司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

司法試験予備試験に1年合格したペンギンの備忘録

文学部卒。元会社員。2019年夏頃から勉強を始め、2020年度の司法試験予備試験・2021年度の司法試験を通過しました。

年の名残り

サイトマップ(2025年12月現在)


※以下、雑記です。

 なんとなく、毎年、司法試験の合格発表の月にサイトマップ(上記リストのこと)を更新していましたが、今年は気づけば年末を迎えていました。

 今年の司法試験には知人が合格しており、先日、合格祝賀会を開催しました。他人の合格ってのは自分の合格よりも喜ばしいものですね。合格されたすべての皆様、おめでとうございます。

 受験生の頃は「合格」しか目標がないですが、司法試験合格後は自分で目標を決めなければならず、悩ましいことが増えると思います。その分、楽しいことも増えると思うので、どうか踏ん張ってください。

一言にしていえば、肉体に関するすべては流れであり、霊魂に関するすべては夢である。
人生は戦いであり、旅のやどりであり、死後の名声は忘却にすぎない。
しからば我々を導きうるものはなんであろうか。
一つ、ただ一つ、哲学である。

マルクス・アウレーリウス『自省録』(神谷美恵子訳)


 個人的には、今年、独立開業を果たしました。「果たしました」と書いたのは、自分が受験生の頃からずっと目標にしていたからです。

 よく伊藤真が「合格後に達成したい状態を具体的にイメージせよ」と言ってますよね(言ってましたよね…?)。私は地元に帰って独立開業した後の状態をずっとイメージしていました。

 理想と現実で異なる部分はありましたが、まあ、おおむねイメージどおりの状態になれました。

 そのため、最近は「次の目標」について考えることが増えました。こういうのは宣言することが重要ですから、この機会に宣言しておきます。

  • 2027年3月までに国選登録を外す
  • 2027年3月までに刑事当番登録を外す
  • 2027年3月までに法テラスと縁を切る
  • 2028年3月までに弁護士会の法律相談担当名簿から外す


 …我ながらずいぶんネガティブな目標ですね。

 大学3年生の頃、雑誌編集者の先輩が、就職先に悩んでいた私に対し、「何をしたいかイメージするのは難しいけど、何をしたくないかイメージするのは簡単」と教えてくれました。私は「早起きはしたくない」と思い、時間にルーズな業界に就職しました。

 独立開業してからは、毎朝、起床する時間を自分で決められます。ある意味では、大学生の頃からの夢が叶ったのかもしれません。

 とはいえ、1人でやっていると、誰も何も交代してくれないので、信じられないくらい早起きして、夜中まで予定を詰めなければいけない日もあります。まあ、そういうのも含めて「起床する時間を自分で決める」ことができる、というだけです。


 当ブログのサイトマップを更新しましたが、今年は2つの記事しか更新できていなかったようです。

 独立したら暇だろうからたくさんブログでも書こうかな〜、なんて のんきに考えていましたが、案外、やることが山積みでした。引越し、登録換え、開業。プライベートでもいろいろあって、秋には入院もしました。

(余談。人生で初めて全身麻酔をして、麻酔医からは「夢も見ませんよ」と言われていましたが、私はちゃんと夢の中でアルバイトをしていました。ひょっとすると、死んだ後も夢の中で働き続けるのかもしれません。怖いですね。)



(Pixabayからのイメージ画像)

 最後に、これも毎年恒例なのでやっておきます。訪問者とページ閲覧の集計。数字はブログ開始時点からの累計です。

  訪問者数 ページ閲覧数
2021年9月時点 約1,100名 約6,300
2022年9月時点 約10,200名 約42,900
2023年11月時点 約25,000名 約85,800
2024年11月時点 約40,400名 約124,800
2025年12月時点 約61,400名 約170,500


 今年はなぜだかTwitterのフォロワー数が増えたので、それで訪問者数が増えたのかな…と思いきや、Twitter経由の訪問者は全体の約21%でした。ブックマークとかしてくださっている「直接アクセス」の訪問者が約23%なので、ありがたいことだなと思っています。

