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マンションの給湯器温度、「40℃」で大丈夫?快適&節約設定のコツと、温度が安定しない時の意外な原因

2025年も冬本番を迎え、マンションにお住まいの方々にとって、毎日のお風呂やシャワーの快適さは欠かせない要素となってきました。

 

そんな中、

「給湯器の温度設定、なんとなく40℃にしているけれど、これが正解なのかな?」

「もっと光熱費を節約できる設定があるのでは?」

 

と、ご自身で設定温度について考えている方も多いのではないでしょうか。特に、マンションは戸建てとは異なる構造上の特徴があり、それがお湯の温度に影響を与えることも少なくありません。

 

この記事では、筆者自身のマンション暮らしでの失敗談も交えながら、快適性と省エネを両立させるための給湯器温度設定のコツと、設定を見直してもお湯の温度が安定しない場合に考えられる意外な原因について解説していきます。

 

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■マンションの給湯器温度設定に「唯一の正解」はない理由とは

インターネットで給湯器の設定温度について調べると、「基本は60℃設定が推奨」という意見と、「40℃〜42℃で十分」という意見が混在しており、どちらが正しいのか迷ってしまうことがあるかもしれません。

 

結論から申し上げますと、マンションにおける給湯器の温度設定に万人に共通する「唯一の正解」はなく、お住まいの環境や家族構成、季節によって最適な温度は変わってくると言えます。

 

・「60℃推奨説」と「40℃実用説」の背景

かつては、レジオネラ菌対策として、貯湯式(タンクにお湯を貯めるタイプ)の給湯器では60℃以上の高温設定が推奨されていました。

 

しかし、現在多くのマンションで採用されているガス瞬間湯沸かし器では、その都度水を加熱するため、菌の繁殖リスクは極めて低いと考えられています。

 

また、「60℃設定」は、浴室の蛇口で水と混ぜて温度調整を行う(サーモスタット混合水栓を使用している)ことを前提とした考え方である場合が多いです。

 

一方で、「40℃〜42℃」という設定は、給湯器から出てくるお湯をそのままシャワーなどで使う場合に適しており、火傷のリスクが低く利便性が高いというメリットがあります。

 

特に小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、安全面を考慮して低めの設定を好む傾向があります。

 

・マンションならではの「配管の長さ」が温度を奪う

マンションと戸建ての大きな違いの一つに、給湯器本体から蛇口までの「配管の長さ」が挙げられます。

 

マンションでは、給湯器が玄関横のパイプスペースやベランダに設置されていることが多く、そこから浴室やキッチンまで比較的長い距離をお湯が移動することになります。

 

この配管を通る間に、お湯の熱が奪われて温度が下がってしまうのです。特に外気温が低い冬場は、この傾向が顕著になります。

 

例えば、給湯器のリモコンで「42℃」に設定していても、浴室のシャワーヘッドからお湯が出る頃には「40℃以下」になっていて、「ぬるい」と感じてしまうケースが少なくありません。

 

そのため、マンションでは戸建て以上に、季節に応じた温度設定の微調整が必要になる傾向があります。

 

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■【実録】マンション暮らし初心者の私がやらかした、給湯器温度設定の失敗談

偉そうに解説している私ですが、実は今のマンションに引っ越してきた当初は、給湯器の温度設定について深く考えたことがなく、いくつかの失敗を経験しました。

 

ここでは、お恥ずかしながらその「やらかし体験」を共有します。皆さんの反面教師にしていただければ幸いです。

 

・失敗談1:真冬の「ぬるいシャワー地獄」事件

以前住んでいた実家(戸建て)では、一年中給湯温度は「40℃」で固定されていて、それで特に不便を感じたことはありませんでした。

 

その感覚のまま、現在のマンションに引っ越して初めて迎えた冬のことです。外は雪がちらつく寒い日でした。

いつものようにリモコンを「40℃」に設定してお風呂に入り、シャワーを浴び始めたのですが、

「…あれ?なんだかぬるい?」

 

最初は「体が冷えているからかな」と思いましたが、しばらく浴びていても一向に温まりません。蛇口の温度調節ハンドルを一番熱い設定にしても、出てくるお湯は体感で38℃くらいしかなく、寒くて震えながらシャワーを浴びる羽目になりました。

 

後で調べて分かったのですが、これがまさに先ほど解説した「マンション特有の配管の長さによる温度低下」でした。

 

玄関横にある給湯器から浴室までの距離が長いため、氷点下の外気で冷やされた配管を通る間に、お湯の温度が数℃下がってしまっていたのです。それ以来、冬場は必ず設定温度を「42℃」か「43℃」に上げるようにしています。

 

