名古屋の町は大騒ぎ

名古屋でおこった江戸時代の事件を紹介

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

神様も逃げ出したくなることがあるのか

文政7年。らくた(らくだ)櫛が流行る。木で作られている。その形は斯くの如し。(図略)上の部分は角ばっている。小さい櫛である。巾下新道で人を斧で殺して自分は首を吊り、女房は召し捕らえられる。熱田誓願寺で自害した者がある。8月4日夜明け前、巾…

あっぱれなどと言いながら祭を御覧になったのかなあ

文政7年。3月□(ママ)日から4月1日まで、藤島村堅林寺で観音を開帳する。同10日まで桜誓願寺で部田祐福寺の小三尊を開帳する。24日から児之宮(児子宮)で流行病のはやて(疫痢)、はしかの祈祷修行を行う。4月14日、風が強く、若宮八幡宮の大鳥…

碑文によると、南溟が竹林に朽ち果てた骨があり、それが災いの元だと告げたようです

文政7年。(図略)一 △印に死んでいた坊主鉄弥は世間では栄竹という異名を名乗る。傍らに1尺(1尺は約30センチ)5、6寸(1寸は約3センチ)の脇差がある。木瓜の鍔で鞘は焼けてしまう。一 尼鉄浄は▽△(これが上下にくっ付いている)の印のところ。□…

みちだけが死罪なの、なんか変だなあ

文政7年。10月19日夜五時(午後8時)から翌20日夜まで雪が降り続く。凡そ雪は3尺(1尺は約30センチ)積もる。さほどの寒さでもなし。11月9日夜、堀川聖運寺前で船頭が殴り合い、半死半生となる。12月1日、高野孫兵衛中間が銀札を作って捕…

これで切腹とはかなり厳しい処分

文政7年。10月9日評定所において次の通り。小普請組 吉田勘之丞。その方は小十人組徳山松衛と刃傷に及び、松衛が死んでしまったので切腹を仰せつけられるものである。徳山兼三郎。その方は当8月21日に父同姓松衛、吉田勘之丞、柴田告蔵、渡辺志摩吉と…

生花ってもっと古いと思ってました

文政7年。尾州あちこちの辻番を去年から順に修復する。行灯など代わり、立派になる。近頃、生花があちこちで大流行する。古流、未生流2つの流を始め、八代流その他が試楽や紋日(物日)などの会で大流行する。柳薬師の夜の開帳の間中、毎晩生花が行われる。…

餅を食べるのなら、害もないだろう

文政9年。8月1日に雑煮の餅を食べると、流行り病にかからないとの風説があり、家々では餅を食べる。今年は豊年だと。水野街道で稲穂が良く実ると。またそのあたりでは稲に鳥が巣を作ると。役所へも報告し、人が触らないように番をすると。また大曽根あた…

やっぱり偽金つくりの罪は重い

文政9年。文政9丙戌1月1日朝、雪交じりの雨が降る。昼から晴れる。2日から晴れる。8日朝、地震がある。13日から国府宮で開運守を売り出す。15日、御的射(おまとい、弓で的を射て無病息災などを願う)が行われるが、1日中雨が降る。18日、大須…

中村、清正公とくれば妙行寺のはず

文政9年。8月25日、大須天神の鈴の舞が始まる。9月3日、津島で正遷宮が行われる。9月15日、中村で清正公の柱立が行われる。10月4日、清寿院の芝居で一朱判を作り、召し捕らえられる。魚之棚七間町と呉服町の間南側の宿屋に泊まっていたと。10…

龍が天に昇ると雨を降らせると

文政9年。5月28日、直七郎様(徳川斉温)が従三位中将に任ぜられたので江戸への使い天野新太郎。6月4日定光寺へ名代大道寺玄蕃がこれを伝える。この日6月4日は夕七半時(午後5時)から激しい雷で、落雷の個所は次のごとく。津田縫殿頭殿裏土居へ1…

馬の塔の倹約の影響なのか質素

文政8年。米札5匁と3匁を11月15日から17日まで引き替える。12月、度々雪が降る。米の値段が高く、知行所の村々ではひけ(上前をはねること)が多い。屋敷では難渋し、町家は困窮する。同22日、古渡稲荷が正遷宮が行われ、8月からの造営が終わ…

菓子屋が商売敵を妨害してる

文政8年。同日、袋町医王寺で弘法大師誕生会の供養が行われる。同28日から南寺町阿弥陀寺で徳住が勧戒を行う。殊の外大賑わいとなる。町々でびいどろのかんざしが流行る。7月初め、武平町の坂の上の米屋の縁の下で何かが唸るからと聞きに行く人が多い。…

