに反して東国では徴兵が進み、この兵を接収したのが、大海人皇子と鸕野王女(うのおうじょ)(持統天皇)であり、近江調整の大友皇子は倒されることになる。

 

(引用開始)「戦争」という言葉を聞いただけで思考停止に陥り、反射的に「反対」という言葉を頭に浮かび上がらせるのは、非常に危険な思考回路である。戦争に無条件に「反対」することは、状況が変われば、無条件に「賛成」することにつながりかねないのである。

過去に起こった戦争について、冷静に客観的に、しかも深く考え、分析することこそ、戦争に正しく反対し、未来の戦争を阻止することにつながる道である(引用終わり)P.293