NO NO GIRLS

HANAがレコード大賞最優秀新人賞受賞のステージと紅白を観て、この娘たちをもうちょっと知ってみたいと思ったのがきっかけで、暇を持て余した正月休みにyoutubeに釘付けになった

HIPHOPとかRAPなんて音楽はわたくしの子供のころはなかったので全く興味はなかったから、こういう出会いがなければ一生偏見と食わず嫌いで聞くことなんてなかったろうな

一年近くに及ぶ長いオーディションをドキュメントする番組を観た感想

・こうやって彼女たちの努力を見続けたらデビュー前からファンは付くので、賢い戦略だなと感心したけど半面あざとい商法だなとも思う

・こんなにもプロの演者になってステージに立ちたいと願う女の子たちがいることへの驚きと、その殆どが地道な下積みの訓練を受けていることに感心する

・このドキュメントで一番感動的だったのは、プロデューサーでありアーチストであり人生のお姉ちゃんであるちゃんみなのマネージメント能力だった。30人の女の子たちをまとめ上げ叱咤激励し成長を促す姿は、理想以上の上司だ。オーディションに落ちた娘一人一人にフィードバックを行い、これからも絶対手を離さないと伝える姿勢は世の中の管理職の人に是非見て欲しいし、真似をしてもらいたい(自分が管理職の頃だったら間違いなく感化されたな)と思う

 

遅ればせながら、ちゃんみなとHANAを今年は応援する。できればフェスとかでステージを見てみたいとも思う

 

 

紅白歌合戦の楽しみ方

 

2025年末の恒例行事は視聴率の改善がみられたと報道されている。せっかく受信料を払っているのだから、これからも質の高い豪華な音楽番組を作ってもらいたい

外野からは、選考基準がおかしいだの段取り通りの進行が不自然だとかいろいろ言われるけど、生放送で四時間半の時間内で全国民にある程度の納得してもらえるテレビ番組作るのは大変だろう

わたくしの楽しみ方はなるべくフラットに全出演者と企画を見ようと心掛けるところから始める。その上で2025年の紅白で感じたことを残しておく

 

出演者で良かったステージは(タイムスケジュール順)

・CANDY TUNEとFRUITS ZIPPERの姉妹グループ:オープニングはこうでなくちゃと思わせる新鮮味抜群。アイドルの役割見せ切った。何しろ可愛い。今年もライブ見たいな

・ILLIT:デビュー曲が優れていたのでそれっきりになるのかと思っていたら、日本人の制作参加でウンザリ加減のK‐POPとは違うテイストに。お歌も上手いし何しろ可愛い

・アイナ・ジ・エンド:この一年で一番株を挙げた歌い手かもしれない。6月にフェスで見た時にも感心したけど、「革命道中」の歌唱は彼女の魅力を最大限引き出した

ハンバートハンバート:朝ドラ「ばけばけ」で知った夫婦デュオの歌世界は、今の日本ではヒットチャートにおいて目立つのは難しいが、良いものは良いと認知させた

・Vaundy:前半の締めくくりを完全に支配した彼のステージは圧巻だった。当初、ぽっちゃり系ヲタクミュージシャンかと思っていたのに、本物のロックシンガーだった

AKB48:周年記念のため黄金期のOGが出演したことが功を奏し、お祭り番組を大いに盛り上げたステージとして記憶に残る。紅白の存在意義はこんなところにもある

・HANAそしてちゃんみな:師弟愛それとも友愛?どちらともとれるコラボに涙が出ちゃう。今後、あんまりK-POPのようなアメリカ(ラップ)化して欲しくないと思う

矢沢永吉:このレジェンドロッカーが元気にシャウトしているうちは日本のロックは大丈夫な気がする。バラードの切なさロックンロールのカッコよさ。最高のステージ

Perfume:永らく一線で日本のテクノポップスを牽引してきた3人が暫くお休みする。何度かライブにも行ったのでちょっと寂しい。歌い終わりの演出に感動するばかり

・米津玄師:テレビでめったに歌唱しない日本を代表するアーチストを見せられるのもNHKの存在価値。途中、HANAが絡むという豪華な演出で記憶に残る紅白だった

松田聖子:「青い珊瑚礁」はやっぱり聖子の歌なんだと再認識させてくれるような歌い納めだった。ベテランの紅白卒業が取りざたされるが、彼女は復帰して欲しい歌手

 

