2019-01-01から1年間の記事一覧
ヤマザキマリのリスボン日記(ヤマザキマリ/朝日文庫) 漫画『テルマエ・ロマエ』の作者ヤマザキマリの日記。エッセーというよりは、ストレスの多いポルトガル生活の息抜きのために、ミクシーに掲載したものらしい。テルマエを執筆し始める時期に当たるが、…
海の地政学(ジェイムズ・スタヴリディス/ハヤカワ文庫NF) 海の地政学といえば、シーパワー理論を唱えたマハンを想いだすが、著者は米国海軍の提督を務め、自らの経験と歴史の洞察から、まさしくマハンの後継者たろうとする志を持つ人。 世界中の海につ…
宇宙をつなぐ数学(加藤文元/角川書店) 数学には、〇〇予想と呼ばれるものがいろいろあって、たとえばリーマン予想は、フェルマーの最終定理などとは比べ物にならないほど重要。そうした予想の中に、ABC予想というのがある。数年前に、日本人数学者がそ…
世界史を大きく動かした植物(稲垣栄洋/PHP) この著者は、以前読んだ「身近な雑草の愉快な生き方」の著者。たぶん、我が国の植物学者の中で、一番文章のうまい人。 以前、炭素化合物が世界の歴史を動かした、という趣旨の本を読んで非常に面白かったが、こ…
時間は存在しない(カルロ・ロヴェッリ/NHK出版) 著者は、「すごい物理学講義」の著者で、ループ重力理論の研究者。相対性理論、量子物理学、そしてループ理論から得られた知見に基づき、時間の本質を思考する内容。時間は変化の指標であるが、普遍的で…
というわけで、図書館で探したら見つかったので読んでみた。 この世界では稀な、鳥類学者の生態が詳細に記述された学術書、と呼ぶべきか。 研究者としての特権で、普通の人が絶対に行かない、あるいは行けない場所を訪問する旅行記ともいえる。 いずれにして…
鳥類学者 無謀にも恐竜を語る(川上 和人/新潮文庫) この人は、『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』の作者。本屋で見かけて気になっていたが、未読。 で、文庫で出ているこの本を見つけて買ってみた。軽い読み物だからすぐに読めるだろうとい…
施設の中の診療室にて(浪越健男/クインテッセンス出版(株)) エッセーには独特の魅力がある。最近読んで面白いと思ったのは、佐藤正午と、ドリアン助川だ。前者は恋愛小説の得意な作家。後者は、独特の経歴を持つミュージシャン&文筆家。逆に、エッセー…
アイム・トラベリング・アローン(サムエル・ビョルク/ディスカヴァー文庫) ノルウェーの警察小説。推理小説の世界は深い泥沼で、足をとられると抜け出せない気がするので近づかないようにしているが、これだけ世に犯罪小説があふれていると、完全に避ける…
ビッグ・ クエスチョン(スティーブン・ホーキング/NHK出版) この人が一般向けに書いた本は、日本語で出版されたものはかなり読んでいる。宇宙の始まりに神は必要ない、という主張をはじめ、徹底した論理的思考の持ち主だから、この人の意見は信用でき…
おおいなる眠り(レーモンド・チャンドラー/ハヤカワ・ミステリ文庫) 村上春樹訳のチャンドラーを、7冊全部、読み終えた。より暴力的で、法の限界まで踏み込むマーロウや、簡単に女と関係を持ってしまうマーロウなど、年齢とキャリアに応じて様々なバリエ…
池波正太郎の作品と並んで、しばらくたつと、読み返したくなるシリーズ。 明治維新後の新シリーズも巻を重ねているが、やはり、シリーズ開始直後の、東吾とるいの関係がまだ安定せず、月のうち数えるほどしか泊まらない頃の作品が、作者の筆がよく走って、存…
一瞬と永遠と(萩尾望都/朝日文庫) 少女漫画はほとんど読んだことはないが、この人のことは知っている。代表作とされる中で明確に読んだ記憶があるのは「11人いる!」くらいだが、強く印象に残っているのは、少年ジャンプに連載された「百億の昼と千億の…
数学ガール(結城浩/SBクリエイティブ) 高校生の『僕』と数学好きの少女たちが、放課後に語り合う数学論議。中高生を対象としたジュブナイルというよりは、本格的な数学解説書の方に傾いているが、切り口が斬新で結構読ませる。数学書にしては異例の売れ…
科学の発見(スティーブン・ワインバーグ/文芸春秋) 著者は弱電統一の功績によりノーベル賞を受賞した伝説の物理学者。 物理学を頂点とする現代の科学、特に実験、実証に基づく方法論が、歴史的にいかに成立したかを明らかにする内容。 本人が書いていると…
知の果てへの旅(マーカス・デュ・ソートイ/新潮社) 『素数の音楽』、『シンメトリーの地図帳』、『数字の国のミステリー』に続く4冊目の著作。これまでの3冊は、数学の解説書、というよりは、数学をネタにした面白い読み物だった。今回は、専門分野を超…
ロング・グッドバイ(レイモンド・チャンドラー/早川書房) 村上春樹訳のチャンドラー第1弾。30年以上前の学生時代に、ハードボイルドに関心を持った時期があり、チャンドラーもある程度は読んだはず、と思っていたが、古い在庫を確認すると、メジャーで…
読書日記を始めます。よろしくお願いします。 バウドリーノ(ウンベルト・エーコ/岩波文庫) エーコの作品は、「フーコーの振り子」、「薔薇の名前」(読んだ順)に続いて3作目。今回の舞台は、十字軍遠征時代の中世世界。言語とほら話に特異な才能を持つ…