消費税増税に反対するブログ

れいわ新選組のボランティアとして消費税の問題点などを発信するブログです。たまに発達障害についても書きます。(コメントは、異論や反論も大歓迎です)

2007年に小中学生の自殺率が低かった理由と自己責任論や世代間格差の増幅について

管理教育が衰退してSNSの誹謗中傷が深刻になる前のバランスの取れた時期

 2025年にリバイバルヒットした曲の一つにORANGE RANGEの「イケナイ太陽」がある。2007年7月18日に発売されたこの曲はドラマ「花ざかりの君たちへ」のOPとなり、2025年には令和版のリメイクPVが話題になった。2007年のリリース当時に青春時代を過ごした大人たちが昔を思い出しつつ「同窓会」のようにPVを楽しんでいるのに対し、若い世代は平成を「レトロ文化」と捉えて興味を持ったようだ。この2007年という年は音楽やカルチャーの面だけでなく、社会状況を振り返る上でも一つの節目だったと感じられる。

 

 私は今まで未成年の自殺が不自然に急増していることを批判してきたが、「全自殺者数に占める小中学生の割合」に限定すると戦後最少を記録したのは2007年の0.18%になる。1980~2024年の同割合の推移を見ると、芸能人の急逝が大きく報道された1986年や1998年、いじめ自殺が社会問題になった1994年や2006年は前年比で大幅に増加しているが、1980年代から2000年代までは総じて子供の自殺が減少していた時代だと言えるだろう。

 小中学生の自殺者数はバブル期だった1990年と学校の完全週休二日制が始まった2002年も2007年と同様に59人だが、全体の自殺者数は1990年が2万1346人、2002年が3万2143人と2007年の3万3093人より少なかったため、小中学生の割合は1990年と2002年のほうがやや多くなる。2007年の特徴は2006年に過熱していたいじめ自殺の報道が沈静化し、2008年に発生するリーマンショックの前年で「嵐の前の静けさ」があった時期だということだろう。また、昭和の管理教育が衰退してからSNSの誹謗中傷が深刻になる前のバランスの取れた時期が2007年だったと言うこともできるかもしれない。

 

 しかし、その後は徐々に子供の自殺が増加していって最新のデータである2024年には小中学生の自殺者数が178人、全体に占める割合が0.88%にまで上昇している(図75を参照)。バブル期を知らない自分の世代でも、子供の頃と比較して政治や教育を取り巻く環境が悪化しているという実感は強い。小中学生の自殺者数が増加した背景には、2008年以降に増幅した自己責任論や世代間格差にも原因があるだろう。

 

 

日本社会において多数派となってしまった教育格差を容認する自己責任論

 2008年以降に増幅した自己責任論や世代間格差を象徴するのが同年6月8日に発生した秋葉原通り魔事件である。この事件は犯人がトラックで赤信号を無視して通行人5人を次々と跳ねた上、トラックから降車して通行人や警察官ら17人をダガーナイフで刺した。一連の事件によって7人が死亡、10人が重軽傷を負った。犯人は幼少期に母親から虐待を受けており、短大卒業後も職を転々とする不遇な人生を送っていた。死刑が執行されたのは安倍晋三襲撃事件の報道が過熱していた2022年7月26日のことだった。この事件は個人の資質だけで片付けられない、当時の社会的な歪みを強く印象づけた。

 その一方で、元東京都監察医務院長の上野正彦氏は2012年に出版した『自殺の9割は他殺である』の中で、秋葉原通り魔事件について「この犯人に限らず、今の若者は程度の差こそあれど全体的に自己中心的で我慢の足りない人が多いように思える。その一方で、対人関係が苦手で内に閉じこもってしまう若者も少なくない。こうした若者が増えてきたのは、それを許してしまう文明の豊かさにも問題があるのではないだろうか」と述べている。上野氏は1929年生まれなので10代の頃に戦争を経験しているが、20代から50代にかけては戦後復興期からバブル期を過ごした世代でもある。人生の多くを経済成長の時代に置いてしまうと、1990年代以降の不況が見えなくなってしまうのだろうか。

 

 ベネッセ教育総合研究所が2004~2018年に朝日新聞社と共同で実施していた『学校教育に対する保護者の意識調査』の中で、「所得の多い家庭の子供のほうがより良い教育を受けられる傾向があると言われます。こうした傾向について、あなたはどう思いますか」という教育格差について聞いた質問がある。それに対して「当然だ」「やむを得ない」と回答した小中学生の保護者は2008年の43.9%から2018年の62.3%まで増加した。特に経済的にゆとりがある層においては、2004年の54.7%から2018年の72.8%まで増加している(図76を参照)。残念ながら上野正彦氏のような自己責任論は2008年以降の日本社会において多数派の意見となってしまったようだ。

 

 

2007年と比較してバブル世代男性とZ世代女性で年収に129.5万円も開きがある

 それに加えて、2025年12月8日に実施されたれいわ新選組の代表選挙では世代間格差が年上だけでなく年下とも生じているように感じられた。この選挙で話題となったのは高校生の篠原一騎氏が立候補したことだが、その一方で残念だったのは政治系Youtuberの根本良輔氏が立候補できなかったことである。1994年生まれの根本氏はAI(人工知能)について「人間より優秀だから積極的に活用すべき」と主張し、れいわの代表選に立候補した5人に対しても「AIの活用に批判的なのは残念だった」と発言している。

 それに対し、2007年生まれの篠原氏はAIについて「正しい情報が入っているかどうかもわからない」「最終的には人間の手を入れていくことが必要」と慎重な発言をしているのが特徴的だ。年齢を考えると根本氏より篠原氏のほうが若いのでAIの活用に積極的でもおかしくなさそうだが、現実にはそうなっていないようだ。私は根本氏と篠原氏の違いについて、2人が過ごしてきた時代背景による差が存在するのではないかと思っている。1994年生まれが小中学生だった2001~2010年はまだSNSが新しい技術だと言われていたのに対し、2007年生まれが小中学生だった2014~2023年は在特会などのヘイトスピーチSNSで増幅した時代でもある。

 

 また、政治の世界では10代も30代も同じ若者の枠に収めようとされがちだが、実際に今の30代はバブル世代の子供なのに対し、今の10代は就職氷河期世代の子供である。国税庁のデータを見ても2007~2024年にかけての平均年収は60~64歳男性が99.4万円増加したのに対し、15~19歳女性は30.1万円も減少している(図77を参照)。2007年当時の同じ年齢と比較して、1960~1964年生まれのバブル世代男性と2005~2009年生まれのZ世代女性で平均年収に129.5万円もの開きが生じているのだ。2020年代に入ってから60歳以上の自殺率が減少して10代女性の自殺率が増加しているのも、高齢者の所得増加と若年女性の貧困化が背景に存在するのかもしれない。

 2025年の日本経済は日経平均株価が4万円を超える一方で実質賃金が減少して全国企業倒産件数が増加するなど矛盾した状況だと言えるが、私が気になっているのは世代によって景況感が大きく異なっているのではないかという点である。2026年はこうした景況感の世代間格差も経済の主要テーマにすべきだろう。

 

 

<参考資料>

ORANGE RANGE「イケナイ太陽」、再ヒット

https://www.yomiuri.co.jp/culture/music/20250902-OYT1T50121/

令和6年中における自殺の状況

https://www.mhlw.go.jp/content/001464717.pdf

秋葉原通り魔事件(Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E8%91%89%E5%8E%9F%E9%80%9A%E3%82%8A%E9%AD%94%E4%BA%8B%E4%BB%B6