半面、もういいかなと思う出演者もいる

天童よしみ・純烈・氷川きよし堺正章福山雅治三山ひろし水森かおり・TUBE・星野源布施明MISIA

けん玉とかドミノとはとっくに賞味期限切れだし、大物感出す割に変わり映えのしないステージにはもう飽きた。どうせなら石川さゆり郷ひろみの域まで行ってもらえれば伝統芸能かな

 

企画は取り立ててこれと思うものはない。オープニング企画をもうちょっとじっくり見せて欲しかったし、「あんぱん」企画も凡庸だった。その他に感じたのは、ユーミンは本当に歌下手だな(「翳りゆく部屋」は凄く良かったのに)とか、あいみょんとかback number、RADWIMPSのような聞かせるバンド音楽は紅白に馴染まないなとか、前半の人たちに割り振られる時間があまりにも短いのは可哀そうだなとか

 

暇を持て余すお正月三が日、録画した放送をこれからもう一回じっくり楽しもうかな

 

歌合戦とは関係無いけど個人的に一番嬉しかったことは、草津温泉のロケ場面で綾瀬はるかちゃんがわたくしの故郷(中之条町)を言葉にしてくれた事。単純計算で3000万人へ届いたかな

 

 

 

 

 

 

2025クマもびっくり映画BEST10

 

2025年、日本映画界にとっては歴史的な年だった。アニメ一辺倒だった昨今、実写映画の興行成績が半年間も話題になり二十数年ぶりに記録を塗り替えた。それも仕掛けた興行によるものではなく、作品評価が引導して客の足を映画館に向かわせたのが嬉しい

そんな一年、わたくしもコンスタントに映画館に通い目標の本数をほぼ達成することができた。プライベートではいくつかの出来事もあったけど、元気に映画館へ行ける身体とカツカツではあるが経済的な蓄えに感謝しよう

そして、2026年も好きな映画を好きなだけ鑑賞できるよう真摯に生きてゆく。いつもの通り、映画一年の計をベストテン形式で残し、再出発だ

 

①「国宝」

圧倒的一等賞。学生時代からの映画好き友人同士で毎年ベストテンを投票しあっているけど、いつもは僅差で割れる一位が2025年は断トツでこの作品に票が集まった。脚本、演出、撮影、演技のどれもがこの十年来の邦画でも群を抜いていた

②「ふつうの子ども」

呉美保監督作品にはあまり相性が良くないと敬遠していたのだが、この小品には痛く感心させられた。何しろ子供の扱い方がうまい。是枝監督や西川監督並みの子供遣いだと思う。小さな世界を描いているのに語られる奥行きは結構深淵なのも凄い

③「フロントライン」

あのコロナ過に起こった象徴的な事件を題材にしたところが先ずは素晴らしい。今になってみればの感想が、いくつも出てきそうな対応や世間の無知さを描きながらも、社会派ドラマじゃなくてしっかりエンターテイメントにして観せてくれた

④「爆弾」

佐藤二朗の怪演に引っ張られ、ほとんどが取調室の狭い空間なのに深い闇を見せ続けられている感覚。たまに原作より面白い映像作品に出合うことがあるけど、この作品もその一例になった。役者のウエートってやっぱり大きいんだと再認識させられた

⑤「アノーラ」

アカデミー受賞作にしては小品であり性労働従事者を主人公にするなど、最近の傾向とは少し変わっていたかな。往年のニューシネマ時代なら題材になりそうなお話を現代社会に問う監督の真意はわからないが、主演女優の一途な暴走が最後まで観せ切った

⑥「宝島」

映画化した勇気にポイントを幾分かあげたのは正直なところ。終盤のエピソードは原作に忠実ではあるけれど、何でもかんでも謎解きをする必要はなかったと思う。沖縄の人々が根っ子に持っているアメリカと日本に対する言いようのない感情が痛い

⑦「チェーンソーマン レゼ篇」

2025年のアニメは鬼滅映画の爆発的ヒットで盛り上がった。でも作品の質としてはこのチェーンソーマン映画版が圧倒的に面白かった。テレビアニメで観ていたキャラクターが初恋を経てちょっとだけ大人に、そして感情ある人間に成長するところは涙

