chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 私の新しいアイテム

    あなたへ 今日の私が、嬉々としながら眺めていたのは、 届いたばかりの、手帳用に買ったポーチです。 早速、ポーチの中へと手帳用のアイテムと、そして、手帳を収めてみれば、 思った通りに収まって。 今日の私は、とても満足しています。 ペンや付箋、そして、シールや小さなメモ帳。 私の手帳ライフが活発化すればする程に、 手帳に付随するアイテムもどんどん増えて、気が付けば、 いつも手帳と共にあったポーチには、入り切れなくなって行きました。 手帳用アイテムと、そして、出来れば、手帳までもが収まるポーチがあれば、 スッキリするのになと、いつの頃からか、 こんな小さな悩みを抱えるようになった私ですが、 何気なく…

  • あの子のお正月休み終わりの日

    あなたへ 先程、あの子を駅まで送り届けて来ました。 あの子のお正月休みが終わってしまいました。 今回のお休みも、長めに取れたあの子ですが、 やはり、どんなに長く一緒にいられても、 あの子との時間は、瞬く間に過ぎ去ってしまうような気がしています。 帰っちゃったんだね あの子を駅まで送り届けた後で、改めて広くなった部屋の中を見渡せば、 やはり寂しさを感じてもしまいますが、 つい数時間前まで聞こえていた、 ここに連れて行って あそこに連れて行ってと、こんなあの子の声が蘇れば、なんだか笑ってしまいました。 今回のあの子の帰省も、 笑っちゃっうくらいに慌ただしくて、忙しい毎日だったなって。 自分のことは…

  • コトバ -冬- 2026

    冬の色を覚えていますか 冬の音を覚えていますか 冬の匂いを覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 冬の澄んだ空気の匂いを 覚えていますか 家族3人で過ごした幾番目かの冬 何かの習いごとをしてみたいと 突然にこんな話をしてくれたあの子の姿を覚えていますか 友達も皆 習いごとをしているからという些細な理由だったけれど それならと私たちは武道を薦めてみましたね 学校では学べないことを習わせてあげたい これからどんどん成長して行くあの子が 自分で自分の身を守れるように あの子が楽しんで続けられるものが見つかれば良いね 初めてのあの子の習いごとに向けた私たちの願いは たくさんありました …

  • あの日買ったシールの話

    あなたへ 2026年が始まり、 きっとあなたが選んでくれたであろう緑色の手帳も、 いよいよ本格的に動き出しました。 そうして、新しい手帳と共に活躍してくれているのは、 あの、記憶を集める散歩の会の日に立ち寄ったお店で買ったシールです。 これは、1シートでありながら、 お正月もひな祭りも、こどもの日も、ハロウィンも、クリスマスも、 年間の様々な行事が詰め込まれたシールなのです。 これを見つけたあの日の私は、密かに衝撃を受けました。 思えば私が、手帳というものを持つようになったのは、 高校生の頃からのことでした。 あの頃の私は、お気に入りのキャラクターのものを使っていましたが、 やがて、キャラクタ…

  • 快適な身体で歩めるということ

    あなたへ 嗚呼、良いですね 今日の私が、改めて、 気持ちの良さを感じていたのは、筋トレです。 あの、首が痛過ぎて、どうにもならなかった日々のことを、 あの子にも話してみたのは、先日のことでしたが、 気が付けば、首の僅かな違和感さえも、感じることはなくなって、 すっかりと元気になりました。 今日の私は、しっかりと、トレーニングに励みながら、 自由に身体を動かせることへの幸せを感じていました。 ねぇ、あなたは知っていましたか。 人ってね、寝返りを打つことが出来ないだけで、 目が覚めてしまうようなのです。 一度、仰向けに寝たのなら、そこから1ミリも身体を動かせない。 こんな辛い状況下にあったのは、首…

  • 非日常生活の日々の中で

    あなたへ 駅に着いたよ ごめん 電車から降りられなかった 直ぐにそっちに戻るから待ってて これは、先日のあの子の帰省の日のやり取り。 あの子の元気なただいまの声が聞こえて来たのは、 こんなメッセージのやり取りから10分後のことでした。 また寝過ごしてしまったのだろうかと思えば、今回は、 駅に着いて、降りる準備をしていたら、ドアが閉まってしまったのだそうです。 え?そんなことある? 俺もビックリしたよ 荷物を持ってさ 降りようとしたら、ドアが閉まっちゃったんだよ 今回のあの子の帰省は、 こんな話に、笑ってしまったことから始まりました。 そっか。あれからもう、5日が経つんだな。 今日の私は、少しだ…

  • 空の彼方への年賀状 -2026-

    あなたへ 2026年がやって来ました。 今年の新しい年の始まりの今日も、 こちらでは、とても綺麗な青空が広がりましたよ。 今年の空も、とても綺麗でしょう? 今日のあなたの場所からは、どんな空が見えましたか。 今年も、そちら側のあなたが、幸せでありますように。 私たちはいつでも、あなたを想っているよ。 www.emiblog8.com 1ページ目はこちらより↓↓ 拝啓、空の彼方のあなたへ - 拝啓、空の彼方のあなたへ

  • 2025年終わりの日

    あなたへ 間もなく、この、2025年が終わりを迎えます。 今日の私は、この1年間を振り返りながら、思わず呟きました。 よく頑張ったね、私って。 此処から見える星空の、 本当の美しさを知ったことから始まったこの2025年の私は、 本当に成長することが出来ました。 試行錯誤を繰り返しながら、疲れ果てて、 泣いてしまった日もあったけれど、あの日の涙は、 私がどれだけ、 この人生に真剣に向き合っているのかを教えてくれた涙でもありました。 真剣に生きるってさ、とても疲れることでもあるのかも知れません。 でも、自分が見つめた前から目を逸らすことなく、 ちゃんと歩み続ければ、必ず、素敵な景色が広がっていてさ…

  • 年内最後であろう初めての挑戦

    あなたへ 私ね、冬に、窓という窓を全部あけて掃除をするのが、大好きなのよ 冬にね、窓を全開にすると、スッキリするわよ 家族は寒がっているけどね 笑い声と共に蘇ったのは、こんないつかの先輩の言葉でした。 あの頃の私は、先輩の声に頷きながらも、そのスッキリとする気持ちは、 私には一生掛かっても、分からない気持ちなのだろうと考えていました。 だって、私は超絶寒がりだもの。 冬の掃除の時間は、控えめに窓を開けて。 出来るだけ温かい環境の中で掃除をするのが、 私の中での冬の掃除との向き合い方でした。 ですが、今年の私は違います。 不意に蘇った先輩の声を反芻しながら、 私もやってみようかと、思い立つことが…

  • 年末の恒例行事

    あなたへ クリスマスが過ぎ、年末を迎えてから漸く、バタバタと年賀状を書いていた、 毎年の我が家を、あなたは覚えていますか。 あなたを見送ってからの我が家でも、年末の恒例行事はあの頃のままで。 年末を迎えてから、バタバタと年賀状を書くことを、 私の中での大切な恒例として、残し続けておこうと決めたのは、 あなたを見送ってから、何番目の冬のことだっただろう。 あの頃から変わらぬ時間を過ごせば、 私の中で蘇るのは、あの頃にいた私たちの声。 あれ?1枚足りないよ あれ?あの人ってさ、引越ししたよね あぁ!そうだった!引越しの葉書、貰ったよね? どこに仕舞ったかな 年賀状の束と向き合う毎年は、バタバタとし…

  • 四十九日の法要を控えていた日のあなた

    あなたへ そういえばあの日。 私の中へと不意に蘇ったのは、 あなたを見送ったばかりの頃のことでした。 そう。あれは確か、 あなたの四十九日の法要の前日の出来事でした。 あの子と一緒に外出をしたあの日。 お腹が空いたと言うあの子に何か食べさせようと、 コンビニエンスへ立ち寄ることにしたのですが、 あの日のあの子が選んだパンを見て、私は密かに、とても驚いていたのでした。 お腹が空いたあの子がパンを選ぶ時は、コロッケなんかが挟んであるような、 食べ応えのあるものを選ぶ筈なのに、 何故だかあの日のあの子が選んだものは、それとは全くかけ離れたものだったのです。 様々な種類のあるものからあの子が選んだのは…

  • 私はひとりでも大丈夫

    あなたへ くっ!首が!首が痛い! 寝起きと共に首に激痛が走ったのは、先日の朝のことでした。 暫くは我慢していたものの、あまりの激痛に堪え兼ねて、 絆創膏なんかが入っている箱の中を見てみれば、なんと湿布があるではありませんか。 これは、武道、そして、格闘技をしていたあの子の必需品でした。 あの子が巣立ち、気が付けば開けることなくなっていた箱の中で、 静かに期限が過ぎてしまっていたものの、 我が家の中に湿布があったということが、あの日の私には、 まるで今の私への贈り物であるかのようにも思えてしまったのでした。 これで、痛みから少し解放されるだろうと、 嬉々としながら、湿布を貼ることにしたのですが、…

  • 衝撃的なお告げ

    あなたへ え?本当なの?なんで? 思わずあなたをじっと見つめながら、お告げと名を付けたあなたの言葉を、 私の中で何度も反芻し、え?なんで?を繰り返した私の声を、 あなたは、どんな顔で聞いていたのでしょうか。 あの日の私は、あなたからのお告げに強い衝撃を受けて、 暫くの間、固まってしまいましたが、 あれから、あなたがくれたお告げを、自分の中で何度も反芻し、 漸く少しずつ、視点を広げて行くことが出来たので、 こうして、文字に綴ってみることにしました。 この世界で過ごした最期の時に、どんなものが見えていましたか。 こんな手紙を綴ったのは、先日のことでしたが、 あなたへの手紙を送り終えて、様々に想いを…

