先日はAT&Tが綺麗に改修した物だったが、やはり気になるのは、元の部品がどんな物で、どの様な構造なのか。
それが知りたくなって、eBayで買った。
品物よりも送料の方が高価という具合であるが、知りたい欲求の方が勝っていて、価格はどうでも良かったというのが本音。
とにかく、綺麗に化粧直ししてあったり、動作品という文言の物はパスして、派手に損壊はしていないが、動作はしない。という物限定で、半世紀は誰も触っていなさそうな物を選んだ。

出品の写真は正直、写りが良い(笑)


現物は思ったよりも時間経過を感じさせる。
いやいや、それで良いのであるが、この子は“写真写りだけは良い”という事であろうか(笑)
それよりも、中が見てみたい。その後で手入れして実用的かやってみよう。

トランシーバーを見たら、FEDERAL TEL&TEL. CO. BUFFALO. NY. USA. とあるので、ハンドセットはDanish、KTASの物では無かった。
フェデラルは1920年代に内線電話を作っていた様である。
同じ様なデザインなので、具合が悪くてて交換したのだと思う。
それでも、より更に古そうなので、これも実用に耐えるのか不明。
専ら、売主はニュージャージーだったので、そこでアンティークショップをやっているのかも知れない。
珍しく手書きの伝票が入っていた。

これもまた古風な感じで良い。

ダイヤルはデンマークの元の儘。
AEの構造其の儘と言った具合。

どうやって動くのか見てみたかったカウンターも付いている。
9000カウント以上している物が多い様に思うが、これは98回。あまり使っていない事は無いと思う。
1930年代だからもう90年も経っていて、何人の手に渡ったか分からない。98回というカウントはあまりにも少な過ぎる気がする。
9999回を越えて0へ戻った可能性も考えられる。


開腹。
リセットボタンはない。通電すると進むだけだ。それは動かさなくても分かる。

不思議な割入りの付いた筒が寝ている。
これは何だろう?
コンデンサか?
ps:500の刻印があって、導通を調べたら抵抗器だった。実測502Ωとかなり高品質。
これはWEの38Resistorと同様な物だと思う。巻線。
WEの38抵抗は膨大化している物が多いが。

カウンターには、ケース開封防止に棒が入っていて、末端を刻印押して潰されていたが、見てみたいので潰しを元へ戻して開けた。
ソレノイドの所謂普通のカウンターだ。
リセット機能はない。

本体裏面を開けて驚いた。
ループコアの旧式なトランスが入っていた。
これは初期のWEもやっていた方式で、おそらくこれも針金鉄芯だと思う。
何セクション巻きかは定かではないが、四分割かしているかも知れない。
所謂トロイダルコアと同じであるが、これはとにかく古い形式。
横の大きい黒い箱はコンデンサだ。
何μFあるか分からないが、そんなに大きくは無いだろう。後で調べる。
黄土色のフィルムコンデンサは新しい。これは継ぎ足したのかも知れないが、古いコンデンサの方へも線が入っているので、交換ではない様子である。

ダイヤルを見てみる。
全体的に内部の状態はとても良い状態に保たれている。
AEの構造とやはり同じであるが、古いAEのダイヤルは、指を離した瞬間にバックラッシュがあって、バタバタとするので、バタダイヤルと言っているが、これはバックラッシュ無しである。
WE同様である。
昔の持ち主が給油をしたのか分からないが、緑色になっている。

これは原型なのか分からないが、ダイヤルは交換したのかも知れない。
ベルもハンドセットもニッケルメッキの様なので、原型のダイヤルもニッケルだったかも知れない。
白いペイントが歯車にも塗れてしまっていて、これは具合が悪そうだ。
速度的には出ているが、巻き上げが重いので分解掃除する。
逆転で空転するはずが、起きないので、常にガバナが連結している。

IPAに漬けておく。

時間が経ってからブラシで洗った。
ペイントは落ちた。これで良い。
他の部分も洗う。

燻んだ金の色の儘でも良かったが、磨いたら綺麗になったので、バフを当てたが、今度は桃色になってしまった。
どうやら銅板の様?

