1.はじめに
中原先生の本は好きで、これまでも何冊か読んでいます。
タイトルを見て、「いくつになっても学び続けたい」「他の人はどうやって学びを続けているのだろうか?」と関心を持ち、購入しました。
詳しくは以下の内容や、自分で感じたことを教訓としてまとめていまして、とにかく年始に読むのはぴったりの良本でした。
2.内容
(1)「学べない人」に共通する7つの思い込み
- 「新人」バイアス:学び=若い人・新人のもの
- 「学校」バイアス:学ぶなら学校や教育機関で
- 「現場」バイアス:座学はムダ、経験こそがすべて
- 「地頭」バイアス:知能がないと学べない
- 「自信の欠如」バイアス:自分は学びに向いていない
- 「現状維持」バイアス」:今のままで十分
- 「タイパ」バイアス:できるだけ効率よく学ぶべき
- 「残業が当たり前で、会社都合で部署をたらい回しにされ、求められる仕事がはっきりしないものの、とにかく動くことが求められ、結果でしか評価されない」という職場では、働く人の学びのバイアスはどんどん強化されていく。
(2)働きながら「学べる人」と「学べない人」は、結局なにが違うのか?
- 「学んでいる本人がハッピーならなんでもOK」と言いたいわけでもない。「学ぶ自分」を手に入れるために、「働く自分」を放棄するというのは、現実的な解決策だとは言えない。「働く大人の学び」に正面から向き合うのであれば、やはりその学びが仕事のパフォーマンスにつながっているかどうかにも目を配るべき。「学べない大人」にならないためには、やはり幸せと活躍の両方が必要。
- 周囲に学びを共有する機会がなく、誰からもフィードバックを受けられない環境では、モチベーションを維持するのが困難になる。共習には4つの効果がある。
- 真似し合い:熟練者のスキルを観察して学ぶ
- 教え合い:他者に伝えることで、自らの理解が深まる
- 創り合い:知識を共有し、新しい価値を生み出す
- 高め合い:仲間の存在がモチベーションを引き上げる
- 働く大人が何かを学ぶときには、ある程度の「継続」を前提としたほうがいい。その時々の状況に応じて多少の「中断」も許容する「ゆるいスタンス」でいたほうが、結果的に学びは継続しやすくなる。多少リズムが崩れても柔軟にかまえられる「ゆるさ」こそが、長く学びを続けるうえでの重要なカギ。継続の本質は、「毎日欠かさず続けられるかどうか」ではなく、「やめてしまっても、もう1度はじめられるかどうか」である。
- おすすめなのは「松竹梅草」の4段階。「草の目標」は、頑張らなくても必ず達成できる「小さな成果」。疲れていたり忙しかったりするときは、躊躇なく「草」の目標を選ぼう。たとえ「草」の目標であっても「達成」には変わりないし、なにもしないのと比べれば、はるかに価値がある。小さな「草」の積み重ねが、やがて大きな学びにつながっていく。
- 目標達成には「目標意図」と「実行意図」の2つが欠かせない。学びが続かない人には目標意図しかなく、実行意図がないケースが多々ある。
- 目標意図:「私は〇〇を成し遂げたい」という目標をはっきりさせること
- 実行意図:その目標にたどり着くために「いつ・どこで・なにを・どのようにするのか」といったアクションを明確に決めること
- 「心的対比」とは、「ポジティブな未来のイメージ」と「現実の障害」を対比させることで、目標達成への道筋を明確にする方法。
- 5年後も学びを続けられていたら、自分に何が起きているだろうか?
- そのようなポジティブな未来の実現を妨げている障害はなにか?
- その障害を乗り越えるために、どんな行動を取り得るだろうか?
- 基本的な仕事が一通りできるようになったミドル層こそ、積極的にストレッチゾーン(背伸び空間)に乗り出す必要がある。そうした逆境のなかで、「これまでのやり方が通用しない!」という事実を痛感することこそが、自分を”更新”するための最も確実な方法。困難や失敗に直面したときに、「これは成長の機会だ」と捉えることができれば、それだけで大きな1歩を踏み出したことになる。
- 「経験学習」という考え方を提唱したコルブは、「本当の学びは、現実の具体的な経験を通じてつくり上げられる」と主張し、4つから成るサイクルとして説明した。
- 具体的経験:仕事や日常のなかで、なんらかの経験をする
- 内省的観察:経験を振り返り、その意味を考える
- 抽象的概念化:その経験を一般化し、ほかの場面でも活用できる知識にする
- 能動的経験:新しく得た知識を、実際の仕事や生活のなかで試す
(3)「すでに学んでいる自分」に気づく
- 越境学習では、まずアウェイに飛び込むことで、自分の強みや弱み、仕事の意味や意義を新たな視点で捉えることができる。そこでの経験は、一時的に葛藤やハラハラ、不安定さをもたらすが、こうした違和感こそが学びのきっかけになる。そこからホームに戻ったとき、アウェイで得た気づきを活かして、これまでの常識やルールを再構築することができるようになる。
- 専門知識を深めることは重要だが、それと同時に、「自分の強み以外の世界に、どのような知識やスキルが広がっているのか?」を知ることも大切。「自分の周辺にはなにがあるのか?」を見回すなかで、「自分がどこにいるのか?」「自分がなにに詳しくないのか?」を知ることができれば、それが「学びをやめない生き方」への大きな道標になってくれるはず。
- 書店に行き、いつもは見に行かないコーナーの棚を眺めるー自分の強みや専門の外にある領域に目が向くようになる
- 自分の専門分野だけでなく、関連領域についても学ぶー全体像を把握し、自分の仕事・強みの位置づけを理解する
- 異なるジャンルの本をまとめて読むー以前から興味があるけれど、まだ学べていない領域の書籍を5冊選んで読んでみる
- 向き合うべき真の課題は、「すでに学んでいる自分」に気づけなくなっていることのほうにある。私たちは学びの渦中にいるー。しかし、それにもかかわらず、私たちは「学べない…」と感じ、それを嘆いている。それは「学び」に入り込んださまざまなバイアスによって、「学びはこうでなければならない」「これは学びではない」と思い込んでしまっている結果に過ぎない。「壮大ななにか」をゼロから学び始める必要はない。「目の前にある小さなきっかけ」からはじめよう。
3.教訓
「学び」をやめる、やめないの前に、そもそも「学び」とはなにか?について、自分自身で改めて考えるきっかけになりました。自身の反省点として、何かをインプットさえしていれば、それは学んでいることになる、そう考えていた節もありました。ただ本を読んだり、勉強会に参加したり、それだけで自己満足していてはいけない。それが仕事のパフォーマンスにつながってこそ「学び」であるというのは、これから意識しないといけないポイントだと痛感します。
そして、学びの「5つの行動」のうち、最初に言及のある「共習する」ことの利点については、自身がキャリアコンサルタントや産業カウンセラーの養成講座に通い、そこで出会った社外の仲間と、同じ目標に向かって学ぶという実体験から、肌で感じています。自分の対応についてフィードバックをもらえたり、「こんないい勉強方法がある」といった情報交換ができたりすることで、学習に身が入ります。
一方で、「学び」について、変に構えなくてもいい、ゆるくていい、「草」の目標でいい、という考え方も新たな視点として得ることができました。ただ、その先には「心的対比」として、少し先を見据え、「将来どうなっていたいか?」「そのために今なにができるのか?」を考えることも必要です。
正月から考えるきっかけになる良本に出会えたことに感謝します。
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