五つの証言 (中公文庫 マ 15-1)書名:五つの証言著者:トーマス・マン訳者:渡辺 一夫出版社:中央公論新社ページ数:219おすすめ度:★★★☆☆トーマス・マンが、ナチスの台頭してきたドイツの状況について書いた小論を集めたのが本書『五つの証言』である。表紙にフランス語で書かれているタイトルが全然異なる意味合いとなっていることが示すように、マン自身が『五つの証言』という作品を書いたわけではなく、本書はフランス語で出...
イギリス、フランス、アメリカ、ロシア・・・欧米文学を中心に、読んだ本を紹介していきます。
五つの証言 (中公文庫 マ 15-1)書名:五つの証言著者:トーマス・マン訳者:渡辺 一夫出版社:中央公論新社ページ数:219おすすめ度:★★★☆☆トーマス・マンが、ナチスの台頭してきたドイツの状況について書いた小論を集めたのが本書『五つの証言』である。表紙にフランス語で書かれているタイトルが全然異なる意味合いとなっていることが示すように、マン自身が『五つの証言』という作品を書いたわけではなく、本書はフランス語で出...
『モリエール傑作戯曲選集2 才女気取り』 モリエール (鳥影社)
モリエール傑作戯曲選集2書名:モリエール傑作戯曲選集2 才女気取り著者:モリエール訳者:柴田耕太郎出版社:鳥影社ページ数:256おすすめ度:★★★☆☆『モリエール傑作戯曲選集』の第2巻には、『ドン・ジュアン』、『才女気取り』、『嫌々ながら医者にされ』、『人間嫌い』の四作品が収録されている。『才女気取り』以外の作品はすでにそれぞれ文庫版のほうを紹介しているので、ここでは『才女気取り』を紹介したいと思う。ブルジョ...
旅は驢馬をつれて (大人の本棚)書名:旅は驢馬をつれて著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:小沼 丹出版社:みすず書房ページ数:249おすすめ度:★★★★☆スティーヴンソンが若い頃にフランスのセヴェンヌ地方の山間を旅した際の旅行記が本書『旅は驢馬をつれて』である。紀行文として一定の評価を受けてきている作品で、実際に読み応えは十分なので、読者を満足させてくれる本だといえるだろう。フランスの山間部を何日も...
『難破船』 スティーヴンソン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
難破船 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)書名:難破船著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン、ロイド・オズボーン訳者:駒月 雅子出版社:早川書房ページ数:391おすすめ度:★★★★☆本書『難破船』も、スティーヴンソンが義理の息子のロイド・オズボーンと共作した長編小説の一つである。ハヤカワ・ミステリーシリーズからの刊行であるが、一般的な意味での推理小説とは違っているので、そこは覚悟のうえで手にするべきだと思う。...
『フォークナー作品集 南部の苦悩』 フォークナー (英宝社)
フォークナー作品集—南部の苦悩書名:フォークナー作品集 南部の苦悩著者:ウィリアム・フォークナー訳者:依藤道夫、三浦朝子出版社:英宝社ページ数:357おすすめ度:★★★☆☆本書『フォークナー作品集 南部の苦悩』は、フォークナーの短編小説11編を収録している。その副題が示すように、アメリカ南部に影を落とす人種問題や暴力といった負の要素を扱っている作品を中心に集めていて、処刑された黒人の葬列を描いている『モーゼよ...
魔法の木 (福武文庫 フ 402)書名:魔法の木著者:ウィリアム・フォークナー訳者:木島 始出版社:ベネッセコーポレーションページ数:189おすすめ度:★★★★☆フォークナーが書いた唯一の童話が本書『魔法の木』である。フォークナーといえば難解な小説を書く作家というイメージが一般的と思うが、こども向けに書かれた本書は、そのイメージとは対極の位置付けとなる、とても意外な作品であるといえる。ある日のこと、少女ダルシ―がベ...
地球からの手紙 マーク・トウェインコレクション (3)書名:地球からの手紙著者:マーク・トウェイン訳者:柿沼 孝子、佐藤 豊、吉岡 栄一出版社:彩流社ページ数:229おすすめ度:★★★★☆彩流社のマーク・トウェイン・コレクションの三冊目である本書には、『アダムとイヴの日記』、表題作である『地球からの手紙』、『クリスチャン・サイエンス』の3作品が収録されている。『アダムとイヴの日記』については、挿絵が充実していて何...
河を渡って木立の中へ (新潮文庫 へ 2-16)書名:河を渡って木立の中へ著者:アーネスト・ヘミングウェイ訳者:高見 浩出版社:新潮社ページ数:490おすすめ度:★★★★☆ヘミングウェイが生前発表した長編小説の中で、円熟期と言って差し支えない時期に書かれたものであるにもかかわらず、あまり注目されることのないのが本書『河を渡って木立の中へ』である。この作品に限った話ではないが、ヘミングウェイ本人の体験が色濃く反映され...
箱ちがい (ミステリーの本棚)書名:箱ちがい著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン、ロイド・オズボーン訳者:千葉 康樹出版社:国書刊行会ページ数:297おすすめ度:★★★★☆本書『箱ちがい』は、スティーヴンソンが義理の息子であるロイド・オズボーンと共作した長編小説である。「ミステリーの本棚」というシリーズ中の一冊ではあるが、一般的な意味でのミステリー的な要素は乏しく、ミステリーとして読めばがっかりする読者が...
『道徳的な寓意、およびその他の詩』 スティーヴンソン (鳥影社)
道徳的な寓意、およびその他の詩: 著者によるオリジナル木版画を添えて書名:道徳的な寓意、およびその他の詩: 著者によるオリジナル木版画を添えて著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:広本 勝也出版社:鳥影社ページ数:149おすすめ度:★★★☆☆スティーヴンソンの詩集である『道徳的な寓意、およびその他の詩』は、一般的に知られている作品とはいえないだろう。義理の息子であり、いくつか共著作品もあるロイド・オズ...
『死霊の恋/化身 ゴーティエ恋愛奇譚集』 テオフィル・ゴーティエ (光文社古典新訳文庫)
死霊の恋/化身 ゴーティエ恋愛奇譚集 (光文社古典新訳文庫 K-Aコ 13-1)書名:死霊の恋/化身 ゴーティエ恋愛奇譚集著者:テオフィル・ゴーティエ訳者:永田千奈出版社:光文社ページ数:394おすすめ度:★★★★★本書は、ゴーティエの短編小説の『死霊の恋』と『アッリア・マルケッラ ポンペイの追憶』、中編小説『化身』を収めている。恋愛奇譚集という副題が示す通り、すべて恋愛感情が鍵となる作品で、絶世の美女に惹かれるとい...
細菌ハックの冒険 マーク・トウェインコレクション (9)書名:細菌ハックの冒険著者:マーク・トウェイン訳者:有馬 容子出版社:彩流社ページ数:254おすすめ度:★★★☆☆『細菌ハックの冒険』は、トウェインの晩年の小説作品である。本書には『我が夢の恋人』という短編小説も収録されているが、内容的にも文章量的にも『細菌ハックの冒険』がメインの本といえるだろう。『細菌ハックの冒険』は未完の小説の死後出版なので、構成に疑...
ペンテジレーア (岩波文庫 赤416-2)書名:ペンテジレーア著者:ハインリヒ・フォン・クライスト訳者:大宮 勘一郎出版社:岩波書店ページ数:312おすすめ度:★★★★☆クライストによる戯曲作品の数はそもそも多くないが、その中で代表的なものの一つとされるのが本書『ペンテジレーア』である。トロイア戦争から題材を取っているため、幅広い読者が楽しみやすい作品であるといえるだろう。女王ペンテジレーアに率いられたアマゾン族の...
トウェイン完訳コレクション 不思議な少年44号 (角川文庫)書名:不思議な少年44号著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:角川書店ページ数:350おすすめ度:★★★★☆マーク・トウェインの死後何十年も経ってから、遺稿に基づいて出版されるに至ったのが本書『不思議な少年44号』である。それまで『不思議な少年』として知られていた作品は、編集者によって改竄された贋作であるという立場からすると、こちらこそがトウェイ...
不思議な少年 (岩波文庫 赤 311-1)書名:不思議な少年著者:マーク・トウェイン訳者:中野 好夫出版社:岩波書店ページ数:252おすすめ度:★★★★☆マーク・トウェインが晩年に書き続けていて、死後に出版されることになった中編小説が本書『不思議な少年』である。この作品を語る上で成立過程の話を避けて通ることはできないのだが、この『不思議な少年』はトウェインが残した原稿に編集者が過度に手を加えたものであって、本来彼の...
『まぬけのウィルソンとかの異形の双生児』 マーク・トウェイン (彩流社)
まぬけのウィルソンとかの異形の双生児 マーク・トウェインコレクション (1)書名:まぬけのウィルソンとかの異形の双生児著者:マーク・トウェイン訳者:村川 武彦出版社:彩流社ページ数:334おすすめ度:★★★★☆『まぬけのウィルソンとかの異形の双生児』は、マーク・トウェインの後期の小説作品である。本書のタイトルを一見するとあたかも一つの小説のように見えてしまうが、厳密には『まぬけのウィルソン』と『かの異形の双生児...
