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日本人のルーツを探る本

 こんにちは!先日の3連休に風邪を引いてしまい、今週はあまり本が読めずでした。なので本日の記事では新たに読み始めたばかりの本の話を。

 

 前回、仏教を調べるために読み始めた梅原猛の本の話をしました。そこから今度は、日本人の精神の根っこを探るためにこちらの本を読み始めました。

 

 梅原 猛 著『日本の深層縄文・蝦夷文化を探る』

 

日本の深層 縄文・蝦夷文化を探る/梅原 猛 | 集英社 ― SHUEISHA ―

 

 日本人たらしめている精神とは、どこからやってきて、そしてどういったものなのか。その謎を解明していくことで、まずは自分の日本人としての立ち位置を固めることができ、そしてこれまで掴みどころのなかった西洋哲学への理解が進められるような気がしています。

 

 なぜ西洋哲学を知りたいかというと、海外の児童文学を学んでいく過程で、向こうの人たちの考え方を知るのに、西洋哲学が手掛かりになるためです。哲学というのは、身近な言い方をすれば、生きる知恵です。困難な状況に直面しても、先人達の考えを知ることでこれまで気がつかなかった新たな視野が開け、事態を良い方へと導いていく、そうした知恵を与えてくれます。例えば、私は、古代ギリシャの哲学者ソクラテスが提唱した「無知の知」が、ひとつの考えに囚われてしまったときに、自分の視野の狭さに気がついて、別の角度の考えを意識するきっかけを与えてくれています。それに、何か失敗することがあっても、知らないより知る経験ができたのはよいことなんだと、できる限り後ろ向きでなく、前向きに自分を励ますことも。

 

 それと、哲学というのは論理的な思考で導き出した答えです。ありがたいことに、その答えとは、疑問や否定的な意見とぶつかっては研磨され鍛えられた状態となって、出会うことができます。論理的な思考法も、児童文学の学びからは逸れますが、哲学を学ぶのならば意識したいところです。

 

 それにしても、論理的に導き出した答えといいますか、ルールといったものに対する拘束度が、海外と比べて日本は柔軟(拘束度が低い)な印象を、仏教の変遷を調べていて感じました。仏教発祥の地インドから、中国を経て、日本に取り入れられた仏教は、その解釈が教えを説く人よって変化し、鎌倉時代には、浄土宗、浄土真宗日蓮宗禅宗と、次々と宗派が誕生しているのをみると、人々がルールをただ信じるというよりも、もっとこうしたらよくなるんじゃないかという、現状維持ではなく柔軟な変化をとる姿勢があるように思えます。それも、上ではなくて、後ろを見ながら前に進むような。ひとりが上昇していくというよりも、水平線全体が上がっていくというイメージで、これは日本人的な意識なのではと自分は考えていたりするのですが、どうでしょうか。

 

 話が哲学に逸れましたが、日本人のルーツを探るために今回紹介している本を読み始めてみると、過去に読んだインディアンの本の内容が思い出されました。

 

 以前、インディアンの本を読んだときに、インディアン研究者たちが日本人とインディアンの間に似た要素を見出していることを知りました。相手を慮る、ともいきの思想、自然に神が宿っている等、それぞれ、海を挟んで遠い地に住んでいるのに、同じ思想というのは不思議ですよね。

 

 最近の研究では、DNAを調べるとインディアンと日本人は共通の祖先であることが分かってきたようで、それを理由に、お互いに共通点があるのを納得していたのですが、梅原猛の本を読んでいて、狩猟民族による共通点という見出し方に、腑に落ちる答えがありそうに思えてきました。

 

 インディアンも、縄文時代の日本人も、狩猟をして生活をしていました。インディアンは、外来ものに触れる前は、部族全体の幸福をみんなが意識していたのが、西洋から資本主義がやってきてからは個人主義(自分の財をため込む)に代わってしまい、部族内で分裂が起こっていったようです。

 

 自分は、この資本主義が来る前の時代の日本とインディアンとを重ねてみていたので、日本でいえば、農耕して集団生活を営む農村あたりを想像していました。共通した思想というのは、そうした貨幣に囚われない運命共同体の中で育まれるのかと考えていました。

 

 それが本を読み進めていくにつれて、狩猟が中心であった縄文時代の人たちに注目がいきます。日本を縄文時代に遡ると、もちろん貨幣文化などなく、狩猟が中心の生活で、その頃といえば、神聖な儀式が執り行われていたようです。また、生きものが神と近しい存在であるなど、インディアンと縄文人の間にいくつかの共通点があるところから、日本人の精神性は縄文時代にまで遡って考えることになるようなのです。

 

 日本人は農耕民族で、そのころに日本人の精神が培われたという考え方が頭の中に漠然とですが貼りついていたので、本によって驚きの発見です。

 

 ということで、縄文人から日本人のルーツを探っていくのには、タイトルにある蝦夷文化、東北の文化が関わってくるのだそうで、その先はこれから読んでいきます。楽しみです。

 

 ではでは、次回もどうぞよろしくお願いします。

 

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