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クレパス画、人物。父、最後の写真。~~終末期に起きたこと。


251031ftm.jpg

F4サイズ水彩紙スケッチブックの裏表紙厚紙に、クレパスで父を描く。

2017年3月17日、両親の結婚60周年の日、リクライニングチェアにもたれる父。
日中は、リクライニングチェアで過ごしていた。

この後3月19日、「全部出た、」と、そこからは固形物は取らず、水分だけ摂取。
もう消化吸収にエネルギーを使わず、死に支度を始めたかのようだった。
3月25日、永眠、87歳。

向こうに行ってしまうのか、もうこっちにとどまる気持ちはないのか、
淋しい思いがしたが、父の最後の仕事を邪魔するわけにはいかない。
「終末期に起きること」など調べて、覚悟した最後の1週間。


この写真は、カメラを向けて、むごいことをした気がして後悔していたもの。
今回、この絵を描くためにじっくりながめてみると、
父は微笑んでいるのだった。
写真写りが苦手だった父が、自然な表情をカメラに向けていた。


私が見た、終末期の人に起きたこと。

1週間前から、食べなくなる。
無駄な医療や栄養を受け付けなくなり、身を軽くしようとする。
2,3日前から、血行が末端から悪くなり、足指の色が紫色になる。
足先は湯たんぽで温めても、氷のように冷たい。
脳は働いており、会話もできる。
(脳は心臓が止まってからも働いているような気がする。)
感覚が鋭敏になり、通常の視覚はやや落ちるようだが、聴覚は鋭くなる。
まるで動物のような鋭敏な聴覚と視覚になり、常人のものではない。
だから、あの世から迎えに来た人を見ることができるのだろう。
直前になると、腕をあげてくれ、と、何度も言う。呼吸が辛くなってきたからだ。
人工呼吸の時のように、腕をあげてバンザイのポーズを何度も取らせる。
そして、ふっと逝ってしまう。あっけなく、とても静かに。

反射的に心臓マッサージもどきを施すと、こふっ、と、息を吐きだす。
生き返ったのではなく、残っていた空気が出ただけだった。

逝ってしまったことがわからずに、呼吸を確かめる。
それでもわからなくて、聴診器を当てる。
脈を取るが、何もわからない。
だけど、その姿は少し前と何かが違う。全然違う。

訪問診療医に連絡する。
「お父さんが逝ってしまった。息をしていない。」
電話の向こうで医者が言った。
「休んでいるんですよ。休ませてください。すぐに行きます、」と。

まだ温かい。
かなりの時間、まだ温かい。
しかし確実に冷たくなり、私の知らない父の顔になる。
「若い時のおとうさんの顔、きれいなおとうさんの顔、」と母が言う。
あおむけで眠った顔は、重力でしわやたるみが伸びてツルンとした肌になる。

しばらくの間、ベッドの回りの我々を父は上からながめていたような気がする。
そして、「そうか、俺は死んだんだな、」と納得したんじゃないだろうか。
それから、「やったぜ、自由だ、飛ぶぞー!」と駆け上って行ったんだ、きっと。

いつでも見守っていてくれる気がする?
・・・いやぁそんな感じはまったくない。(^^)

父はもう自由だ。




コメント

Re: No title

>さえき奎さん、

この絵は、今までで一番似ています。(毎回そんなこと言ってるような・・・)
父の顔が紙に浮き上がってくるようで、描きながら何度かゾワゾワしました。

父は写真写りが悪くて、ちょっと目をそらしたりして写っていました。
家族でのカメラ担当は私だったので、気付かれないように写していました。
隠し撮り風、一瞬をとらえたスナップ写真風・・・。
一方母は、カメラを構えるとすぐにちゃんと立ってカメラを見るので、
いつも同じようなのしか撮れなくて、結果的にはつまらない写真ばかり。(笑)
で、私は、というと、私を写す人はいなくて、写されるのも苦手で、
写真がほとんどありません。
免許証の写真を見ると、「愛はないのかー!」ってますます写真嫌いになります。

人間って、生まれてしばらくと、召される直前には、失われていた能力がよみがえるのでは?
父の最期の頃、不思議をいくつか目撃して、そう感じました。

自分の親の時を思い出す・・・ちょっとした供養のきっかけにこの記事がなったようでうれしいです。

酒と氷とチーズと唐揚げと(^^)、ありがとう!
・・・サラダ?それはどうなの、体に悪そう(コラ!)、おでんがいいな。

No title

御尊父様、いつ見ても美男におわす・・・です。
私も、写真を趣味とする者なんですが、自分の写真を撮られることが何よりも嫌いな人なんですよ。
でも、この作品の御尊父様はとても素敵な表情をしています。
父と娘の阿吽の呼吸があったのではと思ったりしました。

