alchemist_380 のひとりごと

元・水の分析屋さんがブツブツ言います

ロジスティック方程式を解く話

【宇垣美里さんの 映画『手に魂を込め、歩いてみれば』についてのコメントから】

少し前、報じられるガザのニュースに憤る私に、かつての友人は「なんのために知るの?」と言った。あまりの価値観の違いに言葉を失い、何も言えなかった。

でも今なら、言える。やっぱり見なくてはならない、知らなくてはならない無関心であることは、誰かの痛みを否定するほどの力があるのだから。

この戦争を未だ止められない世界に生きる者として、受け止める義務がある。変えられないなんて、思わない。

 

無関心であることは、誰かの痛みを否定するほどの力がある

私たちは戦争を止めたい。そして、私たちは戦争を止められる。そう信じることができる人でありたい。いつの日か、私たちが多数派になることを願い続ける力がほしい。

 

 

むか~し習ったかも知れないマルサスの「人口論


マルサスは「人口は人間の本能である性欲により幾何級数的に増加するのに対して、食料は算術級数的にしか増加しない」と唱えました(i)。人口を何とかして制限しなければ、食料資源が必ず不足して、貧困が始まるという危機感に基づいた主張です。

(i) マルサス Thomas Robert Malthus は古典派を代表するイギリスの経済学者。1798年初版の「人口論」に登場した言葉です。年がら年中発情しているホモ・サピエンス、その性欲には限りがない、という、強烈な人間観をお持ちであったのかも。

ちなみに、「幾何級数的」「算術級数的」の例として、N=2tN=30t を比較してみます(人口とそれを養う食糧の量を N、時間を t で表します):

「幾何級数的に増大する」のは恐ろしいことですね

まず、「算術級数的増加」は一般に N = at の形で表現できる。これを t でビブンすると、dN/dt = a となる(たぶん一番簡単な微分方程式)。人口が増加する向きのことを考えるなら a > 0。人口の増加率が定数なのです。

一方、「幾何級数的増加」は N= at (a >1) で表現できる(指数函数的、と言い換えられます)。ここから先はパワーポイントの “数式” で作った説明。

もしかしたら二番目に簡単な微分方程式

dN/dt = AN ということは、人口の増加率が人口に比例しています。幾何級数的に増加する場合は、人口が多いほど増加率が高くなるのです。エラいこっちゃ、です。

どちらも「単調増大」の函数なのですが、幾何級数的だと・・・ 倍の倍の fight 倍倍 fight by CANDY TUNE (ii)。・・・それはそれは恐ろしいことになる。上のグラフのケースでは、t ~8 付近で食糧不足に陥り、奪い合いが始まる・・・焼肉定食、もとい、弱肉強食の世界となっているわけです。マルサスの描いた未来はとんでもない破滅的なものでした。

(ii) 流行を取り入れてみましたが、オジサン的には消化不良も甚だしいです。

 

「幾何級数的」よりは「定常状態」がお好き・・・

いや、それでは単純すぎるだろう、人口が指数関数的に増え続けるなんて、何かがおかしい。人口が増加する一方で、現実には資源・食糧は限られているだろうし、人口密度が高くなると環境も悪化する。であれば、人口増加にはいずれブレーキがかかるはず。最後は一定の人口に落ち着くのではないか

そのように考えたのは、ベルギーの数学者、フェルフルスト Pierre-François Verhulst です(iii)。彼は今日「ロジスティック方程式」と呼ばれる人口増減の予測式を提案しましたが、残念ながらその価値が見出されたのは彼の死後のことだったそう。

(iii) 人口予測に関するフランス語の論文 "Notice sur la loi que la population suit dans son accroissement" を1838年に発表しました。

さて、「ロジスティック方程式」はこんな姿をしています:

11/29 に紹介した形とは違いますが、中身は同じです

増加率 r に「内的」が付いているのは、「ほっといたらそうなる」のようなイメージ。環境収容力 K は個体数 N の限界値みたいなものです。その役割は上の式で N が増大して K に近づくと、カッコの中が 0 に近づき、結果として右辺の値は 0 に近づく。つまり、個体数 N が限界値のK に近づくと、個体数の増加率 dN/dt が 0 に近づく仕組みを作っているのです。

そしてこれは 11/29 の「隣の芝生は青いけど・・・」のとき紹介した式と同じ形です。

変形しただけです

なるほど、N の増大が N の2乗で抑制されていますね。そのおかげでこんなグラフになるわけで・・・

11/29 の図を再掲

世の皆様は、あらゆる分野のめまぐるしい変化の中で生活しているはずなのに、このグラフのように「そのうち一定の状態に落ち着く」ことを無意識のうちに期待しているのではないでしょうか。でもね、そうはいきませんよぉ~ が当たり前だし、簡単に落ち着かない方がよいのが普通なのです。

たとえば、日々の気象が定常状態になってしまったら・・・ 同じところに雨が降り続けるとか、ある地点の気温がずーっと15℃のまま経過するとか。これ、困りますよね? せめて周期的な変化くらいはして欲しいですね。とはいえ、変化の周期が簡単に読めるのもつまらないですね・・・・・・そこそこの刺激はほしいものです。

そこで(え?そうなのか?)、よくある考え方ですが、定常状態の代わりに「平均的な状態」を考えておいて、実際の現象はそこからの「ずれ」が加わったものとして扱う気象庁の「日本の気候変動 2025」にはこんな図があります:

気象庁による解説資料です

地球温暖化が取り沙汰されているところですから、「平均的な状態」でさえ一定値ではなくて、赤線のように右肩上がりになっています。青線で示された5年移動平均も、黒点プロットの各年の平均気温は、赤線から「ずれた」値であって、赤線の周囲に分布している、と考えるのです。

「困難は分割せよ」(ルネ・デカルト René Descartes; 『方法序説』)っていうわけです。もっとも、困難を分割して、それぞれ解決してから、全部ガッチャンコする、なんて方法がウマくいくとは限りません。確かな事例としては、地球温暖化の原因は数々ありますが、個別に影響を評価して足し算しても答えは合わないですからね。そこんところはヨロシクです。

 

ロジスティック方程式を解く

そんなことより、ロジスティック方程式の解を紹介しておきましょう。「もしかしたら二番目に簡単な微分方程式」よりはムツカシイですが、高校生が大学受験で立ち向かう数学のレベルだと思います。

c, C, C', A積分定数(任意の定数)

