「自分なりに一番投げやすい場所で投げるのが一番良いのかなと思っています。投げやすい場所で、いかにパフォーマンスできるのか探しながらやっています」。
ロッテの本前郁也は、腕の位置を下げたフォームに変更した。
腕を下げたきっかけについて、「フェニックスの時に腕を上げて前の自分と同じくらいのポジションで投げていたんですけど、投げにくさも1年間ずっとあった。モヤモヤした中でラストチャンスじゃないですけど、そういう気持ちで今年挑むとなった時に、そこで繰り返していけるのか、僕の中では不安を抱えながらやるのが嫌だった。それなら新しく高いパフォーマンスが出せるところでやれたらなと思って、秋季練習から腕を下げました。秋季練習中にコーチと話しながら、今は投げやすいポジションで、そのうち戻ってくるかもしれないしと話していたんですけど、僕の中で12月やってみてパフォーマンスが出せそうなところが見えてきた」と説明。
「治すモチベーションよりも、新しい形にして伸びしろを探して見つけて行ったほうが、モチベーションを高くできる。怪我する前も一軍でめちゃくちゃ投げていたわけではなかったので、それなら新しいポジション(腕の位置)を探してやっていこうかなという気持ちになって、下げていますね」。
左腕を手術する前は、ストレートの強さを求めていたが、現在は「ストレートの球速が戻ってくるようにというので、ストレートは一番大事かなと思っています。腕を下げたので、今は新しい取り組みというか、いろいろ試しているので、そこを詰めていってキャンプに迎えられればと思います」とのことだ。
怪我する前は、当時ソフトバンクだった和田毅さんの自主トレに参加していたが、今年は参加せず、「肩の安定性。同じことを繰り返さないように。去年は痛みがあったり、投げにくさがあったりの繰り返しで、なかなか試合に入れなかった。1年間通していけるような肩周りのトレーニング。新しいフォームになっていくので、体の使い方も多少変わってくるので、そこをポイントに自主トレしています」と、テーマを持って個人で行っている。
これまではスライダー、チェンジアップといった変化球が中心だったが、腕を下げたことで、球種を新しくしたり、持ち球の変化量が大きくなったりなどあったのだろうかーー。
「投げる球種は変わらないですが、変化量が変わったので、使い方が変わるだけで球種は大きく変わらないかなと思います」。
腕を下げ、新しい“投手・本前郁也”も作っている最中だ。その中で理想とする姿はあるのだろうかーー。
「球速は前以上に出していきたいですし、どこのポジションを狙っていきたいとかは特に。与えられたポジションで、抑えられれば。ゼロに抑えるだけを考えて、試合だったら挑めればいいのかなと思っているので、どこをやりたいとかは特にないですね」。
昨季終盤に復帰し、今季は本格的に実戦復帰するシーズンになる。「ラストチャンスだと思ってやり切るだけなので、悔いのないように。いろんな判断があると思うんですけど、周りからも上げた方が良かったんじゃないかとか言われたとしても、自分の悔いのないようにやっていきたい。支配下を取れれば最高ですし、できなかったとしても後悔のないようにやりたいという感じですね」。自分の下した“決断”、“道”を信じで、今年1年腕を振っていく。
取材・文=岩下雄太