かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

天野千尋監督の『佐藤さんと佐藤さん』に感動する!!

仲のよかった二人のすれ違いがなかなか修復できない──映画『佐藤さんと佐藤さん』。

 

 

 


12月6日(土曜日)。
朝一番で、「ららぽーと富士見」へ、Sさんの運転で天野千尋監督の『佐藤さんと佐藤さん』を見にいく。

 

 

【予告編】

www.youtube.com

 

 

岸井ゆきの宮沢氷魚が夫婦役で初共演し、佐藤という同じ苗字を持つ男女が交際・結婚・出産を経て歩む15年間の軌跡をつづったドラマ。「ミセス・ノイズィ」の天野千尋監督が、夫婦をテーマに人と人との関係を丁寧かつリアルに描く。(「「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/103596/

 

 

タイトルの『佐藤さんと佐藤さん』から想像したのは夫婦を題材にしたコメディタッチの映画。しかし、「超」のつくリアリズム映画だった。

 


夫婦で司法試験に挑戦する──そもそもそういう設定に興味がない。だから見るかどうか迷ったのだ。

 

 

でも、天野千尋監督は以前見た『ミセス・ノイズィ』(2020年公開)が予想以上におもしろかった。

 

 

それと今回の主演女優は、三宅唱監督の傑作『ケイコ目を澄ませて』(2022年公開)で主演した岸井ゆきの──見逃すと後悔するかもしれない。

 

 

結論からいえば、予想を超えていい映画だった──中盤から、岸井ゆきの宮沢氷魚(みやざわ・ひお)に目を離せなくなる。

 

 

 

 

佐藤さん(宮沢氷魚)と佐藤さん(岸井ゆきの)が司法試験にそろって挑戦する。しかし、男性の佐藤さんは不合格で、付き合いのように受けた女性の佐藤さんが合格する。

 


この皮肉な結果がふたりの関係をおかしくしていく。

 


「夫婦(めおと)コメディ」のような映画だろうとのんびり見ていたが、後半からどんどん中身が濃縮する。

 

 

 


子供ができて結婚。

 


それでも宮沢氷魚(みやざわ・ひお)演じる佐藤さんはまた試験に落ちてしまう。一方で岸井ゆきのの佐藤さんは、弁護士の仕事が日増しに忙しくなっていく。

 


「育児」、「家の掃除」、「食事」──をどう分担する?

 

 

朝から夜遅くまで仕事に奔走する妻。試験の勉強が思うようにすすまず苛立つ夫。

 


岸井ゆきの(妻)が何気なく発した「トイレットペーパーないよ」という言葉に、宮沢氷魚(夫)が敏感に反応する。

 


「おれはトイレットペーパーの係りじゃない。気がついたほうが買ってくればいいだろ」。

 


「ごめん。そんなつもりでいったんじゃない。ただ補充しなきゃね、といいたかっただけ」と妻は詫びるが、「『ないよ』という言い方はおれに責任がある、という気持ちがはいっている」と夫は怒りがおさまらない。

 


冷静になれば理解できるのに、感情を抑制できない。「小さなヒビ割れ」が少しずつ拡大していく成り行きを、共同脚本の熊谷まどかと天野千尋は丁寧に描いていく。

 


後半になって岸井ゆきの演技がますます冴えてくる。すごい女優!!

 

 

映画が終わってロビーへ出るなり、Sさんは「わたしは今年一番よかった」といった。