ドイツ・ロマン派☆〔新装版〕☆書名:ドイツ・ロマン派著者:ハインリヒ・ハイネ訳者:山崎 章甫出版社:未来社ページ数:258おすすめ度:★★★★☆ハイネによる文学評論で、その名の通りドイツにおけるロマン派をテーマにしたのが本書『ドイツ・ロマン派』である。ハイネの評論としては『ロマン派』が有名だが、実は本書の原題は『ロマン派』であり、内容としては同じものとなっている。ハイネは、そもそもドイツにおけるロマン派とは...
アルマンゾル書名:アルマンゾル著者:ハインリヒ・ハイネ訳者:今本 幸平出版社:法政大学出版局ページ数:170おすすめ度:★★★☆☆一般的には詩人として有名であり、評論などによっても知られているハイネによる戯曲作品が本書『アルマンゾル』である。本書の解説によると、ハイネは若い頃に戯曲を二つだけしか書いていないようだが、そのうち先に書いたのがこの『アルマンゾル』であり、ハイネに関心のある読者にとってはこの作品...
ハイネ詩集 (新潮文庫)書名:ハイネ詩集著者:ハインリヒ・ハイネ訳者:片山 敏彦出版社:新潮社ページ数:229おすすめ度:★★★★☆ハイネの約百篇の詩作品を集めたのが本書『ハイネ詩集』である。改版を経つつ何十年にもわたって重版に重版を重ねてきている本であり、戦後の日本にハイネを紹介するのにこの文庫本が大いに貢献してきたことは間違いないだろう。この『ハイネ詩集』には、ハイネの初期の作品から最晩年の作品に至るまで...
フィガロの結婚: 新訳 付「フィガロ三部作」について書名:フィガロの結婚著者:カロン・ド・ボーマルシェ訳者:鈴木 康司出版社:大修館書店ページ数:293おすすめ度:★★★★★ボーマルシェによるフィガロ三部作において、最高傑作との呼び声の高い作品であり、モーツァルトのオペラの原作ともなっているのが本書『フィガロの結婚』である。『セビーリャの理髪師』の続編であり、登場人物は重なっているし内容的なつながりも強いので...
セビーリャの理髪師 (岩波文庫)書名:セビーリャの理髪師著者:カロン・ド・ボーマルシェ訳者:鈴木 康司出版社:岩波書店ページ数:191おすすめ度:★★★★★ボーマルシェの代表作であり、フランス文学を代表する喜劇作品の一つともいえるのが本書『セビーリャの理髪師』である。とはいえ、『セビーリャの理髪師』が有名なのは、どちらかというとロッシーニのオペラを通じてなのかもしれない。いずれにしても、有名なオペラの原作とし...
探険家書名:探検家著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:宮川 誠出版社:近代文芸社ページ数:366おすすめ度:★★★★☆モームが自選集から外したがために長らく日の目を見ることのなくなった長編小説が、本書『探検家』である。それというのも、『探検家』はモームが若い頃に書いた戯曲を小説に書き直した作品であり、モーム本人としてはこの作品の出来栄えに納得していなかったかららしい。そうはいっても、モームのファンで...
歌の本 上 改訳 (岩波文庫 赤 418-1)歌の本 下 改訳 (岩波文庫 赤 418-2)書名:歌の本著者:ハインリヒ・ハイネ訳者:井上 正蔵出版社:岩波書店ページ数:258(上)、321(下)おすすめ度:★★★★★ハイネの若い頃の詩作品を集めた詩集であり、ハイネの代表作としても知られているのが本書『歌の本』である。長短に差こそあれ、全部で数百点の詩が収められていて、ハイネのエッセンスを存分に味わうことができる詩集となっている。『歌の...
女ごころ (ちくま文庫 も 12-10)書名:女ごころ著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:尾崎 寔出版社:筑摩書房ページ数:184おすすめ度:★★★★★女ごころ (新潮文庫 モ 5-6)本書『女ごころ』は、モームの中編小説としてたいへん評判の高い作品で、新潮文庫でも長らく版を重ねてきた作品である。本書の原題は表紙に書かれているように
片隅の人生 (ちくま文庫)書名:片隅の人生著者:ウィリアム・サマセット・モーム訳者:天野 隆司出版社:筑摩書房ページ数:394おすすめ度:★★★★☆『片隅の人生』は、モームがそろそろ老年にさしかかろうかという頃に書かれた、いわゆる円熟期の長編小説である。モームといえば『雨』や『赤毛』といった南海ものの短編小説に有名なものがあるが、意外なことに、南海を舞台とした長編小説となるとこの作品だけらしい。本書『片隅の人...
名婦列伝書名:名婦列伝著者:ジョヴァンニ・ボッカッチョ訳者:瀬谷幸男出版社:論創社ページ数:420おすすめ度:★★★☆☆ボッカッチョが歴史に名を残している有名な婦人たちのエピソードを集めた伝記集が、本書『名婦列伝』である。何しろ100名以上の女性が取り上げられているので、その全員が有名であるとは言えないが、エヴァ、メドゥーサ、ヘレナ、ルクレティア、クレオパトラのような有名どころは押さえられており、関心を持っ...
マチルダ書名:マチルダ著者:メアリー・シェリー訳者:市川 純出版社:彩流社ページ数:200おすすめ度:★★★☆☆本書はメアリー・シェリーの中編作品である『マチルダ』と、短編作品である『モーリス、または漁師の小さな家』の二つを収録している。『フランケンシュタイン』があまりにも有名で、他の作品が紹介されることの少ないメアリー・シェリーの翻訳作品としては貴重な本であるといえるだろう。表題作でもある『マチルダ』は...
ユリイカ (岩波文庫 赤 306-4)書名:ユリイカ著者:エドガー・アラン・ポー訳者:八木 敏雄出版社:岩波書店ページ数:222おすすめ度:★★★☆☆ポーの描いた壮大な宇宙論が本書『ユリイカ』である。ポー自身はこの作品が詩としてのみ評価されることを期待すると書いているが、一般的な尺度としては、『ユリイカ』を散文詩としてとらえることにはちょっと無理があると思う。難解な部分の少なくない哲学的な論考なので、一般受けするよ...
『スターク・マンローからの手紙』 コナン・ドイル (言視舎)
スターク・マンローからの手紙 〈改訂版〉書名:スターク・マンローからの手紙著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:田中 喜芳出版社:言視舎ページ数:350おすすめ度:★★★★☆本書『スターク・マンローからの手紙』は、コナン・ドイルの自伝的な小説として知られている。主人公マンローからの手紙というスタイルで書かれてはいるが、往復書簡などから成る書簡体小説とは違って手紙の書き手は常にマンローだけなので、若きマンローの...
テーバイ攻めの七将 (岩波文庫 赤 104-2)書名:テーバイ攻めの七将著者:アイスキュロス訳者:高津 春繁出版社:岩波書店ページ数:92おすすめ度:★★★★☆アイスキュロスの代表作とされることもある『テーバイ攻めの七将』は、オイディプス伝説を題材にした悲劇作品である。オイディプス伝説における時系列的には、ソポクレスの作品である『コロノスのオイディプス』と『アンティゴネー』の間に位置するものとなっており、ソポクレス...
『Xだらけの社説 ポー傑作選3 ブラックユーモア編』 エドガー・アラン・ポー (角川文庫)
ポー傑作選3 ブラックユーモア編 Xだらけの社説 (角川文庫)書名:Xだらけの社説 ポー傑作選3 ブラックユーモア編著者:エドガー・アラン・ポー訳者:河合 祥一郎出版社:KADOKAWAページ数:397おすすめ度:★★★★☆角川文庫のポー傑作選の3冊目は、ブラックユーモア編と銘打たれた本書『Xだらけの社説』だ。ただ、収録作品のすべてにポーのブラックユーモアが見て取れるかというと、その点についてはあまり期待しないほうがいいと言わ...
蛙 (1976年) (岩波文庫)書名:蛙著者:アリストパネス訳者:高津 春繁出版社:岩波書店ページ数:182おすすめ度:★★★★★『蛙』は、アリストパネスの代表的な作品とされることが多い。それというのも、古代ギリシアの代表的な悲劇詩人であるアイスキュロスとエウリピデスがお互いの悲劇作品について論じ、優劣をつけようとするというストーリーだからで、古代ギリシア文学において大いに注目に値する作品であるといえるだろう。エウ...
女の議会 (岩波文庫 赤 108-8)書名:女の議会著者:アリストパネス訳者:村川 堅太郎 出版社:岩波書店ページ数:208おすすめ度:★★★★☆アリストパネスの『女の議会』は、政治的な発言権のなかったアテナイの女たちが国の実権を握ろうとするという作品である。家族も私有財産も否定した国家共同体という考えはやはり興味深いものがあり、深掘りしたい方には、同時代に書かれたプラトンの思想との関連性も大いに興味をそそるに違いな...
女だけの祭 (1975年) (岩波文庫)書名:女だけの祭り著者:アリストパネス訳者:呉 茂一出版社:岩波書店ページ数:155おすすめ度:★★★★☆アリストパネスの『女だけの祭り』は、有名な悲劇詩人エウリピデスを主要登場人物にすえた喜劇作品である。タイトルを『テスモポリア祭を営む女たち』と訳されることもあり、こちらのほうが原題に忠実なのだが、かつてはシンプルに『女だけの祭り』と訳されることが多かったようである。思想色...