学校教育に対する保護者の意識調査

https://berd.benesse.jp/up_images/research/Hogosya_2018_web_all.pdf

れいわの代表選の候補者に質問してきたけど不満が残りました

https://www.youtube.com/watch?v=1WaSe_ijuys

民間給与実態統計調査結果

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/jikeiretsu/01_02.htm

2025年の葛飾区議会議員選挙で3位になった鈴木信行氏の主張の問題点

 

2013年の時点で週6日制の労働が当たり前だと思っていた鈴木氏

 2025年11月9日に実施された葛飾区議会議員選挙で最も驚いたのは鈴木信行氏が5571票を獲得して3位になったことだ。彼は維新政党・新風や日本国民党の代表を務め、2017年の葛飾区議選で初当選するが2021年の同選挙では1987票しか獲得できずに落選した。しかし、2025年の区議選ではその2.8倍の得票数で当選している。

 鈴木氏はよく極右や差別主義者のイメージで語られることが多いが、ブログを見ているとこの人は頭の中が1980年代のバブル期で止まっているのではないかと疑ってしまう発言が散見される。例えば、2013年1月18日の記事では「公立学校の土曜授業を復活させ、週6日制復活が安倍政権下で検討される。かつて自民党が政権復帰のために社会党との連立政権実現の条件が子供の学力低下を無視した公立学校の週休2日制導入である。だいいち大勢の大人が働いている土曜日に、子供が勉強を休むのはよろしくない。公立校の土曜日授業復活は、親の所得による教育格差解消にもつながり大歓迎である」と述べている。なんと鈴木氏は2013年の時点で月曜から土曜まで働く週6日制の労働が当たり前だと思っていたのだ。

 

 私はゆとり教育については功罪があると考えているが、2002年に廃止された学校の土曜日授業を今から復活させるのは困難だと思っている。労働者1人当たりの年間平均労働時間数(事業者規模30人以上)は高度経済成長期だった1960年の2432時間から2024年の1714時間まで減少したのに対し、名目GDPは1960年の16.0兆円から2024年の607.9兆円まで増加している(図72を参照)。戦後の日本社会は労働時間を効率化させることで経済成長してきており、「小中学校の土曜日授業を復活させろ」と主張する鈴木氏の発言はそうした歴史的背景が全く無視されている。

 また、『若者の自殺を減らすために消費税廃止や現金給付、大学授業料の値下げを実施すべき』の記事でも指摘した通り、2002年当時は15~19歳の若年失業率が12.8%に高まるなど深刻な不況だったにも関わらず、全自殺者数に占める小中高生の割合は0.72%と戦後最少を記録していた。2002年は学校の完全週休二日制が始まって土曜日が休みになったことにより、子供たちの負担が減って自殺者数も減少した可能性が高いだろう。その点では完全週休二日制の導入はメリットのほうがはるかに大きかったと言えるのだ。

 

 

鈴木氏の主張は日本の伝統よりも米国の宗教右派の思想に近い

 更に、鈴木氏は2014年11月25日のブログで「人口減少対策としての中絶違法化による新生児数の底上げが中短期策。長期策としては早期結婚こそが少子化の解決策である。中絶反対を唱えると、レイプはどうすると反論を受ける。精神的に追い込まれ自殺未遂を図る被害者も多く気の毒であるが、極僅かな事例で全体を語ることはできない」と述べている。なんと鈴木氏は2025年9月10日に殺害された米国のチャーリー・カーク氏と同様に人工妊娠中絶の禁止を掲げているのだ。鈴木氏の主張は日本の伝統や保守と全く関係がなく、米国の宗教右派の思想に近いと言うことができるのではないだろうか。

 しかし、厚労省の衛生行政報告例を見ると、人工妊娠中絶件数は1955年の117万143人からバブル期だった1990年の45万6797人まで減少し、最新のデータである2024年には12万7992人になっている。人口動態統計によれば2024年の出生数は68万6173人なので、仮に日本で人工妊娠中絶が完全に禁止されても出生数は81万4165人にしかならず、これは2015年の出生数である100万5721人よりも少ない。鈴木氏はやはり頭の中がバブル期で止まった人物なので、今の日本でも昭和の時代のように日常的に人工妊娠中絶が行われていてそれを止めるだけで少子化が解決すると勘違いしているようだ。

 

 また、仮に日本が人工妊娠中絶を禁止したらどのような社会になるのかは米国の事例を見るとよくわかる。米国では連邦最高裁が2022年6月24日に長年の判例を覆し、人工中絶を受ける権利は憲法で保障されているものではないと判断を示した。その後の7月14日には27歳の男性から強姦された10歳の少女がオハイオ州からイリノイ州に移動して中絶手術を受けていた事件が発覚している。日本でも13歳未満で中絶手術を受けたケースは2024年に10件存在していて米国のような事件は他人事ではないだろう。

 もし、日本で人工妊娠中絶を減らしたいのであれば中絶を違法化するのではなく、政府の財政出動によって雇用を創出して完全失業率を改善する必要があると考えている。実際に、1969~2024年の未成年の中絶実施率と15~19歳女性失業率の相関係数は92.2%と高い数値が表れているからだ(図73を参照)。

 

 

頭の中がバブル期で止まっていて2025年の日本社会が見えていない

 更に、鈴木氏は2025年5月11日のブログで「政府が進める子育て支援策が成功しないのは、労働力不足を補うために働く女性を支援するという目的そのものが間違っているからだ。女性を一面的な労働力として社会に出そうという発想自体が間違いなのだ。専業主婦という社会に出て働かない女性を支援することが子育て支援の目指す方向だ」と述べている。

 しかし、日本人女性の専業主婦願望は海外と比べてもそれなりに高いというのが現実だ。例えばやや古いが、2006年のPISA(学習到達度調査)では15歳女子生徒の専業主婦希望率は日本が4.02%、韓国が2.45%、香港が2.37%、ヨルダンが2.18%、スイスが1.78%、オーストリアが1.50%、マカオが1.18%、ドイツが1.08%となっている。韓国の専業主婦願望が高いのは男性に1年9ヵ月の兵役制度が存在して男尊女卑の社会だという背景が考えられるが、それよりも日本の割合が高いのは意外だと思う人も多いかもしれない。2006年当時の15~19歳女性の失業率は9.6%だったので、深刻な不況が日本人女性の専業主婦願望を高めたという部分もあるだろう。

 

 ソニー生命保険が2019年に行った調査でも「本当は専業主婦になりたい」と回答した女性は全体で36.7%、20代で53.2%と若い女性の約半分が専業主婦を望んでいることがわかる。総務省国税庁のデータでは15~24歳女性の非正規雇用率が1991年の20.8%から2024年の54.8%へと上昇し、年収100万円以下で働く最貧困層の女性も1991年の213.0万人から2024年の290.0万人まで増加してしまった(図74を参照)。若い女性が専業主婦になりたいと思うのは、夫が妻子を養う高度経済成長期の家族モデルに回帰したのではなく、夫の収入に頼らざるを得ないほど貧困化した女性が増加しているからではないだろうか。