  • 記憶に残っていないエピソード

    あなたへ サンタクロースのお人形のブーツを脱がせて、履こうとしてみたけれど、 ブーツが小さ過ぎる故に履けなくて、 泣いていたのは幼かった頃の私、らしいです。 らしい。と言うのもこれは、 私の記憶には残っていない、幼かった頃の私のエピソードなのです。 携帯電話に入っているアプリを何気なく開いた私の目に飛び込んで来たのは、 ハイハイが出来るようになった赤ちゃんの動画でした。 何故だか、壁に向かってハイハイをしていて。 全く前に進めないことに怒っているその姿が可愛くて、 思わず笑顔になった私の中へとふと蘇ったのが、 いつかの母が、私に話して聞かせてくれたエピソードでした。 この世界にある当たり前をま…

  • クリスマスパーティ -2025-

    あなたへ 今年のクリスマスパーティにも、きっと参加してくれていたあなた。 ありがとう。 今年も、とても素敵なパーティでしたね。 昨日の私は、見たばかりの夢を何度も反芻しながら、 きっとあなたは、あの頃から変わることなく、 毎年のクリスマスパーティを楽しみにしてくれているのかも知れないと、 こんな気持ちで、招待状を綴ることが出来ました。 そんな気持ちのまま迎えた今日は、なんだか、いつもよりも楽しくて。 気が付けば、私の気持ちを彩るかのように、 我が家のテーブルの上は、例年よりも、 随分と豪華な色でいっぱいになりました。 今年の私も、なんだか食べ過ぎてしまいましたが、 楽しいってさ、きっと、 たく…

  • 招待状

    招待状 クリスマスパーティのご案内です。 是非、来てくださいね。 日時:2025年12月24日(水曜日)19時00分より 場所:家族の部屋にて 軽装でお越しください。 昨夜は、あなたの夢を見ました。 それは、あの夏からの続きを過ごすかのような素敵な夢でした。 夢から覚めた私は、クリスマスパーティを待ちきれなくて、 逢いに来てくれたのかな、なんて、こんなことを考えていました。 あなたのお陰で、より一層、明日を迎えるのが楽しみになりましたよ。 昨夜は、素敵な時間をありがとう。 今年も、あなたとの素敵な時間を過ごせること、楽しみにしています。 気を付けて帰って来てくださいね。 あなたの妻より 1ペー…

  • 最期に見えるもの

    あなたへ あなたを見送ってからの私は、 幾つくらいの新たな視点を見つけて来ただろう。 年齢を重ねれば重ねる程に、私に見える景色は変わり行き、 考え方も価値観も、思えば随分と変わりました。 様々な人たちとの出会いや別れを繰り返しながら、 見える景色の色は、どんどん変わり行き、 やがて、自分にとっての完成を迎えた時が、 この世界を去る時であるのかも知れないと、 こんな視点から、人生を見つめてみた日がありましたが、 それはきっと、人生を先へと歩めば歩む程に、 点と点が結ばれて、やがてはひとつの完成された何かが見えると、 こんなふうに捉えることも、きっと出来るのでしょう。 同じ物事を見つめていても、そ…

  • 緑色の手帳

    あなたへ 私は、今日の日を密かに楽しみにしていました。 実は今日から、来年用の手帳を使おうと、決めていたのです。 いつの頃からか、冬至の日に、 翌年用の手帳を使い始めることが恒例となった私ですが、 何気なく、今年の12月の日が良い日を検索してみれば、 12月21日の今日は、今年最後の最強開運日だと言うではありませんか。 明日が冬至の日ではありますが、生憎、ちょっと忙しい。 それなら、今年最後の最強開運日の今日から、 来年用の手帳を使おうと、思い立ったのです。 先ずはあなたの誕生日の日を装飾することも、 あなたと出会ってからの私の、大切な恒例行事。 こうして、真新しい手帳を開くと、一番初めにあな…

  • 幼かった頃の私の夢

    あなたへ 幼かった頃の私の夢は、魔法使いになることでした。 物置きに立て掛けてあった箒に、こっそり跨って、飛ぶ練習もしたし、 本物の魔法のステッキを手に入れた時のために、 ステッキを振る練習もしました。 両腕を早く動かせば、箒に乗らなくとも飛べるかも知れないと、 こんなふうに思いついたのは、いつの頃のことだっただろう。 箒に乗って飛ぶよりも、その方が便利なのかも知れないと考えた私は、 両腕を早く動かして、飛ぶ練習もしていました。 夢の中の私は、自由に飛べたもの。 きっといつか、飛べるようになる筈だからって。 私はいつから、 飛ぶ練習も、ステッキを使う練習も、しなくなってしまったのだろう。 あれ…

  • のど飴を選んだ時間

    あなたへ 先日みつけた、さくらんぼのキャンディを味わいながら、 やがて小さくなって行ったキャンディを噛めば、不意に蘇ったのは、 あの子の巣立ちの前日の日のことでした。 あの日の私は、あの子が新居に着いたら、直ぐに食べられるようにと、 お弁当を持たせるために材料を買いに出掛けていました。 どんなお弁当を持たせようか。 あの子が好きなものを様々に思い浮かべながら、次々に、材料をカゴに入れながら、 私が最後に選んだのは、のど飴でした。 あの頃のあの子は、ほんの少しだけ風邪気味で、 時々、咳をしていて。 あの子が1日も早く、万全な体調に戻りますようにと、 こんな気持ちで、様々なのど飴を見比べながら、 …

  • 私が取り戻したもの

    あなたへ 冬を好きになりたいと、こんな視点を持ったのは、先日のことでしたが、 あれからの私に見える景色は、どんどん変わり行きました。 車のフロントガラスが凍っていて、吐く息も真っ白。 ここ最近のこちら側の朝は、一段と、寒さを感じるようになりましたが、 何故だか私には、朝の冷たい空気が、心地の良いものであり続けています。 毎年の私なら、身を竦めながら、大きなため息を吐き出す朝である筈なのに、 車までの距離を歩く私の背筋はピンと伸びていて、 朝の冷たく澄んだ空気を、素敵だなとも感じているのです。 車を走らせれば、やがて私に見えるのは、 土や雑草が霜を纏い、一面が白で覆われた景色。 冬の朝が魅せる白…

  • ずっと私を苦しめていたもの

    あなたへ 私が記憶と戦うようになったのは、いつからだっただろう。 これは、こうしてあなたへの手紙を綴りながらも、 一度も、あなたに話すことの出来なかった私の中での戦いでした。 だって、こんな私が此処にいることは、あなたには知られたくなかったもの。 でも、漸く、私の中で腑に落ちるものを見つけることが出来たので、 今日は、あなたを見送ってからの私を苦しめ続けていた記憶についてを、 あなたにも話してみたいと思います。 いつからだっただろう。 あなたを見送ってからの私の中へと不意に蘇るようになったのは、 私を傷付けたあなたの言葉でした。 それは、喧嘩をした上で発せられた言葉ではなく、日常の中でのあなた…

  • あなたが知らない味

    あなたへ こちらでは、今日も、冷たい風が吹きました。 こんな日は、おでんが美味しいです。 今日の私は、温かなおでんを食べながら、ふと、 これもまた、あなたが知らない味であるのかも知れないと、 こんなことを考えていました。 昨年から、我が家のおでんの定番として仲間入りしたのは、白菜です。 これは、あの、早い流れの中で出会った方から教わったものでした。 うちではね、おでんに白菜を入れるのよ 食べやすい大きさに切って入れるだけなんだけれど、美味しいよ おでんに白菜という発想がなかった私は、その言葉に僅かな衝撃を受けましたが、 早速、我が家でも試してみれば、とても美味しくて。 そうして我が家のおでんに…

  • アイラバジ

    あなたへ 何気なく車のハンドルに刻印された、AIR BAGという文字を見つめて、 無意識に、アイラバジと読んで、笑ってしまったのは、今日の私です。 アイラバジ。 この懐かしい言葉は、あなたも覚えているでしょうか。 あれは、あの子が小学生高学年になった頃のことでしたね。 ローマ字を習うようになったある日のあの子は、 アイラバジって書いてあるねって、 車内に書かれたAIR BAGという文字を、自信満々に指差していましたっけ。 それはね、エアバッグって読むんだよ あの日の私たちは、笑ってしまったけれど、 あの日のあの子の声は、 ローマ字と英語の違いを教えるきっかけにも繋がりましたね。 でも、確かに。…

  • 更なる大発見

    あなたへ さっ!寒い!寒過ぎる! ここ数日の間で、私は何度、こんな小さな声を漏らしたでしょうか。 外から帰れば、ただいまと共に、今日も寒かったよって、 あなたへこんな報告をするのもまた、ここ最近の定番の挨拶となりました。 もしも冬眠することが出来るとしたのなら、 春まで随分と眠ることが出来るだろうな、などと、相変わらずに私は、 こんなことばかりを考えてもしまいますが、 もしも冬眠などしてしまえば、人生の中での数ヶ月を、 何もせずに過ごすことになるではないかと、 自分に喝を入れたのは、昨日のことでした。 人間とは、日々、成長出来る生き物です。 数ヶ月間という時間は、とても貴重な時間なのです。 と…

  • 私の中に存在する時間

    あなたへ あぁ、そっか。 きっと今の私の中には、2つの時間が存在しているんだ。 この世界に流れる時間を見つめながら、そして、 あの夏から先へと歩んだ日々を振り返り、 自分の中で、ふと、こんな新たな視点を見つけて腑に落ちたのは、 いつの頃のことだっただろう。 今日は、あなたを見送ってからの私の中へと存在するようになった、 時間についての話をしてみたいと思います。 あなたを見送り、私は、 それまで知らなかった時間の経ち方を知りました。 あなたを見送ってからの年数に対して、 もう、と誰かに表現されることへ苛立った日々。 そして、あなたを見送ってからの日々に対して、ただ、長かったと表現したのは、 あな…