あとは、初期条件「t=0 のとき N=N0」(物事を考え始めたときの人口を与えるのです)を用いると、具体的な解が決まります。

計算は合っているつもりですが、100%信用されても・・・

このように「解析的に解けた」のですから、上に赤い字で示した式、 t に関する滑らかな函数になっているはずです。できればその姿をお見せしたい・・・・・・

 

・・・・・・こちらの事情ですが、主に計算と作図に使用するために、と環境整備中だった PC が10月に故障。業者さんに修理を依頼したのですが、なんとマザーボードに障害があったとのことでした。あれこれ格闘してもらった結果、今朝、変わり果てた姿で戻ってきました。

いや、そうではないですね。本体まるごと交換していただいたのです。これから少々時間をかけてイジり倒したいと思います。うまくいけば、ロジスティック写像の分岐図など、美麗な図を用意できるかも知れません。

 

言い訳が出てきたところで、今年はここまで~

 

ゆくへもしらぬこひのみちかな

誤って一回「公開する」ボタンをポチッとしてしまいました。まさに「後悔する」でございます。急いで下書きに回収しましたが・・・もしかして、お騒がせしたかと。まずはお詫びから m(_ _)m

 

【TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー】
先月7日の衆議院予算委員会での高市総理の台湾有事をめぐる答弁について、内閣官房が作成した答弁資料が11日までに立憲民主党の辻元参院議員に開示されました。
それによりますと、立憲民主党の岡田衆院議員が事前通告した存立危機事態や台湾有事をめぐる質問に対しては「台湾有事という仮定の質問にお答えすることは差し控える」などと、従来の政府見解に沿った答弁案が記されていました。
高市総理は「戦艦を使って武力の行使を伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」と答弁しましたが、こうした内容の答弁案は開示された資料には含まれていませんでした。
辻元氏はJNNの取材に対し、「高市総理の答弁は個人的見解であることがわかった」とコメントしています。

 

岡田議員は政府としての見解を問うものだったのに、高市総理の答弁は個人的見解であった・・・ってことなのでしょうね。従来どおりという答弁案があるのに、言うと不利になりそうなことを敢えて言った。であれば、そのココロは? と問わざるを得ない。

 

共同通信によるニュース】

高市政権で安全保障政策を担当する官邸筋は18日、「私は核を持つべきだと思っている」と官邸で記者団に述べ、日本の核兵器保有が必要だとの認識を示した。発言はオフレコを前提にした記者団の非公式取材を受けた際に出た。同時に、現実的ではないとの見方にも言及した。核保有発言は、唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」の実現に取り組む政府の立場を著しく逸脱するもので、国内外で反発を招く可能性がある。

高市政権は日本が平和国家として堅持してきた「非核三原則」の見直しなど、安保政策の大規模な転換を検討している

非公式取材で記者団から核保有に対する考えを問われ、官邸筋は核保有が必要だとした上で「最終的に頼れるのは自分たちだ」と説明した。一方「コンビニで買ってくるみたいにすぐにできる話ではない」とも話した。

保有は、核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」とした国是である非核三原則との整合性も問われる。官邸筋は三原則見直しについて「高市早苗首相とは話していない」と述べた。国論を二分する課題だとも指摘した。

 

日本には「原子力基本法」って法律があって、その第二条には「原子力利用は平和の目的に限る」と書かれています。日米原子力協定や核拡散防止条約による制約もあります。核兵器保有は、国内法でも国際協定・条約によっても、できないことになっているのです。さらに、唯一の戦争被爆国として核廃絶や核軍縮に取り組む道義的責任(i) もあります。

(i) 新解さん(第八版)によれば、「道義:人の踏み行うべき正しい道」。横文字なら「モラル moral」 でしょう。これが欠けているせいなのか、多くの政治家センセイ方には「モラール morale」(士気、やる気)も感じられません。「法律で禁じられていないから」政治資金100万円を10回に分けて渡してもらったり、別の事務所を間に置いたり、悪知恵なら次から次へと出てきますが。

官邸筋というからには首相の側近と理解していいんでしょう。安全保障政策担当だというのに国内法も条約も超越するような発言。オフレコ前提で個人の考えを述べたにしても、お立場上まったくダメなことで間違いない。そんなことをする「おマヌケ」な人がどうしてそこにいる? きっと首相ご自身が、「有事」への備えということでドサクサ紛れにゴリ押しして、まず核の持ち込みを実現。そこを足場にして核保有に向かおうと考えているのでしょう。そうでなければ、世間的には認めがたい考えをもつ人をそばに置くわけがない。

あ、申し訳ない。憶測で書いてしまいましたね~ ゴメンナサイ m(_ _)m でも、直接取材しているのでもないので、憶測を重ねざるを得ません。今回の「核保有」発言、個人の考え方の問題ではないと思います。近隣諸国との武力衝突を前提とした話を作り出して、日本は核武装すべきだという雰囲気を醸し出しているのではないですか? いかにもアブナイ人たちだとは思いませんか? 自然災害への備えはもちろん大事ですが、とてつもなく大きな人災(ii) の火種にも気を配っておきませんと。

(ii) 今は亡き後輩の作、回文です。「大惨事は人災だ(だいさんじはじんさいだ)」。私、かつて役所の報告物に「戦争は最大級の環境破壊である」とか書いてみたことがあります。あるエラい人は、その原稿に「気象庁はこういうことを述べる立場にはない」とか書き込みました。じゃあ、環境汚染に関する観測なんかさせなきゃあいいじゃないですか。観測データを得たからには、公開して、評価するのが筋というものですが。

 

ロジスティック写像の話(続き)

まず、12日にご覧いただいた図を再掲します:

分岐の図、再掲します

コントロール・パラメータ a の値と、Xn の収束先となる値のプロットでした。以下、横軸の a の値から真上に引いた線がグラフと何か所で交わるか(そこが収束先です)、観察してみましょう。

a < 3 の範囲では収束先は 1つだけ。a が 3よりも大きくなると、収束先は 2つになります。n を十分大きくすると、Xn は 2つの固定値を行き来する、ということです(周期 2の軌道)。a が 3.45くらいのところでは交点が 4つになります。Xn が 4つの値の間をくるくる振動するのです(周期 4の軌道)。a が 3.55のあたりでグラフはさらに分岐して、周期 8の軌道になって・・・・・・ といった感じで、次々と周期倍加分岐が起こって周期 2k (k自然数) の周期軌道が発生しています。