 また、鈴木氏は同記事の中で「結婚して夫の稼ぎで家庭を賄えられれば、子育てに専念できたら第二子第三子を産めるじゃないか」と述べている。なんと鈴木氏は2025年の日本が夫の稼ぎだけで3人目の子供まで育てられる社会だと思い込んでいるようだ。ここまで鈴木氏の主張を拝見してきたが、彼は頭の中がバブル期で止まっていて2025年の日本社会が全く見えていないように感じられる。

 

 

生活保護の捕捉率は75~79歳が44.6%、20~24歳が5.1%という現実

 そもそも鈴木氏が代表を務めていた維新政党・新風とはどのような主張をしている政治団体なのだろうか。彼らが2013年に出版した著書の中では、「福祉を重視する人々は決まって憲法25条(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)を持ち出すが、生活保護受給者は勤労の義務(憲法27条)と納税の義務憲法30条)を果たしていない」「『国に頼らず、他人に迷惑をかけずに生きていこう』という誇りを持った国民こそが国を支える」と述べられている。しかし、上記の主張には「生活保護を利用しながら働いている人」や「消費税などの税金を滞納して生活保護を受けざるを得なくなった人」も存在するという事実が置き去りになっていないだろうか。

 

 その上、日本の場合は高齢者向けの社会保障はある程度充実しているが、若者向けのセーフティネットは脆弱という世代間格差の問題も存在する。生活保護の利用者数(2018年度)は全体で206万8958人、75~79歳の高齢者は22万8606人なのに対し、20~24歳の若者は2万4165人程度に過ぎない。2018年の日本の総人口は1億2674.9万人、75~79歳は691.3万人、20~24歳は633.1万人なので、生活保護の利用率は全体で1.63%、75~79歳は3.31%なのに対し、20~24歳は0.38%と高齢者と若者の間で大きな差が開いている。生活保護を受給する資格のある人のうち実際に利用している人の割合を「捕捉率」と言って、日本の捕捉率は2018年現在で22%程度となっているが、これを年代別に算出すると75~79歳は44.6%にのぼっているのに対し、20~24歳は5.1%しかないことになってしまう。海外の捕捉率はイギリスが87%、ドイツが85%であることから日本の若者がいかに生活保護を利用できていないのかがわかるだろう(表7を参照)。

 貧困問題に対する自己責任論を止めるためには国政だけでなく、鈴木信行氏のような地方自治体で問題発言を繰り返す議員も批判していく必要があるのかもしれない。

 

<参考資料>

国民行動京都委員会 『日本の決断 これが日本を滅亡から救う道だ』(洛風書房、2013年)

 

葛飾区議会議員選挙(2025年11月9日投票)

https://go2senkyo.com/local/senkyo/25126

葛飾区議会議員選挙(2021年11月7日投票)

https://go2senkyo.com/local/senkyo/20818

鈴木信行(Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E4%BF%A1%E8%A1%8C

土曜授業を復活させ教育格差を解消!

https://ameblo.jp/ishinsya/entry-11999781441.html

常用労働者1人平均年間総実労働時間数

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0501_02.html

国民経済計算 昭和30年1-3月期~平成13年1-3月期

https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2001/qe011/gdemenuja.html

国民経済計算 2025年7-9月期1次速報値

https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2025/qe253/gdemenuja.html

労働力調査 長期時系列データ

https://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.html

令和6年中における自殺の状況

https://www.mhlw.go.jp/content/001464717.pdf

中絶違法化を目指す

https://ameblo.jp/ishinsya/entry-11956794396.html

衛生行政報告例

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450027&tstat=000001031469

人口動態総覧の年次推移

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/dl/04_h2.pdf

米の10歳少女、地元で中絶できず他の州へ 強姦疑いの男を訴追

https://www.bbc.com/japanese/62160625

【複製】働かない女性が日本を救う!専業主婦支援策!帰化官報公示90日っておかしくない?#葛飾

https://ameblo.jp/ishinsya/entry-12902140463.html

女子生徒の専業主婦希望率の国際比較

https://tmaita77.blogspot.com/2013/07/blog-post_7.html

女性の活躍に関する意識調査2019

https://www.sonylife.co.jp/company/news/2019/nr_190424.html

民間給与実態統計調査結果

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/jikeiretsu/01_02.htm

平成30年度被保護者調査

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450312&tstat=000001137806

人口推計 長期時系列データ

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200524&tstat=000000090001

菅義偉総理大臣 あんたホントに人間か?

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12653033504.html

自民党の高市早苗総裁に対抗するために、男性解放運動を展開しなければならない時代が来ている

高市氏の積極財政は消費税廃止や一律の現金給付ではない

 2025年10月4日の自民党総裁選では高市早苗氏が新総裁に選出された。10月21日に召集される臨時国会で、石破茂首相の後継となる第104代首相に指名される見通しだ。私が疑問に感じているのはリベラル派でさえも高市氏に対して危機感が足りないということである。それどころか、10月10日に公明党が連立離脱を表明したことで自民党が追い込まれていると勘違いしている人も多いようだ。リベラル派は今まで女性の地位向上を目指していたので、内心では高市氏に期待している部分も大きいのではないだろうか。

 withnewsは2021年の自民党総裁選で高市氏や野田聖子氏の立候補に注目が集まったことで、そもそも有権者は女性首相の誕生にどの程度期待しているのか世論調査を行った。「女性首相が誕生してほしい」と回答した割合は男性の18~29歳が50%、30代が52%、40代が49%、50代が54%、60代が46%、70歳以上が43%となっており、女性の18~29歳が72%、30代が72%、40代が68%、50代が57%、60代が58%、70歳以上が43%となっている(図70を参照)。日本社会では若者を中心に潜在的に女性首相への待望論があったと言えそうだ。

 マスコミは高市氏を初の女性首相として持てはやすだろうし、日本維新の会を与党入りさせることでそれなりに長期政権になって消費税を15~20%に増税するところまで話が進むと予想している。高市氏は積極財政を掲げているが、その中身は国土強靭化や中国に対抗した経済安全保障などが中心で、消費税廃止や一律の現金給付については全く言及していない。

 

 また、2025年に入ってから話題となった財務省解体デモはピタリと止むと思っている。彼らは消費税廃止ではなく、石破政権を打倒するために財務省解体デモを起こしていたからだ。私は2012年から消費税に反対してきたが、安倍政権になった途端に増税容認に変節した人物を数多く見てきた。日経平均株価の高騰についても岸田政権や石破政権ではほとんど評価されなかったが、今後は「高市政権でバブル景気が再来する」という報道が増えてくるだろう。

 更に、高市氏が自民党総裁に選出されてから再び矛盾した発言を見せているのが経済評論家の三橋貴明氏である。例えば、2022年6月19日の日曜討論でれいわ新選組の大石晃子氏が「消費税収の多くは法人税減税に消えている」と発言したら、高市氏は「でたらめを公共の電波で言うのはやめていただきたい」と激怒していた。これに対して、三橋氏は21日のブログで「でたらめを電波で流したのは貴女のほうですよ」と厳しく批判した。しかし、2025年10月5日のブログでは高市氏の勝利について「日本国民のためには素晴らしい結果」と評価している。

 私は2010年代から三橋氏の本やブログを見てきたが、そろそろ経済評論家として閑古鳥が鳴いているのではないだろうか。仮に高市氏が消費税増税に賛成する発言をしても、三橋氏は「原発推進のために高市政権を支持しよう」と論点を逸らして擁護してくることが予想される。

 

 

