過去最高レベルと名高い『M-1グランプリ2025』、カナメストーンが敗者復活戦で21組の中から勝ち上がった瞬間、わたしは涙を流しながら、雄たけびを上げていた。カナメストーンに対する、この強い思い入れは何なのだろう。ファンの熱量は異様に高く、芸人からの支持も厚い。M-1はラストイヤーであり、芸歴は15年。ニューヨーク、鬼越トマホーク、横澤夏子、おかずクラブ、Aマッソ、野澤輸出、マテンロウ、デニス、黒帯あたりと同期。 『M-1グランプリ』での漫才を見ただけではピンと来ない人も多いかもしれない。カナメストーンの漫才は、ボケ数が多いわけでもないし、テンポ感があるわけでもないし、芸能人の名前を連発するし、構成も変だし、M-1グランプリという賞レースで勝つためにこうあるべきという枠組みから明らかに逸脱している。審査員たちは、それを"雑味"と評していた。「こうあるべき」をわかった上で、そういった効率的な