Mrs. GREEN APPLEは、ボーカル大森元貴を中心に結成され、2015年にミニアルバム『Variety』でメジャーデビューしたバンド。その人気は歴史的な規模となっており、特にストリーミング再生回数では歴代最多記録を樹立している。2025年7月には国内史上初となる累計100億再生を突破したことがBillboard JAPANより公表されている。
本記事では、現代の主要楽曲人気指標であるストリーミング再生回数、MV再生回数、ダウンロード売上の3指標を参照し、Mrs. GREEN APPLEのヒット史を追っていく。当ブログ独自の計算式により作成した、Mrs. GREEN APPLEの人気楽曲ランキングは以下のとおりである。

(ランキング作成方法および歴代デジタルヒット曲ランキングは以下記事参照↓)
上記で挙げた楽曲をリリース順に並べた表も以下に示す。

フェーズ1
デビュー~2017年
Mrs. GREEN APPLEはメンバーが当時高校生だった2013年に結成され、その後はメンバーチェンジを経ながらもインディーズで新作発売やライブ活動を重ね、2015年7月に5人組バンドとしてメジャーデビューを果たした。なおインディーズ時代の楽曲では2ndミニアルバム『Progressive』に収録されている「我逢人」がストリーミング5,000万再生を突破する人気となっている。
デビュー作品となったミニアルバム『Variety』収録曲の中では、リード曲「StaRt」がライブの定番曲として発売当初から人気を集めた。当初はノンタイアップだったこの曲だが、人生の節目節目の始まりを彩るポップロックナンバーとして好評を受けて2017年には花王『メリットシャンプー』のCMソングにも起用されている。こうして徐々に定番曲としての知名度が浸透した結果、本曲はストリーミング3.0再生、MV9,000万再生、フル配信10万ダウンロードを突破する大ヒットとなった。
2015年12月には1stシングル「Speaking」を発売。本曲はアニメ『遊☆戯☆王ARC-V』エンディングテーマに起用されたこともあり、ストリーミング1.0億再生を突破した。2016年1月には、本曲も収録した1stオリジナルアルバム『TWELVE』を発売。アルバム曲の中では「Hug」「庶幾の唄」がストリーミング5,000万再生を突破している。
同年6月には2ndシングル「サママ・フェスティバル!」、同年11月には3rdシングル「In the Morning」を発売し、それぞれストリーミング5,000万再生を記録した。2017年1月には両曲を収録した2ndオリジナルアルバム『Mrs. GREEN APPLE』をリリース。アルバム曲の中では「鯨の唄」がストリーミング5,000万再生を突破している。
2017年8月に5thシングルとしてリリースしたWanteD! WanteD!」は電子音を主体とした明るいダンサブルなポップナンバー。ドラマ『僕たちがやりました』主題歌に起用されたことや、TikTokにて双子ダンスで使用される機会が多かったことなどから人気が広がり、ストリーミング3.0億再生、MV6,000万再生、フル配信10万ダウンロードを突破する大ヒットとなった。
なお、本曲で自身初めてBillboard JAPAN Hot 100の年間TOP100入り(2017年99位)を果たしており、このことからも本曲がMrs. GREEN APPLEの出世作として扱われている。
2018年
2018年2月には6thシングル「Love me, Love you」を発売。表題曲はストリーミング1.1億再生、MV4,000万再生を突破しているが、本シングルのc/wに収録された「春愁」が表題曲を上回るヒットとなっており、ストリーミング2.3億再生、MV6,000万再生を突破している。
2018年4月には3rdオリジナルアルバム『ENSEMBLE』を発売。アルバム曲の中では、「アウフヘーベン」がストリーミング5,000万再生を突破している。