⑧「ファーストキス」

やや破綻のあるお話もファンタジーとして許せるならば、離縁を決断した冷めた夫婦にも奇蹟は訪れるんだと信じさせてくれる。恋愛感情自体が幻想なのかもしれないが、大人になった今だからこそ寄り添いたくなるラブストーリーだ

⑨「悪い夏」

働けるのに働かず不正に公的資金を受給し続ける不届き者が少なからずいるらしい。この作品はそんな輩と生活保護を判断する小役人の戦いを小気味よく描いている。ただし、正義は勝つ的な教科書映画ではなくてダークなストーリーが良く出来てた

⑩「旅と日々」

三宅唱の監督作品なので期待が大きすぎた。中毒性の高い、つげ義春の原作漫画に軸足を持っていかれたように感じた。不条理で結末のない話だし、二つの違うエピソードで作られていたのも影響しているのか。新境地といえばそうなんだろうが

番外

「室町無頼」の痛快時代劇、「この夏の星を見る」に登場するコロナ過の青春、「てっぺんの向こうにあなたがいる」「東京タクシー」は小百合さん千恵子さんが健在だ。「でっちあげ」の怖さや「サンセット・サンライズ」の地方賛歌も忘れられない良さがあった

 

個人的に優れた仕事だと思ったのは下記の通り

監督 李相日(国宝) 的確で力強い映画作り

脚本 奥寺佐渡子(国宝) 3時間の脚本をまとめ上げた才能

主演女優 マイキー・マディソン(アノーラ) 米映画女優の底力

主演男優 吉沢亮(国宝) 美しく切ない力演

助演女優 龍内公美(ふつうの子ども) ぶっ飛んだママを軽妙に演じる

助演男優 横浜流星(国宝) 美しく切ない力演2

注目 嶋田鉄太(ふつうの子ども) 将来楽しみな子役

   黒川想矢(国宝)(この夏の星を見る) クリアな存在感

 

家族のベスト10

 

 

2025下半期アニメ

夏から年末にかけて配信で観たアニメの中から自分の感性に合ういくつかをメモしておこう

 

タコピーの原罪

 

一番衝撃的だったのは、可愛らしい絵柄からは想像できないほどに子供たちの悲劇を扱った「タコピーの原罪」。親の身勝手な行動によって被る子供たちの苦しみが痛いほどに描写される。異星人であるタコピーには人間のエゴイズムと残虐性が理解できない。そのフィルターを通すことで客観性を生む仕掛けになっているが、倫理観の一線を越えてしまう物語はアニメだからこそ(子供も観るでしょう)禁忌に触れたように思う。気に入った作品は最初から二度観するのが通例だけど、この作品だけはリピートできないでいる

 

次の4作品はどれもがⅡ期以降のシリーズ物。流石に面白さは折り紙付きな作品ばかりだった。原作の結末まで描かれてはいないので、今後も引き続きアニメ化を望む

 

 

「怪獣8号」は敵の怪獣が組織化され一層強くなってきた。対する防衛隊もキャラクターが増えて多様化している。主人公の幼馴染であるミナ隊長の出番が減ってしまったのが残念

「その着せ替え人形は恋をする」のヒロイン海夢ちゃんの魅力はそのままに、こちらもコスプレ仲間が増えてゆきエピソードが広がっている。ジュジュ様との絡みがもっと見たいと思うけど、学園祭やイベントを経ながら五条くんへの恋心にトキメク様が可愛い

「ダンダダン」Ⅰ期ではぶっ飛んだ設定とキャラクターに違和感を感じていたが、モモがオカルンに寄せる思春期の恋心がなんだか切なくてグンと身近なお話に思えてきた。今までの登場人物を活かしながら次々と展開する不思議な世界を早く観たい

「スパイファミリー」の世界観を深堀するようなⅢ期。笑いとシリアスなエピソードがバランス良く配置されてた今までとは若干違い、ロイドの少年時代に起こった戦争の記憶が生々しく描かれ物語に深みが加わった。バスジャックの挿話も秀逸

 

薫る花は凛と咲く

 