  • 冬の風鈴

    あなたへ たくさん眠った筈なのに、なんだか頭がスッキリしないなと、 何処かに残った眠気を感じていたのは、今日の私です。 やりたいことや、やるべきことを目の前に置いたまま、 冴えない頭が私の歩みの邪魔をして。 それなら、ほんの少しだけ、散歩に出掛けてみようかと思い立ち、 冷たい風を感じながら、歩き出した私の耳に届いたのは、風鈴の音でした。 風鈴の音と言えば、夏を連続させるものではありますが、 こうして、寒い季節にその音へと耳を澄ましてみれば、 冬の澄んだ青空と、冷たい空気にも、実は似合う音でもあるのかも知れないと、 私はこんな新たな発見をしました。 風鈴を揺らす冷たい風は、これまでにはなかった視…

  • 主人とテレビのリモコンとの関係性

    あなたへ うちの主人はね、 いつもテレビの前に寝転がって、テレビのリモコンを絶対に離さないのよ 電池交換の頃になると、なかなかリモコンが反応しないでしょう? そうするとね こう、太ももに、リモコンをパシッパシッと叩き付けて、またテレビに向けるの 電池くらい自分で変えたら良いのにね 私の中へとふと蘇ったのは、いつかのこんな先輩の声でした。 こうして文字にしてみれば、悪態にも感じるけれど、 あの日の先輩は、笑っていました。 きっと先輩は、然程、不満にも思ってはいない日常のご主人の様子を、 面白おかしく話して聞かせてくれただけだったのでしょう。 テレビのリモコンと主人はセットであると、 いつかの私は…

  • 全ての条件が揃った瞬間

    あなたへ 先日の私が見慣れた景色の中で見つけたのは、 木々の間から、朝陽の光が差した幻想的な景色でした。 あの日の朝は、ほんの僅かに、もや掛かった朝でしたが、 あの日の私を魅了したのは、 きっと、僅かなもやが掛かっていたからこそ、 光をより美しく魅せていたのかも知れないと思えるような、そんな素敵な景色でした。 その幻想的な景色に思わず息を飲んだあの日の私は、 この世界には、まだまだ私が知らない景色が、きっとたくさんあるんだろうなって、 そんなふうにも考えていました。 今日もまた、同じ時間に同じ場所を通ったけれど、 そこには、あれだけ私を魅了した筈のものは、何処にも見当たらなくて、 ただ、鬱蒼と…

  • 再びの運命的な出来事

    あなたへ ねぇ、あなた 今日もね、凄いことがあったんだよ このキャンディも知ってる? 私のこんな声を、あなたは何処かで聞いていてくれたでしょうか。 今日の私が、昨日お供えしたばかりのチョコレートたちに添えたのは、 さくらんぼのキャンディです。 このキャンディもまた、ふと蘇った記憶と共に、 また食べたいと思っていたものでした。 私が密かにこのキャンディを思い出していたのは、 丁度、キャラメルに嵌り出したあの頃のことでした。 キャラメルがくれる甘さを楽しみながら、何気なく幼少期の記憶を辿ったあの日、 幼かった頃の私が、 このさくらんぼのキャンディも好きだったことを思い出したのでした。 でも、どのお…

  • チョコレート色の季節

    あなたへ ここ最近のこちらでは、一段と寒さを感じるようになりました。 いつの間にか、秋と冬の間から、 冬の季節へと移り変わったのだと、こんな気持ちで辺りを見渡したのは、 霜が降りた景色を見つけた先日の朝のことでしたが、 こちらでは、気が付けば、12月へと突入し、 吐く息の白さもまた、 季節の移ろいを、そっと教えてくれるようにもなっていました。 今朝も寒かったですね 最近は、こんな雑談をすることも増えて来たような気がします。 こうしてこれから、寒い朝が、少しずつ当たり前になるのかと思えば、 大きめのため息が漏れ出てしまうと共に、 やはり私は夏が良いとも考えてしまいますが、 今年の私は、これまでに…

  • 失われない感覚

    あなたへ 人の聴覚は、一番最後まで残るのだと、こんな話を耳にしたのは、 いつの頃のことだっただろう。 あなたを見送ってからの私は時々、 あなたがこの世界で聞いた最後の声についてを考えます。 きっと、あの、茄子料理の話は、あなたに届いていたし、 泣きながらあなたの名前を叫んだあの日の私たちの声も、 きっと届いていたのでしょう。 あの夏にいたあなたの声は、もう、聞こえなかったけれど、 私たちの声が、ちゃんとあなたに届いていたからこそ、 あなたは、それに応えるべくして、私たちに安堵の瞬間を与え、 そして、あの夏から先の未来にいる私に、不思議な流れを見せたのでしょう。 あの夏にいたあなたが見せてくれた…

  • 運命的な出来事

    あなたへ こっ!これは!! 思わず目を見開いて、まじまじとそれを見つめながら、 そう!これだよ!って、 思わず大きな声をあげそうになってしまったのは、 キャンディコーナーでのことでした。 あの、チョコレートが入ったキャンディを見つけたのです。 このキャンディの記憶は、遥か遠く。 あの頃の私は、まだ幼く、 パッケージのデザインなんかは忘れてしまっていましたが、 赤色が印象的であったことだけはよく覚えていました。 すかさずキャンディの袋をひとつ手に取ってみれば、 チョコレートという文字が目に留まり、あの日の私が思い出していたのは、 このキャンディに間違いないと、更に確信を深めたのでした。 復刻版、…

  • 何年が経っても誰かを笑わせることが出来るもの

    あなたへ 昨夜、眠る前に、私の中へとふと蘇ったのは、 いつかのあなたのお母さんの姿でした。 そう。あれは、あの子が1歳を過ぎた頃のことだったでしょうか。 あなたのお父さんとお母さん、それから、私たち3人。 こんな5人で、あの日、出掛けたのは、遊園地でした。 今日は、晴れて良かったねって、 あなたのお母さんは、とても嬉しそうで。 あの子の歩幅に合わせてゆっくりと歩きながら、 やがて、入場券の券売機の前に到着すると、 あなたのお母さんは、とても嬉しそうに券売機へと駆け寄って、 券売機の下側にある券取出口を覗き込みながら、 すみませーん!大人4人です!って、とても大きな声で、声を掛けたのでした。 違…

  • え?どうしてこんなところに私の顔が?

    あなたへ 確かに、今日の私も、様々に考えごとをしていました。 でも、まさかね あんな失敗をしてしまうだなんてねと、車に乗り込んでからも、 暫く、口角が上がったままだったのは、今日の私です。 それは、立ち寄ったATMで起こりました。 カード投入口へ銀行のカードを投入するつもりが、 私が投入しようとしていたのは、なんと、運転免許証だったのです。 え?どうしてこんなところに私の顔が? カード投入口に見つけた自分の顔に、漸く違和感を覚えた私は、 投入する前に気が付くことが出来ましたが、 なんだかとても恥ずかしくなって、思わず声を殺したまま、笑ってしまいました。 そうして車へと乗り込んでからも、暫くの間…

  • 今の私から見た93年後

    あなたへ 次にこの世界で私たちが出会うまでに、 93年しかないと、こんなふうに、 あなたへの手紙を綴った日のことを思い出していました。 100年後にまた逢おう。 次にこの世界で私たちが出会う日を勝手に決めた日の私は、 確かに、ずっとずっと遥か遠くの先の未来として、その時を思い描いていました。 それなのに、先日の私は、93年という年月に対して、 それしかないと、こんな視点で、未来を見つめ、文字を綴ったのでした。 無意識に綴った文字を見て、私はそれだけ、 自分の道を歩めるようになった証拠でもあるのかも知れないなと、 あの日の私は、あなたへの手紙を送り終えた後で、 静かに、自分の成長を感じていたので…

  • あの日の私たちに何があったのか

    あなたへ 昨夜の手紙を送り終えた後で、本当は思い出したくなかったあの日の出来事を、 注意深く振り返ってしまったのは、 私に、その物事と向き合う準備が整ったからということだったのでしょうか。 昨夜の私が振り返ったのは、あの、事故に遭った日のことでした。 以前の私が一度、あの日のことをあなたへの手紙に綴った日は、 事故が起こる前の楽しかった時間を僅かに綴っただけでしたが、 実はそれは、記憶を辿ることが恐ろし過ぎて、 随分と、話を端折って書いたものでした。 でも、こうして改めて、 あの日のことを振り返るタイミングがやって来て、 そこに隠されていたことが分かってしまったような気がしたので、 今日は、あ…

  • 人が守られている証拠

    あなたへ 守られていることに気付くのってさ、 実は難しいことなのかも知れないな 朝からこんなことを考えていのは、先日のことでした。 あの日の私は、いつもよりもほんの数分だけ起きるのが遅くなって。 それにも関わらず、出掛ける準備も、何故だかいつもよりもペースが遅くて、 結果的に、家を出る時間も、いつもよりも少しだけ遅くなってしまいました。 今日はなんだか、色々と時間が掛かってしまったなと、 こんなことを考えながら、いつもよりも混雑している道を、 ノロノロと運転していた私の目に飛び込んで来たのは、 恐らく発生から、然程、時間が経っていないのであろう事故の現場でした。 私は、それを見た瞬間に、今朝の…

