小説家・浅野浩二のブログ

小説家、反ワク医師、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

杜子春(小説)(上)

杜子春 ある春の日暮です。 唐の都の洛陽の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました。 若者は杜子春といって、元は金持の息子でしたが、今は財産を費つかい尽して、今日、泊まる所もなくて、どうしようかと困って立っていました。 すると…

杜子春(小説)(下)

二人は、お互い、相手に向かって歩み寄っていきました。柔らかい女の肉と肉が触れ合いました。二人は、お互いに両手を相手の背中に、そっと回しました。二つの柔らかい肉と肉がピッタリとくっつきました。二人は、お互いを、黙って、じっと抱きしめ合いまし…

ジョコビッチvs錦織圭

二日前の、NHKで、ジョコビッチvs錦織圭の試合の、双方の、作戦を解説していた。いつの試合かは、わからない。 ジョコビッチは、錦織圭が、ストローク戦に強いのを、破るために、わざと、錦織圭の打ちやすい正面に深く打った。錦織圭は、左右に揺さぶるだけ…

忍とボッコ(小説)

忍とボッコ 私は小学校5年のとき静岡県伊東市のある小学校の分校に転入した。初夏の頃だった。東には海、西には山があった。温和な気候の土地だった。学校の近くに寮があり生徒は全員寮で共同生活をしていた。私はすぐにそこの生活に慣れ、友達も多くできた…

最近の安部首相

安倍首相は、権力の味をしめてしまったように思える。 最近の安倍首相の態度を見ていると、権力の味をしめてしまったように思える。 野党が何と反論しようが、「お前らが、何と吠えようと、ゴマの蠅。自公の数で法案は通せる」 と、開き直ってしまっているよ…

威張った権力者は裸の王様である

(威張った)権力者の人格が崩壊していく理由。 2015年4月19に書いた、<聖マリアンナ医大病院>精神保健指定医20人資格取り消し。その2、の記事が、このブログの人気記事のトップになってしまったようだ。 清川遠寿病院の院長の、増田直樹は、私に、みえ…

蜘蛛の糸(小説)

蜘蛛の糸 ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好よい匂が、絶間なくあたりへ…

少年(小説)

少年 子供のころの思い出は、誰にとっても懐かしく、あまずっぱい、光と汗の実感でつくられた、ここちよい、肌が汗ばみだす初夏の日の思い出のようなものでしょうが、子供は、まだ未知なことでいっぱいで、あそびにせよ、けんかにせよ、大人のように制限がな…

春琴抄(小説)

春琴抄 春琴は美しいアゲハ蝶である。その美しさには春琴が通る時、心の内からたとえようもない、美しさ、心の純真さ・・に魔法にかかったかのように魅せられないものはいないほどである。春琴自身それを逆に感じとり、恥ずかしく顔を赤らめるのだった。 春…

歯科医のサディスト(小説)

歯科医のサディスト 木枯らしが吹く寒い師走のある日の事である。 (正確に言うと2004年12月3日の事である) 東京都庁のすぐ近くにあるビルの一室で、広告主に頼まれてホームページ製作の仕事を終えた男が足を机の上に乗せ、読みかけの週刊モーニング…

太陽の季節(小説)

太陽の季節 太陽が、じりじりてりつける季節となった。女は自分達の体の露出部分をふやす。それは、もちろん悪徳的なものであるが、生へのエネルギーの限界への追求、発散、生きた証、への刻印でもある。ためらっていては、青春も人生も、ひからびた後悔を残…

シケンカントク(小説)

シケンカントク ここはあるシケンのシケン会場。拓殖大学の六階。年に一度のシケンなので、受験生は、おちたら、もう一年同じことをやらなくてはならないし、やったからといって、学力が上がる、というわけでもないようなので、一年をこの日のためについやし…

今日は夏至

今日は夏至

少年とOL(小説)

少年とOL 一人の少年が自転車を止めてうらやましそうに海水浴場を眺めている。少年の名前は山野哲也。内気で引っ込み思案で、友達も一人もいないので、勉強しかする事がないのである。夏だというのに毎日机に向かって勉強している。目前の砂浜で満面の笑顔…

ロリータ(小説)(上)

ロリータ 純は、ある病院に勤める精神科の勤務医だった。精神病院は人里から少し離れた所にあるのが多い。患者も静かな自然の中で静養した方が気分が落ち着くだろう。しかし病院に通う職員にとっては、交通の便がわるい。そのため車で通う職員が多い。純も車…

ロリータ(小説)(下)

時計を見ると、もう11時を過ぎていた。 「京子ちゃん。降りて」 純が言うと京子は純の背中から降りた。 「もう遅いから今日は寝よう」 純が言うと、京子は素直に、 「はい」 と答えた。 純は京子を洗面所に連れて行き、スーパーで買った歯ブラシを京子に渡…