絵の美しさと学校格差が激しい男子校女子校のギャップに惹かれて観始めたのだが、いつしか二人のピュアな恋物語を応援していた。見てくれの厳つさとは正反対な優しい男の子は、隣りにあるお嬢様学校に通う女の子に恋心を抱くが、格差にひるんでなかなか前に進むことができない。その実、男の子の想い人の女の子はずっと前にケーキ屋の店頭に立つ彼に夢中になっていた。じれったいすれ違いも、お約束ながらキュンとさせてくれる。取り巻く友人たちも巻き込みながら二人の恋は少しづつ花を咲かせてゆく

 

アン・シャーリー

 

恥ずかしながらこの歳になるまで赤毛のアン若草物語を混同していた。京都アニメーションから独立した山田尚子が柔らく描いたオープニングとエンディングに癒されながら、世界的に有名なアンの物語をアニメで観る。孤児だったアン・シャーリーが、グリーンゲイブルズの豊かな自然と温かな人間社会の中で成長してゆく姿を2クールで丁寧に描いた。やっぱりNHKはドラマだけじゃなくアニメも手抜きになることはなくしっかり仕上げてくる。このアニメに触発されモンゴメリの原作も読んでしまった

 

矢野くんの普通の日々

実写映画をアマプラで観たのだが演技も脚本も学芸会レベルで感心しなかったのだけど、アニメは漫画チックになりすぎず怪我ばかりしている矢野君に吸い寄せられるように恋心を募らせる学級委員長の清子ちゃんが可愛い。もう大昔のことだから正しい感覚なのかは責任持てないけど、思春期の頃の好きになる感情って平穏な日々に起こるちょっとした変化がポイントになる気がする。両想いになった二人がいつまでも仲良しでいられる世界であって欲しいな

 

 

 

 

 

 

 

 

2025秋ドラマ終了

期待した大御所の作品がことごとく外れたシーズンだった

今一番優れた脚本家だと思っている野木亜紀子さえ凡作を書いてしまう。岡田恵和の安定感もありきたりにしか思えずリタイアしてしまったし、三谷幸喜に関しては録画はしているもの未だ一話も観ていない

そんな中、NHKの大河と朝ドラは楽しんで待ち焦がれた

 

「それじゃ、あんたが作ってみろよ」

題名がそのまま序盤を言い表していて、笑いながらも身につまされ何時しか主人公の二人を応援する気持ちが膨らんでゆく作り方は良くできていた。竹内涼真夏帆の取り合わせってどうなんだろうと思っていたが、二人が本音で語り合えるようになってからはとても自然体でナイスな連れ合いになれるんじゃないかと思ったのだが・・・。結末はテレビドラマとしてのすっきり感はなかったけれど、現実としてはああなんだろうな。恋愛が形通りに嵌まって結婚という結末を迎えるわけじゃない。どちらかと言えば恋愛に発展することなくすれ違ったり無関心だったりの連続が日常なのだ。いい歳こいて自分の殻を打ち破ったり、非を認めてやり直そうとするそのチャレンジを描こうとしたドラマだと思うし、そこに評価のポイントがあると感じた

 

「ちょっとだけエスパー」

野木亜紀子のオリジナルSFドラマだから、テレビ朝日制作の不安はあっても笑ってちょっとだけホロリとさせてくれるんだと期待していたのに。複雑になるタイムパラドクスに辟易して人物像の上澄みだけのドラマになってしまった。大泉洋宮崎あおいの偽り夫婦が本物の愛情を育てていく筋書きになっていたならすんなり入り込めただろうに。名手といえども迷走したシナリオを書いてしまうこともある

 

「ザ・ロイヤルファミリー」

単純に競馬のシーンは楽しめるのだが、如何せん知識が無いものだから馬の血統がどうだとか日高の馬にこだわる意味とかがまるで分からず、その意味では面白さの半分も理解できていないのかもしれない。やっぱり気になったのはお金持ちの道楽としてしか思えない主人公を取り巻く環境。馬が勝とうが負けようが馬主の懐が痛むことなどないのだと思うと素直に感動はできない。松本若菜が良い女優として成長したなと感心したけど

 