 と、分析をしてみていますけど、最近はほとんどがAIのアクセスだという新聞記事も読みましたし、こういう数字もだんだんアテにならなくなってしまっていますね。ぜんぶ、AIがTwitterを経由したりURLを直接入力したりしてアクセスしているだけなのかもしれません。

 もしこんな年の瀬にこんな文章を最後まで読んでくれた人類がいるのであれば、ありがとうございました。このブログの文章はすべて、あなたと同じ、人類が手入力しています。本当です。まだ人類は滅びていません。希望は捨てずに、来年も頑張って生き延びましょう。


ミニマム経営弁護士、電話番号とFAX番号を買う。

【読むとよいタイミング】法律事務所を開業する前

 

 先日、Twitterで開業の報告をしたところ、たくさん「いいね!」やお祝いのリプを頂戴しました。なんというか、本当に開業したんだな、という実感が初めて湧きました。ありがとうございます。

 ただ、Twitterにも書いたとおり、登録換えとともに開業したので、全然仕事がないです。

 開業前は「弁護士会の法律相談を頑張ろう!」と張り切っていましたが、年度途中の登録換えだと、名簿登録に様々な制限があるようです。当番の割当てがないのはもちろん、当番の引取りにも制限がありました。

 ちなみに、国選の名簿登録には何の制限もありませんでした。名簿登録だけ頼んだのに、ありがたいことに、勝手に待機日まで配点してくださいました。

 というわけで、次の国選待機日まで暇なので、ブログを書くことにしました。

 いくつか書きたいテーマはあるのですが、まずは、開業に向けて自分がもっとも情熱(と金と時間)を注いだ「電話番号とFAX番号の取得」について書きます。思い出がいっぱい。

(pixabayからのイメージ画像)

 

 あとでもちょこちょこ出てきますが、電話番号とFAX番号を取得するに当たって、譲れない条件がいくつかありました。

 まず、「①市外局番(東京「03-」等から始まる番号)が付いていること」です。感覚的なものでしかありませんが、自分が顧客側の立場で電話をかけるとき、市外局番が付いている番号のほうが安心感があるので、自分も市外局番が付いている番号がよかったのです。

 次に、私は数字を暗記するのがとにかく苦手なので、「②覚えやすい番号であること」は必須条件でした。前の事務所に所属していたときは、2年経っても電話番号が覚えられず、接見の申込みの際、いちいち名刺を出して書き写していました。恥ずかしいし、面倒です。

 同じ理由から、「③電話番号とFAX番号が連番であること」も必須条件でした。商売をしている親戚から「番号が近いと、間違って電話のほうにFAXがかかってくることがあって迷惑だよ〜」と教えてもらいましたが、実際、どうなんでしょうね。最終的に連番にしましたが、今のところ、間違って電話のほうにFAXをかけてくるひとはいません。

 次に、「④電話が転送できること」も必須条件でした。いきなり事務員さんを雇用する予定ならともかく、誰もいなくて仕事もないのに、一日中、電話番のために事務所にいるのは苦行です。また、開業直後は準備や挨拶で外出することが多くなりますので、外出先で電話が取れないと不便です。

 ちなみに、FAXは複合機の設定で比較的容易にメール転送できるので、あまり気にしなくても大丈夫だと思います。(受信はよいとして、事務所外からのFAX送信をどうするか、という問題は残りますが。)

 最後に、「⑤高額な費用がかからないこと」も条件です。事務所の物件選びや什器の購入とは違って、「社長、もっと安くなりませんか〜?」みたいな交渉ができないので、利用料金に納得できるサービスに申し込むしかありません。「経費=死」です。

 

 ① 市外局番が付いていること

 ② 覚えやすい番号であること

 ③ 電話番号とFAX番号が連番であること

 ④ 電話が転送できること

 ⑤ 高額な費用がかからないこと

 

 結局、以上の①~⑤の条件を満たすサービスに辿り着くまで、4社に申し込むことになりました。「050-」から始まる番号も含めると、7社です。それに加え、機器(VPNルーター)を購入して自作のネットワーク環境まで構築しました。無駄にした金額は5万6810円、無駄にした期間は59日間でした。