  • 記憶を集める散歩の会

    あなたへ そうだ もうすぐ出掛けるんだ 楽しみだな 夢と現実の間で、こんなことを考えていた私が、ふと目を覚したのは、 恐らく深夜の時間帯。 僅かに目を開けて、外が暗闇に包まれていることを確認し、 もう一度、目を閉じたのは、昨夜のことでした。 やがて耳元で鳴ったアラームを止めて起き出して、 外を確認すれば、綺麗な青空が見えて。 やはり今日は、あの計画を実行するに相応しい日であると、 ベランダに出て、もう一度、空を見上げたのでした。 子供の頃の私が見ていた景色の中を歩いてみようと、 こんな計画を立てたのは、先週末のことでした。 ゆっくりと過ごしながら、私が反芻していたのは、これまでに蘇った様々な記…

  • 私の少し先の未来を見せてくれていた時間

    あなたへ 忙しい最中でありながらも、あの子が電話をくれたのは、 あなたへのあの子の最近の様子についての手紙を送ってから、 間も無くの頃のことでした。 忙しい筈なのにと、あの日ばかりは、 着信音と共に携帯電話の画面に表示されたあの子の名前に、驚いてしまったけれど、 どうやらあの日のあの子は、在宅ワークの日だったようで。 仕事中ではあるけれど、特に頭を使うことはなく、 今日はただ手を動かすだけで良いからと、 こんなあの子の元気な声が聞こえて来ました。 メッセージのやり取りをしたあれからも、体調を崩すことなく、 毎日、元気に過ごしているよと、こんなあの子の言葉に、 あの日の私は先ず、安堵の気持ちを覚…

  • チョコレートが入っているキャンディの話

    あなたへ ねぇ、あなたは、 中にチョコレートが入っているキャンディを知ってる? 外側は透明なキャンディでさ、中にチョコレートが入っているの あれは、なんていう名前のキャンディだったかな もしも今、あなたと話をすることが出来たのなら、 こんな私の声に、あなたはどんな言葉を返してくれたのでしょうか。 何の脈絡もなく、突然に思い出したこのキャンディは、 私が子供の頃に好きだったものでした。 一度、記憶が蘇れば、とても気になって、 買い物ついでにキャンディコーナーを隈なく捜索してみましたが、 それらしいものは見当たらずに。 私が知らぬ間に、過去のものとなってしまったのか、 または、私が行ったスーパーに…

  • あなたがくれるお告げ

    あなたへ あなた、ありがとう あなたが言っていた通りだったよ あの日の私からのこんなお礼を、 あなた何処かで聞いてくれていたでしょうか。 ちょっとだけ不安に思っていたことに対して、全く問題ないと、 こんなお告げをくれたのは、先日のことでした。 本当に?本当に大丈夫?と、半信半疑でありながらも、 胸の中いっぱいに安堵の気持ちが広がったあの時間は、 こうして思い返してみても、不思議な時間でした。 あれから先で、あなたがくれたお告げの通り、全く問題のない未来がやって来て、 私はあなたへ手を合わせながら、お礼の気持ちを伝えたのでした。 相変わらずに、あなたのお告げは的確です。 きっとあなたは、私にその…

  • 前髪と人生のタイミング

    あなたへ 前髪を切りながら、また新たな切り替えのタイミングが来たのだと、 気持ちを改めていたのは、昨夜の私です。 私にとって、前髪を切る時というのは、きっと切り替えのタイミング。 私の人生は、そんなふうに出来ているのかも知れないと、 初めてこんな視点からこの人生を見つめてみたのは、3年前の夏のことでした。 あの年の夏は、あなたを想い、たくさん泣いていたけれど、 あれから先で、私は、あなたを見送ってからの8年間は第一章、 そして、次に始まったのはきっと、第二章であるのだと、 私なりの区切りのようなものを見つけることが出来たのでした。 第一章の最後の夏でもあった3年前の夏に、私がたくさん泣いていた…

  • ポテトチップスとコーラとチョコレート

    あなたへ えぇ?嘘でしょ? もしかして、私って、まだ疲れている感じ? 休息の時間、足りなかったの? こんな独り言を呟きながら、盛大に項垂れたのは、昨夜の私です。 昨夜の私は、大きな失敗をしてしまいました。 何を失敗したの?って、こんなあなたの声が聞こえて来そうですが、 これは、私だけの秘密です。 墓場まで持って行きます。 えっとまぁ、要するに、墓場まで持って行った後なら、 あなたにも話せる、ということにもなるのですが。 昨日の私は、バタバタとした時間を過ごしましたが、 夜になってみれば、これまでにはしなかったような失敗をして。 それなら今日は、もう一度、休息の時間を取ってみようではないかと、 …

  • 枯葉の上を歩きながら

    あなたへ 夜の銀杏の木を見つめながら、思えば今年の私はまだ、 昼間の銀杏の木をゆっくりと眺めていなかったと、 こんなふうに気が付いたのは、昨日の私でした。 思えば、日々、忙しなく過ごしていた私は、 信号の待ち時間に、黄色く色付いた遠くの銀杏の木を眺めるばかりでした。 今日の私は、昨日のゆっくりとした時間から一変し、 バタバタと過ごしていましたが、 用事のついでに、少しだけ、いつもの公園へと寄り道をすることにしました。 いつもの公園へと足を運んだのは、いつ振りだっただろう。 いつの間にか、たくさんの枯葉で埋め尽くされた地面を見つめながら、 今日の私は、改めて、季節の巡りを感じました。 枯れ葉がた…

  • いつもよりも短い1日

    あなたへ 私は、私が思っていたよりも、 ずっと疲れていたのかも知れないと自覚を持った私は、 今日は、とてもゆっくりとした時間を過ごしました。 明日は、眠りたいだけ眠れば良い。 昨夜の私は、こんな気持ちで眠りに就きましたが、 今朝は、目覚ましを止めたまま、起きることをせずに、 更にそこから随分と眠ってしまいました。 漸く目が覚めた頃には、 1日の始まり、と表現するには遅過ぎる時間帯になってからのことでしたが、 お陰で、なんだかとてもスッキリとしたような気がしました。 ハイスピードで家事をして、 ふと、思い立って本屋さんへと出掛ければ、随分と長居をしてしまって。 外に出た頃には、すっかり日が暮れて…

  • 恥ずかしい報告

    あなたへ あなた 行ってきます 今日も良い日にするからね お燐を鳴らして、あなたに手を合わせてから外出するのが、 いつもの私のやり方ですが、何故なのでしょうか。 今朝の私は間違えて、あなたへお供えしたコーヒーのマグカップを、 鳴らそうとしてしまったのです。 マグカップに当たる直前のところで気が付いて、 手を止めることが出来ましたが、こんなことは、思えば初めてのことでした。 こんなチグハグな行動から始まった今日でしたが、 私は更に、驚くこととなったのです。 お財布を開けて、ポイントカードを通してから、 ポイントカードをお財布へと戻し、次にお金を入れる。 こんないつもの流れ通りに従って、お財布を開…

  • 人間らしい時間

    あなたへ 今日の私は、なんだか人間らしかったな 1日の終わりに、こんなことを考えていたのは、 先日のことでした。 あの日の私は、気持ちが堕ちていました。 もう嫌!嫌だ!嫌だ!と、現状を見つめ駄々を捏ねて。 何もかもを置き去りにしてしまいたい衝動に駆られたあの日の私は、 とても疲れていました。 最強人間になる方法も、魔法の呪文も置き去りに、 全く別な方向を見つめたままで、何処までも堕ちて行ったあの日の私は、 気が澄むまでそうしたのなら、 結局、スクッと立ち上がり、いつも通りの私へと戻ったのでした。 結局、私は、こうして元に戻るのよ ゆっくりと休んで、元気を取り戻したあの日の私は、 すっかりと日が…

  • アレがアレでアレだから

    あなたへ 歳を取るとね、言葉が出て来なくなるのよ アレ、ばっかりになっちゃうものなの もう、嫌になっちゃう 私の中へとふと蘇ったのは、こんないつかの先輩の言葉と、 あの日、聞こえた笑い声でした。 何の話だったのか、なかなかその名称が出て来ずに、 代わりに、アレ、と言った先輩は、 年齢を重ねると、言葉が出て来なくなるのだと笑っていたのでした。 いつかは、あなたも分かる時が来るわよ こんな先輩の言葉に笑いながら、あの日の私は密かに、 歳を重ねたずっと先の未来を思い描いたのでした。 アレがアレで、アレだからさ あぁ、アレね でも、アレってアレだよね 例えばいつかは、あなたとの会話も、こんな感じになる…

  • 人間の成長期 -2025-

    あなたへ ふと気が付いた大きな視点と、過去に見つけた視点が不意に繋がって、 思わずハッとして。 昨日よりも今日、今日よりもきっと明日、と、 毎日、毎日、新しい自分へと生まれ変わっているようなこの感じ。 なんだか知っているような気がするなと、ここ最近の自分自身の成長を見つめれば、 どうやら私は今、新たな人間の成長期の中にいるようだと、 漸く気がついたのは、先日のことでした。 人は皆、幾つになっても、 日々、成長を繰り返しながら歩んでいるものなのだと、 こんな視点を見つけたのは、いつの頃だっただろう。 きっと人には、緩やかな成長段階と、急激な成長段階があって、 日々、緩やかに成長しながら、ある段階…

  • 焼きうどん祭り

    あなたへ 買い物カゴを持ったまま、私に流れる時間だけが僅かに止まったのは、 先日のことでした。 あの日の私が出掛けたのは、あの頃から存在しているスーパーマーケット。 そう。焼きうどんを作ってあなたに会いに行ったあの頃から。 買い物カゴを持って、 蘇ったばかりの焼きうどんの思い出を反芻しながら店内を歩き出せば、 私の目に飛び込んで来たのは、 若かった頃のあなたにとてもよく似た横顔でした。 思わず息を飲み、立ち止まったままで、その方を凝視すれば、 横顔から髪型に至るまで、全てがあの頃のあなたによく似ていて。 あの時の私は、一瞬、 あの頃にタイムスリップしたのではないかとすら、考えてしまったのでした…

