
連続学習会「阿佐ヶ谷のみどりを守るには」vol.2、2025.11.8「阿佐ヶ谷の原風景を歩こう」フィールドワークの報告です。写真が多数のため3回に分割します。今回は前編。
前回の学習会「みどりを守る制度と取り組み」で見てきた「阿佐ヶ谷のみどり」の様子を実際に歩いて見ていきます。
講師は学習会に引き続き、阿佐ヶ谷に詳しい島田昭仁代表に加え、植物のスペシャリスト田中耕太郎さん(前・杉並区自然環境調査員)。
スタートは阿佐ヶ谷地域区民センター。参加者は原風景の会メンバー・スタッフ含め、のべ22人。当会の企画を今回初めて知った、初めて参加した、という方も多く来てくださいました。阿佐ヶ谷、その他の区内のほか、中野区や練馬区の方も。この日は薄曇りでしたが、寒すぎず暑すぎずで、長時間となった屋外の歩行も比較的楽だった、のではないでしょうか。
まずは新しい河北病院(ひさしぶりに阿佐ヶ谷に来た、という人は大きさにびっくり)方向に進みます。センターからの道はもともとは「半兵衛相澤堀」。玉川上水からの農業用水を引いた堀で、南口の釣り堀の方から続いています。阿佐ヶ谷一帯をめぐる桃園川と合流して、このあたりの田んぼをうるおしていたわけです。
河北病院が「みどりを残した」「森の中の病院」と言う緑地の様子を見ていきます。

病院南側の通称「砂利道」。右側が病院敷地(一部地主さんの私邸)。こうした阿佐ヶ谷の「原風景」は平安時代からの鎌倉街道沿いに発展してきましたが、当時の植生は杉が主体。欅は江戸時代以降徐々に移植されてきて、現在の風景となっています。
この道の左側にはひっそりと文化財建築があります。もとは銀行?の建物ですが、現在は杉並区の子ども家庭支援センターになっている。立派なギリシャ風の柱のある玄関は今は裏口になっているようです。

と、その前に立つ細い榎に田中講師が注目。


左は枯れた葉が枝にギリギリにぶら下がっているのを見つけたもの。手にとってみると、粘糸でぶら下がっていて、葉っぱの中にも糸が。
「これは虫の巣ではなく、幼虫が休憩していた場所。落ちないように足場を作って葉を食べる」
サナギの抜け殻も見つかりましたが、まだ幼虫の本体も !!
「特定外来種のアカボシゴマダラ」
愛好家が持ち込んで繁殖したもので、在来種のゴマダラチョウは圧迫されて減ってしまっている。そのひとつには、ゴマダラは落ち葉で冬越しをするのだが、落ち葉かきして掃除してしまうと捨てられてしまう、アカボシは木のまたで冬越しができて強いからだそう。
エノキはオオムラサキの食樹(幼虫が葉を食べる)で、オオムラサキは東京23区内ではほぼ絶滅状態だそうです。
植物の話の前に、いきなり虫の話。
けれどもそこからは生態系の多様性のためには植物・虫・鳥といった食物連鎖が深くかかわっていることがわかります。これまでそこにあった植物がなくなる、ということは、それを食べていた虫もいなくなる、あるいは他の種に置き換わる、ということです。
欅屋敷の喪失によって、伐採された樹木だけではなく、どれほどの生態系が失われたことでしょうか。


西南側の「緑地」です。なぜかここは樹林を残さずに芝生を貼ってしまっています。当初の資料では樹木を残すはずだったのに、「ポケットパーク」にしてエリアマネジメントが管理し、イベント?などに使えるようにするため、らしいです。

向かいの杉並第一小学校はこの日運動会でした(写真は別日)。
この学校を移転した河北病院の跡地に移す、というのが大きな問題なのですが、その地区計画の中では道路の拡幅や付け替えも行われます。
河北病院と杉一小の間の通りも拡幅が予定されており、今「緑地」に入っているところが少し削られます。
樹木の図面を見てみると2本のシラカシが道路のために伐採される予定となっています。
そのことを説明していると、参加者の方から「そこにニホンミツバチがいるよ」という指摘が。見るとたくさんのちいさなハチが木の根元近くのウロから出入りしています。
写真ではうまく撮れなかったので、後日動画を撮影しましたのでごらんください。
ミツバチがいれば、植物の受粉だけでなく「阿佐ヶ谷ハチミツ」なんかもできるかもしれませんね。

この図は欅屋敷の樹木の保存に関する協定ですが、区画道路2号線の右ラインにある116、117がシラカシ。「どうするかまだ決まっていない(からまちづくりセッションなどを行う)」と区が言っているA街区との間の道路拡幅により、伐採されることになっています。樹木の状態は「移植に適さない」となっていますが、道路の拡げ方によっては残せるものでは?もともと欅屋敷の壁からも外にあった樹木なので。
あと139(保存)も「芝生」にしたことによって、なくなってしまっている?

その通りの突き当りの神明宮手前は河北病院分館の解体工事(トップの地図の黄緑線の曲がっているところ)。ここで島田代表が騒音・振動計に注目。
「今日は工事はしていないので、これは小学校の運動会の音量。移転予定地は住宅地なので騒音規制は50dB」
音量は45から60の間をいったりきたりしていました。

そこからは神明宮の右側の「通れるの?」というような細い道を抜けて(それでも住宅が建っている)、いよいよ阿佐ヶ谷らしい桃園川暗渠へ。中編に続きます。











































































