はじめに
バイクで走るとき、 メーターの針だけじゃなくて「記録したい景色」も一緒に振り切れていく時代になりました。
スマホで撮ってもいいけれど、振動でブレるし、落としたら泣くしかない。 GoProはずっと王様ポジションに座ってきたけれど、ここ数年で「ちょっと待った」をかけてきたのがDJIのアクションカメラ。その中でも、モトブログ界隈で一気に存在感を増しているのが「OSMO DJI ACTION 4」です。

今回は、「モトブログに使う」という視点に全振りして、このカメラの良さとクセをじっくり言語化していきます。 レビューではなく、「相棒候補としてどうよ?」という雑談に近い感じで読んでもらえれば。
モトブログで光るポイント(メリット)
1. 暗くなってからが本番みたいなセンサー
街乗りモトブログをしていると避けて通れないのが「トンネル」と「夜」。 そこでACTION 4の1/1.3インチセンサーがかなり頼りになります。センサーが大きいぶん、暗めの場面でもノイズが少なく、街灯の少ない道でも「うっすら何か写ってる」ではなく、ちゃんと「走っている景色」が残る。
夕暮れの山道とか、仕事終わりのナイトランみたいなシチュエーションが多い人ほど、この差は体感しやすいはず。 「昼間しか走らないし」という人にはオーバースペック気味だけど、暮れてから走る人にはかなり心強いカメラです。
2. バイクの振動を「なかったこと」にしてくる手ぶれ補正
モトブログで一番裏切られたくないのが、手ぶれ補正。 ガタガタの舗装、段差、マンホール、全部まとめて「揺れたけど画は安定してる」という世界に持っていってくれるのが、ACTION 4のRockSteady 3.0とHorizon系の手ぶれ補正です。
ヘルメットマウントでも、ハンドルマウントでも、かなり無茶な振動をしているのに映像は「妙に落ち着いて見える」。 水平維持も効かせれば、多少バイクを倒しても地平線はピタッと水平。スポーツ走行というより「視聴者に優しいライディング映像」を撮るのが得意なカメラです。
「うまく走れなかった日」でも、映像の安定感だけでだいぶ救われます。
3. 長く回せて、すぐ復帰するバッテリー
モトブログあるあるのひとつが、「ここからが楽しい道なのに電池が死ぬ」。 ACTION 4は1770mAhのバッテリーで、気温にもよりますが、現実的な設定ならツーリングの一本撮りにも耐えやすいスタミナを持っています。
しかも急速充電対応なので、サービスエリアでコーヒー飲んでる間に次のワインディングの準備が整う感じ。 「朝から晩まで全部一本で撮りたい!」という欲張り仕様にはさすがに限界があるものの、半日ツーリング+寄り道くらいなら十分戦えるバッテリーです。
ちょっとクセが強いところ(デメリット)
1. 完璧なカメラを期待すると、「あれ?ここは無いの?」が顔を出す
スペック表だけ見ると、弱点が見当たらないように見えるACTION 4ですが、細かい機能で「あったら最高なのに」がいくつかあります。 たとえば、事前にスケジュールを組んで自動で録画をスタートしてくれるような予約録画機能は非対応。
「通勤ルートを毎日同じ時間に自動で撮りたい」とか、「この時間だけ自動で撮っておいて」がしたい人には、痒いところに微妙に届かない感があります。 日常モトブログで「全部手動で押すからいいよ」という人には気にならないけれど、ガジェット好きほど物足りなく感じるポイント。
2. 本体だけで完結したい人には、少しだけ他人行儀
本体にGPSが内蔵されていないので、走行ルートのログや速度情報を映像と合わせてガッツリ管理したい人は、別売りのリモコンやスマホアプリと組み合わせる必要があります。 ツーリングの「走ったルート+映像」を完全に同期させて記録したい人には、もう一手間増える仕様。
「モトブログは映像と音が撮れてればOK」という割り切り派にはそこまで致命的ではないけど、 走行ログを愛してやまないツーリング勢からすると、「あと一歩で神機だったのに」と思うところです。