女の平和書名:女の平和著者:アリストパネス訳者:佐藤 雅彦出版社:論創社ページ数:251おすすめ度:★★★★☆本書『女の平和』は、アリストパネスの代表的な作品の一つとして知られており、『雲』と並んで後世への影響が大きかった作品のように思われる。本来の趣旨としては反戦の主張があるものの、露骨な性的表現に満ちていることがこの作品を非常に特徴的なものにしている。スパルタとの間に長く続いている戦争にうんざりしてい...
書名:鳥著者:アリストパネス訳者:呉 茂一出版社:岩波書店ページ数:210おすすめ度:★★★★☆アリストパネスの『鳥』は、当時のアテナイにおけるいろいろな事物を風刺しつつ、奇抜な構想のもとに、豊富な登場人物が描かれている作品である。アリストパネスにしてはだいぶ上品な部類の作品といえそうだ。アテナイの状況に嫌気を覚えた二人の老人、ペイステタイロスとエウエルピデスが、鳥の王のもとへとやってくる。そして、人間界...
平和 改版 (岩波文庫 赤 108-4)書名:平和著者:アリストパネス訳者:高津 春繁出版社:岩波書店ページ数:108おすすめ度:★★★★☆アリストパネスの『平和』は、アテナイとスパルタが長きにわたって戦い続けたペロポネソス戦争の休戦をテーマにした喜劇作品である。全体にウィットに欠ける素朴な冗談、言い換えると下品な冗談ということだが、そういう冗談が目立っており、平和という人類永遠のテーマを主題として掲げている割りには...
『モルグ街の殺人 ポー傑作選2 怪奇ミステリー編』 エドガー・アラン・ポー (角川文庫)
ポー傑作選2 怪奇ミステリー編 モルグ街の殺人 (角川文庫)書名:モルグ街の殺人 ポー傑作選2 怪奇ミステリー編著者:エドガー・アラン・ポー訳者:河合 祥一郎出版社:KADOKAWAページ数:349おすすめ度:★★★★★ポーのミステリー作品を集めたのが本書『モルグ街の殺人 ポー傑作選2 怪奇ミステリー編』である。本書には、『モルグ街の殺人』、『黄金虫』、『盗まれた手紙』というポーの代表作としてほぼ確実に名前が挙がる有名作品...
『黒猫 ポー傑作選1 ゴシックホラー編』 エドガー・アラン・ポー (角川文庫)
ポー傑作選1 ゴシックホラー編 黒猫 (角川文庫)書名:黒猫 ポー傑作選1 ゴシックホラー編著者:エドガー・アラン・ポー訳者:河合 祥一郎出版社:KADOKAWAページ数:345おすすめ度:★★★★★ポーの短編小説と詩作品のうち、ゴシックホラーというくくりで短編集にまとめたのが本書『黒猫 ポー傑作選1 ゴシックホラー編』である。光文社古典新訳文庫『黒猫/モルグ街の殺人』や、岩波文庫『黄金虫・アッシャー家の崩壊』との収録作品の...
『ササッサ谷の怪 コナン・ドイル奇譚集』 コナン・ドイル (中公文庫)
ササッサ谷の怪-コナン・ドイル奇譚集 (中公文庫 ト 9-1)書名:ササッサ谷の怪 コナン・ドイル奇譚集著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:小池 滋出版社:中央公論新社ページ数:347おすすめ度:★★★★☆コナン・ドイルの十四編の短編小説を集めたのが本書『ササッサ谷の怪 コナン・ドイル奇譚集』である。必ずしもすべての収録作品が奇譚かというとちょっと怪しい気もするが、コナン・ドイルの実質的なデビュー作にあたる『ササッ...
『妖精の到来 ~コティングリー村の事件』 コナン・ドイル (ナイトランド叢書)
妖精の到来〜コティングリー村の事件 (ナイトランド叢書4-2)書名:妖精の到来 ~コティングリー村の事件著者:アーサー・コナン・ドイル訳者:井村 君江出版社:書苑新社ページ数:186おすすめ度:★★★☆☆コナン・ドイルが現実に撮影された妖精の写真についてとめたのが本書『妖精の到来 〜コティングリー村の事件』である。いかに怪奇な出来事にも現実的で明快な説明を行うシャーロック・ホームズシリーズの作者としては意外なこと...
蜂 (岩波文庫 赤 108-3)書名:蜂著者:アリストパネス訳者:高津 春繁出版社:岩波書店ページ数:173おすすめ度:★★★★☆アリストパネスが当時のアテナイの裁判制度を風刺した作品が本書『蜂』である。アリストパネスは喜劇作家なのであり、当然ながら裁判制度の問題点を筋道立てて批判しているわけではないのだが、『蜂』を鑑賞するために必要な知識は訳注や解説が教えてくれるので、予備知識なしでもおおよその事情は把握できると...
雲 (岩波文庫 赤 108-2)書名:雲著者:アリストパネス訳者:高津 春繁出版社:岩波書店ページ数:184おすすめ度:★★★★★古代ギリシア最大の喜劇詩人であるアリストパネスの代表作といえば、やはりこの『雲』であろう。 アリストパネスと同じ時代にアテナイに生きていたソクラテスを茶化した作品であり、古来より非常に注目度の高い作品となっている。息子の散財のせいで借金まみれになっている父親のストレプシアデスは、借金から逃...
『ヒッポリュトス -パイドラーの恋』 エウリーピデース (岩波文庫)
ヒッポリュトス: パイドラーの恋 (岩波文庫 赤 106-1)書名:ヒッポリュトス -パイドラーの恋著者:エウリピデス訳者:松平 千秋出版社:岩波書店ページ数:123おすすめ度:★★★★☆『ヒッポリュトス』は、エウリピデスがディオニュシア祭における上演で優勝した作品の一つである。ちなみに、本書は第一作目の出来栄えに納得できなかったエウリピデスが改作した作品のようで、それだけ作者にとっての渾身の作品とみなすことができるだ...
トロイアの女たち書名:トロイアの女たち著者:エウリピデス訳者:山形 治江出版社:論創社ページ数:133おすすめ度:★★★★☆エウリピデスの『トロイアの女たち』は、トロイア戦争の末期、ギリシア軍によって陥落させられたトロイアを舞台にした作品である。トロイアの王族の主要な女性たち、すなわち王妃ヘカベ、王女カッサンドラ、ヘクトルの妻アンドロマケに加え、スパルタ王メネラオスとその妻ヘレネも登場したりと、登場人物の...
『タウリケーのイーピゲネイア』 エウリーピデース (岩波文庫)
タウリケーのイーピゲネイア (岩波文庫 赤 106-2)書名:タウリケーのイーピゲネイア著者:エウリーピデース訳者:久保田 忠利出版社:岩波書店ページ数:236おすすめ度:★★★★★エウリピデスの代表作の一つとされるのが本書『タウリケーのイーピゲネイア』である。この作品も一般的にはギリシア悲劇として紹介されているが、劇の展開が普通の悲劇とはやや異なるのが特徴といえるだろう。その一方で、登場人物に女神アテナが名を連ね...
『バッカイ ―バッコスに憑かれた女たち』 エウリーピデース (岩波文庫)
バッカイ――バッコスに憑かれた女たち (岩波文庫)書名:バッカイ ―バッコスに憑かれた女たち著者:エウリーピデース訳者:逸身 喜一郎出版社:岩波書店ページ数:233おすすめ度:★★★★★『バッカイ ―バッコスに憑かれた女たち』は、エウリピデスの最後の作品とされている。ディオニュソスによる、信心を持たない者たちへの復讐をテーマにしており、いかにもギリシア神話らしいエピソードといえる。ディオニュソスはテーバイの王家の血...
『トロイルスとクリセイデ』 ジェフリー・チョーサー(彩流社)
トロイルスとクリセイデ書名:トロイルスとクリセイデ著者:ジェフリー・チョーサー訳者:松下 知紀出版社:彩流社ページ数:374おすすめ度:★★★☆☆ギリシア軍に包囲されたトロイアを舞台に、チョーサーが恋愛を描いた詩作品が本書『トロイルスとクリセイデ』である。トロイルスとクリセイデのエピソードは、『イリアス』などによって古代ギリシアから伝わっているいわゆる正統なストーリーではないとはいえ、高名な英雄たちに縁ど...
縛られたプロメーテウス (岩波文庫 赤104-3)書名:縛られたプロメーテウス著者:アイスキュロス訳者:呉 茂一出版社:岩波書店ページ数:118おすすめ度:★★★★★残存する作品数が少ないとはいえ、アイスキュロスの代表作に数えられるのが本書『縛られたプロメーテウス』である。有名な神々の対立を主軸に据えた話であるが、人間界とのつながりも強く、それだけ読者の興味をひくのではないかと思う。人間たちに火を与えたことで天界の...
アガメムノーン(アイスキュロス) (岩波文庫 赤 104-1)書名:アガメムノーン著者:アイスキュロス訳者:久保 正彰出版社:岩波書店ページ数:210おすすめ度:★★★★★ギリシアの三大悲劇詩人に数えられるアイスキュロスの代表作が本書『アガメムノーン』である。トロイア戦争の後日譚はいくつもあるが、『アガメムノーン』で描かれる出来事もそれらの中で有名なエピソードの一つなので、ギリシア神話を知る上で重要なピースといえるだ...