  • この人生を選んで生まれて来た理由

    あなたへ 人ってさ、どうして生まれて来るのだろう。 その年齢を迎えたら、幼稚園に通って、小学校へ通って、中学校へ通って。 中学校を卒業すれば、高校生になることが当たり前でさ。 まぁ、人によっては、幼稚園ではなくて、保育園へ通う子もいる。 でも、多少の違いはあっても、 誰の人生も、生まれた時から大体、決まっているようなものよね。 高校を卒業したら、大学へ行くのか、専門学校へ行くのか、 または、就職するのかという分岐点があるけれど、 それは、人生においての僅かな選択肢に過ぎないのよ。 だって、大学や専門学校を出たら、結局は就職をするのが当たり前だし、 年頃になったのなら、結婚することが当たり前。 …

  • 11月のてんとう虫

    あなたへ 私が車へと乗り込むと、恐らく知らぬ間に、 私の身体に止まっていたのであろうてんとう虫が飛び立ち、 フロントガラスにその姿を見せました。 何処にでもいそうな気もしてしまいますが、 こうして私の目の前へとてんとう虫が現れたのは、 思えばあの、黄色のてんとう虫が最後であったような気がします。 てんとう虫と、父。 そして、黄色のてんとう虫と、あなた。 てんとう虫に纏わる不思議な出来事を集めて来た私にとって、 てんとう虫とは、 特別な意味を持つ生き物であるという位置付けとなりました。 虫が苦手な私ですが、車内に見つけたてんとう虫に対して、 特に嫌悪感を抱くこともないままに、 車の窓を開ければ、…

  • 遺品整理をした日に出て来た言葉の本当の意味

    あなたへ 例のゲームをしながら、 眠りへの入り口を探していたのは、昨夜の私です。 私がこのゲームを楽しみ続けることが出来るのは、 このゲームだけが特別であるからなのだと、こんなふうに気が付いたのは、 今年の夏のことでしたが、 思えばこれまで、あの夏からずっと先へと歩まなければ、 見つけることの出来なかった視点が、たくさんあったなと、 ゲームを楽しみながらも、ぼんやりとそんなことを振り返っていました。 11年間、何も気付かずに、このゲームを楽しみ続けていたことには、 勿論、衝撃を受けたけれど、 実はあなたは、此処から居なくなってしまっても、 私たちが家族になる前にしてくれた約束を、守り続けてくれ…

  • あの子と私のそれぞれの今

    あなたへ 近頃のあの子の様子を知ることが出来たのは、 短いメッセージのやり取りの中でのことでした。 忙し過ぎる あの子から届いたこんなメッセージを見つめながら、あの日の私は、 一段落が付いた段階から、 また新たな段階へと移り変わったのであろうことを感じたのでした。 忙しさに変わりはなくとも、 知らなかった視点を持つ前と、持った後では、きっと違う。 自分の時間を過ごす大切さを知った今のあの子はきっと、 新たな形へと整えられたあの子として、多忙な日々を送っていることでしょう。 日々、とても忙しく過ごしているけれど、 体調は万全で、元気に歩んでいるという内容のメッセージに、 私は、精一杯のエールを送…

  • お菓子で感じる季節の巡り

    あなたへ コレも美味しそうだし、こっちも良い。 でも、コレも捨てがたいよね。 でもなぁ・・・コレも良い。 これは、今日の私の買い物中の脳内での独り言です。 買い物へと出掛ければ、私が必ず覗くのは、 お菓子売り場と、デザートコーナーですが、 季節に合わせたお菓子というのは、どうしてこうも、私を惑わせるのでしょうか。 様々な種類のお菓子たちを見て歩きながら、 漸く買うものを決めることが出来た私は、レジへと向かいましたが、 改めて、カゴの中を見つめながら、ふと気が付きました。 これもまた、四季のあるこの国の良さなのだと。 暑い夏が過ぎ、肌寒さを感じる秋になれば、 私の目に留まるのは、さつまいもや栗を…

  • 来世のための予行練習

    あなたへ うちのが帰って来たら、確認してみますね うちのに聞いてみますね あら嫌だ!うちのが、ごめんなさいね うちのが うちのがね うちのがさぁ うちのったら ・・・ 思い付く限りの、うちのフレーズを口にしながら、 家のことをしていたのは、昨夜の私です。 そうだ。私は来世、 あなたのことを、うちの、って呼ぶんだ。 胸の奥へと、大切に仕舞った筈の、 自分との今度の約束を不意に思い出したのは、昨夜のことでした。 胸の中で思うだけで、これまでの私は、一度も、 あなたのことを、うちの、と口に出してみたことはありませんでしたが、 何故、昨夜の私は、突然に、 言葉に出して、あなたをうちのと呼んでみたのだろ…

  • 空と繋がる日

    あなたへ 昨日のこちらでは、1日中、雨が降りましたが、 今日は朝から、とても気持ちの良い青空が広がりました。 朝起きて、カーテンを開ければ、 青空が広がっているにも関わらず、地面は雨に濡れていて。 天気がすっかりと切り替わった朝の景色は、 なんだかとても、不思議な気持ちがします。 今朝の私は、暫くの間、外を眺めてから、出掛ける支度を整えたのでした。 今朝は、所々、モヤ掛かった道路を運転することとなりましたが、 モヤが晴れた場所から、遠くの景色を見つめた私に見えたのは、 青空に浮かぶ雲と、地上で作られたモヤとが繋がり合った、 とても綺麗な空の形でした。 綺麗だな 思わず呟きながら、信号待ちには、…

  • 焼きうどんの思い出

    あなたへ 先日、食べたばかりなのに、あまり日を開けずに、 またしても食べたくなったのは、焼きうどんでした。 私は、うどんが好きではありますが、 こんなに頻繁に、焼きうどんばかりを作ってしまうのは、 思えば初めてのことでした。 なんだか不思議に思いながらも、早速、材料を買いに出掛けて、 キッチンへと立てば、私の中へと、ふと蘇ったのは、 家族になる前の私たちの、何気ない一コマでした。 ねぇ、あなた。 あれは、私たちが出会ってから、どれくらいが経った頃だっただろう。 何故そうなったのか、仕事終わりのあなたに、 焼きうどんを作って会いに行った夜がありましたね。 お仕事お疲れ様。 こんな言葉と共に、作り…

  • 死別後の痛みを見つけた時

    あなたへ あの夏からの私は、どれだけの痛みを知っただろう。 何のきっかけからだったのか、あの日の私は、 あなたを見送ってから知った痛みの数々を振り返っていました。 死別の悲しみはきっと、乗り越えるものではなく、 向き合い続けるものなのだと、自分の中で、 こんなふうに痛みと向き合い続ける覚悟を決めた私は、 その時々で、始めて知った新たな痛みと向き合い続けて来ました。 あの夏から、どんなに先へと歩んでも、 あの夏の私がまだ知らなかった新たな痛みが、やって来て。 何度、しっかりと前を向き直しても、知らなかった痛みを見つければ、 心が何処かに行ってしまう日だってありました。 それでも、何度でも、前を向…

  • 未来の私が辿る道を教えてくれた人

    あなたへ あぁ、そっか。 あの時間ってさ、実は、此処に繋がっていたのかも知れないな。 ひとりで納得し、思わず頷いてしまったのは、今日の私です。 今日の私が何気なく私が振り返っていたのは、 あの、早い流れの中にいた頃のことでした。 あの場所では、素敵な出会いがたくさんありました。 あの頃の出会いひとつひとつの記憶を辿りながら、 ふと、私が足を止めたのは、 私に、マッサージをしてくれて、そして、 ストレッチを教えてくれた彼女との時間でした。 筋トレは良いよ あの日の彼女が、筋トレについてを熱く語ってくれたのは、 ストレッチとマッサージと、それから、 体型維持についてを話したことが始まりでした。 私…

  • ムキムキ人間との出会い

    あなたへ ねぇ、あなた。 人生とは、どうしてこうも不思議なのだろう。 筋肉の正しい使い方を意識するようになったあれからの私には、 更に新たな出会いが訪れました。 今日は、私に訪れた新たな出会いを、あなたにも話してみたいと思います。 全く関係のない動画を観ていた筈だったのに、彼らは、 ある日、突然に、私の目の前へと現れました。 なんだか楽しそう。 こんな感想と共に、あの日の私が思わず動画に観入っていたのは、 ムキムキ人間たちによるトレーニングです。 リズミカルに動くそれを、言葉にして伝えるのなら、 筋トレと有酸素運動の両方を兼ね備えたようなトレーニング、 とでも言えば良いのでしょうか。 早速、彼…

  • あなたが守り続けてくれていた約束

    あなたへ ホットカーペットがくれる温もりに癒されながら、 あれ?と、思わず小さく呟いたのは、 昨夜の、あなたへの手紙を送り終えてからのことでした。 ホットカーペットのカバーを買いに出掛けたあの日、 きっとあなたは側にいてくれたのだと、 昨夜の私は、感じたままに手紙を綴りましたが、 改めて、ホットカーペットのカバーを買いに出掛けたあの日を振り返ってみれば、 実はあなたは、密かに、あの約束を守り続けてくれているのではないかと、 ふと、気が付いたのです。 買い物でも、何処でも、一緒に行こう。 これは、私たちが家族になる頃にあなたがくれた約束でした。 コンビニでも、スーパーでも、出掛ける時は、何処へで…