周期倍加分岐が起こった a の値から少し進んで、たとえば、a=3.6 だと、n をいくら大きくしても Xn が固定値に落ち着くことはありません。「軌道」に規則性がみられない状態になります。さらに a の値を大きくすると、白い隙間「窓」が出てきます(大きくて目立つものは a~3.82 のところにあります)。

改めて全体を見渡すと、きちんとした「相似」にはなっていないのですが、どこかで見たパターンが繰り返されていることに気付くと思います。こういうことです:

部分を拡大すると・・・

a~3.84 付近を拡大してやると、上の再掲図のパターンにそっくりな図が現れました。ということは、下の図の右側、a~3.854 付近を拡大すると、またまたそっくりな図が現れることになりそう・・・・・・といった感じで、どこまでも続きそうですね。
これは、今年 5月の下旬に始めたシリーズの「フラクタル」の性質そのものです。

 

繰り返しの計算で定まるロジスティック写像は、条件によっては規則性のある姿になりますが、そこから外れてしまうと、初期条件のわずかな違いで「ゆくへもしらぬこひのみちかな(行方も知らぬ恋の道かな)」になってしまいます。こういうのは「カオス」の一側面。カオスとフラクタルは、たぶん、同居しています。

 

今日はこのへんで~

 

余計な話ですが:

12日の段階では「国会での議論もそうですが(笑)、コントロール・パラメータを少しずつ、少~しずつずらしたら、予測できないような変化が生じますね」でまとめたつもりでしたが、今日初めに書いたように「少し、少~し」とは言えそうにない変化が始まっているかもです。昭和の頃から、政権与党のやり方としては、誰かが極論みたいなことを放言して、何らかの議論のきっかけを作って、周囲の反応をうかがいながら、最後にはリーダー格の人が「まあまあ」って出てきて・・・というのが繰り返されていましたね。元・水の分析屋さんは、同型対応を見つけるのが好きなので、高市内閣になってからの状況にも相似的なものを感じています。ということで、戦後80年の日本の政治状況は、フラクタル構造をもっているかも知れません。

 

オマエはどう考える?

【内田 樹 さんの言葉】
民主的な組織では、成員たちは決定に参加することができますけれど、同時にリスクを引き受けることもできる。リスクを多くとる人がデシジョン・メイキングにおいてそれだけ大きな発言権を持つことができる。だから、リスクというのは進んで負うものであって、負わされるものではないと僕は思います。
「誰がフリーライドしているか」とか「自分は割を食っている」というような言葉が出てくる共同体は決して長くは持続しません。自分が出した分だけのリターンを求めていいというような集団は共同体にはなりません
共同体というのはある「ミッション」があって、そのミッションの実現のために成員たちが「持ち出し」を受け入れることで初めて成立するものだからです。

 

▷ 共同体のミッション実現のためには応分の負担を。この「応分の」の判断がムツカシイのです。「常識 common sense(英)」ではなくて「良識 bon sens(仏)」の範囲に属するのだと思います。でも、「常識」はお持ち(のつもり)でも「良識」のなさそうな人、いくらでもいますから。

 

続きまして:

【宇垣美里さんの映画評】(女子SPA! によるストーリー)
映画『佐藤さんと佐藤さん』 

「きっと私も誰かを傷つけてきた」収入差、立場の違いがもたらす不均衡の末路

◆ 時の流れは容赦なく、関係を風化し劣化させる
自分とはこんなにも違う人がいるだなんてと圧倒されながら、でもそんなところが魅力的で愛おしくてたまらなかったはずなのに、今はもうその違いがどうしたって許せない。さりとて変われるとも、変わって欲しいとも思わない。ああ、あんなに愛していたはずなのに。時の流れは容赦なく、人の気持ちを、その関係を風化し劣化させてしまう。
◆ 弁護士を志して勉強を続けてきた男女のその後
大学の同級生である活発な佐藤サチと真面目な佐藤タモツは、正反対ながら馬が合い、いつしか付き合うように。弁護士を目指すタモツが孤独な勉強に苦戦し、なかなか合格しないのを見かねたサチは、一緒に司法試験の勉強をすることで寄り添おうとする。サチに教えることでタモツのモチベーションも上がっていたが、結果合格したのはサチのほうだった。さらにサチの妊娠がわかり、ふたりは結婚。弁護士として家計を支えるべく働くサチと、家事と育児をしながらでなかなか受験勉強がままならないタモツ。ふたりの間には少しずつ溝が生まれていく。
◆ 些細でしょうもない喧嘩があまりにリアル
ふたりが出会ってから結婚し、やがて離婚するまでの15年間の軌跡を淡々と繊細に描いている本作。日々の暮らしの中でつい雑に発してしまった無神経な言葉や、疲弊からくる思いやりのなさ、そこから勃発する些細でしょうもない喧嘩があまりにリアルでいたたまれない。
======================================================
仕事を愛し、声の大きい私としては、サチにシンパシーを覚え、卑屈になっていくタモツにどうもやきもきしてしまう。けど、それはきっと精神的な強さは元より、私が金銭的に自立しているからこそ。きっと私は何度となくサチのように誰かのプライドを傷つけてきたことだろう。男女差というより、収入差や立場の違いというものがこの不均衡を生むのだと身につまされた。
どうすればよかったのだろう。考えたって仕方のない if がいくつも湧いては、かえってその不可逆性にぐっと心が傷つく。人が人と生きていくことってなんて難しいんだろう。幸せとは、家族とはなんぞや、と思わず考えてこんでしまった。
======================================================

寄り添うって、どういうことだろう 人の縁はムツカシイ
近くにいると、いつも助けてもらっている人なのに、ついつい欠点が見えてくる
離れていれば、お中元やお歳暮をやりとりするだけのことが、とてもありがたく感じられる
何か割り切りができれば気持ちが楽になるのだろうけど、
そんなこと、簡単にできるはずのない自分がここにいる

 

▷ 割り切りができないからこそ、距離感を考えながらのお付き合いになるのかなぁ、と思います。人間同士の関係を切り捨てるのは簡単ですが、「縁」を回復(再構築)するのはとてもムツカシイもの。心から信頼できる人、寄り添っていられる人、果たしてどれほどいるものか。

 

さらに続きまして:

【内田 樹 さんの言葉をもうひとつ】

大人たちは子どもたちに向かって「競争しろ」と言っています。競争というのは要するに他の子たちの足を引っ張ってでも押し退けてでも、前へ進んで、自分の取り分を増やせということですよね。それが人としての正しい生き方だと教師も親も教えている。
でも、これは根本的に間違っています。人間は他者と協働してゆくことでしか生きてゆけないからです。「競争すること」より先にまず「協働すること」を子どもたちには教えるべきなんです。協働のための作法を教えるのが学校教育の一番基本だと僕は思います。
競争させることで能力が開花するということはたしかに経験的には確かですけれども、それはあくまで能力を開花させるための「一つの方便」にすぎません