アンティゴネー (岩波文庫)書名:アンティゴネー著者:ソポクレス訳者:中務 哲郎出版社:岩波書店ページ数:210おすすめ度:★★★★★ソポクレスの悲劇の中で、時系列的に『コロノスのオイディプス』に続く物語が『アンティゴネー』である。オイディプスの一族につきまとう不幸の連鎖は悲劇の題材としてやはり非常に優れたものであると思うが、『アンティゴネー』の読者はそれを改めて実感できることだろう。オイディプスの死後、テー...
コロノスのオイディプス (岩波文庫 赤 105-3)書名:コロノスのオイディプス著者:ソポクレス訳者:高津 春繁出版社:岩波書店ページ数:101おすすめ度:★★★★☆ソポクレスが『オイディプス王』のその後を描いた作品が本書『コロノスのオイディプス』である。こちらも一般的にソポクレスの代表的な作品の一つとみなされることが多いのだが、作品単体として楽しめるだけではなく、オイディプスにまつわるエピソードを理解する上で欠か...
オイディプス王 (古典新訳文庫)書名:オイディプス王著者:ソポクレス訳者:河合 祥一郎出版社:光文社ページ数:174おすすめ度:★★★★★ソポクレスの代表作であり、ギリシャ悲劇における最高傑作との呼び声も高いのが本書『オイディプス王』だ。ソポクレスの他の作品を『コロノスのオイディプス』、『アンティゴネー』と読み進めるうえでも、まず最初に手にするべき作品となっている。スフィンクスを退治したことでテーバイの町に王...
アダムとイヴの日記 (河出文庫 ト 11-1)書名:アダムとイヴの日記著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:河出書房新社ページ数:244おすすめ度:★★★★★トウェインの後期の作品である『アダムの日記』と『イヴの日記』を一冊にまとめたのが本書『アダムとイヴの日記』である。『アダムの日記』も『イヴの日記』も、ある程度は『創世記』に準拠してはいるものの、宗教臭さは感じられないので、読者を選ぶこともないだろうし...
『マーク・トウェイン ユーモア傑作選』 マーク・トウェイン(彩流社)
マーク・トウェイン ユーモア傑作選書名:マーク・トウェイン ユーモア傑作選著者:マーク・トウェイン訳者:有馬 容子、木内 徹出版社:彩流社ページ数:269おすすめ度:★★★☆☆本書『マーク・トウェイン ユーモア傑作選』は、マーク・トウェインの長短交えて9作品を収めている。文章量的には『そぞろ旅の気ままな覚書』と『ストームフィールド船長の天国訪問』の二つでおよそ8割を占めており、それ以外は格段に短い作品となってい...
『エクトール・セルヴァダック』 ジュール・ヴェルヌ(インスクリプト)
エクトール・セルヴァダック (ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション)書名:エクトール・セルヴァダック著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:石橋 正孝出版社:インスクリプトページ数:508おすすめ度:★★★★☆ヴェルヌの長編小説『エクトール・セルヴァダック』では、主人公たちの旅の行き先は太陽系、すなわち宇宙である。ヴェルヌの宇宙ものといえば有名な『月世界へ行く』があるが、同じ宇宙ものでも本書の内容はかけ離れており...
『アーサー王宮廷のヤンキー』 マーク・トウェイン(角川文庫)
トウェイン完訳コレクション アーサー王宮廷のヤンキー (角川文庫)書名:アーサー王宮廷のヤンキー著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:角川書店ページ数:573おすすめ度:★★★★★アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー マーク・トウェインコレクション (16)アーサー王宮廷のヤンキー (創元推理文庫)『アーサー王宮廷のヤンキー』は、マーク・トウェインの代表作とされることもある長編小説で、邦訳も何種類か存在して...
『バック・ファンショーの葬式 他十三篇』 マーク・トウェイン(岩波文庫)
バック・ファンショーの葬式 他13篇 (岩波文庫 赤 311-7)書名:バック・ファンショーの葬式 他十三篇著者:マーク・トウェイン訳者:坂下 昇出版社:岩波書店ページ数:206おすすめ度:★★★☆☆マーク・トウェインの初期の短編作品を集めた短編集が本書『バック・ファンショーの葬式 他十三篇』である。いずれもマーク・トウェインらしい作品を集めた短編集となっている。とある銀鉱の町における葬式をテーマとした『バック・ファンシ...
『ジム・スマイリーの跳び蛙』 マーク・トウェイン(新潮文庫)
ジム・スマイリーの跳び蛙: マーク・トウェイン傑作選 (新潮文庫)書名:ジム・スマイリーの跳び蛙 マーク・トウェイン傑作選著者:マーク・トウェイン訳者:柴田 元幸出版社:新潮社ページ数:255おすすめ度:★★★★☆マーク・トウェインの名を広く知らしめた出世作である表題作を含む13編を収めた短編集が本書『ジム・スマイリーの跳び蛙 マーク・トウェイン傑作選』である。作品の数でいえば、デタラメから成り立つほら話が中心で、...
トウェイン完訳コレクション 人間とは何か (角川文庫)書名:人間とは何か著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:角川書店ページ数:219おすすめ度:★★★★★マーク・トウェインの晩年の作品であり、哲学的な示唆に富む作品として有名なのが本書『人間とは何か』である。原題は
復楽園書名:復楽園著者:ジョン・ミルトン訳者:道家弘一郎出版社:音羽書房鶴見書店ページ数:166おすすめ度:★★★★☆ミルトンによって『失楽園』に続く作品として書かれた叙事詩が本書『復楽園』である。イエスがサタンの誘惑を退けることで人間たちに楽園が取り戻されることを描いた作品で、『失楽園』の続編的な位置付けではあるものの、必ずしも『失楽園』を読んでいなくても、これだけ単独で読んでも特に支障はないと思う。神...
失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3)書名:失楽園著者:ジョン・ミルトン訳者:平井 正穂出版社:岩波書店ページ数:443(上)、431(下)おすすめ度:★★★★★ミルトンの代名詞ともいえる叙事詩が本書『失楽園』である。ダンテの『神曲』と並び称される記念碑的な作品であり、サタンによる神への反逆と地獄落ち、アダムとイブのエデンからの追放という、キリスト教文化の根幹部分をテーマにした雄大この上ない叙...
王子と乞食書名:王子と乞食著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:角川書店ページ数:526おすすめ度:★★★★★『トム・ソーヤーの冒険』と『ハックルベリー・フィンの冒険』に次いで、マーク・トウェインの代表作としてよく名前が挙がる小説といえば本書『王子と乞食』だろう。16世紀のイギリスを舞台とした小説で、歴史小説とおとぎ話の中間のような、世代を問わずとても読みやすい作品になっている。ロンドンの場末で物...
『ハックルベリー・フィンの冒険』 マーク・トウェイン(光文社古典新訳文庫)
ハックルベリー・フィンの冒険(上) (光文社古典新訳文庫 Aト 4-2)ハックルベリー・フィンの冒険(下) (光文社古典新訳文庫 Aト 4-3)書名:ハックルベリー・フィンの冒険著者:マーク・トウェイン訳者:土屋 京子出版社:光文社ページ数:420(上)、412(下)おすすめ度:★★★★★ハックルベリー・フィンの冒険 上 (岩波文庫)ハックルベリィ・フィンの冒険 (新潮文庫)『ハックルベリー・フィンの冒険』は、マーク・トウェインの最高傑作と...
『トム・ソーヤーの冒険』 マーク・トウェイン(光文社古典新訳文庫)
トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)書名:トム・ソーヤーの冒険著者:マーク・トウェイン訳者:土屋 京子出版社:光文社ページ数:540おすすめ度:★★★★★マーク・トウェインの代表作といえば、何はともあれこの『トム・ソーヤーの冒険』だろう。実際には『ハックルベリー・フィンの冒険』と双璧を成しているというべきだろうが、物語の時系列的には『トム・ソーヤーの冒険』から先に読むことをお勧めしたい。トム・ソーヤー...
カトリアナ: 続 デイビッド・バルフォアの冒険 (927;927) (平凡社ライブラリー す 14-2)書名:カトリアナ著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:佐復 秀樹出版社:平凡社ページ数:511おすすめ度:★★★★☆スティーブンソンの最晩年の作品となったのが本書『カトリアナ』である。前編にあたる『さらわれて』の最後の章でデイビッドが銀行に入り、『カトリアナ』の最初の章はその銀行から出てくるところから始まっているよう...
さらわれて (平凡社ライブラリー0923)書名:さらわれて著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:佐復 秀樹出版社:平凡社ページ数:414おすすめ度:★★★★★本書『さらわれて』は、スティーブンソンの最高傑作との呼び声の高い長編小説である。『バラントレーの若殿』と同様に18世紀のスコットランドにおける政治情勢を背景としており、実在の人間を数多く登場させつつ、スリリングな展開に様々な私欲や私怨も織り交ぜて、読者...
バラントレーの若殿 (岩波文庫 赤 242-9)書名:バラントレーの若殿著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:海保 眞夫出版社:岩波書店ページ数:438おすすめ度:★★★★☆『バラントレーの若殿』は、スティーブンソンの故郷であるスコットランドを舞台とした歴史小説である。作家にインスピレーションを与える歴史的事実はいくつかあったにせよ、登場人物も筋書きもバラントレーという地所も架空のものであり、作品自体はステ...
