ショーン・ホームズ演出『桜の園』をパルコ劇場で見た。サイモン・スティーヴンズによる新版に基づく日本語版である。 全体的にセリフ回しも衣装もセットも現代的で、ビニールプールなどが使用されている。途中のパーティもピエロなど現代風の仮装でみんなが踊る。後ろには工事現場か駐車場かなんかみたいな金網の柵があり、ここが桜の園の境界になっている。 チェーホフを現代風にするのはよくあるが、この演出は全く違和感なく現代的なお話になっており、笑うところもたくさんあって楽しめた。しかしながら、一方で見ていて全く共感できるところがなくてイラつく芝居でもある。ラネーフスカヤ(原田美枝子)は魅力的だが現実逃避ばかりしていて呆れるほど生活力が無い、特権階級精神が抜けないダメダメな女性である。一方でロパーヒン(八嶋智人)だけがちゃんと現実を見ているのだが、それでもラネーフスカヤには押し切られて暖簾に腕押しみたいになってし

