2026年1月3日、とんでもないニュースが飛び込んできました。
なんとトランプ米大統領が、ベネズエラという国に対して空爆を行い、その国のトップであるマドゥロ大統領夫妻を捕まえたというのです。
「え、そんなことって本当にあるの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
まるで映画のワンシーンのような話ですが、これが現実に起きているんですよね。
この作戦には「Operation Absolute Resolve(オペレーション・アブソリュート・リゾルブ)」という名前がつけられました。
日本語に訳すと「絶対的な決意作戦」という意味になります。
そもそもアメリカとベネズエラって、どうしてこんなに仲が悪くなってしまったのでしょう?
実はこの問題の裏側には、単純な政治のケンカだけでなく、「石油」という超がつくほど大事な資源をめぐる争いが隠れているんです。
今回は、この複雑な問題を一つひとつ紐解いていきますね。
アメリカとベネズエラの仲が最悪な理由
アメリカとベネズエラの関係がおかしくなり始めたのは、1999年のことでした。
この年、ベネズエラでウゴ・チャベスという人が大統領になったんです。
チャベス大統領は「ボリバル革命」というスローガンを掲げました。
簡単に言うと「アメリカの言いなりにはならないぞ!自分たちの国は自分たちで守るんだ!」という宣言みたいなものです。
それまでアメリカとベネズエラは、いわば「仲良し」の関係だったのですが、この宣言をきっかけに雲行きが怪しくなっていきます。
そして2007年、決定的な出来事が起きました。
チャベス大統領が「石油産業の国有化」を行ったのです。
「国有化」というのは、簡単に言えば「この国にある石油は、全部うちの国のものにします」という政策のこと。
これが何を意味するかというと、それまでベネズエラで石油を掘っていたアメリカの会社が、一方的に追い出されてしまったということなんです。
特に大きな被害を受けたのが、エクソンモービルやコノコフィリップスといったアメリカの超大手石油会社でした。
エクソンモービルに至っては「約100億ドル返せ!」と裁判を起こしたほどです。
100億ドルって、日本円にすると1兆5000億円くらい。
これだけのお金を突然「没収します」と言われたわけですから、アメリカが怒るのも無理はありません。
この出来事をきっかけに、アメリカはチャベス大統領のことを「民主主義を壊す独裁者だ」と激しく非難するようになりました。
2002年には、ベネズエラでクーデター未遂事件(政府を力ずくで倒そうとする動き)が起きたのですが、「実はアメリカが裏で手を引いていたのでは?」という噂まで流れたくらいです。
その後、2013年にチャベス大統領が亡くなり、後を継いだのがニコラス・マドゥロ氏でした。
しかし状況は良くなるどころか、どんどん悪化していきます。
選挙で不正があったのではないかという疑惑や、国民の人権を無視するような行為が次々と報告されるようになったのです。
そして2019年、アメリカは驚くべき決断をしました。
野党のリーダーであるフアン・グアイド氏のことを「この人こそが本当のベネズエラの大統領です」と公式に認めたのです。
つまり、現職のマドゥロ大統領を「あなたは大統領として認めません」と宣言したということ。
これはかなり異例のことで、ここまでくると両国の関係は完全に修復不可能なレベルまで冷え込んでしまったと言えそうです。
アメリカがベネズエラを攻撃した理由
アメリカは今回のような直接的な攻撃の前に、長い間「経済制裁」という方法でベネズエラを追い詰めてきました。
「経済制裁」とは何かというと、相手の国がお金を稼げないようにいろいろな制限をかけること。
イメージとしては、学校でいじめっ子が「あいつとは口をきくな、遊ぶな」と周りに言って回るようなものかもしれません。
2017年、トランプ政権はベネズエラがアメリカの銀行を使えないように制限をかけました。
さらに2019年には「ベネズエラの石油は一滴も買わない」という全面禁輸措置に踏み切ります。
これがベネズエラにとってどれだけ痛かったか。
なにしろベネズエラという国は、国の収入のほとんどを石油の輸出で稼いでいたのです。
その結果、2013年から2020年までの間に、ベネズエラの経済規模(国全体の稼ぎのようなもの)は約90パーセントも縮んでしまいました。
100あった収入が10になってしまったようなもので、これは壊滅的な打撃です。
さらに恐ろしいのが物価の上昇でした。
2018年には、なんとインフレ率が100万パーセントを超えたというニュースが流れました。
「100万パーセント」と言われてもピンとこないかもしれませんね。
例えば、朝100円だったパンが、夜には10000円になっているようなイメージです。
給料をもらっても、次の日にはその価値がなくなってしまう。
まさに地獄のような状況だったわけです。
アメリカはさらに、マドゥロ政権が海外に持っていた資産を次々と凍結していきました。
2020年時点で、約70億ドル(日本円で約1兆円)もの資産がアメリカの管理下に置かれたと言われています。
そして2025年、アメリカはついに軍を動かし始めます。
