本というものは、ある意味凄く便利で、自分の読みたいものを読む事が出来ます。世の中には、あらゆる本がありますから、それらの中から上手く自分の求める本を見つけ出せたなら、今自分が足りないと感じている事を、その場で満たしてくれるわけです。
人は、日々不安を抱えていますから、その不安をどうにかしたいと思ったら、それを解消してくれる本というものが、どこかにあるわけです。後は、その本を何とか見つけ出して手にするわけです。それを手に出来れば、心は少し落ち着くわけです。
今の自分、あるいは、未来の自分に不安を抱え、今の自分では、それらの不安をどうにも解消できない、そういった事を、ある意味、代替的に、本が上手く説明してくれるわけです。
それで、ホッとして、不安な未来を、読書によって埋めてくれて、それで、何とか今を生きる事が出来るわけです。
確かに、本はそのような機能を持っていて、様々な自己啓発本も、今の自分の足りなさや不安、未来へ向かって生きていく為のモチベーションを支え、埋め合わせてくれるという意味で、本とはそのような使い方というのがあるわけですが、それだけではないわけです。
本には本そのものの面白さがあって、著者の知った事や考え、思いが詰め込まれているはずで、それそのものにフォーカスする事も大切です。というか、むしろ、そちらの方が大切で、自然です。
読書とは、確かに自分の為に読んではいるものの、自分の不安な気持ちをただ解消する為の、その意味で、自分の為だけで読むものではなくて、著者が言っている内容について、読んで考えて理解しようとするものであります。
その意味で、読書とは会話に似ているかもしれません。会話とは、相手に何かを語らせて自分を安心させ、気持ち良くするわけではなくて、相手の話を聞いてちゃんと受け取ってはじめて成り立つものです。
読書も、それと同じです。
確かに、最初は、本を、自分の不安を埋め合わせようとして手に取るのかもしれません。ですが、自分の事ばかりにならずに、本そのものにフォーカスすべきです。
本は、ただ自分を慰めるだけのものではありません。それそのものに面白さがあり、考えるべきところがあり、その意味で、得るものがあるわけです。
以前に自分が知らなかった事が、読書を通して、新しい事を知り、考えるきっかけになるのです。読書以前の自分から、新しい自分になるんです。
読書には、もっと深みがあるんです。