若年男性の貧困や自殺を自己責任で見捨てる高市氏の発言

 それに加えて、高市氏は2012年に安倍元首相が会長を務めていた新自由主義的な政策提言を行う議員連盟『創生「日本」』の研修会で、「さもしい顔して貰えるものは貰おう。弱者のフリをして少しでも得しよう。そんな国民ばかりでは日本国は滅びてしまいます」と自己責任論を思わせる発言をしていたことが問題になった。2021年の自民党総裁選ではフリーアナウンサー膳場貴子氏が高市氏の発言について質問したところ、「おそらくその発言は民主党政権(2009~2012年)の期間中に生活保護の不正受給が非常に多く、その問題にどう取り組むかという議論をしていたときの流れの発言」「現在もコロナで傷んでいる事業者支援の不正受給があるが、あの頃いろんな方法で生活保護の不正受給をする人がいた」と言い訳している。

 しかし、生活保護の不正受給件数は1997年の3717件から2020年の3万2090件まで増加しているものの、1件当たりの不正受給金額は1997年の78.5万円から2020年の39.4万円まで減少している。不正受給件数が増加して1件当たりの不正受給金額が減っているということは、福祉事務所が取り締まりを強化して1990年代であれば不正受給に該当しなかったケースまで不正受給扱いされている可能性が高いだろう。高市氏の発言とは違って、悪質な不正受給は民主党政権よりはるかに前の1990年代のほうが多かったのだ。

 

 また、「女性初の総理大臣」となる予定の高市氏が自己責任論を思わせる発言をすることで若年男性の貧困や自殺が見捨てられるのではないかという懸念もある。例えば、厚労省の人口動態統計から「男性の全自殺者数に占める20歳未満の割合」を調べると、10代男性の自殺率は女性より社会情勢の影響を受けやすいことがわかってくる。受験戦争の全盛期だった1980年代は割合が比較的高く、1994年、2006年、2012年などいじめ自殺が社会問題になった年の割合も女性より増加率が大きい。

 更に、学校の完全週休二日制が始まった2002年は1.39%と戦後最少だったのに対し、新型コロナウイルスが感染拡大した2020年は3.39%と平成以降で最も高くなっている。最近では2024年の2.66%とやや減少する傾向にあるが、リーマンショックやコロナ禍のような経済危機が発生すれば再び自殺率が増加してしまう可能性もあるだろう(図71を参照)。

 その上、国税庁のデータによれば15~19歳男性の平均年収はバブル末期だった1992年の208.6万円から2024年の143.9万円まで64.7万円も減少している。2000年代以降に10代男性の自殺率が増加したのも若者の貧困問題が背景に存在するかもしれない。10月21日に発足する予定の高市政権に対抗するために、私はそろそろ日本もメンズリブ(男性解放運動)の展開を真剣に議論しなければならない時代が来ているように感じられるのだ。

 

 

<参考資料>

今野晴貴生活保護 知られざる恐怖の現場』(筑摩書房、2013年)

 

政府・自民党臨時国会召集を21日軸で調整 当初予定から先送り

https://mainichi.jp/articles/20251008/k00/00m/010/282000c

女性首相、どれだけ誕生してほしい? 世論調査でわかった〝意識差〟

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高市早苗前・総務大臣登場 私が総裁選出馬を決意した理由 三橋TV第434回

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自民党高市早苗政調会長がれいわに猛撃「でたらめを公共の電波で言うのは止めて」

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デタラメを公共の電波で流したのは高市政調会長の方

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財務省リベラリズムの狂気

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高市早苗出馬で極右ネトウヨが再結集

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生活保護制度の現状について

https://www.mhlw.go.jp/content/12002000/000977977.pdf

人口動態調査

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450011&tstat=000001028897&tclass1=000001053058

民間給与実態統計調査結果

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厚労省と国税庁のデータから読み解く10代女性の自殺率が増加している原因

ブラック校則と10代女性の自殺の関係はもっと研究されてもいい

 私は今まで若者の自殺が不自然に急増していることを批判してきたが、10代女性の自殺に限定すると更に状況が深刻なのがわかってくる。厚労省の人口動態統計から「女性の全自殺者数に占める20歳未満の割合」を調べると、まず1980年代は1986年だけが3.29%と数字が跳ね上がっていることがわかる。1986年は当時18歳だった人気アイドルの岡田有希子氏が急死し、若者の相次ぐ自殺が社会問題になった年である。若者のカリスマと言われる芸能人が亡くなると未成年の自殺が急増する傾向があるようだ。その一方で、1986年からは割合が減少していて1997年には戦後最少の1.70%になっている。1997年は10代女性の間でアイドルグループのSPEEDが人気だった年であり、CD全盛期の文化が若者の不満の受け皿になった可能性も考えられる。また、1997年は民間企業の平均年収が467.3万円と平成期で最高を記録していて、一億総中流社会の名残があった時代だという背景も存在するだろう。

 

 その後も女性の全自殺者数に占める20歳未満の割合は2010年代前半まで横ばいで推移していたが、2018年頃から急増して2024年には6.49%になってしまった(図68を参照)。2018年以降に10代女性の自殺が急増している理由について消費税増税や道徳教科化の影響は『若者の自殺を減らすために消費税廃止や現金給付、大学授業料の値下げを実施すべき』の記事でも説明したが、それ以外にはブラック校則の問題が存在するのではないだろうか。教育評論家の荻上チキ氏と内田良氏の調査によれば、近年問題になっているのは「スカートの長さ指定」「下着の色指定」「眉手入れ禁止」「整髪料禁止」など服装に関する校則が多く、いずれも男子生徒より女子生徒に影響しそうな内容ばかりだ。ブラック校則と10代女性の自殺の関係はもっと研究されても良いだろう。

 この他にも、私は日本社会が以前ほど若者の自殺に関心を持たなくなったことも結果的に10代女性の自殺の急増につながっているのではないかと思っている。1980年代から2000年代にかけてはいじめ自殺が深刻な社会問題になっていたが、近年は全体の自殺者数が減少していることで若者が幸福になっていると勘違いした人も多そうだ。

 

 

15~19歳女性の平均年収は1990~2024年に71.3万円も減少した

 更に、10代女性の自殺が増加している背景には若者の貧困問題との関係が避けて通れないだろう。実際に、国税庁が発表した2024年の民間給与実態統計調査によれば全体の平均年収は477.5万円と過去最高を記録したが、男女別や世代別の詳しいデータを見ていくと深刻な問題が浮き彫りにもなっている。例えば、60~64歳男性の平均年収は第二次安倍政権が発足した2012年の447.2万円から2024年の604.4万円まで157.2万円も増加している。安倍元首相は2013年6月の演説で、「国民の平均年収を10年間で150万円増やす」と言っていたが、富裕層の中高年男性の間では2012年以降に年収が150万円以上増加した人も多いのかもしれない。

 その一方で、15~19歳男性の平均年収は2012年の144.8万円から2024年の143.9万円まで0.9万円減少し、15~19歳女性の平均年収は2012年の104.1万円から2024年の95.7万円まで8.4万円減少している(図69を参照)。特に、15~19歳女性の平均年収はバブル期の1990年から2024年にかけて71.3万円も減少してしまった。作家の堺屋太一氏は2002年に「厚生労働省の統計は15歳以上を労働適正年齢としているが、今の日本では15歳で働いて自立できるのは幸運な少女タレントぐらいだ」と述べていたが、2025年現在の日本では10代が芸能人やYouTuberになっても働いて自立できるほどの給与を得ることは難しいのではないだろうか。

 