海軍を投入してベネズエラの石油タンカーを拿捕(だほ:船を強制的に捕まえること)するという強硬手段に出たのです。
2025年9月以降は「麻薬の密輸を止めるため」という名目で、カリブ海などで船への攻撃を繰り返し、これまでに100人以上が犠牲になっています。
さらにアメリカは、最新鋭の原子力空母「ジェラルド・R・フォード」を派遣して、軍事的な圧力をさらに強めました。
トランプ大統領は「フェンタニル」という麻薬を「大量破壊兵器」に指定する命令にサインしました。
つまり、麻薬問題を「国の安全を脅かす深刻な脅威」として位置づけたのです。
アメリカ政府は今回の作戦を「麻薬テロとの戦い」の一環として正当化しようとしています。
今回の空爆とマドゥロ大統領の拘束は、長年かけてきた圧力の「最終段階」だったと言えるでしょう。
表向きは「人権問題の解決」や「麻薬対策」を掲げていますが、本当の狙いは政権を交代させることだったのではないか、という見方が強いです。
石油利権を巡るアメリカの本当の狙い
ここで、ベネズエラという国について少し詳しく説明させてください。
実はベネズエラは、世界で最も石油が眠っている国の一つなんです。
その量は推定で3030億バレル。
これは世界全体の石油の約5分の1を占めると言われています。
しかもベネズエラは、アメリカからすぐ近くにある国です。
飛行機で数時間で行ける距離にこれだけの石油があるわけですから、アメリカとしては「喉から手が出るほど欲しい」と思うのは当然のことでしょう。
ところが、先ほど説明した「国有化」によって、アメリカの石油会社はベネズエラでビジネスができなくなってしまいました。
「せっかく目の前にあるのに手が出せない」という、ものすごくもどかしい状況になってしまったのです。
この「奪われたものを取り返したい」という気持ちが、両国の対立の根っこにあると言われています。
アメリカに石油を売れなくなったベネズエラは、代わりに中国やロシアに石油を売るようになりました。
アメリカからすれば、自分の家のすぐ隣で、ライバルである中国やロシアが力を伸ばしているようなもの。
これほど面白くない話はありませんよね。
実際、トランプ政権の頃から「アメリカのエネルギーを安定させるためには、ベネズエラの石油が必要だ」という声は根強くありました。
2023年には一時的に制裁を緩めて、アメリカの石油会社シェブロンがベネズエラで仕事を再開したこともありました。
ただしこれは「ベネズエラを助けたい」からではなく、「アメリカ国内のガソリン価格を下げたい」という計算があったと言われています。
ベネズエラ政府は「アメリカの本当の狙いは、私たちの石油や鉱物などの資源を奪うことだ」と主張しています。
専門家の中にも「アメリカが声高に叫ぶ『民主化の支援』や『麻薬対策』は表向きの理由で、本当は石油を手に入れたいだけではないか」と厳しく指摘する人がいます。
自分の国の経済的な利益のためなら、他の国の政府さえも力ずくで変えてしまう。
これが国際政治の冷たい現実なのかもしれません。
もう一つ、アメリカを本気にさせた出来事があります。
ベネズエラがロシア製のミサイルを配備したというニュースです。
1962年に「キューバ危機」という、ソ連(今のロシア)がアメリカのすぐ近くにあるキューバにミサイルを置こうとして大問題になった出来事がありました。
今回の状況は、まさにその再来を思わせるもの。
アメリカが強い危機感を抱いたのも、うなずける話です。
今回のベネズエラ攻撃によって、トランプ政権が「自国の利益のためなら他国への武力行使もいとわない」という姿勢を明確にしたと報じられています。
国際法の専門家からは「国連憲章に違反している可能性がある」「戦争犯罪にあたるのではないか」という厳しい声も上がっています。
近隣の国々も、アメリカのやり方を批判する姿勢を見せています。
国際社会への影響
捕まったマドゥロ氏は現在、船でアメリカに向けて移送されているとのこと。
到着後はニューヨークで裁判にかけられる見通しです。
一国の大統領が、他国の軍に捕まって裁判にかけられる。
これがどれほど異例のことか、お分かりいただけるでしょうか。
要するにベネズエラも天安門事件と同じ事をやってる。
これがマドゥロの部下たちが平和的なベネズエラの抗議者たちを攻撃した方法
これが左派が擁護しているもの。
— より良い日本に🇯🇵 (@shinjihi) January 3, 2026
ベネズエラ政府は国連安全保障理事会(世界の平和と安全を守るための国際機関の会議)に緊急会合を求めています。
国際社会がこの問題にどう対応するのか、世界中が注目しています。
結局のところ、今回の軍事行動には二つの大きな目的があったと考えられます。
- 「石油資源を自分たちのものにしたい」という思惑
- 「自国の安全を守りたい」という考え
この二つがピタリと重なった結果、今回の攻撃につながったのではないでしょうか。
世界最大の石油埋蔵量を誇るベネズエラの資源を、これから誰が管理することになるのか。
かつてのように、アメリカの石油会社が再び力を持つことになるのか。
マドゥロ氏がいなくなった後のベネズエラは、どんな国になっていくのか。
そして中南米地域全体の安全保障は、どう変わっていくのか。
まだまだ目が離せない状況が続きそうですね。