 というわけで、ここからが本題…ではあるのですが、私が申し込んだサービスについて、インターネット上で公開されていないデメリットや具体的な金額(や悪口)も書いてしまったので、限定公開とさせていただきます。興味がある方は読んでみてください。

 

※ なお、アナログ電話ではなく、ひかり電話を前提にした記事です。アナログ電話を検討中の方には無益ですので、ご注意ください。

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司法修習生は二度試験を受ける

【読むとよいタイミング】司法修習開始後〜二回試験

 

 昨年末、Twitterで修習生の方が集合修習の話をしているのをたまに見かけて、「年末年始にまとまった時間があったら二回試験について書きたいな〜」などと考えていました。

 が、仕事納めが12月30日、仕事始めが1月2日で、その間は体調を崩して寝正月でした。1月は登録換えに向けてバタバタと準備をしていて、気づいたらあっという間に2月でした。

引越しの準備もしてないのに、ブログなんて書いてる場合か?

 ブログ書いてる場合じゃないんですけど、人生で15回目(しかも1年に1回以上のペース)の引越しなので、飽きちゃって、全然やる気が起きないんですよね。

 

 すみません、まじめな話をしようと思っていたのに、どうでもいい身の上話をしてしまいました。

 というわけで、約1年前にツイートした二回試験についての画像を貼り付けながら、約2年前の即日起案や二回試験についてぎりぎり覚えていることをぽつぽつ書いていこうと思います。

Twitter上で「そろそろTwitterが滅びる」みたいな言説を何度も目にして、過去にTwitterに投稿した画像を少しずつブログに移行しようと思っているんですけど、意外と滅びないですよね。)

(pixabayからのイメージ画像)

目次

75期の二回試験の問題

 大きい修習地では二回試験の過去問集が出回っているという噂を聞いたことがありますが、私は限界修習地へ飛ばされ、導入も集合もオンライン修習だったので、まったく何の情報も回ってきませんでした。

 同じような境遇で困っている修習生の役に立てればいいなと思い、75期の二回試験の過去問の再現をしてみました。実際の事件をモデルにしているらしいので、そこまで具体的には書けないんですが、なんとなく雰囲気は掴めると思います。

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 二回試験に落ちてた場合にきちんと教官とかに相談できるよう、わりと詳細な再現答案も作っていました。

 久しぶりに読みましたが、民事弁護は何が何だかよくわからないですね。終わった後、みんな「落ちたかも…」みたいな話をしてたので、そこまでビビらなくても大丈夫です。

起案に関するメモ

 ここからは、科目ごとの注意点をまとめたメモを貼っていきます。

 Twitterでも書きましたが、ここに書いてあることが大事、というメッセージではありません。

 集合修習では、即日起案の講評のコマがあると思います。そこで教官が発言したことが何より大事です。それを自分なりにまとめておいたほうがいいよ、というメッセージです。

 あと、それぞれ「答案の型」みたいなものも書いています。キレイごとを言えば私も「答案の型」なんて必要ないと思っていますが、司法試験の採点アルバイトをした経験からすると、型どおりに書いてあるほうが読みやすかったです。

 型を知った上でそれを上回るのが「型破り」、型を知らないで自由に書くのは「型無し」です。

刑事弁護の起案に関するメモ

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 刑弁ってとにかく問題が簡単で、差がつきにくいですよね(有罪で書けばいいのか無罪で書けばいいのかわからない!なんてことがないですから)。

 別に二回試験に限ったことではないですが、採点者の採点対象になるのは「答案に書いたもの」だけです。「このひとはこんな風に考えたんだろう」などと善解して加点してくれることはありません。

 簡単だからって手を抜かず、当たり前のことを言語化して丁寧に説明すると高い評価がついたような記憶があります。

民事弁護の起案に関するメモ

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 刑弁と同様、民弁も結論が決まっています(実務はさておき、「自分の依頼者のほうが間違っているよなあ…」と悩むような事例はあり得ません。実務はさておき)。