 

▷ 競争させることで能力が開花する・・・それは「あること」でしょう。その一方で、運動会の徒競走などでさえ、順位を付けることを避けようとする話も聞きます。他者との比較で一喜一憂してばかりいるのも考え物ですが、他者との違いを認識できないと、互いに協調して助け合うきっかけは得られないかも、ですね。

 

最後に:

GACKT 氏の意見】(切り貼りしています)

オーストラリアで10日から施行された、16歳未満の交流サイト(SNS)利用を禁止する法律を巡って、「YouTubeなどのSNSは危険だから禁止。ではテレビはどうなんだ?16歳以下はテレビは禁止にならないのか? 情報の洪水という意味では構造はほぼ同じ。刺激の強度はテレビの方が高い場合もある。SNS だけを標的にし、テレビを聖域扱いする論理には無理がある」として、「SNS はすでに生活の基盤だ。完全に閉じるのは非現実的で、遠ざけるだけでは判断力は育たない。抜け道も多く、守るべき子どもだけが不利になる。結局、論点は ”道具“ ではなく ”主体性“ だ。テレビでもSNSでも、何を選び、どこで線を引くかを鍛えることが本質。国家の規制より、親も学校も本人もこの情報に溢れた世界で、”どう生きるか“ を教える方が力になる」とつづっています。

そして問いかけ。「問われているのは、自由を奪うことではなく、”自由を扱える人間をどう育てるか“ だ。まったくよくわからない世界になったもんだ。オマエはどう考える?

 

▷ 私が小学生のころからある話。「うちの子は全然勉強しないから、先生、宿題を出してください」って、親御さんが言うんです。もちろん、宿題出しても平気で忘れてきますけどね。何が言いたいかというと、エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走 Escape from Freedom」(1941年)を思い出します、と。自由を獲得したはずの西欧近代で全体主義が台頭した。その根底には、「自由」から逃れ、権威に「服従」しようとする人々の願望があった・・・ 自分で決めるのは大変だから、他人に決めてもらいたいんですよ

勉強は「自分でやること」であって、「他人様に言われてやること」ではないです。で、SNS も「自分が好きでやること」に属するはず。それを他人様に、選りに選って法律で規制されるなんて、ねぇ。だからこその「オマエはどう考える?」なんですね。

 

正解は一つではない・・・否、正解は存在しないかも知れません。システム内に真偽が決定できない命題が存在する。ゲーデル的な、あまりにもゲーデル的な(笑)

 

少しずつ、少~しずつの変化で大違い

今日は「漢字の日

いい字1字 → いい(1)字(2)いち(1)字(2) で 1212・・・というのですが、制定した「日本漢字能力検定協会」さん、苦しすぎませんか。ふつう「いい」は「11」と対応しますからね~ 何だかんだ言っても、「熊」が出ましたし。

 

ニューズウィーク日本版 コラムによると】

ドイツでは「問題熊」という言葉が流行した。重要なのは、今の日本での「熊問題」と似ているようで対照的でもある点だ。一頭出現で大騒ぎのドイツと多数出現の日本、という違いはあれど、双方とも「熊の道理に沿っている範囲の行動なら尊重も考慮すべきで、それを逸脱するとアウト」という論理に収束できそうな気もする。が、なぜかうまく落ち着かない。

これは「外国人問題」と「問題外国人」の関係にも当てはまる話で、私個人は「問題外国人」対応を適切に行うことがまず重要だと思うのだが、世情はどうしても、外国人「全否定」「全肯定」の極論で皆に踏み絵を行わせたがるのだ。嗚呼。

 

似ている言葉で違う概念に誘導する。表向きは「問題外国人」を法の定めによって処罰できるようにしようという主張(i) をちらつかせつつ、移民をどうするといった「外国人問題」一般にまで拡張する。それはそれは見事な?論理すり替えの手法です。私レベルの一般人にさえもバレておりますが(笑)

(i) 法を適切に運用すればそれで済むことがほとんどだと思いますけど。違法行為をやっているのが外国人であるケースをことさらに強調しているように見えるのはなぜでしょうか。

まあ、政権の中心にいる政党の皆さんは、手を替え品を替えで、こういうこと、ずっと昔から続けてます。論点をずらし、論理をすり替える。彼らの世界では「ウソをついたことにはならない(だから許される)」みたいですよ。

 

【なぜ今 国旗損壊罪?】

今国会では「政治とカネ」「円安」「物価高対策」を中心に議論されるはずだったのに、連立の枠組みが変わったら「定数削減」やりましょうよ、で、さらに「国旗損壊罪」まで登場。国民に信を問うたわけでもないのにこの変節。何をやっているのでしょうね。

連立に加われなかった参政党ですが、単独での議員立法で「日本国国章損壊罪」創設に向けた刑法改正案を提出したのは10月27日のこと(https://sanseito.jp/news/n5790/ に掲載されています)。わたくし、非常に不思議に感じられて、大きな違和感を抱いていました。と言いますのも、次の条文を加えようというので・・・

第九十四条の二 日本国に対して侮辱を加える目的で、日本国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。

「国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損」したかどうかは、調べれば分かることですが、「日本国に対して侮辱する目的」かどうかを、誰が決めるのだろうかとか、この人たちは思わないのかなぁ。2016年にあった「保育園落ちた日本死ね!!!」(ii) の問題。「死ね!!!」という尖った言葉は、国を侮辱するために発したのではなくて、絶望的な状況におかれた母親の憤りと怒りの表現だったはずですね。ですが、「死ねとは何ごとだ」といきり立った人が少なからずいました。「日本」が付いていたから侮辱だと思ったんでしょうね。それはもう、短絡的ですね。あなただって似たような境遇に置かれたら、「死ね!!!」とか「クソ」とかくらい言いたくなるでしょうに(あるいはもっと汚い言葉で罵るのではないでしょうか)。

(ii) これは「待機児童の問題」を厳しい言葉で提起した、ととらえられましたが、安倍総理(当時)が「匿名なので起こっていることを確認しようがない」と発言したこともあってか、流行語になりました。国のトップが、顔が見えない人の話は聞くことができない、調べるには及ばない、と述べた。そう受け取られて当たり前の発言でした。