 しかし、2025年3月の読売新聞では女子中高生の自殺が男子を上回ったことについて「10代女子の医薬品の過剰摂取(オーバードーズ)による自殺未遂が男子よりも増えている」と報道している。これでは未成年の自殺が増加したのは医薬品を過剰摂取する若者が悪いとでも言いたいようだ。10月4日に自民党総裁に選出された高市早苗氏は安倍元首相の熱烈な支持者としても知られているが、安倍政権の教育政策で最大の失敗は2018年から小中学校の道徳教科化を始めてしまったことだろう。だが、政府やマスコミが未成年の自殺の背後には若者の貧困があることを認識しないと、また「子供の自殺を減らすために道徳教育をもっと強化しろ」という流れになりかねないと思っている。

 

 

<参考資料>

荻上チキ、内田良 『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』(東洋館出版社、2018年)

堺屋太一 『「平成三十年」への警告 日本の危機と希望を語る』(朝日新聞社、2002年)

 

人口動態調査

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民間給与実態統計調査結果

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安倍首相 ごまかし論議「国民の年収150万円増やす」

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2024年の小中高生の自殺者数、529人で過去最多

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30代男性が自民党総裁選で小泉進次郎氏や高市早苗氏を支持する理由

若年失業率が最悪だったにも関わらず若者の自殺が少なかった小泉政権

 石破首相の辞任に伴って2025年10月4日に実施される予定の自民党総裁選で最も警戒すべきなのはやはり小泉進次郎氏と高市早苗氏ということになるだろう。石破政権が発足する前の2024年8月に朝日新聞社が実施した全国世論調査で次の自民党総裁に誰が相応しいと思うかについて質問したところ、進次郎氏と答えた人は18~29歳が31%、30代が21%、40代が22%、50代が15%、60代が22%、70歳以上が19%となっており、高市氏と答えた人は18~29歳が6%、30代が11%、40代が7%、50代が13%、60代が5%、70歳以上が5%となっている(図64を参照)。就職氷河期の50代で高市氏の支持率が高いのは「進次郎嫌い」の一環なのだろうが、30代の間では高市氏だけでなく進次郎氏の支持率も高い。30代は石破政権になってから国民民主党や参政党、れいわ新選組など新しい政党を支持する傾向があったが、進次郎氏や高市氏が首相になったら次の衆院選でこぞって自民党に投票する可能性も出てくるだろう。

 

 まず、30代が進次郎氏を支持する理由は父親の小泉純一郎政権の時代(2001~2006年)に10代だった影響が大きいと考えられる。例えば、15~19歳の若年失業率は1979年の4.8%から小泉政権が発足した翌年の2002年の12.8%まで悪化していたのに対し、人口比で見た20歳未満の自殺率は1979年の10万人当たり2.57人から2002年の1.98人までやや減少していた。また、2002年は全自殺者に占める20歳未満の割合が1.56%と戦後最少だった年であり、若年失業率が戦後最悪だったにも関わらず若者の自殺が少なかったのだ。2002年は学校の完全週休二日制が始まって土曜日が休みになったことにより、子供たちの負担が減ったという側面もあるだろう。

 しかし、その後は若年失業率が2024年の3.3%まで改善した一方で、20歳未満の自殺率は2024年の10万人当たり4.15人まで増加してしまった(図65を参照)。一般的に失業率と自殺率は相関関係にあると言われているが、20歳未満ではそうなっていないようだ。特に、20歳未満の自殺率は小中学校の道徳教科化が始まった2018年から不自然に急増している。小泉政権では「荒れる成人式」が問題になったが、今となっては若者が好き勝手に暴れていた時代のほうが余裕はあったと言えるのではないだろうか。

 

 

中年でも親の収入で生活することが許されるようになった第二次安倍政権

 次に、30代が高市氏を支持する理由は第二次安倍政権の時代(2012~2020年)に親と同居する20代だった影響が大きいと考えられる。高市氏は安倍元首相の熱烈な支持者としても知られているためだ。

 例えば、国税庁民間給与実態統計調査によれば2012~2023年にかけての男性の年代別平均年収は15~19歳がマイナス12.0万円、20~24歳がプラス19.2万円、25~29歳がプラス62.4万円、30~34歳がプラス61.5万円、35~39歳がプラス58.1万円、40~44歳がプラス51.3万円、45~49歳がプラス39.1万円、50~54歳がプラス55.6万円、55~59歳がプラス93.7万円、60~64歳がプラス125.3万円、65~69歳がプラス59.9万円、70歳以上がプラス26.1万円となっており、第二次安倍政権以降に賃金上昇率が突出して大きいのは60~64歳だった(図66を参照)。

 

 安倍元首相は2013年6月に各地の演説で「国民の平均年収を10年間で150万円増やす」と言っていたが、富裕層の中高年男性の間では2012年以降に年収が150万円以上増加した人も存在するのかもしれない。2023年当時の60~64歳が1959~1963年生まれであることを考えるとこの世代はバブル期も経験しているし、アベノミクスの恩恵も十分に受けたと言えるだろう。森永卓郎氏(1957年生まれ)や松尾匡氏(1964年生まれ)など護憲派の経済学者が安倍政権を評価していたのも彼らがアベノミクスの恩恵を受けた世代であることを考えると理解しやすい。

 また、1959~1963年生まれはちょうど現在の30代の親世代でもあり、安倍政権が若者に支持されていたと言われるのは自分ではなく両親の収入が増えたからだろう。社会学者の山田昌弘氏は1990年代に大学卒業後も親に依存している未婚者を「パラサイトシングル」と呼んで研究対象にした。親と同居している35~44歳の壮年未婚者はバブル期の1990年は112万人(5.7%)だったが、2016年には288万人(16.3%)まで増加している。しかし、近年では2016年を最後にパラサイトシングルが日本に何人いるのか実態調査すら行われなくなってしまった。貧困層の若者が生活保護を利用すると叩かれる一方で、中年になっても親の収入で生活することが許されるようになったのは第二次安倍政権以降なのだ。若者が大学卒業後に運悪くブラック企業に就職してしまっても、同居している家族が助けてくれれば社会に不満を持つことは少ないだろう。そういう意味では、自民党改憲案24条の「家族は互いに助け合わなければならない」という価値観は既に国民の間に広く浸透しているとも言える。

 

 

進次郎政権や高市政権に対抗するためにリベラル派がすべき教育政策の提言

 更に、前述の朝日新聞社の全国世論調査によれば、高市早苗氏の支持率は男性が11%と女性の4%より倍以上も多いのが特徴的である。進次郎氏や高市氏の主な支持者は30代男性だということができるだろう。この理由については作家の橘玲氏が2018年6月に出版した『朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論』を読むとわかりやすい。

 著者は本書の16~20ページで「森友学園加計学園の問題で失速したとはいえ、全ての世論調査において安倍政権への支持は若い世代で一貫して高い。2017年10月の総選挙で世代別に比例区の投票先を見ると自民党は全体で39%だが、10~20代で52%、30代で43%、40代で42%だ。ただし、男女別に支持率を調べるとはっきりとした違いが出る。自民党への支持が突出して高いのは18~29歳の男性で、女性の支持率(36%)は男性(43%)より低く、若い女性の支持率が特に高いということもない。安倍政権の支持層の中核は10代後半から20代の男性なのだ」と述べ、若者が保守化するのは教育が悪いからだという主張に対しても「学生運動の時代に機動隊に向かって石を投げていたのは、セクト(部族)ごとに色分けされたヘルメットを被った男子学生だった。政治(権力)に過剰な関心を持つのは男で、それも若いほど過激になるというのは歴史や地域を問わずどこでも観察されるヒトの本性だ」と反論している。