  • 手放さなければならなくなったもの

    あなたへ 形のあるものがどんどん古くなって行ってしまうのは、 この世界に時間という概念が存在するからなのでしょう。 あなたが贈ってくれたもの、そして、あなたと一緒に選んだものを、 私はどれだけ手放さなければならなかっただろう。 それらを手放さなければならなくなった時、 あれからどれだけの時間が経ったのかを振り返って、 記憶だけは、決してなくなったりはしないからと、 もう一度、あの頃をしっかりと振り返り、この胸の中へと記憶を刻み直すのです。 これにしようか あの日、あなたと一緒に買いに行ったのは、 ホットカーペットのカバーでした。 我が家のホットカーペットが壊れたことで、 二畳サイズから三畳サイ…

  • 今日は豚肉が安かったから

    あなたへ 食事を摂っていた私の中へと、ふと蘇ったのは、あの子の声でした。 今日は、豚肉が安かったから これは、先日の電話でのあの子の声でした。 あの日のあの子は、電話をしながら、食事の準備をしていた様子。 今日は何を作っているの?って、私からのこんな質問に、 今日は、青椒肉絲だよ 今日は豚肉が安かったからって、こんな言葉が返って来たのでした。 仕事が一段落ついて、ジムに行けるようになったあの子は、 自炊をする時間も取れるようになったのだなと、安堵すると共に、 あの子の口から、今日は豚肉が安かったという言葉が聞こえる日が来るだなんてと、 驚きと、感動と、可笑しさが入り混じった感情を感じてもいたの…

  • 夢の中のあなたへ置いて来たもの

    あなたへ とても不思議な夢を見ました。 夢の中の私は、誰かと何かの活動をしていました。 活動の中で小銭が必要になった私は、自販機でお金を崩すことにしたのですが、 見つけた自販機は、暗闇の中に設置された自販機で。 暗闇が纏う空気感に、ただならぬものを感じた私は、 出来るだけ早く此処から出ようと、急いで自販機にお金を入れたのでした。 出来るだけ、暗闇の奥の方を見ないように。 そんなふうに意識していた筈だったのに、何故だか妙に暗闇が気になり始めて。 好奇心に負けた私が暗闇を見つめれば、急に暗闇が割れて、隙間から光が射して、 やがて見えたのは、幼いあの子と遊ぶあなたの姿だったのです。 あの暗闇はきっと…

  • 今が一番楽しいと思える日々

    あなたへ 私は、今の方が楽しいな 何気なくこんな言葉を小さく呟いたのは、先日の私です。 年齢を重ねることは、実は面白いことでもあるのだと、 こんなふうに考えるようになったのは、いつからだっただろう。 あれからの私は、更に、それまで持ち合わせてはいなかった視点を集め続けて、 気が付けば、随分と、私に見える景色が変わりました。 日々、新たな視点を見つけて歩みながら、 例えば、3日前の、そして、1週間前の自分を振り返れば、 違う視点を持った私が此処にいて。 そんな日々を過ごしながら、気が付けば、私は、 今が一番楽しいと思える日々を過ごせているようになっていたようです。 おはよう! 朝だよ! 新しい朝…

  • お墓の前に佇む人の話

    あなたへ 夜中にね、お墓の前に人が佇んでいたのよ。 突然にこんな誰かの声が聞こえて来たのは、 駐車場に停めた車の中で、ひと休みをしていた時のことでした。 とても大きく、そしてはっきりと声が聞こえるけれど、 周りを見渡してみても、声の主は何処にいるのか分からない。 こんな状況の中、誰かの声は、続いて行きました。 それでね、こんな夜中に何だろうって思って、 その人がいる方へ行ってみたんだけれど、 そこには誰もいなかったの、と。 怖がりなくせに、話の続きが気になって、 思わずその声に耳を傾ければ、更に話は続いて行きました。 さっきは絶対に人がいた筈なのに、誰もいないから、 幽霊なのかなって思ったわけ…

  • あなたの中で眠った夜

    あなたへ あなたの夢を見たような気がする。 ふと、昨夜の夢の中で私が感じていた気持ちを思い出したのは、 日中の、何気ない時間の中でのことでした。 夢の中の私は、確かに、あなたのすぐ側で、 幸せな気持ちを、胸の中いっぱいに感じていたような気がするのです。 それなのに、どんなに記憶を辿ってみても、 それがどんな夢であったのかを思い出すことも出来なければ、 そこにあなたの姿を見つけることも出来ないままに。 何度、夢の中を辿ってみても、私の中へと鮮明に蘇ったのは、 そこで感じていた幸せな気持ちだけでした。 穏やかな愛が、静かに胸の中へと満ちて。 深い安らぎの中に身を委ねれば、 やがて私を包み込んだそれ…

  • 私が得たかった以上のもの

    あなたへ 疲れた!今日はもう駄目!寝る! こんな私の大きな独り言が、静かな我が家に響いたのは、先日のことでした。 とにかく疲れ過ぎていたあの日の私は、 筋トレも、そしてストレッチも、全てをお休みして、 寝支度を整え、即、眠りに就くことにしたのでした。 しっかり休めば、きっと明日にはまた元気になるから。 こんな気持ちで眠りに就いた筈だったのに、 翌日の私の身体からは、全く疲れが抜けておらず、 朝から、身体も頭も重いままで、1日を過ごすことになってしまったのでした。 何故、今日の私はこんなにも疲れているのだろうかと、 重い頭で考えてみれば、思い当たったのは、 前日に、全く体を動かさずに眠ってしまっ…

  • この人生の半分以上に染まったもの

    あなたへ 私は、あなたと同じ姓を名乗るようになってから、 どれくらいが経ったのだろう。 何気なく、こんなことを考えていたのは、先日のことでした。 何故だか、あなたと同じ姓で呼ばれることに、 初めから違和感を感じることがなかった私は、 その姓で呼ばれることにも、そして名乗ることにも、直ぐに慣れて行きました。 思えばあれから、あなたと同じ姓である自分は、 更に私にとって馴染みの深いものとなりましたが、 元々は、別な姓を名乗っていたのだったと、 あの日の私は、ふと、こんなことを考えました。 そうして、私があなたと同じ姓を名乗るようになってから、 どれくらいが経ったのだろうかと指折り数えてみれば、 既…

  • 記憶の中に手を伸ばしてしまいたくなる今

    あなたへ ここ最近のこちらでは、急に寒さを感じるようになりました。 朝起きて、窓を開ければ、流れ込んで来る冷たい空気に身震いして。 そんな日が続き、先日は遂に、 朝晩の寒さに負けてホットカーペットを出し、すっかり冬の準備を整えました。 丁度、このくらいの時期から、あの子を起こすのが大変になって来たなと、 不意に、朝のあの子との戦いの日々を私に思い出させたのは、 試しにつけてみたホットカーペットの温もりでした。 幼い頃は、寝起きが良かったあの子だった筈なのに、 成長と共に、夜更かしを覚えて。 やがて現れるようになったのは、 眠りを妨げる私を鋭く睨みつけるジョニーでした。 凶暴なジョニーとの長い戦…

  • 魔法の呪文

    あなたへ 絶対に堕ちない。 こんな目標をしっかりと持ち、日々を歩んだのは、7月のことでした。 あれからの私は、この、堕ちない、という歩み方が通常のものとなり、 気が付けば、日々の在り方が随分と変わりました。 しっかりと目標を持ち歩むことというのは、 自分自身を大きく成長させることが出来るものなのかも知れません。 疲れている時や眠い時には、ネガティブな気持ちになりやすい。 自分自身を注意深く観察してみれば、 これまで気が付かなかった自分を見つけることが出来るようにもなって。 無意識にも、罪悪感を持ち続けていた眠る時間を、 大切に出来るようにもなりました。 その頃の私は、 これで私は、突然にやって…

  • 歩くことでしか見つけることの出来ない景色

    あなたへ はい!どーも!元気だった? いつでも元気なあの子ですが、 第一声目から、いつもよりも更に元気なあの子の声が聞こえて来たのは、 先日のことでした。 社会人3年目を迎え、目標としていたポジションでの仕事がスタートし、 更に大きな仕事と向き合うことになったあの子は、 これまでずっと、仕事に追われ続けていましたが、漸く、大きな一段落を迎え、 近頃は、自分の時間を取ることが出来ているのだと、 あの日のあの子はこんな話を聞かせてくれました。 今日はね、ジムに行って、それから、サウナにも行って来たよ。 長らく、ジムに行く時間を見つけることすら出来ずにいたあの子ですが、 漸くまた、ジムへ通うことを再…

  • コトバ -秋- 2025

    秋の色を覚えていますか 秋の音を覚えていますか 秋の風を覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 その肌で感じた温度を 覚えていますか 秋の季節に私が作ったお菓子の味を あなたの隣で笑っていたあの子の笑顔を あなたは覚えていますか 毎年の秋の季節には さつまいもや栗が たくさん届く我が家だったけれど 蒸したさつまいもも茹でた栗も 我が家ではあまり人気がなくて それならお菓子にしてみようと こんなふうに思い立ったのは 私たちが家族となってから 何番目の秋のことだっただろう スイートポテト パウンドケーキ クッキー パイ あんなにも減らなかった筈の秋の味覚たちを お菓子にすれば あな…