「べらぼう」

横浜流星の器をまた一回り大きくした一年だった。小芝風花福原遥の花魁はそれまでのキャラを裏切る設定にもかかわらず飛び抜けて魅力的で、この二人も大河ドラマを通過することで役者の風格をあげた。蔦重の奥さん役で存在感を示した橋本愛も難しい役回りをしっかり演じきった。戯作者や絵師の面々も個性的で愛すべきキャラクターばかりで楽しめた。幕府の政治的なやり取りにいささかウンザリするところはあったにせよ、大量の登場人物を縦横無尽に対置し楽しませてくれたのは流石だ。森下佳子の脚本は初期のころから大好きだったけど、切った張ったのない大河ドラマを緩急つけながらやり切る度量に改めて感心する。そろそろ映画作品でも傑作を書いて欲しいと思う

 

「ばけばけ」

高石あかりが良い。脚本のリズムが軽妙なのも最近の朝ドラの中でも頭抜けている。前半の最終話、ヘブン先生への思慕に気付き涙するトキの涙にこちらも涙腺が緩む。宍道湖の夕陽の中で手をつなぐ映画的な絵はすこぶる美しかった。泣きすぎて出社時間が20分も遅れてしまうほど・・・。これから夫婦になって怪談を介しながら失われた日本の面影を演じてくれるのを楽しみに待ちたい

 

 

2025年テレビドラマ総括

 

今年一年は優れたテレビドラマが少なかったのかそれともわたくしの感性が鈍ってきたからなのか、途中リタイアする作品が多かった。我慢強く最後まで観れば面白くなったドラマもあっただろうけど、そういう我慢も段々できなくなっている。残念

その中でもこれは忘れたくないなと思う作品にも出会えたので、忘れないように書き記しておこうと思う

 

冬ドラマで笑えたのが「ホットスポット」同じ枠で以前放送された「ブラッシュアップライフ」に似た笑いが毎回楽しみだった。バカリズムの突拍子もない脚本を役者たちが嬉々として演じているのが手に取るようにわかる。彼の脚本はプロの脚本家にはまねできない独特の笑いに対するセンスがあるから今後も唯一無二な存在となりそうだ

大河ドラマの「べらぼう」も森下佳子の脂ののった骨太な脚本に、NHKならではの贅沢な役者とセット演出が惜しげもなく使われ見ごたえ十分の作品になった。勢いのある横浜流星、意外性のあった小芝風花福原遥たちの若手が光った

「御上先生」は学園ドラマの定石を覆す設定で、熱血先生と落ちこぼれ生徒の暑苦しい関係性とは一線を画すものだった。官僚からの出向で優秀な生徒ばかりが集う学校の先生に松坂桃李が扮し、生徒に自主的な解決方法をゆだねながら成長する様が異色だった

シリーズ3作目の「続・続 最後から二番目の恋」は年を経て、人間の変化を感じさせながら定年退職し新しい自分の人生を見つめる大人の物語になっていた。小泉今日子中井貴一の掛け合いはドラマ史上に残る名演だと思う

芳根京子のキャラクターに合わせたような昭和初期の可愛らしい新妻と青年将校の夫がキュンとさせてくれた「波うららかに、めおと日和」は、期待していなかっただけに今年の拾い物か。ありきたりなラブストーリーでも設定次第では佳作になる

医療ドラマの「19番目のカルテ」はもう少しエピソードを積み重ねて総合診療という新しい医療の在り方を掘り下げて欲しかった。それでも松本潤の肩の力が抜けた医師が患者の話を聞かせてくださいと問う姿にあいみょんの歌声が被るシーンは良かった

 

脚本 「ホットスポットバカリズム

プロデュース 「波うららかに、めおと日和」三竿玲子、宋ハナ

演出 「べらぼう」大原拓 他

主演 「続・続 最後から二番目の恋中井貴一

   「波うららかに、めおと日和」芳根京子

助演 「ホットスポット角田晃広

   「べらぼう」小芝風花

注目 「あんぱん」「ちはやふる めぐり」原菜乃華

 

アートは職人の技術とともに

 