さて、この条文、下手に運用されると、実際にあった例ですが、日の丸にバツ印をつけてデモ行進でもしようものなら、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金になる。そういう法律になるわけです。そんな日本は嫌いです。私のこのブログだって、すぐやり玉に挙げられるでしょうからね。

そうそう。ついでですが、法案の提出理由(by 参政党)が、まあ奮っていますので、謹んで紹介しておきます。

日本国に対して侮辱を加える目的で、日本国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損する行為についての処罰規定を整備する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である」と書いてあります。条文の言葉がそのまんま提出理由に入っているのです。こりゃまた見事なことで。はっきり申し上げて、これじゃあ理由になってません。私レベルの一般人にさえもバレておりますが(笑)、学生さんのレポートなら手直しが入るはずのレベル。少しは格調というものが必要ではないでしょうか。もっとしっかり作文してください。

それにしても、自民と維新。ずいぶん前から議論されてきた「選択的夫婦別姓」に対抗するように、問題が何一つ解決しない「旧姓使用の拡大」を持ち出すし、目下最優先事項のはずの物価高対策においても、「積極的財政出動」という名前の補助金とか支援金とかのばらまきらしいし、「国旗損壊罪」もここに加わりそうです。ドサクサに紛れて、もの申す一般人を黙らせることをお望みなのか。少しずつ、少~しずつ、戦争に負ける前に戻そうとしているのかも知れないですね。もちろん、そんな日本は大嫌いなのです。

 

漢字の日に、感じ悪い話題でした。

 

スタート地点をほんの少しずらしてみる

 0.1 からスタートしていたロジスティック写像、0.100001 スタートにしたらどうなるか。コントロール・パラメータ a のいくつかの値について観察してみましょう。

a=3.88 のとき:

青い線が 0.1 スタート赤い線が 0.100001 スタートです

青線のグラフに赤線を重ねて描いていることにご注意。ステップ数(横軸)20のあたりまではほぼ同じ値をとっていますが、その後はずれが大きくなっていきます。ピークの大きさも、登場するパターンも違っています。

 

a=3.93 のとき:

ここでも青い線が 0.1 スタート赤い線が 0.100001 スタートです

値がそろっているのは、ステップ数15あたりまで。そこから先は、青い線がずーっと見えていて、変動のパターンが異なることが分かります。

 

a=4 のとき:

ここでも青い線が 0.1 スタート赤い線が 0.100001 スタートです

そもそも、a=4 のときは 区間 (0, 1) の間の値をほとんど不規則と思われるように動くのですが、ステップ数13くらいから先は、青い線がずーっと見えていますね。やはり変動のパターンがまったく異なっているのです。

少しずつ、少~しずつずらしたら、予測できない変化が生じます。

 

コントロール・パラメータ a と取り得る値の関係

ロジスティック写像を初めてとりあげたのは 11/29 の投稿。Excel で作成したグラフを観察すると、次のようなことが分かります:

a=3.2 のときは、 0.799455・・・ と 0.513044・・・ という二つの固定値を往復する

a=3.55 のときは、4組ある二つの固定値を周回するように見える

a=3.58 になると、それらの固定値の周辺でランダムな値を取るように見える

また、前回 12/06 には・・・

a=3.5 のときは、4つの値を周回する

ということも見ています。

これだけではつまらないので、a を変化させると変数 xn の取り得る値はどうなるか、これまた Excel でグラフにしてみました:

正確さを欠いていますが、2.9≦ a ≦ 4 の範囲で

a=3.2 のところを上にたどると、なるほど二とおりの値を取っています。a=3.5 のところが 2つの値と 4つの値に分かれるギリギリの場所になっていいます。a=3.55 のところでは 4つの値ですが、a=3.58 になると、その4つの値の周辺でバラつき始めています。

細かいところまで観察すると怪しいことになっていますが、これは Excel で通常使用する数値の精度の問題だと思っています。といいますのも、色々なサイトで「これがホンモノ」というグラフが出ていまして:

私が Excel で試作したグラフとは、分岐の発生する場所も違いますね

とはいえ、a=3.82 付近に見える白い隙間(しばしば「窓」と呼ばれます)は何とか表現できている。雑な仕事の割りにはまずまずの戦果ということで、大目に見ていただきたいです。


ロジスティック写像は、xn+1 = a xn(1-xn) で表現されています。xn+1 の値は xn によってきちんと定まるはずなのに、最後に示したグラフからは、a の値によっては変数がどんな値を取るか予想できない・・・そんな性質が見て取れます。

 

国会での議論もそうですが(笑)、コントロール・パラメータを少しずつ、少~しずつずらしたら、予測できないような変化が生じますね。

 

今日はここまで~

 

個人差は小さいが、少しの変化で大違い

クマ出没注意・・・

いま世間の話題の中心は「クマ出没」だと思いますが、元・水の分析屋さんは違和感を拭えなくなっています。なぜ「出没」というのだろうか。「出」だけでなく「没」も伴っているからには、出たり隠れたりしてくれないと。ここのところ、クマ出っぱなしではありませんか。

新解さん(第八版)には、

出没:㊀〔幽霊・強盗・痴漢・獣など好ましくない存在が〕時々姿を現すこと ㋥ 姿を見せたかと思うと、すぐ見えなくなること

とあります。ということは、新聞によりますと、現状においてもなお、「時々」姿を現しているとか、姿を見せたり隠れたりとか、といった範囲であるということですか。そうか、そうですか・・・ きっと「語感」の個人差に属することですね。それなら仕方ない。

 

おこめ券・・・

そういえば、「価格は市場原理に任せる必要がある」はずだった米。じゃあ、なぜ「おこめ券」を配布して、期限内に使いなさいなんていうのかなぁ。生産量に関しても、需要予測に応じて調整したに過ぎないという意見もあるらしいですが、市場原理に任せるのなら、農水省(ハッキリ言って農水と書くべきだと思います)が介入しちゃダメでしょう。モノやサービスの需要と供給のバランスにともなって価格が上下して均衡点に近づく(これが市場原理)のを待たないと。政治家の意図や発言が米価に直接影響するのは反則です。

まあ、これまでも自民党が主役の政権においては、国会での議論を経て法律で決めるのではなく、面倒なことが少ない閣議決定で物事を動かしてきました。いま農水相の様子を見ると、高市内閣は従来どおりのことをまだ続けるつもりなのでしょう。必要なことが速やかに行われるなら、それでいいではないか。そうか、そうですか・・・ これも物事の決め方の公正さの受け止め方に個人差があるからですかね。それなら仕方ないよね~