 しかし、実際に男子学生だけが右傾化しているように感じられるのは文化論だけでなく、子供の頃に男子よりも女子のほうが読書量が多いというのも理由の一つとして挙げられるのではないだろうか。例えば、2002年の学校読書調査によれば小学校高学年から中学生にかけて1ヵ月に1冊も本を読まなかった子供の割合は、男子で小4が8.4%、小5が11.0%、小6が19.0%、中1が27.5%、中2が41.1%、中3が47.6%なのに対し、女子は小4が1.7%、小5が2.6%、小6が9.6%、中1が15.2%、中2が28.0%、中3が36.2%となっている(図67を参照)。現在の30代が小中学生だった2000年代前半は完全週休二日制が始まって学校の授業時間がどんどん削減されていった時代でもある。学校の授業時間が少なくなるということはそのぶん読書など自主学習の時間を増やしていかないといけなかったはずだ。

 10月4日に誕生するかもしれない進次郎政権や高市政権に対抗するためにリベラル派ができることは消費税廃止などの経済対策だけでなく、小中学校の道徳教科化を中止して学校でもっと読書の時間を増やすなど教育政策の提言を重視していく必要があるだろう。

 

 

<参考資料>

梓澤和幸、澤藤統一郎、岩上安身 『前夜 日本国憲法自民党改憲案を読み解く』(現代書館、2013年)

国学図書館協議会 『特集 '02子どもの読書と学校図書館の現状』(学校図書館、2002年11月号)

 

2025年自由民主党総裁選挙(Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/2025%E5%B9%B4%E8%87%AA%E7%94%B1%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A%E7%B7%8F%E8%A3%81%E9%81%B8%E6%8C%99

次の自民党総裁世論調査で「ふさわしい」上位の6人を分析すると

https://www.asahi.com/articles/ASS8Y0RVQS8YUZPS009M.html

労働力調査 長期時系列データ

https://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.html

令和6年中における自殺の状況

https://www.mhlw.go.jp/content/001464717.pdf

人口推計 長期時系列データ

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200524&tstat=000000090001

安倍首相 ごまかし論議「国民の年収150万円増やす」

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-15/2013061501_03_1.html

親と同居の未婚者の最近の状況(2016年)

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自民党は権力争いに夢中になるのではなく、国民のために消費税廃止を決断すべきだ

国税滞納のうち53.4%が消費税で占められている

 2025年7月20日に実施した参院選では自民党公明党が目標としていた50議席に届かず47議席に後退した。石破茂首相は選挙後に続投を宣言したが、9月7日の午後6時に記者会見を開いて辞任を表明している。

 その一方で、インフレ率や名目GDPの伸びは第二次安倍政権よりも菅義偉政権から石破政権にかけてのほうが大きく、アベノミクスを散々持てはやしていた自称保守派が石破政権を批判するのは矛盾しているとも言える。

 仮に石破政権が参院選敗北の責任を取るのであれば、退陣よりも消費税を廃止して景気対策を行うことが適切ではなかっただろうか。私が消費税廃止を求める理由の一つとして、「消費税は国税の中で最も滞納の割合が多い」という点を指摘しておきたい。

 

 「消費税になぜ滞納金が発生するのか?」については、消費税という税制の仕組みを理解する必要がある。私たちが買い物をするとき、レジでお金を支払っているため、消費税を納めているのは消費者だと思っている方も多いだろう。

 だが、これは大きな誤解で実際に消費税を納める義務があるのは事業者だ。事業者は、決算や確定申告の際に、一定の計算による消費税額を国などに納付する義務があり、そこで消費税を販売価格に上乗せ(転嫁)することが認められている。

 

 しかし、販売価格に上乗せされた消費税を、モノを買うときに消費者が負担するのは事業者が値引きしていない場合で、中小・零細企業の中には少しでも商品を安く売るために、消費税を価格に転嫁できないこともあり、結果的に自腹を切って納税する例が少なくない。その影響もあって消費税は国税の中で最も滞納額が大きく、2024年度に発生した消費税の滞納税額は5298億円と、国税全体の滞納額(9925億円)における53.4%を占めている。

 消費税は法人税所得税と違って、年間売上高が1000万円以上の場合、事業者が赤字でも納税しなければならず、滞納税額が減らないのはそれだけ消費税を納められない企業が多いからである。消費税は事業者が預かる「間接税」ではなく、事業者が納める「直接税」と言ったほうが正しいだろう。

 

 消費税の新規発生滞納額は税率が5%だった1998年度の7249億円から2013年度の2814億円まで減少していたが、その後は徐々に増加していって2024年度には5298億円になっている(図62~63を参照)。日経新聞は2024年度に消費税の滞納が増加した理由について「物価高で人件費などが上昇し資金繰りが悪化しています」と報道しているが、実際には消費税10%への増税インボイス制度の導入によって事業者の負担が増加しているからではないだろうか。

 インボイス制度を考えるフリーランスの会が2025年5月に行った調査によれば、「消費税を負担に感じる」と回答した事業者は90.8%、「インボイス制度に反対している」と回答した事業者は97.3%にものぼっている。

 

 

 

消費税という税制に欠陥があるから滞納が発生する

 だが、国税庁は消費税の滞納が増えているのを問題視するどころか、「自営業者=脱税」のイメージを作ることに必死だ。

 例えば、少し古いが1999年11月25日には前年の1998年度に消費税の新規発生滞納額が過去最多になったことを受けて、「消費税は消費者からの預り金的な性格を有する税であるという趣旨の広報活動を更に徹底する必要がある」という通知を出している。税金の問題に関心を持っている方なら、一度は「消費税は消費者からの預り金」という言葉を聞いたことがあるだろう。

 

 国税庁が子ども向けに広報活動を行っている税の学習コーナーでも、『消費税を通して私たちも納税している』という明らかな間違いを教えている。前述の通り、消費税を納税するのは消費者ではなく年間売上高1000万円以上の事業者であって、子どもたちが『消費税を通して私たちも納税している』という誤解を持つことは、逆に言えば「消費税を納められない事業者は悪質業者」と偏見を助長することにもつながりかねない。

 

 また、2001年5月18日の産経新聞でも「消費税は私たち庶民が少しでも日本の社会が住みよい、安定した姿になりますようにとの願いから必死に納めているものです。その義務を果たさず、納税すべきお金を他に使うのは最も悪質な脱税行為と言っても過言ではありません。どうして新聞はもっと大きく報道して国民に詳しく知らせないのですか? 政治を先頭に消費税滞納の根絶方法を早急に確立することが急務だと思います」と読者から怒りの声を掲載し、「自営業者=脱税」のイメージを作るキャンペーンを展開している。

 

 比較的最近の事例でも、2019年10月1日から消費税が10%に引き上げられると共に軽減税率が導入された際にSNS上で「イートイン脱税」という造語が広まった。これは飲食料品の軽減税率制度のもとコンビニの会計を税率8%の持ち帰り価格で済ませ、外食だと10%になる税率の差額を支払わず店内で飲食する行為を指して生まれた用語である。