こちらは金色で白いが

一部は銅色に。
全体的に銅色になったが、金メッキの層は薄かったのか、それとももう既にかなり磨いている事もあって薄くなっていたのか分からないが、元へ戻そうと思えば、金メッキをすれば良いだけの話なので、今はピンクゴールドな具合で良しとしよう。

指止めも磨いたが、内側の指止め部分が折れている事に気付く。
その断面が金色なので、これの素地は真鍮だと思う。

金色の後に桃色にはなるが、それを越えると真鍮の白い色になると思う。
銅メッキをして金メッキを施したのかな?perhaps。

接点はそんなに悪化していなかったので、使おうと思えば使えそうだ。
ただコンデンサが漏れているとなると、誤作動を起こして送信出来ないので、その辺り調べる事にする。

ループトランスの帯に、AUTOMATICの文字が見えたので、AEが供給したトランスの様だ。
デンマークではトランスは作ってないのか?
Jorgen Schou(JS)がデンマークだが、古い物を探しても1950年代よりも前には遡れない。
ちなみに、ドーナツ型のこのタイプは、ハンガリー、Ganzが古い様だ。
もしかすると、1920年代、或いは1930年代はデンマークでは電話向けトランスは作っていなかったのかも知れない。
多くを知らないので、分からない。


回路を調べたら、この大きい黒いコンデンサとマスタードはパラレルに入っていたので、黒いコンデンサは容量が無くなっているのかも知れない。

絶縁を確認したら問題ない。
何時もの絶縁計は500V出るので、流石にこの古さのコンデンサに500Vを印加すると壊す可能性が高いので120Vにしたが、着信でベルが鳴っても100V程度なので、それに耐えられたら良しとした。
容量を測ったら、こんなに大きいのに、0.38μFしかない。
2.30とスタンプが押してあるので、2.3μFだったのかも知れないが、幾らかのセクションが切れた可能性も考えられる。
恐らくWEの様に、0.5μF程を何個か並べて容量を大きくしていると思う。
解体してみないと分からないが、解体すると壊す可能性が高いので、やめておく。
それで、マスタードは0.45μFだったので、1μF程度になる様に調整した様である。
このマスタード色のコンデンサは、電話屋が供給した特殊表記の物なので、素人が交換した物ではない。

前オーナーは手動交換機を上手く使っていたのか、それともパッチ盤を使っていたのか分からないが、マニアかも知れない。
ちなみに110番ではなかった。


ホーンはエボナイトなので、これは磨いてやる。


綺麗なものだ。


同じくエボナイト。
黒く戻る。

これでミテクレは良くなった。

カーボンマイクを試験する。

自らの声をループで聞くので、音量がどれ程あるか、上回らないと判別が難しいが、増幅は無いので、増幅度は1か、電線の損失で1以下である。

ガサガサとはしていないが、音が小さいのは分かる。


内部には防湿の多分セルロイドが入っているが、これは共鳴板にもなっている事が分かった。
試しにアルミ。
これはもっと厚みがないと上手く行かなかった。

次いで燐青銅。

これは今一番良いので、これを切って使う事にした。

戻す。

通話試験をすると、WE等と比べて音が小さい様だ。
まだ改良の余地がある。
暇を見て他の振動板でも実験してみる。

こちらも緑青が出ているので、磨いておく。




サビが出ている部分は、メッキ下が出ているので、再メッキが必要であるが、味としておく。

L2の回線が外側に来ているので、下手に色々と触ると感電するかも知れない(^ω^;;)
昔の電話器はそんなものだ。
デルビルを使っていた頃は、蝶番とトランシーバーを触ると感電した。どちらも端子なのである。
ベルが大きいので、なかなか低い良い音がする。
仏壇の鈴と一緒かも知れないが(^ω^;;)

使用回数計も活かした。

ダイアルのアルファベット、順に追うと、C,J,Q,W,Zがない。
これはどういう意味なのか?
発音が送話するのに難しい発音をするのかも分からない。それで抜いている可能性も考えられる。

アメリカの仕様ではA〜Z迄あって、抜けたスペルはない。

とりあえず、これにて上りにする。
なかなか良い質感だ。