 

そういえば・・・

石破氏は高市氏を背後から撃っている、と批判される向きもあるようですが、高市氏は石破総裁(当時)に一切協力しませんでした。足を引っ張りはしたみたいです。公明党が連立から離脱したのも、高市氏が裏切られたように語る人がいますが、公明党側からみれば、いいだけ利用されたという評価のはず。「台湾有事」発言にしてみても、しつこく訊いた方が悪いという話がありますが、「従来どおりの姿勢で取り組んでいきます」「何も変わることはありません」と「丁寧に」答えればよかったのに、若干やり損なったのではないでしょうか。高市氏は正しいことを言っている、過剰反応する中国が悪い、という意見がありますが、中国がメチャクチャ怒っているのは事実でしょう。責任者出てこ~い、と言われて出てくるべきは誰ですか? 答弁したご本人ですよね。

また、初めての女性総理ですが、選択的夫婦別姓はどうしても認めたくないんですね。「選択的」なんですよ。やはり物事は「強制的」にやらないと気が済まないのですか。

高市氏を強く推している方は多いのですが、ボロクソに言う人も多くたって、そりゃあしょうがないですよね~ そこらへん、感じ方に個人差があるだけのことではないでしょうか。

 

・・・・・・ そんなことより、ロジスティック写像やりましょうよ。

 

ロジスティック写像の話題、続き

前回の最後、コントロール・パラメータ a を 3.55 と 3.58 にしたときの様子を観察しましたが、Xn の値をステップ数 n に対する折れ線グラフにしてみるとどうなるでしょうか、というのがこちら。

n=100 まで示します

a=3.55 のとき、2本線の棒書きが4組あるように見えていたのは、赤い破線で示した4組の接近した値を周期的に動く「軌道」であったことが分かります(周期 8で一巡します)。そして、a=3.58 になると、その「軌道」が緑の破線で示した値の周辺を揺らぐようになっています。規則性、周期性が崩れて、怪しくなっているのです。

さらに、a を 3.8 とか 4 とかにしたらどうなるか。

完全にランダムではないはずですが、周期みたいなものはないかも

a=3.8 のグラフ、赤丸で囲んだ高・低の順にならぶピークの対に注目しましょう。値はほぼそろっていますが、間に黄色の楕円で囲んだ変動パターンがあったりなかったり・・・そのうち、緑で囲んだ似た形の変動パターンに移り変わっていたり。どうやら定まった「軌道」はないようです。

a=4 になると、登場する値の範囲が広がり、1 に近いピークからほぼ 0 の谷底まで変化しています。ピークも谷底も、周期らしいものはまったく感じられませんね。

ここでは時系列的な表現で観察しましたが、視点を変えてみましょうか。

 

ロジスティック写像の図式解法

ロジスティック写像 xn+1 = axn (1-xn) を、横軸を xn 縦軸を xn+1 にとったグラフで表現してみましょう。まず、a=4 の場合をみておきます。

原点 (0, 0) から (1, 1) まで右上がりの線を利用する

赤い放物線は xn+1 = 4xn (1-xn) のグラフですね。そこに xn+1 = xn  を表す直線を重ねてみます。こうしておくと、グラフ上で xnxn+1 とした列を次々に求めることができます。上図では x0 = 0.2 からスタート。上に向かうと点 (0.2, 0.64) に当たります。つまり、x1 = 0.64。そこから横軸に平行に進んで斜め45°の線に当たった点 (0.64, 0.64)。そこから縦軸方向に進んで放物線に当たったところが x2 の値を与える点 (0.64, 0.9216) です。以下、同様にグラフをグルグル周りすれば 列{xn}(n= 1,2,3,...)が得られる仕組み。これだと xn~ 1 のとき、次は xn+1 ~ 0 になるなどの挙動も、視覚的に分かりやすいと思います。

次に、a=3.5 の場合。放物線の高さは 3.5×0.5×(1-0.5) = 0.875 になります。

最後は 4つの値を周回するコースに入っている

 x0 = 0.1 からスタートした黄色いコース。最終的に青い線で示した周回コースに落ち着いているようです。小数第4位まで書くと(0.3828, 0.8269, 0.5009, 0.8750)の順でずーっと回っています。どうでもいいことですが(i)、この 4つの値は、ロジスティック写像 xn+1 = 3.5 xn (1-xn) の「4周期点」である、といいます。

(i) 周期点は、コントロール・パラメータの値を変えると、分岐によって 8周期、16周期・・・・・・ と、どんどん増えていくから、もうどうでもいいのです。

 

今回はここまで~ 次回は、初期値をわずかにずらしただけで、まったく予期できない違いを生じる話です。 0.1 からスタートしていたロジスティック写像、0.100001 スタートにしたらどうなるか。

 

隣の芝生は青いけど、少しの変化で大違い

ネット上でみかけた話:

東京だと年収1000万円越えでも車も家も買えず、子供1人育てるだけでも死ぬほど大変。なのに、地方に行くと20代でマイホーム&マイカー持ちの世帯がイオンで楽しそうに買い物してる世界線が普通にある。果たして東京にいる意味ってあるのか…?

 

こんな問いかけがネット上に出てました。しょうもない疑問を公開して、他人の意見を求めようとするのはなぜ? ご親切にも、これを取り上げていたサイトでは、どちらが正解というものではなく、「刺激とチャンス」にお金を払うのが東京。「広さと安定」にお金を払うのが地方・・・なのだそうで。 大勢に答えてもらっといて、何じゃそれ。そもそも問いかけ自体、何ら対立する概念になってないじゃないですか。二択問題のように仕立てたのはなぜですか。署名のある記事でしたので、責任はすべて筆者にありますが、まあ、意味のないことを・・・・・・

 

さて、元・水の分析屋さん、釧路にも勤務していましたが・・・

ネットで有名になった看板 中標津に実在したもの

中標津にかつて実在した看板。今は「イオン釧路店」まで 115km となっているかも知れません。これを見て地方は「広さと安定」なんて言えますか? たぶん、「イオンで楽しそうに買い物している」とか、勘違いしている人には理解不能でしょうね。でも、この先、工夫次第でどんどん変わっていける「刺激とチャンス」は大いにあるでしょうから、広~い北海道(札幌周辺などでは大したことない)に移住しましょうよ。広さも安定も、刺激もチャンスも、全~部得られますよ、きっとどうせ勇気がないんでしょうけど!