ペール・ギュント (RONSO fantasy collection)書名:ペール・ギュント著者:ヘンリック・イプセン訳者:毛利 三彌出版社:論創社ページ数:130おすすめ度:★★★☆☆しばしばイプセンの代表作として扱われることがあるにもかかわらず、あまり翻訳が出回っていないのが本書『ペール・ギュント』である。論創ファンタジーコレクションの一冊として出版されているが、子供向けのファンタジーとはかけ離れていて、遍歴する主人公の内面をも...
幽霊 (岩波文庫 赤 750-4)書名:幽霊著者:ヘンリック・イプセン訳者:原 千代海出版社:岩波書店ページ数:163おすすめ度:★★★★☆本書『幽霊』は、イプセンが『人形の家』の次に発表した作品であり、戯曲作家として脂ののった時期のものといえる。本編は150ページ程度と比較的短く、手軽に読むことができる本だ。『幽霊』の登場人物はとても少なく、亡き夫の記念碑となる新たな孤児院を開こうとしているアルヴィング夫人、その息子...
ヘッダ・ガーブレル (岩波文庫 赤 750-5)書名:ヘッダ・ガーブレル著者:ヘンリック・イプセン訳者:原 千代海出版社:岩波書店ページ数:203おすすめ度:★★★★★イプセンの代表的な戯曲の一つとして名高いのが本書『ヘッダ・ガーブレル』である。一般的に奥深い女性像を創造した作品として評価されているが、本書の読者であれば、この評価に大いに賛同することだろう。美しい妻であるヘッダと、その夫であるイェルゲンが、豪華な新...
『マーカイム・壜の小鬼 他五篇』 スティーブンソン(岩波文庫)
マーカイム・壜の小鬼 他五篇 (岩波文庫)書名:マーカイム・壜の小鬼 他五篇著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:高松 雄一、高松 禎子出版社:岩波書店ページ数:339おすすめ度:★★★★☆スティーブンソンの短編小説を七篇、初期から晩年に至るまで集めた短編集が本書『マーカイム・壜の小鬼 他五篇』である。収録作品のうち、『その夜の宿』と『天の摂理とギター』は、もともと『新アラビア夜話 第2部』に収められてい...
野鴨(イプセン) (岩波文庫 赤 750-3)書名:野鴨著者:ヘンリック・イプセン訳者:原 千代海出版社:岩波書店ページ数:234おすすめ度:★★★★★本書『野鴨』は、戯曲家としての名声を確固たるものにしていた頃のイプセンの作品の一つである。発表当時の批評には賛否両論があったようだが、イプセンの代表的な戯曲作品としてかつての文学全集に収められていたりと、現在では一般的にイプセンの作品の中でも名だたる傑作として評価され...
人形の家(イプセン) (岩波文庫 赤 750-1)書名:人形の家著者:ヘンリック・イプセン訳者:原 千代海出版社:岩波書店ページ数:198おすすめ度:★★★★★人形の家(新潮文庫)母国ノルウェーはもちろん、19世紀のヨーロッパを代表する戯曲家ともいえるイプセンの代表作といえば、やはりこの『人形の家』であり、それを証しするかのように、岩波文庫以外にも新潮文庫をはじめ複数の翻訳が出版されてきている。これまでいろいろな作家がこ...
『魔法の庭・空を見上げる部族 他十四篇』 カルヴィーノ(岩波文庫)
魔法の庭・空を見上げる部族 他十四篇 (岩波文庫)書名:魔法の庭・空を見上げる部族 他十四篇著者:イタロ・カルヴィーノ訳者:和田 忠彦出版社:岩波書店ページ数:258おすすめ度:★★★★☆カルヴィーノの初期短編を集めた短編集が本書『魔法の庭 空を見上げる部族 他十四篇』である。カルヴィーノの最初の短編集である『最後に鴉がやってくる』に収録されていて、国書刊行会から出ている『最後に鴉がやってくる』の翻訳には収録...
『エミーリア・ガロッティ ミス・サラ・サンプソン』 レッシング(岩波文庫)
書名:エミーリア・ガロッティ ミス・サラ・サンプソン著者:ゴットホルト・エフライム・レッシング訳者:田邊 玲子出版社:岩波書店ページ数:356おすすめ度:★★★★☆本書には、レッシングの戯曲『エミーリア・ガロッティ』と『ミス・サラ・サンプソン』の2編が収録されている。いずれの作品も、ドイツにおける啓蒙主義作家の代表ともいえるレッシングの性格をよく表している悲劇作品といえるだろう。アッピアーニ伯爵と結婚式を迎...
くもの巣の小道: パルチザンあるいは落伍者たちをめぐる寓話 (ちくま文庫 か 25-2)書名:くもの巣の小道著者:イタロ・カルヴィーノ訳者:米川 良夫出版社:筑摩書房ページ数:279おすすめ度:★★★★☆カルヴィーノの最初の長編小説にして、出世作ともなったのが本書『くもの巣の小道』である。「パルチザンあるいは落伍者たちをめぐる寓話」という副題が示すように、第二次世界大戦の後半の、イタリア北部におけるドイツ軍とパルチザ...
引き潮書名:引き潮著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン、ロイド・オズボーン 訳者:駒月 雅子出版社:国書刊行会ページ数:265おすすめ度:★★★★☆44歳で短い生涯を閉じることになったスティーブンソンが最後に仕上げた長編小説となるのが、本書『引き潮』である。義理の息子であるロイド・オズボーンとの共作ではあるが、解説によると、本書の成立に関してはスティーブンソンのほうがより大きな役割を果たしていると言えそう...
賢者ナータン (光文社古典新訳文庫)書名:賢者ナータン著者:ゴットホルト・エフライム・レッシング訳者:丘沢 静也出版社:光文社ページ数:308おすすめ度:★★★★★劇作家でもあり、思想家としても知られるレッシングの代表的な戯曲作品が本書『賢者ナータン』である。日本ではあまり知られていないかもしれないが、ドイツではいまだに上演されることが多いようで、本書を一読すればその根強い人気も納得できるように思う。『賢者ナ...
『ハテラス船長の航海と冒険』 ジュール・ヴェルヌ(インスクリプト)
ハテラス船長の航海と冒険 (ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション)書名:ハテラス船長の航海と冒険著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:荒原 邦博出版社:インスクリプトページ数:645おすすめ度:★★★★☆『ハテラス船長の航海と冒険』は、ヴェルヌが作家として始動した最初期にあたる頃の長編作品の一つである。極寒の北極海に挑むイギリス人たちを描いた作品で、作品に何度も航海が、そして極地が登場するヴェルヌらしい小説とい...
子どもの詩の園書名:子どもの詩の園著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:ないとう りえこ出版社:KADOKAWA/メディアファクトリーページ数:119おすすめ度:★★★★☆本書『子どもの詩の園』は、スティーブンソンが自らの子供時代を思って書いた詩を集めた詩集である。スティーブンソンが詩も書いていたということが日本ではあまり知られていないかもしれないが、欧米では非常によく読まれているもののようだ。スティーブン...
眺海の館 (論創海外ミステリ 237)書名:眺海の館著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:井伊順彦 編訳出版社:論創社ページ数:307おすすめ度:★★★★☆スティーブンソンの短編集である本書『眺海の館』は、『臨海楼綺譚 新アラビア夜話 第2部』に収録されている4編と、作家の没後出版となった作品である『寓話』、『宿なし女』、『慈善市』を収めている。何を隠そう、本書の表題作である『眺海の館』は、実は『臨海楼綺譚 ...
『爆弾魔 続・新アラビア夜話』 スティーブンソン(国書刊行会)
爆弾魔: 続・新アラビア夜話書名:爆弾魔 続・新アラビア夜話著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン、ファニー・スティーヴンソン訳者:南條 竹則出版社:国書刊行会ページ数:318おすすめ度:★★★☆☆『新アラビア夜話』第1部の続編として書かれたのが本書『爆弾魔 続・新アラビア夜話』である。アラビアンナイト的な手法はさほど感じられず、むしろ古風な入れ子構造の枠物語となっている。また、スティーブンソンの作品では珍し...
シェイクスピアの記憶 (岩波文庫 赤792-10)書名:シェイクスピアの記憶著者:ホルヘ・ルイス・ボルヘス訳者:内田 兆史、鼓 直出版社:岩波書店ページ数:158おすすめ度:★★★★☆ボルヘス後期の短編小説4編を集めた作品集が本書『シェイクスピアの記憶』である。表題作である『シェイクスピアの記憶』は、本邦初訳となるボルヘス最晩年の作品の一つであり、ましてシェイクスピアをテーマにした作品ということで、ボルヘスのファンに...
『臨海楼綺譚 新アラビア夜話 第2部』 スティーブンソン(光文社古典新訳文庫)
臨海楼綺譚 新アラビア夜話第二部 (光文社古典新訳文庫)書名:臨海楼綺譚 新アラビア夜話 第2部著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:南條 竹則出版社:光文社ページ数:288おすすめ度:★★★★☆本書『臨海楼綺譚』は「新アラビア夜話 第2部」と銘打たれてはいるものの、実は第1部との内容的なつながりはまったくなく、さらにはアラビア人の原著者の作品を翻訳したものであるという、第1部で用いられたアラビアンナイト風の...