・失敗談2:節約を意識しすぎた「本末転倒」事件

ガス代の請求書を見て「もう少し節約したいな」と思い立ち、給湯温度を極端に下げてみたことがあります。夏場だったこともあり、「37℃くらいでもいけるのでは?」と安易に設定を下げました。

 

確かに手洗いなどでは問題なかったのですが、困ったのがお風呂のシャワーです。37℃のお湯は、浴び始めは良くてもすぐに体が冷えてしまい、結果的に「寒いから」と長時間シャワーを浴び続けることになってしまいました。

 

翌月のガス代を確認すると、使用量(立米数)が増えており、料金もほとんど変わっていませんでした。「温度を下げても、使う量が増えたら意味がない」という、節約の本質を痛感した出来事です。

 

それ以降は、無理のない範囲(夏場なら39℃〜40℃)で設定し、その代わりシャワーをこまめに止めることを意識するようになりました。

 

■快適&節約!マンションの給湯器温度設定、季節別のおすすめ目安

私の失敗談からも分かるように、マンションでは季節や外気温に合わせて設定を変えるのが快適さと節約を両立させるコツです。ここでは、改めて季節ごとのおすすめ設定温度の目安をご紹介します。

 

・【夏モード】おすすめ設定は「38℃〜40℃」

外気温や水道水の温度が高い夏場は、給湯器が水を加熱する負担が少なく、設定温度が低くてもすぐにお湯になります。

 

シャワーを浴びる際も、体感的に「少しぬるめ」が快適に感じやすいため、設定温度は38℃〜40℃程度に下げるのがおすすめです。これにより、無駄なガスの消費を抑えられ、ガス代の節約効果が期待できます。

 

・【冬モード】おすすめ設定は「41℃〜43℃」

一方、外気温や水温が低い冬場は、配管を通る間の温度低下が大きくなるため、夏場と同じ設定では「ぬるい」と感じてしまいがちです。

 

私の失敗談のように震えながらシャワーを浴びることにならないよう、快適な温度(一般的に40℃〜41℃程度)を確保するためには、給湯器の設定温度を夏場より2℃〜3℃高めの41℃〜43℃程度に設定することをおすすめします。

 

季節 おすすめ設定温度(目安) 理由
夏(目安:6月〜9月) 38℃〜40℃ 水温が高く、体感的にもぬるめが快適なため。節約効果も大。
冬(目安:12月〜3月) 41℃〜43℃ 配管での温度低下を見越し、シャワーで快適な温度を確保するため。

※春や秋は、その日の気温に合わせて40℃〜41℃の間で調整するのが良いでしょう。

 

■温度設定よりも重要!マンションの給湯器でガス代を確実に節約するポイント

給湯器の温度設定を工夫することは大切ですが、私の失敗談にもあったように、実はガス代に最も大きな影響を与えるのは「お湯を使う量(リットル)」です。温度設定にこだわりすぎて、快適性を損なったり、逆にお湯の使用量が増えてしまっては本末転倒です。

 

・最大の節約は「湯量」を減らすこと

例えば、シャワーを1分間出しっぱなしにすると、約12リットルのお湯が使われると言われています。

 

温度設定を1℃下げる努力よりも、シャワーをこまめに止める、体を洗っている間は流さないといった習慣の方が、ガス代(そして水道代)の節約には効果的かもしれません。

 

また、手元で止水できる節水シャワーヘッドなどを導入するのも有効な手段の一つです。

 

・お湯はり設定の水位(リットル)を見直そう

自動お湯はり機能を使っている場合、設定されている湯量(水位)が適切かどうかも確認してみましょう。必要以上に多い湯量設定になっていると、毎回その分だけ無駄なガスと水を使っていることになります。

 

家族の人数や入浴スタイルに合わせて、適切な湯量に見直すだけで、無理なく節約につなげることができます。

 

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■設定を見直しても改善しない?マンション給湯器の温度が安定しない時の意外な原因

ここまで解説してきたように、季節に合わせて温度設定を見直しても、

「やっぱりシャワーがぬるい」

「お湯がいきなり熱くなったり冷たくなったりする(冷水サンドイッチ現象)」

 

といった症状が改善しない場合、それは設定の問題ではなく、給湯器本体や周辺設備に何らかの不具合が生じている可能性があります。

 

・給湯器の経年劣化や故障の前兆

給湯器の設計上の標準使用期間は、一般的に製造から「10年」とされています。

 

設置から10年以上が経過しているマンションの場合、給湯器内部の部品(温度センサーやガス量制御弁など)が経年劣化し、正確な温度制御ができなくなっている可能性があります。

 

温度が安定しない症状は、給湯器が故障する前兆の一つとしてよく見られる現象です。

 