自分が意味を感じられないことならやめればよい。頑張るだけの価値があると思うならやればよい。選択する自由も、得られる結果も責任も、全部あなた自身にある。ただ、隣の芝生が青いことくらい知っておいた方がよいと思うんですよ。あるいは、ベネフィット benefit は得たいけど、リスク risk は負いたくないのかな? 相当な「おこちゃま」でちゅね~

 

昔捕ったシノヅカと昔取った杵柄

ジャイアンツの篠塚選手は守備の名手。これはムリだと思われるゴロも捕って、華麗に捌きました。そこで「昔捕ったシノヅカ」といいます。ということで(!?)「昔取った杵柄」もプラス評価の褒め言葉と思ってよいのでしょうか。

「言葉の意味辞典」によると、「使用時の注意点と TPO」として・・・

「昔取った杵柄」は基本的に褒め言葉ですが、使い方によっては失礼になる場合があります。特にビジネスシーンでは注意が必要です。

○ 目上の方に対しては「お若い頃に身につけられたお技が光りますね」など、より丁寧な表現を使う
○ 年齢を気にされる方には「経験が活きていますね」など、年齢に触れない表現を選ぶ
○ 公式の場では「長年の経験が感じられます」など、よりフォーマルな言い回しを使用する

・・・ とあります。いやいや、青い字にしたところなんか、失礼にしかならないと感じちゃいますよ(i)。元・水の分析屋さんの感覚だと、自分のことを言うぶんには問題ないけれど、気を遣わなくてはならないような他人様には使わない方がよい、といったところです。ジイさんたち、ホントめんどくさいから。

(i) 何ぃ? 光るだとぉ? 誰の頭を見てゆうとるんじゃぃ! なだめるためには増毛(ましけ)のお酒「国稀」などお勧めしたいです。

\(・_\)それは(/_・)/おいといて、私の「昔取った杵柄」は、Excel のハードユーザーであったことです。今回は、特殊な関数もマクロも使わない。計算するセルが多いだけ。グラフ作成のためにちょちょっとイジってみました。成果をご覧ください:

 

ロジスティック方程式 と ロジスティック写像

ここでは形式的なことの紹介にとどめますが、こんな形の微分方程式を「ロジスティック方程式」といいます:

今回は内緒にしますが、解析的に解けてしまいます

たとえば、ですが、閉鎖的な湖水における特定の魚種の生息数 を X とし、A はその増殖率の表現、B は増殖の抑制要因の表現、といったところで考えてみます。まず、A>0 なら X は増大、A<0 なら減少に向かうセンスです。しかし、閉鎖的な湖水という限られた領域では、魚の分布密度が高くなると、エサの取り合いなどで生活環境は悪化します。そこでマイナスのついた B で X の増大が抑えられるようになっています(しかも、生息数 X の 2乗で利いてきます)。結果、こんなグラフになります。

解析解のグラフは t < 0 の部分まで描かれています

しかし、微分方程式がいつもいつも解析的に解けるわけもなし。コンピュータで無理やり数値計算するしかないのが普通です。「微分のことは微分で、自分のことは自分で」済ませたいのはやまやまですが、そうもいかないときは遠慮なく、強引に数値計算に向かいましょう。そのためには、微分を差分に書き換えなくてはいけません。

 

ロジスティック方程式を「差分」で表現します。微小な時間間隔 Δtnn+1 にステップが進みます。X の微小な変化量 dX は xn+1- xn で表されて・・・

そういうことになっている

係数 A, B を整理すると最後の式の形になります。高校生の数学では「漸化式」と呼ばれますが、もっと一般的には「xn から  xn+1 への写像」になっています。これがロジスティック写像で、係数 a は「コントロール・パラメータ」と呼ばれます。

コントロール・パラメータで何が変わる?

係数 a は何をコントロールするのでしょうか。まずはテキトーに a=4,  a=3.2 として、x0 =0.1 から計算を初めます。500回の繰り返しの結果を、横軸に xn 縦軸に xn+1 をとってプロットしました:

a=4 だと上に凸な二次関数のグラフに落ち着きそうですが・・・

係数 a が大きいほど縦軸方向に拡大されることは分かりますが、 a=4 のときは プロットが横軸の区間 (0, 1) 全体にわたっていたのに、a=3.2 にすると (0.5, 0.8) くらいの範囲にしかプロットがなく、間がスカスカになっているようです・・・ 計算の繰返し回数 nxn の関係を見ると・・・

a=4 と a=3.2 では、まったく違うことが起こっている

知ってはいたのですが、こうやってプロットを作るとなるほどと十分に納得できます。a=4 のときは xn の値は確かに区間 (0, 1) の全体に満遍なく散らばっています。ところが、a=3.2 の場合は途中から2本線の棒書きになっています。最初の数ステップの数値を示しましたが、ばらついて見えるのはそこまでで、n=25 あたりから先は 0.799455・・・ と 0.513044・・・ という二つの固定値を往復するだけになっているのです。

もうちょっとだけお付き合いを願って、a=3.55 と a=3.58 の様子を。

2本線の棒書きが複数組になり、その間がランダムになり・・・

a=3.55 だと2本線の棒書きが4組あるように見えますが、ちょこっとずらして a=3.58 にすると、4組の棒書きの周辺にプロットがランダムに散らばってきています。

 

コントロール・パラメータをいじるだけでもっと楽しめそうです! もちろん次回に続きます。 でも、今回はここまで~

 

黒潮大蛇行を振り返る (4)

産経新聞のニュースより】

自民党石破茂前首相は、昨年10月の首相就任前に意欲を示した選択的夫婦別姓制度の導入が実現しなかった理由について、党内でかたくなな抵抗に直面したためと説明した。「絶対にダメだという人がいるから。夫婦別姓にすると『家族が壊れる』と。本当にそうですか? みたいな所はあるが、『絶対そうだ』と言われると、話が先に進まない」と語った。 慎重派の主な意見について「『親と子供の名前が違うと、郵便配達の人が困るのではないか』という。

 

なるほど、たとえ選択的であっても夫婦別姓には反対というのは、郵便配達の人の都合にまで配慮した上でのこと、わたくし、感服いたしました・・・なわけないでしょ! 国民的アニメとなった「サザエさん」。磯野家の系図を見てください。

サザエさんは旧姓「磯野」 フグ田家は磯野家に同居

一昔?前「マスオさん現象」というのがはやりましたが、フグ田マスオさんは磯野サザエさんと結婚後、妻実家(=磯野家)に同居しています。親・子二世代、それぞれの夫婦はもちろん同姓ですが、磯野とフグ田、二つの姓でも家族みんなで同じ屋根の下で暮らしています。これ、家族が壊れてますかね? 現実問題として、一つの玄関に二つの苗字の表札がかかっているくらい、何も珍しくはありません。それなのに、郵便配達の都合を理由に夫婦別姓はいけないと。自民党内の慎重派という一部の方は、親子二世帯住宅とかいう事情には関わりなく、そう考えるのですか?