 コンビニは持ち帰りが基本的な業務であるため、会計の際に店内飲食(イートイン)の有無をいちいち尋ねたりはしない。イートインを自己申告した者だけが10%分を負担する、つまりは正直者が馬鹿を見るという「不公平感」から生まれた用語で、「脱税」という言葉にインパクトがあったのか瞬く間に流布した。

 

 しかし、消費税の納税義務者は事業者であり、持ち帰りと見せかけて店内で飲食した消費者ではない。消費者同士で「ずるい」などといがみ合うのではなく、事業者(店側)が客の全員に8%の税率で商品を販売した事実通りに確定申告すれば済む話なのである。「消費税」というネーミングにも問題があるが、大多数の国民が消費税の基本的な仕組みや本質を理解していないことを象徴する造語であった。

 

 この他にも、国税庁は過去にタレントを起用したポスターで消費税の滞納者を非難したこともあるが、そもそも消費税の滞納額が国税全体の半数以上を占めているのは、どの事業者も売上に対して一律の額が徴収される「消費税」という税制に欠陥があるからだろう。

 消費税増税を批判する際は、景気の問題だけでなく滞納の問題についても取り上げていく必要があると感じる。

 

 

消費税を廃止して本当の「地方創生」を実現しよう

 自民党公明党が進める経済政策の一つに地方創生がある。地方創生とは、東京一極集中を是正して地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的にしている。

 2014年には、元岩手県知事の増田寛也氏が「何も対策を取らなければ、2040年までに全国896の自治体が消滅してしまう可能性がある」というレポートをまとめた『地方消滅―東京一極集中が招く人口急減』(中央公論新社)がベストセラーになった。

 その一方で、政府が進めている地方創生は必要なインフラ整備を放棄し、「各地方は自助努力せよ。成功しているところは地方交付税を厚くし、上手くいかないところは自己責任」と、各地域の競争を煽っているだけなのではないかという批判も存在する。

 

 だが、私が注目しているのは「地方ほど消費税を滞納する割合が高い」という問題だ。各地域の国税局別に滞納額の割合(2023年度)を見ると金沢が1.41%、東京が1.54%、大阪が2.07%、名古屋が2.14%、広島が2.28%、高松が2.34%、札幌が2.79%、福岡が3.01%、関東信越が3.04%、熊本が3.15%、仙台が3.38%、沖縄が3.77%と地域によってバラつきが存在し、地方ほど割合が高くなることもわかるだろう(表6を参照)。

 消費税増税インボイス制度の導入は政府が進めている地方創生にも大きく反する愚策なのである。

 

 地方のほうが消費税を滞納する割合が多いのは、東京などの都市部よりも経済的なハンデが大きいことが原因だろう。例えば、雇用者に占める非正規雇用の割合(2022年)は東京都区部が27.8%なのに対し、滞納の割合が最も多い沖縄県では37.8%だ。都道府県別の平均年収(2024年)も東京都が644万3800円なのに対し、沖縄県393万5000円(東京都の61.1%)と250万円以上の差がある。

 

 更に、沖縄は全国の米軍専用基地のうち70.3%を負担してもらっている問題を忘れてはならない。しかし、「沖縄の経済は米軍基地に依存している」というのも事実ではなく、県民総所得に占める基地関連収入の割合はアメリカ統治下だった1965年の30.4%から2019年の5.5%まで低下している。今後、沖縄が米軍基地に依存しない経済を築くためには、県民総所得を拡大させてこの比率を更に引き下げる必要があるだろう。

 その点で消費税廃止は国民の個人消費が増加して景気を回復させる他にも、各地域の税負担が減って本当の地方創生が実現するというメリットも存在するのだ。自民党は誰を次の首相にするのかといった権力争いに夢中になるのではなく、国民のために早急に消費税廃止を決断すべきである。

 

 

<参考資料>

歳川隆雄 『フォーカス政治 「石破降ろし」と連立組み替えの行方』 「週刊東洋経済」(東洋経済新報社、2025年8月2日号)

小澤善哉 『図解 ひとめでわかる消費税のしくみ』(東洋経済新報社、2013年)

醍醐聰 『消費増税の大罪 会計学者が明かす財源の代案』(柏書房、2012年)

行政監察情報 『滞納防止策の改善求める 消費税滞納額増で国税庁に意見表示』(官庁通信社、1999年)

斎藤貴男 『消費税のカラクリ』(講談社、2010年)

伊藤周平 『消費税増税社会保障改革』(筑摩書房、2020年)

 

令和6年度租税滞納状況の概要

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国税庁 統計情報

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/index.htm

日本経済新聞電子版のツイート(2025年8月27日)

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2025年 1万人のインボイス実態調査 報告

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暮らしを支える税を学ぼう

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地方創生(Wikipedia

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砂漠で金を稼げと言うのか?「地方を見捨てた」山本幸三地方創生大臣

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令和4年就業構造基本調査

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令和6年賃金構造基本統計調査

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450091&tstat=000001011429

沖縄から伝えたい。米軍基地の話。Q&A Book 令和5年版

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2025年の参院選で30~50代が参政党に投票した理由と財務省解体デモとの関係

30代の参政党の投票率が高く、れいわ新選組投票率が少ない理由

 2025年7月20日に実施された参院選では神谷宗幣氏が代表を務める参政党が13議席を増やして躍進した。今回の参院選でマスコミは参政党が大幅に議席を増やしたのは若者に支持されたからだと報道している。しかし、私はこれにはカラクリがあると思っている。

 まず、日本テレビ出口調査によれば参政党の年代別支持率は18~19歳が23.2%、20代が24.2%、30代が23.2%、40代が18.7%、50代が15.3%、60代が11.6%、70歳以上が5.5%だった。総務省のホームページを見ると前回の2022年の参院選における年代別投票率は18~19歳が35.42%、20代が33.99%、30代が44.80%、40代が50.76%、50代が57.33%、60代が65.69%、70歳以上が55.72%なので、これに参政党の年代別投票率を掛けると18~19歳が8.2%、20代が8.2%、30代が10.4%、40代が9.5%、50代が8.8%、60代が7.6%、70歳以上が3.1%になる。

 ちなみに、同様の手法で計算した国民民主党の年代別投票率は18~19歳が8.3%、20代が8.4%、30代が8.4%、40代が7.2%、50代が6.7%、60代が5.8%、70歳以上が3.2%になっており、れいわ新選組の年代別投票率は18~19歳が2.2%、20代が2.2%、30代が3.9%、40代が5.9%、50代が6.1%、60代が4.3%、70歳以上が1.5%になっている(図61を参照)。

 

 この結果を見ると国民民主党は若者に支持されたと言えるかもしれないが、参政党のメインの支持層は30~50代であることがわかるだろう。まず、40~50代が参政党を支持した背景には1990年代の就職氷河期に加えて、「1999年7月に人類が滅亡する」というノストラダムスの大予言が流行した時代に若者だったことで、「ワクチンを打つとマイクロチップが埋め込まれる」といった彼らの陰謀論的な主張にシンパシーを感じたのではないだろうか。その上、40~50代は参政党の他にも純粋に消費税廃止を掲げているれいわ新選組投票率が高く、自民党立憲民主党を信頼できない層の票が参政党とれいわ新選組に分散されたと言うことができるかもしれない。

 