新アラビア夜話 (光文社古典新訳文庫 Aス 2-1)書名:新アラビア夜話著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:南條 竹則出版社:光文社ページ数:303おすすめ度:★★★★☆『新アラビア夜話』は、スティーブンソンによる短編小説7編を収めた作品集である。原題は
宝島 (光文社古典新訳文庫)書名:宝島著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:村上 博基出版社:光文社ページ数:413おすすめ度:★★★★★『ジーキル博士とハイド氏』に並ぶスティーヴンソンの代表作にして、彼の出世作となった小説が本書『宝島』である。孤島に隠された海賊の財宝を探すという、冒険小説のお手本のような筋書きであり、その抜群の知名度と絶大な人気が示している通り、面白い本であることは間違いないといえ...
『ジーキル博士とハイド氏』 スティーヴンソン(光文社古典新訳文庫)
ジーキル博士とハイド氏 (光文社古典新訳文庫 Aス 2-3)書名:ジーキル博士とハイド氏著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:村上 博基出版社:光文社ページ数:159おすすめ度:★★★★★スティーヴンソンの代表作といえば、言わずと知れたこの『ジーキル博士とハイド氏』である。作者であるスティーヴンソンの名前は知らなくても、作品名は誰もが知っている超の付く有名作品なので、読んで損はないだろう。『ジーキル博士とハ...
不在の騎士 (白水Uブックス)書名:不在の騎士著者:イタロ・カルヴィーノ訳者:米川 良夫出版社:白水社ページ数:219おすすめ度:★★★★☆『まっぷたつの子爵』と『木のぼり男爵』と合わせて、カルヴィーノの「我々の祖先」三部作を成しているのが本書『不在の騎士』である。「我々の祖先」三部作の中では一番最後に書かれた作品であるが、カルヴィーノが後から三部作にまとめたことでもあるし、読む順番は気にする必要がないと思う...
『イタリア紀行 - 1817年のローマ、ナポリ、フィレンツェ』 スタンダール(新評論)
イタリア紀行: 1817年のローマ,ナポリ,フィレンツェ書名:イタリア紀行 - 1817年のローマ、ナポリ、フィレンツェ著者:スタンダール訳者:臼田 紘出版社:新評論ページ数:295おすすめ度:★★★☆☆スタンダールが1816年から1817年にかけてのイタリア滞在について書いたのが本書『イタリア紀行 - 1817年のローマ、ナポリ、フィレンツェ』だ。1817年はナポレオン没落後に当たっており、検閲を意識したスタンダールの書き方が時代を感じ...
木のぼり男爵 (白水Uブックス)書名:木のぼり男爵著者:イタロ・カルヴィーノ訳者:米川 良夫出版社:白水社ページ数:347おすすめ度:★★★★☆『木のぼり男爵』はカルヴィーノ初期の長編作品である。「我々の祖先」三部作の一作品であるが、三つの作品のストーリーに直接的な関係はなく、ほとんど読む順番を気にする必要はないので、どの作品から読み始めても構わないように思う。イタリアはリグリア地方のとある男爵家の長男コジモ...
最後に鴉がやってくる (短篇小説の快楽)書名:最後に鴉がやってくる著者:イタロ・カルヴィーノ訳者:関口 英子出版社:国書刊行会ページ数:332おすすめ度:★★★★☆本書『最後に鴉がやってくる』は、カルヴィーノが作家生活を始めた頃の作品を中心に集めた短編集である。ただし、本書はカルヴィーノの短編集として出版された『最後に鴉がやってくる』の収録作品30篇をそのまま全編翻訳したものでなく、そこから既に日本語訳の出回っ...
まっぷたつの子爵 (岩波文庫)書名:まっぷたつの子爵著者:イタロ・カルヴィーノ訳者:河島 英昭出版社:岩波書店ページ数:169おすすめ度:★★★★★本書『まっぷたつの子爵』は、カルヴィーノの代表的な長編小説の一つとされている。カルヴィーノ初期の作品で、彼が得意とする寓話的な読みやすい物語であり、老若男女を問わず楽しめる作品となっている。トルコとの戦争に赴いた年若いイタリアの貴族メダルド子爵は、戦いの最中にトル...
郷愁のイタリア (海外旅行選書)書名:郷愁のイタリア著者:ヘンリー・ジェイムズ訳者:千葉 雄一郎出版社:図書出版社ページ数:332おすすめ度:★★★☆☆イタリアをこよなく愛し、何度も訪れていたヘンリー・ジェイムズによる紀行文が本書『郷愁のイタリア』である。原題は
『ロデリック・ハドソン』 ヘンリー・ジェイムズ(講談社文芸文庫)
ロデリック・ハドソン (講談社文芸文庫)書名:ロデリック・ハドソン著者:ヘンリー・ジェイムズ訳者:行方 昭夫出版社:講談社ページ数:613おすすめ度:★★★★★ヘンリー・ジェイムズの長編第一作目となるのが本書『ロデリック・ハドソン』である。アメリカとヨーロッパの対比、身分や財産とそれに伴う結婚問題、さらには芸術家と芸術作品といった、ジェイムズの小説世界に欠かせないエッセンスが存分に詰まった小説となっている。教...
ゲーテショートセレクション 魔法つかいの弟子 (世界ショートセレクション 17)書名:魔法つかいの弟子著者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ訳者:酒寄 進一出版社:理論社ページ数:206おすすめ度:★★★☆☆ゲーテのショートセレクションとして、散文作品3点、韻文作品6点を収めているのが本書『魔法つかいの弟子』である。ゲーテの作品の中からファンタジー的な要素のある作品を集めており、ゲーテに魔術的なものを好む傾向...
若きヴェルターの悩み/タウリスのイフィゲーニエ書名:タウリスのイフィゲーニエ著者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ訳者:大宮勘一郎出版社:作品社ページ数:401おすすめ度:★★★★☆本書『タウリスのイフィゲーニエ』は、ゲーテの戯曲作品の一つである。本書は『若きヴェルターの悩み』との併録となっているが、紹介としては翻訳の少ない『タウリスのイフィゲーニエ』に絞りたい。トロイ戦争に向かうギリシア方の軍勢の...
イタリア日記(1811)書名:イタリア日記(1811)著者:スタンダール訳者:臼田 紘出版社:新評論ページ数:222おすすめ度:★★☆☆☆スタンダールが1811年にイタリアを訪れた際の日記が本書『イタリア日記(1811)』だ。スタンダールはイタリアを何度も訪れたり、イタリアに住んだりもしていて、何種類かの紀行文が出版されているため、それらと明確に区別をするために、わざわざ1811年という但し書きが付けられているのである。1811年とい...
『シャーンドル・マーチャーシュ』 ジュール・ヴェルヌ(幻戯書房)
シャーンドル・マーチャーシュ: 地中海の冒険 (上) (ルリユール叢書)シャーンドル・マーチャーシュ: 地中海の冒険 (下) (ルリユール叢書)書名:シャーンドル・マーチャーシュ著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:三枝大修出版社:幻戯書房ページ数:453(上)、375(下)おすすめ度:★★★★★ヴェルヌの冒険物語である本書『シャーンドル・マーチャーシュ』は、以前は『アドリア海の復讐』というタイトルで知られていた作品であるが、それを原...
イタリア紀行(上) (岩波文庫 赤405-9)イタリア紀行 中 (岩波文庫 赤 406-0)書名:イタリア紀行著者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ訳者:相良守峰出版社:岩波書店ページ数:271(上)、247(中)、324(下)おすすめ度:★★★★☆30代後半のゲーテが、自身の精神的危機とでもいう状況から脱却すべく、ワイマールでの官僚として勤務する日々を投げ捨てて憧れのイタリアに旅立った際の旅の記録が本書『イタリア紀行』で、イタリアで...
五つの証言 (中公文庫 マ 15-1)書名:五つの証言著者:トーマス・マン訳者:渡辺 一夫出版社:中央公論新社ページ数:219おすすめ度:★★★☆☆トーマス・マンが、ナチスの台頭してきたドイツの状況について書いた小論を集めたのが本書『五つの証言』である。表紙にフランス語で書かれているタイトルが全然異なる意味合いとなっていることが示すように、マン自身が『五つの証言』という作品を書いたわけではなく、本書はフランス語で出...
モリエール傑作戯曲選集2書名:モリエール傑作戯曲選集2 才女気取り著者:モリエール訳者:柴田耕太郎出版社:鳥影社ページ数:256おすすめ度:★★★☆☆『モリエール傑作戯曲選集』の第2巻には、『ドン・ジュアン』、『才女気取り』、『嫌々ながら医者にされ』、『人間嫌い』の四作品が収録されている。『才女気取り』以外の作品はすでにそれぞれ文庫版のほうを紹介しているので、ここでは『才女気取り』を紹介したいと思う。ブルジョ...
旅は驢馬をつれて (大人の本棚)書名:旅は驢馬をつれて著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:小沼 丹出版社:みすず書房ページ数:249おすすめ度:★★★★☆スティーヴンソンが若い頃にフランスのセヴェンヌ地方の山間を旅した際の旅行記が本書『旅は驢馬をつれて』である。紀行文として一定の評価を受けてきている作品で、実際に読み応えは十分なので、読者を満足させてくれる本だといえるだろう。フランスの山間部を何日も...