以降は大ヒット曲が連発されるようになる。2018年7月にリリースした7thシングル「青と夏」は爽快なバンドサウンドで奏でられたアッパーな夏うたで、映画『青夏 きみに恋した30日』主題歌として書き下ろされた。楽曲が持つ瑞々しさは青春を強く感じさせるものであり、特に学生からの支持が集まったことで、新たな夏うたの定番曲の座を獲得。Billboard JAPAN Hot 100の年間では2024年の9位を記録するなど、毎年夏になると浮上することで年間上位ランクイン曲の常連となっている。
各指標の累計はストリーミング9.0億再生、MV2.0億再生、フル配信25万ダウンロードを突破している。当ブログで作成し冒頭に掲げたMrs. GREEN APPLEの人気楽曲ランキングでは本曲が1位となっている。
さらにこのシングルのc/w「点描の唄 (feat. 井上苑子)」も表題曲に劣らない人気を獲得している。この曲は映画『青夏 きみに恋した30日』の挿入歌。「青と夏」が夏恋の始まりがイメージされる楽曲だとすれば、「点描の唄」はその終わりがイメージされる儚げなバラード。大森元貴とゲストボーカル井上苑子による初々しさが表現された歌唱はやはり青春の恋を感じさせるものであり、人気のデュエットナンバーとして支持を広げた。
累計ではストリーミング8.0億再生、フル配信10万ダウンロードを突破。MVは制作されていないが、代わりにLive Lyric Videoがアップされており(ここでは井上苑子は不参加)、こちらが7,000万再生を突破している。
続いて2018年12月に配信された8thシングル「僕のこと」は第97回全国高校サッカー選手権大会の応援歌として書き下ろされたロックバラード。壮大な人生賛歌に仕上がっており、その歌詞は勝者だけに限らないあらゆる境遇にあるリスナーを鼓舞した。各指標の累計はストリーミング6.0億再生、MV1.5億再生、フル配信10万ダウンロードを突破している。
2019年
2019年3月には9thシングル「ロマンチシズム」を配信。歌詞は人類愛をテーマにしており、前作に続く壮大さを有しているが、曲調は疾走感のあるビートになっており、壮大さとポップな聴きやすさが両立したサウンドになっている。自然体な愛情が表現された煌びやかなMVも人気となるなどして支持が広がり、各指標の累計はストリーミング4.1億再生、MV1.0億再生を突破した。
7月にはシングル「インフェルノ」を配信した。本曲はアニメ『炎炎ノ消防隊』主題歌として、アニメのファンでもある大森元貴が書き下ろした楽曲で、歌詞にはアニメにリンクしたキーワードが散りばめられているほか、曲調もダークなロックナンバーになっている。こうしたアニメとの親和性の高さなどから人気が広がった。各指標の累計はストリーミング7.0億再生、MV3.3億再生、フル配信25万ダウンロードを突破している。
「インフェルノ」の大ヒットで勢いに乗る中、10月には4thオリジナルアルバム『Attitude』をリリース。収録曲の中では、「lovin'」がストリーミング1.3億再生、「CHEERS」がストリーミング1.7億再生、MV4,000万再生、「Attitude」がストリーミング1.1億再生、「嘘じゃないよ」がストリーミング5,000万再生を突破している。
フェーズ2
2020年7月には自身初のベストアルバム『5』を発売し、そのタイミングで「フェーズ1完結」と称して活動休止を発表。休止期間は事務所の独立や世界展開を見据えた新プロジェクト『Project-MGA』の立ち上げ、大森元貴のソロ活動などが展開された。この間メンバー2人の脱退もあったが、2022年3月に3人体制で「フェーズ2開幕」を宣言し、活動を再開した。
2022年
活動再開一発目を飾った5th配信シングル「ニュー・マイ・ノーマル」はストリーミング1.5億再生、MV3,000万再生を突破した。
そして5月にミニアルバム『Unity』から先行配信された「ダンスホール」はフェーズ2での人気急拡大に向けて先陣を切った。朝の情報番組『めざまし8』のテーマ曲に起用されたこの曲は、そのタイアップに相応しくポジティブなエネルギーに溢れており、視聴者の一日の始まりを華やかに彩った。MVではバンドの枠に囚われないファッションとダンスを見せるなど話題性も高く、人気を博したこの曲はストリーミング8.0億再生、MV1.5億再生、フル配信10万ダウンロードを突破。Billboard JAPAN Hot 100の年間では2023年7位、2024年10位を記録した。