・サーモスタット混合水栓の不具合

給湯器本体だけでなく、浴室の蛇口(サーモスタット混合水栓)側の不具合も考えられます。

 

温度調整ハンドルの内部にある「サーモスタットカートリッジ」という部品が劣化や故障を起こすと、設定した温度通りにお湯と水を混ぜることができず、温度が安定しなくなることがあります。

 

この場合、他の蛇口(キッチンなど)では正常な温度でお湯が出るのに、浴室だけ温度がおかしい、という現象が起こりがちです。

 

■マンションの給湯器トラブル、だましだまし使うリスクとプロに頼るべき境界線

温度が安定しない、お湯がぬるいといった不調を感じながらも、「まだ使えるから」とだましだまし使い続けていると、ある日突然、完全に故障してお湯が一切出なくなるリスクがあります。

 

特に真冬に給湯器が壊れてしまうと、お風呂に入れず、洗い物も冷水で行わなければならないなど、生活に甚大な影響を及ぼします。

 

・少しでも「おかしいな」と思ったら早めの点検を

設定温度の見直しや、シャワーヘッドのフィルター掃除などを試しても症状が改善しない場合は、ご自身で解決しようとせず、専門の知識を持ったプロに点検を依頼されることを強くおすすめします。

 

早めに対処することで、部品交換などの修理で済む場合もありますし、万が一交換が必要になったとしても、計画的に進めることができるため、精神的・時間的な負担を軽減できます。

 

・マンションの施工実績が豊富な専門業者を選ぶ

修理や交換を依頼する際は、マンションでの施工実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。

 

マンションの給湯器は、設置場所が狭かったり、排気方法が特殊(上方排気など)であったり、管理組合の規定があったりと、戸建てとは異なるノウハウが必要になるケースが多いからです。

 

経験豊富な業者であれば、マンション特有の事情を考慮した上で、的確な診断と提案をしてくれるでしょう。

 

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・マンションの給湯器温度、「40℃」で大丈夫?快適&節約設定のコツと、温度が安定しない時の意外な原因の総括

この記事でお伝えしてきた内容を、最後に振り返ります。マンションでの快適な給湯ライフのために、以下のポイントを確認してみてください。

  • ✅ マンションの給湯器温度設定に「唯一の正解」はない。
  • ✅ 「60℃推奨」はサーモスタット水栓での使用が前提の場合が多い。
  • ✅ 「40℃前後」はそのまま使える利便性と安全性がメリット。
  • ✅ マンションは配管が長く、冬場はお湯が届くまでに冷めやすい。
  • ✅ 筆者の失敗談:真冬に40℃設定のままでシャワーがぬるく震えた経験がある。
  • ✅ 筆者の失敗談:節約のために温度を下げすぎて、逆に湯量が増えてしまった。
  • ✅ 夏場のおすすめ設定温度は「38℃〜40℃」が目安。
  • ✅ 冬場のおすすめ設定温度は「41℃〜43℃」と高めが目安。
  • ✅ ガス代節約には、温度設定よりも「湯量を減らす」ことが効果的。
  • ✅ シャワーの出しっぱなしをやめ、節水ヘッドを活用しよう。
  • ✅ 自動お湯はりの水位設定が適切かどうかも見直すべきポイント。
  • ✅ 設定を見直しても温度が安定しない場合は故障の前兆の可能性がある。
  • ✅ 給湯器の寿命は一般的に10年程度と言われている。
  • ✅ 浴室の蛇口(サーモスタット水栓)側の不具合の可能性もある。
  • ✅ 不調を放置すると真冬に完全故障するリスクがあるため注意。
  • ✅ 改善しない場合は早めにプロに点検を依頼するのが安心。
  • ✅ マンションでの施工実績が豊富な業者を選ぶとスムーズ。

 

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補足

・シャワー1分あたりの湯量(約12L)は機種や水圧で変わるため、あくまで目安として捉えてください。
・節水シャワーヘッドは、給湯器の最低作動水量に届かないと「急に冷たくなる」症状が出る場合があります。交換後に違和感が出たら元に戻して比較すると原因が切り分けやすいです。
・60℃前後の高温設定は、貯湯式や混合水栓で水と混ぜて使う前提の話が含まれます。高温のまま使うとやけどリスクがあるため、ご家庭の使い方に合わせて無理のない温度にしてください。
・マンションは管理規約や排気方式の制約で機種選定が限られることがあります。交換を検討する場合は、管理会社/管理組合のルールも事前に確認しておくとスムーズです。
・温度ムラが続く場合は、給湯器だけでなく浴室のサーモスタット混合水栓側が原因のケースもあります。キッチンは正常で浴室だけおかしい時は水栓の点検も視野に入れてください。