難破船 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)書名:難破船著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン、ロイド・オズボーン訳者:駒月 雅子出版社:早川書房ページ数:391おすすめ度:★★★★☆本書『難破船』も、スティーヴンソンが義理の息子のロイド・オズボーンと共作した長編小説の一つである。ハヤカワ・ミステリーシリーズからの刊行であるが、一般的な意味での推理小説とは違っているので、そこは覚悟のうえで手にするべきだと思う。...
フォークナー作品集—南部の苦悩書名:フォークナー作品集 南部の苦悩著者:ウィリアム・フォークナー訳者:依藤道夫、三浦朝子出版社:英宝社ページ数:357おすすめ度:★★★☆☆本書『フォークナー作品集 南部の苦悩』は、フォークナーの短編小説11編を収録している。その副題が示すように、アメリカ南部に影を落とす人種問題や暴力といった負の要素を扱っている作品を中心に集めていて、処刑された黒人の葬列を描いている『モーゼよ...
魔法の木 (福武文庫 フ 402)書名:魔法の木著者:ウィリアム・フォークナー訳者:木島 始出版社:ベネッセコーポレーションページ数:189おすすめ度:★★★★☆フォークナーが書いた唯一の童話が本書『魔法の木』である。フォークナーといえば難解な小説を書く作家というイメージが一般的と思うが、こども向けに書かれた本書は、そのイメージとは対極の位置付けとなる、とても意外な作品であるといえる。ある日のこと、少女ダルシ―がベ...
地球からの手紙 マーク・トウェインコレクション (3)書名:地球からの手紙著者:マーク・トウェイン訳者:柿沼 孝子、佐藤 豊、吉岡 栄一出版社:彩流社ページ数:229おすすめ度:★★★★☆彩流社のマーク・トウェイン・コレクションの三冊目である本書には、『アダムとイヴの日記』、表題作である『地球からの手紙』、『クリスチャン・サイエンス』の3作品が収録されている。『アダムとイヴの日記』については、挿絵が充実していて何...
河を渡って木立の中へ (新潮文庫 へ 2-16)書名:河を渡って木立の中へ著者:アーネスト・ヘミングウェイ訳者:高見 浩出版社:新潮社ページ数:490おすすめ度:★★★★☆ヘミングウェイが生前発表した長編小説の中で、円熟期と言って差し支えない時期に書かれたものであるにもかかわらず、あまり注目されることのないのが本書『河を渡って木立の中へ』である。この作品に限った話ではないが、ヘミングウェイ本人の体験が色濃く反映され...
箱ちがい (ミステリーの本棚)書名:箱ちがい著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン、ロイド・オズボーン訳者:千葉 康樹出版社:国書刊行会ページ数:297おすすめ度:★★★★☆本書『箱ちがい』は、スティーヴンソンが義理の息子であるロイド・オズボーンと共作した長編小説である。「ミステリーの本棚」というシリーズ中の一冊ではあるが、一般的な意味でのミステリー的な要素は乏しく、ミステリーとして読めばがっかりする読者が...
道徳的な寓意、およびその他の詩: 著者によるオリジナル木版画を添えて書名:道徳的な寓意、およびその他の詩: 著者によるオリジナル木版画を添えて著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:広本 勝也出版社:鳥影社ページ数:149おすすめ度:★★★☆☆スティーヴンソンの詩集である『道徳的な寓意、およびその他の詩』は、一般的に知られている作品とはいえないだろう。義理の息子であり、いくつか共著作品もあるロイド・オズ...
死霊の恋/化身 ゴーティエ恋愛奇譚集 (光文社古典新訳文庫 K-Aコ 13-1)書名:死霊の恋/化身 ゴーティエ恋愛奇譚集著者:テオフィル・ゴーティエ訳者:永田千奈出版社:光文社ページ数:394おすすめ度:★★★★★本書は、ゴーティエの短編小説の『死霊の恋』と『アッリア・マルケッラ ポンペイの追憶』、中編小説『化身』を収めている。恋愛奇譚集という副題が示す通り、すべて恋愛感情が鍵となる作品で、絶世の美女に惹かれるとい...
細菌ハックの冒険 マーク・トウェインコレクション (9)書名:細菌ハックの冒険著者:マーク・トウェイン訳者:有馬 容子出版社:彩流社ページ数:254おすすめ度:★★★☆☆『細菌ハックの冒険』は、トウェインの晩年の小説作品である。本書には『我が夢の恋人』という短編小説も収録されているが、内容的にも文章量的にも『細菌ハックの冒険』がメインの本といえるだろう。『細菌ハックの冒険』は未完の小説の死後出版なので、構成に疑...
ペンテジレーア (岩波文庫 赤416-2)書名:ペンテジレーア著者:ハインリヒ・フォン・クライスト訳者:大宮 勘一郎出版社:岩波書店ページ数:312おすすめ度:★★★★☆クライストによる戯曲作品の数はそもそも多くないが、その中で代表的なものの一つとされるのが本書『ペンテジレーア』である。トロイア戦争から題材を取っているため、幅広い読者が楽しみやすい作品であるといえるだろう。女王ペンテジレーアに率いられたアマゾン族の...
トウェイン完訳コレクション 不思議な少年44号 (角川文庫)書名:不思議な少年44号著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:角川書店ページ数:350おすすめ度:★★★★☆マーク・トウェインの死後何十年も経ってから、遺稿に基づいて出版されるに至ったのが本書『不思議な少年44号』である。それまで『不思議な少年』として知られていた作品は、編集者によって改竄された贋作であるという立場からすると、こちらこそがトウェイ...
不思議な少年 (岩波文庫 赤 311-1)書名:不思議な少年著者:マーク・トウェイン訳者:中野 好夫出版社:岩波書店ページ数:252おすすめ度:★★★★☆マーク・トウェインが晩年に書き続けていて、死後に出版されることになった中編小説が本書『不思議な少年』である。この作品を語る上で成立過程の話を避けて通ることはできないのだが、この『不思議な少年』はトウェインが残した原稿に編集者が過度に手を加えたものであって、本来彼の...
まぬけのウィルソンとかの異形の双生児 マーク・トウェインコレクション (1)書名:まぬけのウィルソンとかの異形の双生児著者:マーク・トウェイン訳者:村川 武彦出版社:彩流社ページ数:334おすすめ度:★★★★☆『まぬけのウィルソンとかの異形の双生児』は、マーク・トウェインの後期の小説作品である。本書のタイトルを一見するとあたかも一つの小説のように見えてしまうが、厳密には『まぬけのウィルソン』と『かの異形の双生児...
ドイツ・ロマン派☆〔新装版〕☆書名:ドイツ・ロマン派著者:ハインリヒ・ハイネ訳者:山崎 章甫出版社:未来社ページ数:258おすすめ度:★★★★☆ハイネによる文学評論で、その名の通りドイツにおけるロマン派をテーマにしたのが本書『ドイツ・ロマン派』である。ハイネの評論としては『ロマン派』が有名だが、実は本書の原題は『ロマン派』であり、内容としては同じものとなっている。ハイネは、そもそもドイツにおけるロマン派とは...
アルマンゾル書名:アルマンゾル著者:ハインリヒ・ハイネ訳者:今本 幸平出版社:法政大学出版局ページ数:170おすすめ度:★★★☆☆一般的には詩人として有名であり、評論などによっても知られているハイネによる戯曲作品が本書『アルマンゾル』である。本書の解説によると、ハイネは若い頃に戯曲を二つだけしか書いていないようだが、そのうち先に書いたのがこの『アルマンゾル』であり、ハイネに関心のある読者にとってはこの作品...
ハイネ詩集 (新潮文庫)書名:ハイネ詩集著者:ハインリヒ・ハイネ訳者:片山 敏彦出版社:新潮社ページ数:229おすすめ度:★★★★☆ハイネの約百篇の詩作品を集めたのが本書『ハイネ詩集』である。改版を経つつ何十年にもわたって重版に重版を重ねてきている本であり、戦後の日本にハイネを紹介するのにこの文庫本が大いに貢献してきたことは間違いないだろう。この『ハイネ詩集』には、ハイネの初期の作品から最晩年の作品に至るまで...
フィガロの結婚: 新訳 付「フィガロ三部作」について書名:フィガロの結婚著者:カロン・ド・ボーマルシェ訳者:鈴木 康司出版社:大修館書店ページ数:293おすすめ度:★★★★★ボーマルシェによるフィガロ三部作において、最高傑作との呼び声の高い作品であり、モーツァルトのオペラの原作ともなっているのが本書『フィガロの結婚』である。『セビーリャの理髪師』の続編であり、登場人物は重なっているし内容的なつながりも強いので...
アダムとイヴの日記 (河出文庫 ト 11-1)書名:アダムとイヴの日記著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:河出書房新社ページ数:244おすすめ度:★★★★★トウェインの後期の作品である『アダムの日記』と『イヴの日記』を一冊にまとめたのが本書『アダムとイヴの日記』である。『アダムの日記』も『イヴの日記』も、ある程度は『創世記』に準拠してはいるものの、宗教臭さは感じられないので、読者を選ぶこともないだろうし...