続いて6月に同ミニアルバムから先行配信された「ブルーアンビエンス(feat. asmi)」もストリーミング3.0億再生、MV3,000万再生を突破している。
11月には10thシングル「Soranji」を発売。本曲は生きることへ向き合ったメッセージ性の強い渾身のピアノバラードになっている。タイアップ先の映画『ラーゲリより愛を込めて』は過酷な戦時中を生き抜いた主人公とその想いを継ぐ仲間が織りなすドラマを描写しており、楽曲とも深くリンクしていた。多くの感動を生み出した本曲は支持を広げ、ストリーミング7.0億再生、MV1.2億再生、フル配信10万ダウンロードを突破した。
「Soranji」はCDシングル化もされたが、このc/wに収録されたのが「私は最強」である。この曲はアニメ映画『ONE PIECE FILM RED』のキャラクターであるウタに扮したAdoへ提供した同名曲のセルフカバー。原曲はストリーミング3億再生を突破したが、セルフカバーもストリーミング2.5億再生、MV6,000万再生を突破した。
2023年
2023年にもMrs. GREEN APPLEはヒット曲を連発し、一気にトップクラスの人気を築き上げていった。4月に配信した「ケセラセラ」は「なるようになるさ」という意味を持つタイトルのとおり、懸命に日々を生きる人々の背中を後押しする人生応援歌。ラスサビに向かって盛り上がる楽曲構成も心強さを感じさせてくれる仕上がりになっている。ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』に起用されたことでも普及した本曲はストリーミング7.0億再生、MV1.1億再生、フル配信25万ダウンロードを突破。年末には2023年の日本レコード大賞を受賞した。Billboard JAPAN Hot 100の年間では2024年6位、2025年8位を記録した。
6月には5thオリジナルアルバム『ANTENNA』から「Magic」を先行配信した。本曲は塞ぎ込んでしまったり余裕がなくなってしまったりしている人々を自由へと開放してくれるような歌詞がハイトーンボーカルによって高らかに歌い上げられており、まさに魔法のようにポジティブになれるポップナンバーに仕上がっている。『コカ・コーラ Coke STUDIO Magic』篇のCMソングとして起用されたことでも話題となった本曲はストリーミング5.0億再生、MV6,000万再生を突破した。
『ANTENNA』収録曲の中では、7月にリリースした表題曲「ANTENNA」がストリーミング2.0億再生を突破したほか、「Loneliness」もストリーミング5,000万再生を突破している。
2024年以降
アルバム『ANTENNA』が大好評となったことや、前述した「ケセラセラ」の日本レコード大賞受賞を機に、Mrs. GREEN APPLEは歴史的な人気拡大傾向に突入していく。その機を捉えるように2024年以降は怒濤のリリースラッシュが展開され、アーティスト人気チャートBillboard JAPAN Artist 100では2024年、2025年の年間1位を獲得。2年連続1位を記録した。
リリースラッシュの先陣を飾ったのは2024年1月に配信した「ナハトムジーク」。前年までの勢いそのままに本曲はストリーミング1.7億再生、MV3,000万再生を突破した。
さらに4月からは連続でシングルリリースを敢行。その第一弾となったアニメ『忘却バッテリー』の主題歌「ライラック」は、「青と夏」のアンサーソングとして位置づけられる青春ポップロックナンバーとして自身最大の初動楽曲人気を獲得した。
本曲の大人気は2024年内では収まらず、それどころか2025年に入りさらなる絶頂を記録した。その要因としては2024年の日本レコード大賞受賞も挙げられるが、2025年初に放送されたバラエティ特番『さんま・玉緒のあんたの夢かなえたろか30周年SP』への出演と本曲の披露効果も大きかった。これにより本曲はBillboard JAPAN Hot 100にて2025年の年間1位を獲得した。