どこが慎重派やねん。サザエさんも知らんし、アホなだけやん。どうして郵便配達の人が困るのですか? まったくの的外れです。しょうもないことで騒ぐ人は、政治家なんかやめて、マジメな議論の輪に加わらないでください。

ちなみに、サザエさんたちの家は、泥棒に入られたエピソードは何度かあったようですが、郵便配達の人が困ってしまった場面にはお目にかかっておりません。郵便物も宅配便も、苗字はさておいて、まずは住所をみて届けてくれるものでしょうから、国民的アニメでなくても当然です。

というわけで、石破茂前首相がウソをついているのでなければ、「慎重」派は郵便配達の人が困るのと家族が壊れるのを同列にした、とってもおかしな主張を振りかざしていることになります。もしかしてだけど、ホントは「慎重」でもないし「身長」も高くないんじゃありませんか?

こんなことでいきり立ってる「ちっちゃいオッチャン」は、後ろ指さして嗤ってあげないといけませんね。よろしかったら、シークレットシューズをご用意しましょうか。あるいは、オムツ、じゃなかった、オツムのネジだけでも締めときましょうか? 事前予約いただけるなら、各種工具を揃えてお待ちしてますよ。あ、さび付いていたりして手間取るようなら、「まず叩く」から始まりますし、作業工賃も余計にいただくことになります。まあ、そこんとこヨロシクです。

私、理屈にならない話をしてるくせに、エラそうな態度をとる人は大嫌いです。そちらから見れば、理屈だとか何だとか言っては噛みついてくるヤツなんでしょうが、このくらいの悪態なら「おあいこ」でいいじゃないですか。まあ、大目に見てやってください。わたくし、我が身を省みず選挙に出馬するような、大それたことは考えてもいませんから。

 

「平均的な海況」に出会えなくなっている?

元・水の分析屋さん、現役引退を前に、自分の専門分野(海洋の現象・水の化学)に関する基礎知識をまとめた資料をいくつか作りました。その中で、北海道および東北地方の周辺に現れる水塊(海流)を紹介しようとして用いた図がこちら:

海面水温のスナップショットで説明 ここでは旬平均100m深水温を添えた

ご覧のように、100m深水温図(右上)で解析されている暖水渦やパッチ状に分布する冷水域は、海面水温の場にははっきりとは出てきません。それでも、北海道の南東側には親潮の領域があり、津軽海峡からは津軽暖流が流出していること、房総半島から東に向かう黒潮続流の蛇行や、暖水渦や冷水域が形成されている様子など、おおまかに見て取れます。そう、元・水の分析屋さんが三陸沖の海況を説明するときに一番大事にしていたのは、

親潮黒潮続流は直接出会ってはいない

親潮黒潮続流の間には「混合域」と呼ばれる領域がある

③ 混合域には暖水渦や冷水域が入り乱れて存在する。水は簡単には混じらない。

これを理解してもらいたかったです。何しろ、多くの人は、子供の頃から社会科で「三陸沖には寒流の千島海流親潮)と暖流の日本海流黒潮)がぶつかる潮目があり、魚が多く集まる好漁場となっています」と教わってきたので。

そもそも寒流・暖流ってあまり言わないし。世界的には、千島海流とか日本海流よりも親潮 Oyashio 黒潮 Kuroshio の方が通用するはずだし。黒潮、房総半島を離れてからは黒潮続流だし。何より、親潮黒潮は直接ぶつかってないし混じってないし! ・・・なんですけどね。

それにしても、上の図のような水塊の配置、最近あまり見かけないような気がします・・・ 平均的な海況とか、ウソの説明してたかも知れないですね・・・ m(_ _)m

 

極端な事例を3つご覧ください

たとえば、なのですが、平均的ではない感じの図(100m深水温と50m深海流)を並べてみました:

親潮の広がりや沿岸域での南下、黒潮続流の北上に注目

左からそれぞれ、2021年4月中旬、2022年3月上旬、2023年6月中旬の状況です。

2021年4月中旬の100m深水温、5℃以下の青い領域(親潮にあたる)が広がっていますが、これでも「平年並」です。釧路沖まで北上して冬を越した暖水塊(i) がうっすらと残っています。気になるのは、北上してきた黒潮続流の水と、145°E 線でかなり接近しているところ。

(i) 中心水温 4℃くらいで、親潮域にほぼ埋没していますが、前年10月には10℃くらいありました。冬の間に海面から冷却され、100m深まで達する対流が生じて冷えたのだと考えられます。

2022年3月上旬の図は、144°E 線あたりから東側はおいといて、143°E 以西の三陸沿岸に注目です。100m深水温5℃以下で定義された親潮、「沿岸寄りの分枝」といいますが、その南限位置は3月を通して 37°N, 142°E 付近にありました。ここまで南下したのだから当然ですが、142~143°E で黒潮続流の水とほぼ直接出会っているように見えます。

2023年6月中旬。こちらは、黒潮続流が 40°N 付近まで北上しております。この北限緯度は、もちろん、平年よりも北。一方、釧路沖(北海道の南東方)には 100m深水温5℃以下の親潮水は見られません。

 

とまあ、親潮黒潮(続流)がほぼ直接に出会うようになってきたみたいです。最後の黒潮大蛇行の後半、新型コロナによる「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」になっていた時期、三陸沖~本州東方の海域でも、まあ、従来ほとんど見られなかった色々なことが起こっていたのではないか。相互に関係性があると思うか思わないかは、あなた次第です。 何だろうこの都市伝説的な話し方 www

本当はね、元・水の分析屋さんは、地球温暖化の一側面として、「地球規模、大陸規模、海盆規模での熱エネルギーの輸送」の仕組みが変わってきたのかも、と勝手に考えています。偏西風が南北にうねるのも、黒潮続流が南北にうねるのも、南北方向に熱を運ぶ必要があるから。それを実現するのに有効な物理現象が生じているのでしょう。地球というシステムは、私たちが想像している以上に、生きています。

 

今日はここまで~