3. 熱と解像度のバランスに、ほんの少しだけ気を使う
強い手ぶれ補正モードを最大限に使おうとすると、4K解像度が選べない場面があります。 「常に4K、常に最強手ぶれ補正、常に長回し」がしたい人には、設定の折り合いを付ける時間が必要。
さらに、長時間撮影を続けていると、環境によっては本体が熱を持って停止する可能性も指摘されています。 夏の灼熱ツーリングで休憩なしに回しっぱなし、という運用をしたい人は、撮影時間を区切ったり、予備機や予備バッテリーとセットで使うなどの工夫が現実的になってきます。
私見としての「OSMO DJI ACTION 4という相棒」
モトブログでこのカメラを見たとき、最初に感じるのは「派手な個性ではなく、現場で効く地味な強さ」です。
画質は十分以上に綺麗。でも、「映像作品を作るためのカメラ」というよりは、「バイクで走った記憶をちゃんと残してくれるカメラ」という方向に振っている印象。 暗所に強いセンサーと手ぶれ補正のおかげで、「撮れ高が安定する」というのが一番の魅力だと思います。
それに、バッテリー持ちと急速充電の組み合わせは、ツーリング文化と相性がいい。 ガソリンを入れて、コーヒーを飲んで、ちょっとスマホをいじっている間に、「今日の続きもちゃんと撮れる準備」が整う。 機材に振り回されずにバイクに集中できる、という意味で、ライダー寄りの設計に感じます。
一方で、「全部入り最強」を求めると、ところどころに「惜しい」が見える。 予約録画がないとか、GPS内蔵じゃないとか、解像度と手ぶれ補正のトレードオフとか。 ガジェットとしての完成度を100点で採点するなら、どうしても「あと5点どこいった?」と探したくなる余白が残されています。
ただ、モトブログの現場で本当に困るのは、 「撮れていなかった」 「ブレブレで使えなかった」 「バッテリー切れで良いシーンが消えた」 この3つなんですよね。
ACTION 4は、この「本当に困る3つ」をかなりの精度で潰してきている。 暗くてもブレても、それなりに見られる映像を残してくれるし、バッテリーも現実的。設定を煮詰めていけば、安定して「使える素材」が手に入るカメラです。
つまり、スペックの尖りで勝負するよりも、 「撮り逃しという悲劇をできるだけ減らす方向」に全振りした相棒、という感じ。
バイクと同じで、カタログ値より「一緒に走ってどうだったか」が大事。 ACTION 4は、スペック厨の心をギラギラに満たす存在というより、「一緒に走ると帰宅後の編集がラクになる、仕事のできる相棒」に近いポジションです。
そして何より、モトブログ的にはここが決定打で── 「走りに集中していても、カメラに裏切られにくい」というのは、思った以上に精神衛生に良い。
まとめとしての感想
OSMO DJI ACTION 4は、 「バイクに乗るついでに撮る」のではなく、 「撮りながら走ることが当たり前になっている人」に向いているカメラだと感じました。
圧倒的な尖った個性よりも、「暗くてもブレても、とりあえずちゃんと残す力」と「長く付き合える安定感」を優先した設計。 細かい部分で「もう一声」と言いたくなるところはあるものの、モトブログ用途で見ると、そのマイナスを上回る実用性があります。
もしあなたが、 「機材トラブルで撮れ高を失うのはもう嫌だ」 「ナイトランや通勤ライドも含めて、一日の走りを丸ごと記録したい」 そんなタイプなら、ACTION 4はかなり相性のいい相棒候補になるはず。
逆に、 「とにかく機能全部乗せで、細かい撮影スタイルを作り込みたい」 「映像制作寄りの機能やワークフローを最優先したい」 という人は、他の選択肢とじっくり比べてみた方が楽しいと思います。
モトブログは、バイクと道と、その日一緒に走ってくれたカメラの三位一体。 ACTION 4はその中で、「一番目立たないけど、一番仕事をしているやつ」ポジションがよく似合うカメラです。