  • バリアのポーズ

    あなたへ ねぇ、あなた。 あれは、あなたからの返事だったのでしょうか。 タッチ!イェーイ!!バーリア! そう言って、とても懐かしいポーズを決めて、 バリアを張ったあなたの姿が不意に浮かんだのは、 昨夜、あなたへの手紙を送り終えてから間も無くのことでした。 あの時の私は、あなたが決めたポーズに爆笑しながら、 それ、女子用のバリアだからね! 男子はこうでしょって、 私が知る男子用のバリアのポーズをあなたに見せたのでした。 えぇ?なにそれ?俺、知らない え?嘘?知らないの? あなたが通っていた学校では、男子も女子も同じポーズだったの? そうだよ 男子のバリアって何? そう。あの時の私たちは、確かに、…

  • バナナはおやつに入りません

    あなたへ バナナはおやつに入らないからね これは、なんの脈絡もなく突然に、昨夜の私の中へと蘇った、 いつかのあなたの声でした。 小さく笑いながら記憶を辿れば、その日の記憶は、直ぐに見つかりました。 そう。あれは、私たちが出会ってから初めての、遠出の前夜のことでした。 明日は、この時間に迎えに行くよ おやつは300円迄ね それから、バナナはおやつに入らないからねって、 あの日のあなたは、小学生の遠足みたいなことを言い出して。 あの時の私は、あなたの声に笑いながらも、 小学生だった頃の遠足の前日には必ず聞こえていた、 先生!バナナはおやつに入りますか?という質問は、 全国共通なのだろうかと、こんな…

  • 筋肉の正しい使い方

    あなたへ 私が筋トレを始めてから、5ヶ月が経ちました。 今日の私は、思えば筋トレとの向き合い方も随分と変わったなと、 これまでの私の筋トレライフを感慨深く振り返っていました。 私にとっての筋トレとは、 幸せな気持ちのする例のアレを分泌させることが目的なのであり、 筋肉隆々になることなど特に目的とはしていませんでした。 気分だけが筋肉隆々であれば良い。 それが私にとっての筋トレとの向き合い方だった筈なのです。 それなのに、筋トレを始めてからの私が太くなったと感じたのは、 夏が始まる前の頃のこと。 あれから、サイズを元に戻すことに全力を尽くすべく、新たなやり方を取り入れて。 やがて、ジーンズサイズ…

  • 何度でもやって来る同じ痛み

    あなたへ 外出先からの帰り道、 今朝で丁度コーヒーが切れてしまったことを思い出した私は、 買い物に寄ってから帰ることにしました。 駐車場へと車を停めたところで、 ふと、晩御飯をまだ決めていなかったことに気が付いて。 それなら今日は、ついでに何かを買ってしまおうかと、 こんなことを考えながら、車を降りたのでした。 私にとってのいつも通りの日常の中の一コマを過ごしていた筈だったのに、 その時というのは、いつでも突然にやって来ます。 そっか あなたはもう、いないんだね 車を降りた瞬間に、不意に聞こえて来たのは、無意識に呟いた自分の声でした。 とても小さな自分の声であったにも関わらず、私の胸の奥は瞬時…

  • 私サイズのコーラの味

    あなたへ 昨日の私は、ポテトチップスとコーラという組み合わせを試してみましたが、 しゃっくりと戦いながら、ちびちびと飲んだコーラは、 飲み切ることが出来ないままに、一旦、冷蔵庫へと仕舞うこととなりました。 そうだった 私は、炭酸飲料を1本飲み切ることが出来ないんだった コーラの飲み口を開けてから、こんなことに気が付いて、 小さく後悔しながらも、 あなたが好きだった組み合わせに挑戦するという、 新たな試みを思い付いたことには、とても満足して。 そんなふうに始まった私のポテトチップスとコーラ時間でしたが、 炭酸飲料をひと口飲めば、しゃっくりが出るところも、 そして、1本を飲み切ることが出来ないとこ…

  • ポテトチップスとコーラ

    あなたへ ポテトチップスとコーラは、抜群の相性なのだと、 誰かからこんな話を聞いたのは、あなたと出会う前の頃の私でした。 炭酸飲料を好まない私には、全く理解が出来ないその組み合わせに、 あの時の私はただ、へぇ、と頷くしか出来ないままでいましたが、 私の中には存在してなかったその組み合わせが、実は衝撃的でもありました。 何故、ポテトチップスにコーラなのだろうかと。 こんな何気ない日常の一コマがあったことなど、 すっかりと忘れてしまっていた頃に、 私は、あなたと出会い、やがて家族になりました。 ねぇ、あなた コーラには、ポテトチップスなの? 何気なくあなたへこんな質問をしてみたのは、 目の前でコー…

  • あの夏に置いておくもの

    あなたへ そこを右に曲がることだけは覚えてる。 でも、その先はもう覚えてはいない。 ぼんやりと、こんなことを考えていたのは、 あなたが息を引き取ったあの病院へと向かった幾つかの日の中でのことでした。 あの角を曲がり、更に幾つかの角を曲がれば、 細い道を通らなくとも病院の裏側へ出られることを知りながらも、 そんな道など通ったこともないような振りを続けながら、 私は毎度、あまり好きではないにも関わらず、 細い道を通ってあの病院へと向かいました。 だって、あの角を曲がった後は、どんな道順を辿れば良いのか、 私はもう、覚えてはいないもの。 春の頃から、幾度かに渡り、あの病院へと足を運んだ私ですが、 あ…

  • 寝言一家

    あなたへ 自分の寝言で目が覚めたのは、先日の私です。 何を話していたのかは、覚えていませんが、 自分の声で夜中に目が覚めたことだけは、はっきりと覚えています。 自分の寝言で目が覚めるのは、恐らく数年振りのことですが、 目が覚めていないだけで、 私は、相変わらずに、頻繁に寝言を言っているのかも知れません。 昨日の夜、寝言を言っていたよ 初めてあなたにこんなことを言われたのは、 私たちが家族となってから、どのくらいが経った頃のことだったでしょうか。 結婚をすれば寝言を言わなくなるのだと、こんな話を聞いたことがあったのは、 私がまだ、子供の頃のことでした。 私はどうやら、子供の頃から、 とてもはっき…

  • 独特な視点からあの子の成長を見つめた日

    あなたへ 録画を観終えて、停止ボタンを押して、いつも通り、 テレビの電源を切ろうとした私の目に飛び込んで来たのは、 私が子供の頃に観ていたトレンディなテレビドラマのワンシーンでした。 あれ?このテレビドラマ知ってる、と、思わず手を止めて、 懐かしいシーンを暫くの間、見つめていたのは、先日のことでした。 昔のテレビドラマのワンシーンが紹介される時というのは、 必ず俳優さんの当時の年齢が添えられていたりもしますが、 その年齢を見て、なんだか驚いてしまったのは、 今のあの子よりも、少し年下の年齢であったからでした。 私が子供の頃というのは、当然ながら、当時の私もまた、 今のあの子よりも年下であり、 …

  • あなたへの形のある贈り物

    あなたへ ミサンガ、それから、アマビエ様のチャーム。 これは、そちら側のあなたのところまで届きますようにと、 願いを込めて作った贈り物です。 そちら側のあなたへの贈り物は、 香りという贈り物が大半ではありますが、こうして2つだけ、 私からあなたへの形のある贈り物も此処に存在しています。 あなたの場所を掃除しながら、ふと手を止めて、 あなたの場所の引き出しに仕舞ってあったこれらの贈り物を見つめながら、 それぞれを作った日のことを思い出していました。 ミサンガを作って欲しいとあの子に頼まれて、 インターネットで調べてみれば、色々なミサンガの形があることを知って。 そのうちの幾つかに挑戦してみれば、…

  • 二度目の心霊現象

    あなたへ それは、先日のことでした。 静まり返った我が家の中に、突然に聞こえたのは、カサッという小さな音でした。 それがあなたへお供えしたお菓子が動いて鳴った音だと直ぐに気が付いたのは、 私が家族の部屋にいる時に音が鳴ったからでした。 窓は閉めてあったし、風がないにも関わらず、 お供えしてから随分と時間が経ってから、お菓子が動くだなんてあり得ない。 でも、私は以前にも一度、似たような経験をしているのです。 あの時は、不思議な現象だとはっきりと分かるように、 あなたへお供えしたお菓子が落ちていましたが。 あの時の私は、それが起きた意味が分からないままにいましたが、 やはりあなたは、何か私に伝えた…

  • この時期の私の楽しみ

    あなたへ 夏の終わりを感じ始めれば、 来年用の手帳をインターネットで検索しては、様々な手帳を見てみるのが、 いつの頃からかの私の毎年の恒例となりましたが、 今年の私も、時間を見つけては、来年用の手帳を見る時間を楽しんでいます。 2冊の手帳を使い分けるようになった私が、 やがて、一目惚れした手帳を使いたいがために、 3冊の手帳を使い分けるというやり方にまで、手帳ライフの幅を広げてみたのは、 いつの頃のことだったでしょうか。 あれは、手帳が好き過ぎる故の私の挑戦でしたが、 今現在は、年に1冊の手帳を使うという、最もシンプルなやり方へと戻りました。 自分なりに様々に挑戦してみたことで、 1冊の手帳へ…

  • あの疑問への結論

    あなたへ お盆が過ぎた頃から聞こえていた秋の虫の声は、いつの間にか止んで、 気が付けば、風に乗って、金木犀の香りが届くようになりました。 日が暮れるのも、だんだん早くなり、 朝晩には、僅かに肌寒さを感じるようにもなりました。 少しずつ、変わり行く季節を見つめながら、 私が時々考えていたのは、あの疑問へ対する結論でした。 あの疑問。それは、 一年中、夏の国へ永住出来る機会がやって来たとするのなら、 私はどうするのだろうか、という、 今年の夏の始まりにふと考えたあの疑問です。 朝晩に肌寒さを感じれば、何故だか思い出してしまうのは、 今年の梅雨から夏の間に遭遇してしまった虫たちの存在です。 恐怖に震…