特に本曲は高水準の楽曲人気の「持続力」が歴史的な規模となっている。Billboard JAPAN Streaming Songsでは、通算31週で週間再生回数1,000万超えを記録したが、これはYOASOBI「アイドル」の29週を上回る歴代最多記録となった。

各指標の累計は既にストリーミング8.0億再生、MV2.1億再生、フル配信25万ダウンロードを突破しており、今なお自身最速ペースで記録更新を続けている。当ブログでは本曲を2020年代前半を代表する大ヒット曲10選に選出している。
「ライラック」が歴史的人気を示す中、続けて5月にリリースした「Dear」はストリーミング1.5億再生、6月にリリースした「コロンブス」はストリーミング2.2億再生、MV3,000万再生、7月にリリースした「アポロドロス」はストリーミング5,000万再生、8月にリリースした「familie」はストリーミング2.1億再生、MV4,000万再生を記録。怒濤の5ヶ月連続リリースが敢行された。
それから僅か3ヶ月後の11月には早くも新曲リリースが再開。「ビターバカンス」がストリーミング2.3億再生、MV4,000万再生を記録した。本曲は映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』の主題歌。日常や現実に疲れてしまったときに休息を取ることを優しく後押ししてくれるポップナンバーとして多くの支持を集めた。Billboard JAPAN Hot 100の年間では2025年の9位を記録した。
年末年始の音楽番組やバラエティ番組等への怒濤の出演ラッシュを経て、「ライラック」が人気絶頂を迎えた2025年1月には新曲「ダーリン」をリリースした。本曲はNHK主催イベント『18祭』の2024年のテーマソングとしてリリースが待望されていた壮大なバラードナンバー。誰もが一度は感じたことがあるであろう、自分らしさとは何なのか思い悩む孤独に寄り添い、自立を支えてくれるような内容が支持され、各指標の累計はストリーミング2.6億再生、MV6,000万再生を突破した。
そして2025年4月からはまたも怒濤の新曲リリースラッシュが展開された。先陣を切った「クスシキ」は人気アニメ『薬屋のひとりごと』の主題歌に起用されたアップテンポナンバー。本曲は時をかける恋心を描いたファンタジックな歌詞やオリエンタルなサウンドによって世界観が確立されており、タイアップ効果とも相まって支持され、各指標の累計は早くもストリーミング2.3億再生、MV7,000万再生、フル配信10万ダウンロードを突破している。
続けて5月にリリースした「天国」はストリーミング1.0億再生、6月にリリースした「breakfast」はストリーミング1.0億再生、MV3,000万再生を記録している。7月にはフェーズ2で展開された多くのヒット曲をまとめた2ndベストアルバム『10』をリリースした。
まとめ
以上まで見てきたとおりMrs. GREEN APPLEは、瑞々しく勢いのあるポップサウンドや、大森元貴の優しさと壮大さを同居させた圧巻の歌唱が支持される形で大人気を獲得していた。その規模はストリーミング時代において前例のない規模にまで拡大しており、今後の一層の活躍からも目が離せない。
ここで紹介したヒット曲を手元に所有したい場合は、4thオリジナルアルバム『Attitude』、2ndベストアルバム『10』がおすすめ。
ちなみにApple music及びiTunesでのみ配信されている『Attitude (Expanded Edition)』には元々未収録となっていた「点描の唄 feat.井上苑子」が追加収録されている。
この記事で紹介したストリーミングやダウンロードのデータはBillboard JAPANの公式サイトや日本レコード協会の公式サイトから検索することができる。新たな発見の宝庫なので、時間があれば好きな曲やアーティストのデータを検索してみることをお勧めする。