なかなか江戸時代も胡散臭い話が多い

文政8年。午年の冬から流行った二上り(三味線の二の糸を全音高くした調弦法、そのままの調弦は本調子)よしこの節はこの頃本調子に変えて節が少しずつ変わる。もっとも江戸で流行って、初めてやって来る。これは清元延寿太夫追善の歌から流行り、5丁次へ…

新人いじめのパワハラ

文政8年。6月27日、光明寺の僧が熱田新柏屋お山(遊女)を殺し、自殺し損ねる。初めて会っており、事情はわからないと。7月1日、堀川端御船手代加藤為吉という者が同役横井勝右衛門を殺し、行方をくらます。この勝右衛門はとても憎たらしい男でいつも…

ただ見たいだけで打首が行われたの

文政8年。3月2日から21日まで八事山で弘法大師の供養が行われる。躑躅(つつじ)の盛りで大賑わいと。千年忌を繰り上げて行い、21日に大施餓鬼が行われる。今年、成瀬隼人正、安藤帯刀は3日登城するはずで、その後中山備中守、竹腰山城守、水野飛騨…

心中だとか自殺だとか暗い話題が多い

文政8年。2月12日、津田太郎左衛門殿中間が女中を殺し、自分も自害しようとするが死ねずにいたが、どうやら心中のようでもなく、殺人のようなので下牢に入れると。2月13日、日置橋のあたりで男が1人水死する。辰巳圦のあたりに女が1人水死する。心…

年の初めは開帳が多い

文政8年。1月15日、1日中大雨。熱田射的(歩射神事)が海蔵門より行う。このようなことは28年も前と同じである。この春、惣見寺門前に垣ができる。1月30日、熱田で火事がある。2軒が焼失する。2月7日午刻(午前11時)過ぎ、長島町3丁目盲人…

丸く収めたい本山と白黒はっきりさせたい日潤

文政7年。これは問答の書である。(これは写真版が名古屋叢書四編に掲載されていますが訳は略します。ただ単に読めないだけですが。)次に記すは両僧在京中にこの地へ申し来る日潤の書簡。漸く秋の気配が増し、涼しくなったこの頃、ゆったりと静かなること…

結局弱い者がばかを見る

文政7年。今年、玉屋町の天王車は文字書欄干が紫□(ママ)になり、その他も色々と修復する。近年、その他にも瑞々天王烑灯台と称して修復する。車数も段々と増え、中々美麗になる。巾下は12、人形も出来、幕も羅紗、或いは錦あるいは麻木綿もあり。広井は…

宗教って結構争いごとが多い

文政7年。去年12月に記した法華宗説法僧本用院が異流(邪義)を勧めて歩き、道俗(僧侶や俗人)を惑わしたので、日比津定徳寺隠居日潤と宗論となり、役所へ判断を求めたところ、役所でも法流(仏教の教え)の意味の判断はできかねるので本山の裁許となり…

庄内川の花火が懐かしい

文政7年。文政7申7月申ノ月の11日、23日の申ノ日の七時申ノ刻(午後4時)に申(ほぼ南西)のに向かって鉢をかぶり、合唱して次の文句を3度唱える。倶毘羅神現頭痛鬼出急々如律令(クヒラシンケンツツウキシユキウキウニヨリツレイ)と唱えて鉢の底…

怪しげな人が出没

文政7年。5月7日より27日まで真広寺で開帳する。玉日宮御作、祖師聖人木像。関東六僧第一、二十四輩第二番、真仏上人開基、其外霊宝、下総結城 称名寺。370両かけて伝馬町鶴車は幕が猩々緋で前の通りになる。東馬場石谷稽古場で訐鞠(蹴鞠)が流行る…

開帳ってようするに寄付金集めなんですよね

文政7年。1月25日。朝日橋で身投げがある。1月末。東掛所で火の玉が出ることが評判になる。堂が燃えるなどという話もある。春、野間内海で義朝朝臣の首池で血が湧く。天下に変事がある時でないとこのような事はないとの言い伝えがある。しかし、4、5…

金を吹き替えるとどんどん品質は落ちていく

文政7年。1月14日、四半時(午前11時)から地震が何度もある。それからしばらくして地震が数回あり、夜までにおよそ13回にもなる。誰も安心して眠れず。同15日の昼から1度、夜に2度、同16日昼前に1度、同17日夜七時(午前4時)に2度、同…