失楽園(小説)

失楽園 神は世界を六日でつくった。信じられない速さである。しかし、つくった、と聖書に書いてあるのだから信じておけばいいではないか。「信じるものはすくわれる」とも言うではないか。一部の疑い深い人々は信じない。150億年かかった、という説を盲信…

虫歯物語(小説)

虫歯物語 純は真面目な学生である。将来は東大法学部に入って大蔵官僚になり、日本を立て直してやろうという高い志を持っていた。そのため一心に勉強に打ち込んだ。ただ頭を使うと疲れるので、純はいつもチョコレートやオレンジジュースなど、甘い物を食べて…

カチカチ山(小説)

カチカチ山 小説家の太宰治氏が、おとぎ話のカチカチ山をパロディー化しているが、あれは実に面白く、私もパロディー化してみたいと思ったが、やはり原作以上のものは書けない。否、書けるタヌキもある。ウサギはタヌキ以上にタヌキである。 タヌキはフーサ…

韓国セウォル号(小説)

韓国セウォル号 2014年4月15日、午後9時。韓国の大型旅客船セウォル号は、仁川港から、済州島へ向けて出港した。午後6時30分、出港の予定だったのだが、濃霧による視程低下のため、2時間半、遅れの出港となった。 乗船した客は、安山市の檀園高…

ジャーナリストのバカさ

オートバイ・メーカーの、「ホンダ」、の創始者である、本田宗一郎の、「俺の考え」は、面白い。彼のように、思想(思想は、信念といってもいい)を、持っている人間の、書くことは、面白いのである。独創的で、しかも、ユーモアがあって。大人なのに、子供…

厚生省(国)の本音

日本の医療制度は、国民皆保険だから、国民にとっては、非常にありがたい制度である。 しかし、ありがたいと、思っているのは、国民や、患者、病人、だけなのである。 国にとっては、国民皆保険制度は、非常に困った、というか、非常に迷惑な、制度なのであ…

狂った日本の医療の現状と狂った医療改革

国は、医療の無駄を削減しようと、医療の一元化を考えている。 もう、ほとんど全ての、日本の、病院やクリニックは、レセプトは、コンピューターであり、国保や社保への、診療報酬の請求も、電子通信でしている。 こうなると、支払機関が、患者の情報を、全…

思想とは

思想とは、何も、政治や、天下国家に関することを、論じることではない。もちろん、それも、思想であるが。 思想とは。身近な、人間関係や、日常のささいな問題、や、日常の、あらゆる出来事、に対して、自分が、それに、対し、どういう、スタンスをもってい…

ホームページの小説をスマートフォン向けにしました

ホームページに、出している、100作、以上の全部の、小説の、タイトルの、後ろに、「・・○」、という印をつけました。 ここを、クリックして頂ければ、スマートフォンで、読みやすくなります。よろしかったら、ご覧ください。 ホームページの小説は、今ま…

知行合一(陽明学)

僕は、昨日、「孤独な医学生」で、留年したクラスの人間を、低能な、下等な、ヤツラと言った。 これに対し、彼らは、こう反論するかもしれない。お前は、勘違いした、傲慢でバカなヤツだ、と。 「人を陰で、笑いものにするのは、悪いこと」だとか、「授業中…

孤独な医学生

僕が奈良県立医科大学に、入った時のクラスに、一人、30代半ばの年配の人Sさん、がいた。彼は、誰とも話さなかった。僕も、無口で、内気で、内向的人間だが、友達は、欲しかった。ので、数人、友達は持てた。そもそも、医学部では、何かの、クラブに所属…

草食系男の恋愛(上)

草食系男の恋愛 ある銀行である。大手の銀行ではない。小規模の信用金庫である。 △ 哲也は、内気な性格だった。 世の人間は、内気な人間が、なぜ、内気なのか、わからない。 今年、大学を卒業して、この銀行に就職した。 京子も、今年、大学を卒業して、この…

草食系男の恋愛(下)

夜になった。 「疲れちゃった。私、寝るわ」 そう言って、京子は、ツインの、一方のベッドにもぐった。 哲也も、もう一つのベッドに、もぐった。 「おやすみなさい」 京子が言った。 「おやすみなさい」 哲也が言った。 哲也は、緊張していたが、飛行機でフ…

岡田有希子(小説)

前は、全文、入れられなかったが、今は、gooブログが、二万文字までは、入れられるようになったので、ついでに、入れておきます。 ある歌手の一生 昭和四十二年八月二十二日、その少女は生まれた。名前は佐藤加代。よくたべ、よくねむり、よくあそんだ。ごく…