大河ドラマ「べらぼう」が好評のまま大団円を迎えた。稀代の版元に集う絵師たちの作品が浮世絵として庶民にも流布される様子が活写されていた

先日、新百合ヶ丘まで観に行ったドキュメンタリー映画は、その「べらぼう」に登場する浮世絵を制作しているアダチ版画という会社で日々奮闘する人々の姿を捉えたものだ

手先も不器用で性格的に細かいことをコツコツ続けることができないわたくしには絶対できない仕事の一つだと思った。やってみれば存外難しくはないのかもしれないが、何でいくつも版を重ねるのに絵がズレたりしないのだろう?そんな小学生が抱く疑問程度の知識しかないから、より一層黙々と彫り摺るを繰り返す職人たちを羨望する

「べらぼう」で活躍する歌麿写楽(複数人?)は結局、デザインを忠実に再現してくれる彫り師と摺り師がいなければ大衆の目に晒されることはなかったことに気が付く。300年後の現代アートでも、映画に登場する草間彌生ロッカクアヤコはじめとするアーチストが生み出した作品を版画にして再生複製してゆく過程が面白い

松本貴子監督の過去作と共通しているのは、芸術に向き合う人の狂気じみた思い入れと市井の職人の嬉々とした目線だ。前作「掘る女」の制作裏話で聞いたのだが、縄文土器を発掘している人にスポットを当ててたら面白いおばちゃんがいっぱい居て、必然「女」を撮ることになったとのこと。今作もアーチスト含め数人の女性を中心にエピソードが積み重なる。アーチストの難題に向き合う若き女性摺り師たちの苦悶や、出産を控え暫く現場を離れる彫り師の未練をカメラは切り取っていた。この掴みは松本監督のセンスが光るところだ

 

たった一つのアートを版画による複製で庶民の手に届きやすいものにするのが江戸の浮世絵だとするなら、現代行われている版画とはいったい何なのか。今この技術を継承している職人は50人くらいしかいないそうだ

映画の終盤、中堅の彫り師にインタビューするシーンがある

Q.これからの版画はどうになる?

A.現代アートで求められる(彫る)線と、江戸浮世絵の線は違う。どこに進むべきなのか・・・

暫くの間。  彫り師は解答を出せないでいた

 

ラストカット

地方の街で自宅を作業場にしているママさん摺り師の下に小学校から子供が帰ってくる。明るく出迎える母の目線に映る子供には、意図してか偶然かはわからないけどピントを合わせていない

この業界の行く末を暗示したメッセージと捉えるのは早計だろうか

 

雪の朝

 

14日に映画監督の友人がわたくしの郷里で自作の上映会とトークショーを開催した

町主催の催し物だし、老人しかいない過疎のホールにどれほどの集客があるのか心配していたが、七割がた座席も埋まりほっとした

夜は幼馴染が経営する四万温泉の旅館に宿をとり、贅沢なお料理に舌鼓を打つ

昼は曇りだった空も晴れて、オリオンがくっきり輝く夜空だ

 

 

朝起きてこの雪景色

バスで麓のJR駅までおりれば雪のカケラさえない。ほんの10kmくらいの距離と高低差300mが旅の感情を変えてゆく

 

 

2時過ぎに横浜に着くと、ダウンジャケットは邪魔になる陽気

あの雪の朝は一体何だったのか

遠い北国の人を想う

 

ガールフレンド

先週、たっくんのガールフレンドがおうちに遊びに来て、オトウサンのご飯が食べたいという。そりゃ嬉しいことで何つくろうかと悩んだ末、オーソドックスな家庭料理にした

それというのも、お友達は韓国から来る娘でまだ18歳らしい

ポテトサラダ、卵焼き、大根と豚肉の煮物、鶏もも肉のトマト煮、四種の握り寿司、トンカツとお味噌汁

どれも美味しそうに食べてくれた

時代は正しくグローバル化している。次男のガールフレンドは韓国の女の子で片言ながら日本語を話し、たっくんはわたくしの日本語をハングルで通訳してくれる。長女は一年前から会社の転勤でニューヨークに単身赴任中だ

自分の子供たちが違う言語を操り他国の人々とも垣根なく行き交う様をわたくしは想像もしていなかった。誇らしい気持ちであり、ちょっぴり羨ましくもある

たっくんのガールフレンドから頂いた手土産に書かれた日本語は、一生懸命さが伝わってきてホロリと泣ける