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気持ちのマネジメント(第15回)

部下を理解せず、ただ役割を押し付けることの危険性

相手も人であり、状況は常に揺れる。たとえば、同時に複数の依頼を受けていたり、私生活で心配事を抱えていたり、体調が優れない日もある。心や仕事のキャパシティは人によって違い、日ごとに変化するものだ。気持ちも、前向きな日もあれば悲観的な時もある。管理職のあなたも例外ではないはずだが、そこで立ち止まれているか。

 

「仕事をお願いする」ことが目的化し、ただの依頼や指示になっていないか。優秀で実績もあり、能力もあるあなたは、仕事なのだからやって当然、できて当然と考えて、相手の状況を確かめずにさっと頼んでしまってはいないか。

 

 

何気ないやりとりの積み重ねが、相手にはどう映るか。「自分のことを理解する気がなく、仕事だけを一方的に押し付けてくる人」と見られたら、信頼は目減りする。仕事だから当然、という発想は、結局自分基準、自分本位になっている恐れがある。

 

部下のパフォーマンスは、能力だけで決まらない。置かれている状況、心身のコンディション、そして職場の関係性が強く影響する。相互の理解が欠けると、仕事の依頼は負荷として受け取られやすい。逆に、背景が見えている依頼は、同じ量でも意味が変わる。目的が伝わり、余白が設計され、支援の手当てが見えるからだ。関係性の質は、結果の質に直結する。

 

月イチの 1on1 だけではまったく足りない。仕事をお願いする前にひと言、「最近調子どう」「昨日はよく眠れた」と声をかけるだけで、温度は変わる。時間はかからないが効果は大きい。依頼の前提に、相手の現在地を置くことができるからだ。

 

管理職であるあなた自身も人だ。余裕がない日はある。それでも、部下をひとりの人としてリスペクトする姿勢でいたい。短い一言で十分だし、習慣にすると負担は小さい。役割を押し付けるのではなく、状況を理解し、余白を設計し、助けられる関係をつくる。そうすることで関係性の質はまったく違ったものになるのではないだろうか。