マーク・トウェイン ユーモア傑作選書名:マーク・トウェイン ユーモア傑作選著者:マーク・トウェイン訳者:有馬 容子、木内 徹出版社:彩流社ページ数:269おすすめ度:★★★☆☆本書『マーク・トウェイン ユーモア傑作選』は、マーク・トウェインの長短交えて9作品を収めている。文章量的には『そぞろ旅の気ままな覚書』と『ストームフィールド船長の天国訪問』の二つでおよそ8割を占めており、それ以外は格段に短い作品となってい...
エクトール・セルヴァダック (ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション)書名:エクトール・セルヴァダック著者:ジュール・ヴェルヌ訳者:石橋 正孝出版社:インスクリプトページ数:508おすすめ度:★★★★☆ヴェルヌの長編小説『エクトール・セルヴァダック』では、主人公たちの旅の行き先は太陽系、すなわち宇宙である。ヴェルヌの宇宙ものといえば有名な『月世界へ行く』があるが、同じ宇宙ものでも本書の内容はかけ離れており...
トウェイン完訳コレクション アーサー王宮廷のヤンキー (角川文庫)書名:アーサー王宮廷のヤンキー著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:角川書店ページ数:573おすすめ度:★★★★★アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー マーク・トウェインコレクション (16)アーサー王宮廷のヤンキー (創元推理文庫)『アーサー王宮廷のヤンキー』は、マーク・トウェインの代表作とされることもある長編小説で、邦訳も何種類か存在して...
バック・ファンショーの葬式 他13篇 (岩波文庫 赤 311-7)書名:バック・ファンショーの葬式 他十三篇著者:マーク・トウェイン訳者:坂下 昇出版社:岩波書店ページ数:206おすすめ度:★★★☆☆マーク・トウェインの初期の短編作品を集めた短編集が本書『バック・ファンショーの葬式 他十三篇』である。いずれもマーク・トウェインらしい作品を集めた短編集となっている。とある銀鉱の町における葬式をテーマとした『バック・ファンシ...
ジム・スマイリーの跳び蛙: マーク・トウェイン傑作選 (新潮文庫)書名:ジム・スマイリーの跳び蛙 マーク・トウェイン傑作選著者:マーク・トウェイン訳者:柴田 元幸出版社:新潮社ページ数:255おすすめ度:★★★★☆マーク・トウェインの名を広く知らしめた出世作である表題作を含む13編を収めた短編集が本書『ジム・スマイリーの跳び蛙 マーク・トウェイン傑作選』である。作品の数でいえば、デタラメから成り立つほら話が中心で、...
トウェイン完訳コレクション 人間とは何か (角川文庫)書名:人間とは何か著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:角川書店ページ数:219おすすめ度:★★★★★マーク・トウェインの晩年の作品であり、哲学的な示唆に富む作品として有名なのが本書『人間とは何か』である。原題は
復楽園書名:復楽園著者:ジョン・ミルトン訳者:道家弘一郎出版社:音羽書房鶴見書店ページ数:166おすすめ度:★★★★☆ミルトンによって『失楽園』に続く作品として書かれた叙事詩が本書『復楽園』である。イエスがサタンの誘惑を退けることで人間たちに楽園が取り戻されることを描いた作品で、『失楽園』の続編的な位置付けではあるものの、必ずしも『失楽園』を読んでいなくても、これだけ単独で読んでも特に支障はないと思う。神...
失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2)失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3)書名:失楽園著者:ジョン・ミルトン訳者:平井 正穂出版社:岩波書店ページ数:443(上)、431(下)おすすめ度:★★★★★ミルトンの代名詞ともいえる叙事詩が本書『失楽園』である。ダンテの『神曲』と並び称される記念碑的な作品であり、サタンによる神への反逆と地獄落ち、アダムとイブのエデンからの追放という、キリスト教文化の根幹部分をテーマにした雄大この上ない叙...
王子と乞食書名:王子と乞食著者:マーク・トウェイン訳者:大久保 博出版社:角川書店ページ数:526おすすめ度:★★★★★『トム・ソーヤーの冒険』と『ハックルベリー・フィンの冒険』に次いで、マーク・トウェインの代表作としてよく名前が挙がる小説といえば本書『王子と乞食』だろう。16世紀のイギリスを舞台とした小説で、歴史小説とおとぎ話の中間のような、世代を問わずとても読みやすい作品になっている。ロンドンの場末で物...
ハックルベリー・フィンの冒険(上) (光文社古典新訳文庫 Aト 4-2)ハックルベリー・フィンの冒険(下) (光文社古典新訳文庫 Aト 4-3)書名:ハックルベリー・フィンの冒険著者:マーク・トウェイン訳者:土屋 京子出版社:光文社ページ数:420(上)、412(下)おすすめ度:★★★★★ハックルベリー・フィンの冒険 上 (岩波文庫)ハックルベリィ・フィンの冒険 (新潮文庫)『ハックルベリー・フィンの冒険』は、マーク・トウェインの最高傑作と...
トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)書名:トム・ソーヤーの冒険著者:マーク・トウェイン訳者:土屋 京子出版社:光文社ページ数:540おすすめ度:★★★★★マーク・トウェインの代表作といえば、何はともあれこの『トム・ソーヤーの冒険』だろう。実際には『ハックルベリー・フィンの冒険』と双璧を成しているというべきだろうが、物語の時系列的には『トム・ソーヤーの冒険』から先に読むことをお勧めしたい。トム・ソーヤー...
カトリアナ: 続 デイビッド・バルフォアの冒険 (927;927) (平凡社ライブラリー す 14-2)書名:カトリアナ著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:佐復 秀樹出版社:平凡社ページ数:511おすすめ度:★★★★☆スティーブンソンの最晩年の作品となったのが本書『カトリアナ』である。前編にあたる『さらわれて』の最後の章でデイビッドが銀行に入り、『カトリアナ』の最初の章はその銀行から出てくるところから始まっているよう...
さらわれて (平凡社ライブラリー0923)書名:さらわれて著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:佐復 秀樹出版社:平凡社ページ数:414おすすめ度:★★★★★本書『さらわれて』は、スティーブンソンの最高傑作との呼び声の高い長編小説である。『バラントレーの若殿』と同様に18世紀のスコットランドにおける政治情勢を背景としており、実在の人間を数多く登場させつつ、スリリングな展開に様々な私欲や私怨も織り交ぜて、読者...
バラントレーの若殿 (岩波文庫 赤 242-9)書名:バラントレーの若殿著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:海保 眞夫出版社:岩波書店ページ数:438おすすめ度:★★★★☆『バラントレーの若殿』は、スティーブンソンの故郷であるスコットランドを舞台とした歴史小説である。作家にインスピレーションを与える歴史的事実はいくつかあったにせよ、登場人物も筋書きもバラントレーという地所も架空のものであり、作品自体はステ...
ペール・ギュント (RONSO fantasy collection)書名:ペール・ギュント著者:ヘンリック・イプセン訳者:毛利 三彌出版社:論創社ページ数:130おすすめ度:★★★☆☆しばしばイプセンの代表作として扱われることがあるにもかかわらず、あまり翻訳が出回っていないのが本書『ペール・ギュント』である。論創ファンタジーコレクションの一冊として出版されているが、子供向けのファンタジーとはかけ離れていて、遍歴する主人公の内面をも...
幽霊 (岩波文庫 赤 750-4)書名:幽霊著者:ヘンリック・イプセン訳者:原 千代海出版社:岩波書店ページ数:163おすすめ度:★★★★☆本書『幽霊』は、イプセンが『人形の家』の次に発表した作品であり、戯曲作家として脂ののった時期のものといえる。本編は150ページ程度と比較的短く、手軽に読むことができる本だ。『幽霊』の登場人物はとても少なく、亡き夫の記念碑となる新たな孤児院を開こうとしているアルヴィング夫人、その息子...
ヘッダ・ガーブレル (岩波文庫 赤 750-5)書名:ヘッダ・ガーブレル著者:ヘンリック・イプセン訳者:原 千代海出版社:岩波書店ページ数:203おすすめ度:★★★★★イプセンの代表的な戯曲の一つとして名高いのが本書『ヘッダ・ガーブレル』である。一般的に奥深い女性像を創造した作品として評価されているが、本書の読者であれば、この評価に大いに賛同することだろう。美しい妻であるヘッダと、その夫であるイェルゲンが、豪華な新...
マーカイム・壜の小鬼 他五篇 (岩波文庫)書名:マーカイム・壜の小鬼 他五篇著者:ロバート・ルイス・スティーヴンソン訳者:高松 雄一、高松 禎子出版社:岩波書店ページ数:339おすすめ度:★★★★☆スティーブンソンの短編小説を七篇、初期から晩年に至るまで集めた短編集が本書『マーカイム・壜の小鬼 他五篇』である。収録作品のうち、『その夜の宿』と『天の摂理とギター』は、もともと『新アラビア夜話 第2部』に収められてい...
野鴨(イプセン) (岩波文庫 赤 750-3)書名:野鴨著者:ヘンリック・イプセン訳者:原 千代海出版社:岩波書店ページ数:234おすすめ度:★★★★★本書『野鴨』は、戯曲家としての名声を確固たるものにしていた頃のイプセンの作品の一つである。発表当時の批評には賛否両論があったようだが、イプセンの代表的な戯曲作品としてかつての文学全集に収められていたりと、現在では一般的にイプセンの作品の中でも名だたる傑作として評価され...