 民弁では、正しい結論に導く、というよりも、いかに多くの事情を拾って主張しまくるか、という部分に重点があるように思います。

 多くの事情を拾って主張するには、構成が大事です。きちんと設計図を書かなければ、高いビルは建ちません。民弁は、他の科目に比べると全体の構成(見出し作り)に時間を割いていたような記憶があります。

 ちょっとだけテクニカルなことを言うと、見出しは「印章の冒用の可能性(の有無)」みたいな無色で中立的な言葉ではなく、「被告が原告の印章を冒用したこと」みたいに、こちらの主張で色付けされた言葉で書いたほうが読みやすいです。

検察の起案に関するメモ

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 検察起案も、結論で悩むようなことはないですよね(同期で「一部不起訴」を書いた強者がいますが)。とにかく型を暗記することと、時間配分に気をつけること。それだけと言えばそれだけです。

 少しだけ中身に踏み込んだ話をすると、「犯人とA(被疑者)を書き間違えないこと」という点が一番大事だと思っています。下書き用紙を縦半分に折って、左側に「犯人」、右側に「A」と書いて、事情を列挙する形で答案構成した記憶があります。

 余談ですが、高校生の頃にミステリー小説を読みまくってたおかげか、「犯人はお前だ!」みたいなテーマ(犯人性)の文章を書くのが楽しかったです。

刑事裁判の起案に関するメモ

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 教官は「正解なんてない」と言いますが、あれは冗談だと思っています。やはり試験問題なので、正解があります。恥ずかしながら集合起案で結論を間違えて、低い評価になってしまったことがあります。結論を間違えると、理由づけも苦しくなります。

 途中で苦しさを感じても、スタート地点まで戻ることはできません。答案を書き始める前に、ひと呼吸置いて、「その結論で正しいのか?」と冷静に考えたほうがいいと思います。

 刑裁と民裁は、あまり答案の型を気にせず書きました。教官の「型はない」という話も、裁判科目に関しては冗談ではないと思っています。ただし、「事実認定」と「法的評価」だけはキッチリ項目を分けたほうがいいです。

民事裁判の起案に関するメモ

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 このブログ記事の掲載順は、自分がツイートした順番に従っています。なぜ自分がこういう順番でツイートしたのか覚えていないですが、やはり、刑弁が一番簡単で、民裁が一番難しかった記憶があります。

 刑裁と同様、民裁の事実認定にも「正解」があります。それをきちんと見極めなければいけない難しさがあります。それに加えて、要件事実というルールもあります。小問も細かくて全然わからないことがあります。

 じゃあどうしたらいいんだ、と言われると、まあ、頑張って勉強しておくしかありません。参考になるような本をまとめた記事も書いたので、よかったら見てみてください(→リンク)。ポジティブに言えば、一番勉強し甲斐のある科目じゃないでしょうか。

 企業法務(特に大手渉外事務所)のことはよくわかりませんが、街弁になるのであれば、事実認定も要件事実も民事裁判手続も、勉強しておいて損はないです。

 これらは弁護士になってからも勉強できますが、実務に出てからは、破産とか離婚とか相続とか交通事故とか、テクニカルな知識をかき集めることに追われます。「土台」になる部分は、暇なうちに鍛えておいたほうがいいと思います。

二回試験、頑張って損はない

(pixabayからのイメージ画像)

 

 おいおい、たかが二回試験、何をそんなにムキになってんだ…と思われたかもしれません(そんなひとはここまで読まないか)。

 私も当時、すでに街弁事務所に内定をもらっていました。実際、二回試験なんて「落ちなければ十分」な状況ではありました。

 なぜそんなにムキになって二回試験対策していたか、というと、目の前に試験があると手を抜けない、という性格なだけです。あとは「二回試験落ち」という最恐の事態を避けたかったから。

 しかしまあ、ほとんどの修習生にとっては、裁判官(教官)が起案にコメントしてくれる機会なんて二度と訪れないわけですから、即日起案も二回試験も、真剣に取り組んで無駄にはならないと思います。

 7時間半×5日間、手書き…こんな受け切るだけで超大変な試験、「全員合格」でいいと思ってしまいますよね。実務に出てからヤバい弁護士なんていくらでも

 これから二回試験を受ける予定の修習生が全員合格されることを祈っています。