
舩井幸雄さんは「経営コンサルタントの神様」とも呼ばれ、日本のビジネス界に大きな足跡を残した人物です。その舩井さんが晩年にまとめた思想や人生哲学を凝縮したのが『法則』です。本書は単なる経営書や自己啓発書ではなく、人間としてどう生きるか、社会や時代をどう受け止めるかにまで踏み込んでいます。読後感はまるで「人生の羅針盤をもらったような感覚」であり、現代を生きる私たちに多くの気づきを与えてくれました。
1. 「法則」とは、宇宙や自然の摂理に従うこと
まず印象的だったのは、「法則」とは人間が作ったルールではなく、宇宙や自然に備わっている摂理である、という定義です。
「良いことをすれば良い結果が返ってくる」「調和を乱せば不調和が生じる」。これは古来から宗教や哲学でも語られてきた因果応報の考え方ですが、舩井さんはこれを経営や人生の実践に落とし込んでいます。
特に「素直でプラス発想で勉強好きな人は必ずうまくいく」という有名な言葉。これは舩井さんが一貫して唱えてきた成功法則であり、人の本質に沿ったシンプルで強力な指針だと感じました。現代のように不確実性の高い時代においても、この「素直・プラス思考・学び続ける姿勢」は普遍的な力を持つのだと改めて実感しました。
2. 経営と人生の共通項
本書は「経営の原理原則」と「人間としての生き方」が地続きであることを教えてくれます。舩井さんは「経営とは人を幸せにするための仕組みづくり」と定義します。つまり、会社の利益や拡大は目的ではなく、あくまで社会や人々を幸せにする手段である。
この考え方は現代の「SDGs」や「サステナビリティ経営」とも重なりますが、舩井さんはすでに数十年前からそのビジョンを語っていました。短期的な利益に惑わされず、人や自然との調和を優先すること。これはまさに宇宙の「法則」に合致する経営であり、長期的には必ず繁栄につながる、と説いています。
この部分を読んで、仕事に追われる自分自身を振り返らされました。数字や成果にこだわるあまり、「人を喜ばせる」という根本を忘れていないか。経営者でなくとも、会社員一人ひとりが「誰を幸せにするために働くのか」を考えることこそ、仕事の本質だと強く感じました。
3. 「見えないもの」を信じる勇気
舩井さんは物質的なもの以上に、「見えない力」を重視しています。愛や感謝、信頼といった目に見えないエネルギーが、人や組織を動かし、結果を生むと繰り返し強調しています。
現代社会は合理性やデータを重視するあまり、この「見えないもの」を軽視しがちです。しかし、人間関係において本当に人を動かすのは「数字」ではなく「信頼」や「心」です。
僕自身も会社員時代の営業職として働く中や、起業してサービスを提供する中で、数字や商品スペックだけでなく「この人から買いたい」と思っていただける信頼関係こそが成果につながると痛感してきました。本書はその直感を裏付けてくれるようで、改めて「見えないものを大切にする勇気」を持ちたいと感じました。
4. 逆境にこそ「法則」が働く
本書の中で特に心に残ったのは、「逆境や困難は必ず意味がある」という言葉です。舩井さんは「人間に起こることはすべて必然で、必要で、ベストである」と断言します。これはまるでスピリチュアルな響きもありますが、読み進めると非常に現実的な指針でもあることに気づきました。
失敗や困難は、自分に何かを学ばせるための「法則」に基づいた出来事だと捉えれば、そこから立ち直る力が湧いてくる。事実、歴史に名を残す多くの経営者やリーダーも、大きな挫折をきっかけに飛躍しています。
僕自身も仕事で大きな失敗を経験したとき、「なぜ自分だけ…」と悩んだことがあります。しかし振り返れば、その経験が後のキャリアに大きく役立ちました。本書を読み、「逆境の意味」を信じることで未来に前向きに進めるのだと勇気づけられました。
5. 舩井幸雄が残した希望
『法則』全体を通して感じたのは、舩井幸雄さんが未来世代に向けて「希望」を残してくれているということです。彼は時代の変化を冷静に見つめつつも、「人間は必ず良い方向に進む」という楽観を持ち続けています。その根拠は、人間や宇宙が本来持っている「法則」への信頼です。
これは単なるポジティブシンキングではなく、自然や歴史の流れを深く観察したうえでの確信です。僕たちも、この「法則」に沿って生きる限り、必ず未来は開ける。だからこそ、焦らず、恐れず、一歩を踏み出すことが大切なのだと改めて教わりました。
まとめ
『法則』は、経営者だけでなく、すべての人が人生の指針として読める本です。そこに書かれていることは、実にシンプルです。
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素直に生きる
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プラス思考で物事を見る
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学び続ける
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見えないものを大切にする
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困難には意味があると信じる
これらは当たり前のように聞こえますが、日々の生活の中で意識するのは容易ではありません。だからこそ「法則」という形で言葉にされ、僕たちの心に刻み込まれるのだと思います。
読了後、僕は「今日からどう生きるか」を強く意識するようになりました。仕事においても人生においても、「これは法則に沿っているだろうか?」と自問することで、より良い選択ができそうです。
舩井幸雄さんが残した「法則」は、今を生きる僕らにとっての確かな灯台です。困難や迷いの多い時代だからこそ、この本が伝える普遍のメッセージに立ち返ることで、前向きに未来を歩んでいけると感じました。