 その一方で、30代の参政党の投票率が突出して高く、れいわ新選組投票率が少なかったのは同世代として深刻な問題だと思っている。30代が参政党を支持した間接的な理由は、バブル崩壊の時代に物心ついて高校生や大学生のときにリーマンショックの影響を受けた広義の失われた世代だと言うことはできるかもしれない。それに加えて、教育課程審議会の会長としてゆとり教育を推進していた作家の三浦朱門氏は2000年に「できない者はできないままで結構」と発言している。2000年当時の小中学生は1985~1993年度生まれであり、2025年現在では32~40歳になっているため、主に30代で参政党に投票した人が多かったのは三浦氏が提唱した愚民化教育が25年経って功を奏してしまった部分も大きいだろう。例えば、10代の子がSNSの影響で参政党を支持しているのは大人になってから修正が効くかもしれないが、社会人としてそれなりに責任ある立場である30代以上がSNSの影響だけで参政党を支持してしまっているのは取り返しがつかないと思っている。

 それに対し、産経新聞を愛読しているような右派層はゆとり教育に関して「子供たちの学力が低下した」「若者が打たれ弱くなった」などと否定的な見解を示すことがほとんどだが、実際に今回の参院選ではゆとり教育を受けた30代の間で参政党に投票した人が多かった。そのため、皮肉を込めた表現をすれば参政党の支持者にとってゆとり教育は成功したと言えるのではないだろうか。三浦朱門氏は2004年3月号の文藝春秋で行われた自衛隊イラク派遣の是非を問うアンケートで「北朝鮮拉致問題すら当事者として解決する力のない日本にとって、対米追従以外の選択肢はありえない」「もし戦死者が出れば、それは憲法改正のための尊い犠牲なのだと考えたい」と発言しており、日米同盟の強化や教育目的での徴兵制の導入など参政党の政策にも合致しているだろう。

 

 

財務省解体デモは消費税廃止を目指して行われているデモではない

 2025年に話題となった政治運動の一つに「財務省解体デモ」がある。これは財政均衡主義の立場から減税に反対している財務省を敵視してその解体を訴えるという内容のデモだ。このデモは元来、2023年9月から経済評論家の池戸万作氏を中心とするグループにより霞が関での「財務省前デモ」として始められたものだった。その後、2024年10月の衆院選を経ていわゆる「103万円の壁」が問題となり、財務省が減税に難色を示していることが伝えられると、その「解体」を訴える別のグループによるデモが12月に行われる。それを受け、更に別のグループの呼び掛けで2025年2月に行われたデモには1000人にも及ぶ人々が参加した。3月には国会でも議論になり、「等閑視すべきではない」などと石破首相が発言したことが大きな話題を呼んだ。

 

 このデモの背景にあり、その理論的な裏付けとなっているのはMMT(現代貨幣理論)と呼ばれる経済理論だ。それによれば通貨の発行権が有する国は、いくら国債を発行してもその返済のために通貨を発行すれば良いので、債務不履行に陥ることはないという。そのため財政規律に縛られることなく国債の発行を続けて積極財政を行うべきだが、しかし際限なく支出を拡大していくとインフレが止まらなくなるので、インフレが高水準に達したら支出を抑制して富裕層に対する増税を行う必要があるという。財務省解体デモの理論的な支柱となっているMMTは元来、左派的なバックグラウンドを強く持つものだ。MMTの提唱者のステファニー・ケルトン氏は2016年と2020年のアメリカ大統領選挙の予備選で最左派の上院議員バーニー・サンダース氏の政策顧問を務めている。

 しかし、財務省解体デモの現場では実際に左派色はほとんど見られず、それどころか逆に右派色が濃く見られる。あちこちで日の丸が打ち振られ、中には旭日旗を掲げている者もいる。外国人排斥のコールや日本人を称賛するコールが繰り返され、財務省を「反日」、更には「在日」として攻撃するコールもしばしば聞かれた。週刊現代の取材では「米国の歴代の民主党政権の大統領はディープステート(闇の政府)の手先で、世界中で人殺しをしてきたわけでしょ。トランプが大統領に就任して世界を大改革しようとしている」と滑稽な陰謀論を展開する参加者がいたことも確認されている。

 

 また、2025年に入ってから財務省解体デモが盛り上がった背景として参政党の存在を挙げてもいいだろう。このデモの中心人物であった池戸万作氏はもともと国民民主党やれいわ新選組を支持していたが、8月4日のツイートで「れいわ新選組より、参政党のほうが積極財政と消費税廃止の実現に期待できます」と発言している。2025年2~3月にかけて財務省解体デモの参加者が急速に増加したのと、参政党の支持率の上昇が始まった時期は一致している。参政党は「日本人ファースト」として移民受け入れや外国人参政権に反対しているが、実際に埼玉県川口市で在日クルド人の排斥を訴えている排外主義運動の指導者が財務省解体デモに参加して「財務省をぶっ壊し、そして誇りある日本を取り戻すんだ」などと訴えていたこともある。

 だが、参政党の神谷宗幣代表は7月13日の演説で「今回の参院選で躍進してもいきなり50~60議席になるわけではない。次の解散総選挙で、一気に与党入りを目指して頑張りましょう」と発言し、次期衆院選で与党入りを目指す考えを示している。参政党はもともと積極財政を掲げていたが、次の衆院選で与党入りするために消費税廃止の主張も取り下げると予想されるだろう。

 

 それとは逆に私は2025年の都議選と参院選でれいわ新選組のボランティアに入っていたが、れいわの支持者の中で財務省解体デモに参加しているのは一部だけであり大半は冷やかだった。実際に今回の参院選でれいわは1議席しか増やしておらず、財務省解体デモがれいわの党勢拡大につながっていないのは明らかである。8月8日には財務省前でどのようなデモが開催されているのか見学に行ったが、数人が街宣右翼のようにスピーカーで怒鳴っていて近寄りがたく異様な雰囲気を感じてしまった。2025年2~3月と比較して財務省解体デモが退潮したのは参加者のうち参政党の支持者が参院選の結果に満足して離れたことや、当初は左右のイデオロギーに関係ないデモだったが過熱することによって右派層が先鋭化していった可能性も考えられるだろう。財務省解体デモは純粋に消費税廃止を目指して行われているデモではなく、1990年代以降の自民党の経済政策の失敗を財務省に責任転嫁したい目的があるのかもしれない。

 

 

<参考資料>

川口穣、上田耕司、大谷百合絵 「躍進する参政党の正体とは? 『オレンジ旋風』が来た」 『AERA』(朝日新聞出版、2025年7月28日)

伊藤昌亮 「取り残された人々の財政ポピュリズム 財務省解体デモの論理と心情」 『世界』(岩波書店、2025年7月号)

週刊現代財務省解体デモ いったい誰が支持しているのか?」 『週刊現代』(講談社、2025年4月5日)

斎藤貴男 「教育改革と新自由主義」(子どもの未来社、2004年)

 

第27回参議院議員通常選挙Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC27%E5%9B%9E%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E8%AD%B0%E5%93%A1%E9%80%9A%E5%B8%B8%E9%81%B8%E6%8C%99

zero選挙2025(参議院選挙) 全国出口調査

https://www.ntv.co.jp/election2025/exitpoll/all.html

参議院議員通常選挙における年代別投票率の推移

https://www.soumu.go.jp/main_content/000646811.pdf

ノストラダムスの大予言Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%A4%A7%E4%BA%88%E8%A8%80

三浦朱門Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%B5%A6%E6%9C%B1%E9%96%80

池戸万作氏のツイート(2025年8月4日)

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参政党・神谷代表「次の解散総選挙で与党入りを目指す」

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