>私が見た、終末期の人に起きたこと。

自分の親の時を思い出して、うんうんと頷きながら読みましたよ。

>まるで動物のような鋭敏な聴覚と視覚になり、常人のものではない。
>だから、あの世から迎えに来た人を見ることができるのだろう。

よく分かります。
余計なものに患わされることなく、自分に必要なことだけを感じていたいんだと思います。

うーん、とにかくよい記事でした。

オツカレサンデシタ ( 。・ω・)っ🥃🧊🧀🍗🥗 ドゾ

Re: No title

>野付ウシさん、

写真や画像で、あ~そうだった!と思い出すことも多いです。
けっこう忘れていくもので、我ながら薄情なやつ・・・。

昔は認知症になるまで長生きはできなかったんでしょうね。
母方の祖父は83歳、祖母は80くらいで、認知症にならずに逝きました。
祖父は10日前まで床屋に歩いて行って、1週間前に床につきました。
腎臓がんだったようですが、治療せず。これも持って行く、と。
祖母は脳梗塞で1年半、自宅で過ごしました。
愛知の伯母が、佐賀に帰ってほぼひとりで祖母を介護していました。
今思えば、伯母はその時50代後半。
その伯母は今102歳で、寝たきりで認知症で特養にいます。

長生きって残酷だと思います。
友だちも親戚もどんどんいなくなって、ひとりになってしまう。
そこまで長生きせずに、しっかり生きたいです。(何を言っているんだ→私)

特定検診受けろ!って何度も催促の葉書がくるの。
あと10年したら受けるよ、ってひとりでつぶやいています。

No title

写真や画像を見ると思い出にハマっていきますね。
なので私は娘や孫の写真は貼っても、親の写真は出しません。
父は95歳で老衰にて、母は意識無いまま10年ほど特養で過ごし96歳で他界しました。
父は老人ホームで静かに他界したものの間際に会えませんでしたね。
そして母は意識無いまま特養で他界ですし、偶然ながら私が入院した直後で葬儀も行けなかったです。
昔は70程度であの世へ行ったので、認知症などになる前ともいえますね。
今は長老過ぎて認知症は当然に思えます。
お父さんの表情はキリッとした感じがそのままですね。
以前にも画像見てますがハンサムだったと思っています。
さて、自分はどうなるかなぁ?今は病気も歩かないかわからないですが、山歩きをする元気はあります。
親に似るなら100歳近くまで生きる?
寝たままとか認知症とかの状態であの世へ行きたくないですよ。
でも明日も予想できないですから、今は気にしません。

Re: No title

>マラどーなさん、

これは、顔の色が思いのほかうまく出せました。
スティングを描いたあたりから、大きく描けるようになってきましたよ。

そして、紙の助けもあります。
スケッチブックの背表紙の厚紙!これはいい紙です。
取っといてよかった~。
というわけで、今、同じ厚紙に風景画を描いています。


認知症になると3年で寝たきりになり、
寝たきりになると、3年で認知症になる、
と、聞いたことがあります。
認知症って、治せそうにないし原因もわからないし、万病の元?じゃないでしょうか。
司令塔の脳が誤作動を起こすんですよね、難病です。

ガンは誰でも毎日その元が生まれているけど、
免疫力が戦って、修復し続けているからなかなか発症しない。
年を取って免疫力が落ちたら癌も育ちやすくなる。
うちの父も直接の死因は胃癌でした。
それに気づかず何年も楽しく飲み食いしていたわけです。
早期発見なんかしてしまったら、手術だ入院だ抗がん剤だって、すっかり病人ですよ。
再発におびえて暮らすんですよ。
うちの父にはそんな生活は無理だったはずです。気づかなくてよかった~。

ガンは老化のひとつだと思って、暮らしていきましょう!
(・・・って能天気かよ、私。)

No title

安定の肖像画ですよね。
完全に画風を自分のものにしたとの自覚があるんじゃないですか?
すごいです。

オイラの親父は脳梗塞で病院で1年間寝たきりの後、
2015年春に逝きました。最後の死因は胃がんですけど、
その大元は脳梗塞だと思います。
その倒れる前には認知症も酷かったので、
医者曰く「入院してることも理解できてないのでは?」だったとの事。

てか、お彼岸でもないのに、なんでこんな事を、、、。アーメン。。。

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プロフィール

アルジェリマン

Author:アルジェリマン
コーギーを二代続けて飼い、それぞれを変性性脊髄症(13歳)と悪性リンパ腫(4歳)で失った。
体格はいいものの、すっかり運動不足の中高年が、はたしてもう一度これから犬と暮らせるのか。
保護犬里親サイトをながめ、もんもんとしたあげく、あきらめ半分で問い合わせたところ、縁あってやってきたのが、黒犬の万太郎。

万太郎について:
イケメン雑種の男の子。
徳島出身、推定生年月日2016年1月20日、保護日4月2日。
徳島アニマルオアシスの皆さんのお世話になりました。

20年続けたメモ帳にテキストタグ打ちの手作り素朴饒舌系犬バカホームページは2024年9月末で閉鎖し、その反動で、犬のことだけほのぼのブログのはずだったこの場所が、時々毒舌の本性が出るか、ほのぼのお絵描きブログに成長するか、予定は未定。

文系出不精片付け好き、意識は普通にコンサバ、無意識に毒舌、蚊に喰われやすい下手の横好き週末ガーデナー。

よろしくお願いします。

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