★★★☆☆
あらすじ
イギリスのロックバンド「ジョイ・ディヴィジョン」のボーカルで、23歳で自殺したイアン・カーティスの半生を描く。
サム・ライリー、サマンサ・モートンら出演。119分。
感想
ジョイ・ディヴジョンのボーカル、イアン・カーティスの半生を描く伝記映画だ。
音楽を愛し、詩を書く静かな青年が、バンドに加わって活動するようになる。だが彼がいきなりステージに立ち、歌い出すので若干の戸惑いがあった。音楽好きなのは分かるが、曲作りはどうしたのかや、ボーカリストとしての素養はどうだったのか等はさっぱりわからない。
ただミュージシャンの伝記映画でそれをやってしまうと、大体全部同じになってしまうので難しいところではある。彼らがどんな曲を作り、そしてスターになっていったのかは皆が知っている事なので、敢えて省略したのだろう。彼らが売れていく過程も簡単にしか描かれないので、バンドのことを詳しく知らないと、今どのくらいのポジションにいるのかを判断しかねるところはある。
バンド活動と並行して主人公の私生活も描かれる。バンド結成前の19歳の時に、彼がさっさと結婚してしまうのは意外だった。そして身障者のための職業安定所でしっかりと働くのもまた意外だ。早々に人生を固めてしまう手堅い生き方なのか、ロッカーらしく生き急いでいるのか。不思議な人生観だ。
やがて主人公には子供も生まれるが、仕事とバンド活動の掛け持ちやひとりの時間の確保のために、次第に妻との間に溝が生まれていく。そして、ツアー中に新しい恋人を作ってしまう。このあたりは若くして結婚したカップルにありがちな出来事だ。ただここで離婚するなり、恋人と別れるなりすれば良かったのに、どっちも嫌だとゴネるからこじれてしまった。
決断できず、どうすることもできない主人公は思い悩んでいく。また皆の期待を一身に受けるスターとしての立場にもプレッシャーを感じるようになった。それに加えて持病のてんかんによる死の恐怖が、不安に追い打ちをかけたのだろう。最悪の結末に向かっていく。
モノクロの美しい映像で主人公の苦悩する内面が描かれていく映画だ。ほぼ実話なのだからあまり文句を言うわけにはいかないが、それでも男女問題に関しては主人公の身勝手さが目についた。
「ジョイ・ディヴィジョン」についての知識はあまり持ち合わせていなかったので、大体の概略を知るには良かった。映画では描かれないが、バンドはこの後「ニュー・オーダー」と改名して継続していく。バンドのボーカルがいなくなるとそのまま終わってしまう印象が強いのに、ここからさらに活躍をするのだから素直にすごい。感心してしまう。
スタッフ/キャスト
監督/製作 アントン・コービン
脚本 マット・グリーンハルシュ
原作 タッチング・フロム・ア・ディスタンス: イアン・カーティスとジョイ・ディヴィジョン
出演 サム・ライリー/サマンサ・モートン/アレクサンドラ・マリア・ララ/ジョー・アンダーソン/トビー・ケベル/ハリー・トレッダウェイ
音楽 イアン・ニール
撮影 マーティン・ルーエ
登場する人物
イアン・カーティス/バーナード・アルブレヒト/ピーター・フック/スティーヴン・モリス


![BLUE MONDAY '88(2023 REMASTER) - NEW ORDER [Analog] BLUE MONDAY '88(2023 REMASTER) - NEW ORDER [Analog]](https://m.media-amazon.com/images/I/41ay81zwh9L._SL500_.jpg)