はじめに - 渋滞情報が見つからない謎
茨城県稲敷郡阿見町にある「あみプレミアムアウトレット」。駐車場がなんと4000台もある大規模なアウトレットモールなのに、なぜか渋滞情報がまったく見つからない。
「そんなはずはない」と思い、図書館で調べてみると...あったあった!
週刊現代 51巻30号(2009年8月8日号)に、このアウトレットモールへの「抜け道案内」として桜土浦ICからの迂回ルートが掲載されていたのだ。
って、まて、そんなに混むのか(笑)
開業当初は大渋滞だったのに、今は渋滞情報すら見つからない。この変化には一体何があったのだろうか?

立地の絶妙さ - ICから250mの奇跡
あみプレミアムアウトレットの成功の秘密は、その立地にある。
この店舗は圏央道の阿見東ICに隣接しており、ICから駐車場の出入口まで、わずか250mしかない。これがどれだけすごいことか。
圏央道の交通状況
- 混雑度:1.25
- 昼間旅行速度:76.2km/h
混雑度1.25というのは余裕を持って流れている状態で、昼間でも76km/h以上で走行できる順調な高速道路だ。
県道竜ヶ崎阿見線の状況
アウトレットとICを結ぶアクセス道路も優秀だ
- 片側2車線
- 混雑度:0.34(かなり余裕)
- 昼間旅行速度:29.7km/h
混雑度0.34は極めて走行しやすい状態。市街地の幹線道路でこの数値は驚異的だ。
周辺環境の恩恵 - 田んぼに囲まれた立地
阿見東ICは都心部からは7km離れており、牛久阿見ICの方が都心に近い。つまり、山間部寄りのICという位置づけだ。
周辺は住宅密集地ではなく、どちらかというと田んぼが多い立地。既存の交通需要が少ないため、アウトレットの大量集客にも道路インフラが耐えられる環境が整っていた。
意外な受益者 - 圏央道が一番得をした説
このアウトレットモールができて、誰が一番得をしたか?
意外にも圏央道である(笑)
平成21年夏休みの圏央道交通データを見ると
- 普段の通行量:5,000台
- 夏休み期間:11,000台
なんと通行量が倍増!アウトレットが高速道路の交通量増加に大きく貢献したのだ。
店舗側も需要に応えるべく、普段の駐車場に加えて臨時駐車場を設置し、合計5,200台の駐車場を用意していたという。
バス交通も好調 - 地域交通の核として機能
荒川沖駅からの路線バス
令和3年の利用者数:52,805人
当初は直行バスとして途中のバス停を通過していたが、地元の要望により途中の数カ所のバス停に停車するようになった。
地域交通への貢献モデル
これが素晴らしいビジネスモデルだ:
- 基本料金はアウトレット利用者が負担
- 途中停車のコストはわずか
- 地域住民の利便性は飛躍的に向上
地域のためだけにバスを運行するには多額の税金が必要だが、アウトレット需要があることで採算が取れる。まさにwin-winの関係だ。
交通拠点としての活用 - 行政の戦略的視点
観光誘導の拠点化
阿見町の行政は、圏央道によるアウトレットへの集客を活用し、副次的に周辺観光地への誘導を行っている。
アウトレットが地域の核となる集客施設として機能し、そこから地域全体への経済効果を波及させる戦略だ。
バス交通網の効率化
一日複数本運行するバスの途中バス停で乗り降りできるのは、地域住民への利便性向上効果は絶大だ。
結論 - 交通インフラ成功事例の教訓
なぜあみプレミアムアウトレットは渋滞しないのか?
答えは明確だ
- 高速ICとほぼ一体化した立地(250m)
- 既存交通が少ない田園地帯
- 十分な道路容量(片側2車線、低混雑度)
- 圏央道の順調な交通流
4000台という大規模駐車場でも、これらの条件が揃うことで渋滞を発生させることなく機能している。
開業当初は週刊現代に「抜け道情報」が載るほどの大混雑だったが、インフラの整備と交通流の最適化により、今では模範的な交通処理を実現している。
アウトレットモールの道路需要喚起が地域に貢献したレアパターンとして、交通計画の教科書に載せてもいいレベルの成功事例ではないだろうか。
施設基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | あみプレミアム・アウトレット |
| 都道府県 | 茨城県 |
| 運営会社 | 三菱地所 |
| 敷地面積(m2) | 211,100 |
| 賃貸面積(m2) | 30,600 |
| 店舗階数 | 1 |
| 専門店数 | 160 |
| 開業日 | 2009/7/9 |
| 駐車台数 | 4,000 |
| 駐車料金 | 無料 |
| 最寄りIC | 阿見東IC |
| ICからの距離 | 857 |
| 入口の数 | 6 |
| 駐車場の数 | 2 |
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