  • 亡き夫と過ごした7日間 43 【完】

    あの日の翌朝、 温かなものに包まれる感触で目が覚めたことは、今でもはっきりと覚えている。 私が起き出すと、あの子もまた同時に起きて来た。 きっと、私と同じようにして、目が覚めたのだろう。 「お父さんは、元に戻ったんだね。」 おはようの挨拶よりも先に聞こえたのは、こんなあの子の声だった。 あの日の夕方には、あの子も家へと帰り、 また私たちは、それぞれの日常生活へと戻った。 あれから、梅雨にしては、やけに晴れが続く梅雨が来て、やがて夏がやって来た。 そんな中で、夫の11回目の命日を迎えた。 「あの時さ、お父さん、絶対に態と鳴らしてたよね。おりん。 俺たちが笑っちゃうの分かっててさ。」 「やっぱりそ…

  • 亡き夫と過ごした7日間 42

    今日も、朝から青空が広がり、とても気持ちが良い日だ。 お昼を食べ終えた私たちは、 薔薇が咲く公園内をゆっくりと一周した。 そうして最後に、あの子が連れて行ってくれたのは、近所の公園だった。 此処は、私たち家族3人にとって、最もたくさんの思い出が残る場所だ。 あの子が乗ったベビーカーを押しながら。 小さな手を繋いで。 あの子が乗った三輪車を押しながら。 サッカーボールを持って。 自転車に乗って。 此処には、家族3人の歴史が刻まれている。 3人で公園内をゆっくりと歩きながら、 どんぐりを拾った場所や、ボール遊びをした場所、 大きな雪だるまを作って遊んだ場所なんかで立ち止まった。 此処には本当にたく…

  • 亡き夫と過ごした7日間 41

    ファーストフード店でお昼ご飯を買い込みながら、 次に到着した先は、薔薇が咲く公園だった。 「え?嬉しい!もう一度、此処に来たいと思っていたの!」 思わずこんな声を上げれば、だと思った、と、あの子が笑っている。 此処は、家から少し距離があって、道もよく分からなくて、 ひとりで来たいと思いながらもなかなか来れなかった場所だった。 『あぁ、懐かしいな。一度だけ、3人で来たことがあるんだよ。』 夫は、あの子にこんな声を掛けた。 そう。此処は、あの子がまだ幼かった頃、一度だけ、 夫が連れて来てくれた場所だった。 小さな足で一生懸命に歩くあの子を見つめる夫の姿。 また来ようねと今度の約束をしたこと。 此処…

  • 亡き夫と過ごした7日間 40

    チーーーン いつも通り、おりんを鳴らす夫の姿をあの子と2人で見守れば、 夫の身体が一瞬、七色に輝くと、ほんの少しだけ、身体が透けて見えたのは、 夫が物質化されてから7日目の朝だった。 思わずあの子と顔を見合わせたものの、 私たちは、何も言葉にはしないままに、いつも通りの朝を過ごした。 3人で朝のコーヒータイムを楽しみ、それから朝食を摂る。 やがてあの子はいつも通りに、パソコンの電源を入れた。 暫くの間、パソコンに向き合っていたあの子は時々、 七色に輝く父親の姿を気にしていた。 夫の身体が七色に輝く度に、ほんの僅かに、 でも、確実に、夫の身体が透けて行くのが分かる。 キーボードを叩いていたあの子…

  • 亡き夫と過ごした7日間 39

    「ねぇ、あなたの人生の目的は何だったの?」 物質化されてからの夫は、本当に様々な話を聞かせてくれたけれど、 思えば夫は、自分の話をあまり聞かせてくれていない。 これは、実は、夫に聞いてみたかったことだ。 『俺があの人生を選んだ目的は、たくさんあったよ。教えないけど。』 まぁ、こんな答えが返って来ることは予想していたけれど。 「それなら、それは達成出来た?」 『達成出来たよ。幸せな人生だった。』 「そう。それなら良かった。」 夫の答えは、胸の奥に、何か温かなものを灯してくれたような気がする。 これまで知らなかったそれをただ感じてみれば、 私の中に、幸せな気持ちがいっぱいに満たされて行った。 私は…

  • 亡き夫と過ごした7日間 38

    『起きて?ねぇ起きて?』 今朝も、夫の声で目が覚めた。 夫が物質化されてからというもの、こうして毎朝、夫が起こしてくれている。 そう。1日だけ、寝坊した日もあったけれど。 生身の身体ではない夫だけは、眠らない。 だからこうして時間が来たら、あの子と私を起こしてくれるのだ。 眠る必要がない夫は、私たちが眠った後、 パソコンで、様々な映画を観て楽しんでいる。 あの子お勧めのアニメとか、 あの子お勧めのホラー映画とか、 あの子お勧めのアクション映画とか。 それらを楽しんでいる間に、いつもあっという間に朝になってしまうのだと、 こんな話を聞かせてくれたのは、 夫が物質化されてから、何日目のことだっただ…

  • 亡き夫と過ごした7日間 37

    気が付けば、とっくに夕方を過ぎている。 今日は、これまでとは違う視点からの話が出来たお陰で、 本当に色々なことを知れた。 夫を元に戻す方法は、何一つ見つけることが出来なかったけれど、 この時間は、あの子と私にとって、とても意味のある深い時間となった。 「ところで、今のお父さんって、本当はどんな形をしているの?」 これは、夕飯の時のあの子の声だ。 物質化する前の夫は、例えるのなら、 コップに入っていない水のようなものだと言う。 『こうなる前は、形はなかったよ。 形がないから、自分の意思で何処へでも広がることが出来る。 コップが肉体であったとしたのなら、コップに入った水は1杯と数えられるけれど、 …

  • 亡き夫と過ごした7日間 36

    『それなら、魔法の言葉を教えておくよ。 幸せだなって言いながら生きているとね、 勝手に幸せに生きられるようになるんだよ。 人が話す言葉ってね、実は魔法の呪文と同じなんだよ。』 例えば毎日、ネガティブな言葉を発する人がいるとする。 陰口、愚痴、不平不満、何でも良い。 毎日ネガティブな言葉を発することは、 自分が不幸になる呪文を毎日唱えていることと、実は同じなのだそうだ。 誰かに向けた言葉であったとしても、 それは自分に向けた呪文になってしまうのだそうだ。 時々には、ネガティブに感じるような出来事があるのが人生だけれど、 でも、そんな日常生活の中にだって、 本当は小さな幸せがたくさん詰め込まれてい…

  • 亡き夫と過ごした7日間 35

    ゴリラの人の前々世の話を聞き終えた私たちは、暫く言葉も出なかった。 ただ静かにその余韻に浸っていた。 「家も財産も、奥さんに置いて行くって、凄いよね。 折角、そこまでになったのに、手放すのって、勇気が入ることだよね。」 やがて、口を開いたのは、あの子だった。 『そうだね。普通は躊躇するのかも知れない。 でも彼はね、お金は苦労して得るものではないと考えていたから、 そんな躊躇はなかったんだ。 そういう意味では、彼は子供の頃は苦労をしていたけれど、 囚われてはいなかったとも言える。』 そして、彼にとっての真の財産とは、経験だった。 誰かの言う幸せは、必ずしも自分に当て嵌まるとは限らない。 『本当は…

  • 亡き夫と過ごした7日間 34

    こうして彼は、世界中を旅する者となった。 かつて築いた財産はもう手元にはなかったが、 不思議と金に困ることはなかった。 立ち寄る先々で、彼はただ旅の出来事を語るだけでよかった。 面白おかしく、時に静かに。 そうして話す彼の言葉に、人々は耳を傾けた。 その話は金になった。 笑いになり、尊敬になり、そしてまた次の旅の糧となった。 彼の旅の暮らしは、投資家だった頃に比べれば、ずっと質素なものだった。 だが、それでも旅先から、孤児院への寄付は欠かさなかった。 金額は以前ほどではなかったが、その想いは、何も変わっていなかった。 毎日が楽しかった。よく笑い、よく歩き、よく眠った。 こんなにも自分が笑う人間…

  • 亡き夫と過ごした7日間 33

    旅に出てからの彼は、毎日をただ歩いた。 名も知らぬ町を訪れ、店先で地元の人と交わす何気ない会話に耳を傾けた。 市場のざわめき、子どもたちの笑い声、どこかから流れてくる笛の音。 そんな中で、彼は少しずつ表情を変えて行った。 ある日、旅の途中で知り合った人々と囲んだ粗末な食卓で、 ふとした冗談に笑いが起きた。 彼もその輪の中で笑った。 堪えることも、控えることもなく、腹の底から、大きな声で。 ーーー人生で、こんなふうに笑ったことがあっただろうか。 その瞬間、自分の中の何かが、音を立ててほどけていくのを感じた。 思い描いた屋敷も、財産も、立場もすべて、 あの頃の自分にとっては「夢」だった。 けれど今…

  • 亡き夫と過ごした7日間 32

    結婚しても、彼の日々は殆ど変わらなかった。 早朝に目を覚まし、机に向かい、書類と数字に没頭する。 屋敷の中にはもうひとりの住人が加わっていたが、 その存在は、ごく静かで、彼の生活の流れを乱すことはなかった。 朝食には彼女の手で温かな紅茶が添えられるようになり、 書斎には、乾いた目を労わる薬草茶がそっと置かれていることが増えた。 お茶を受け取ると、彼は微かに頷いた。 「ありがとう。」 それは決して形式だけの言葉ではなく、 本当にそう思っているのだとわかる声だった。 けれど、彼女が微笑んでも、彼の目はすぐに手元の書類へ戻る。 席を立つときには、カップを丁寧に戻し、椅子を静かに押し込む。 振る舞いは…

arrow_drop_down

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用